桜庭一樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレとにかく出だしが最高なので何があっても最後まで読むと決めた。「わたし、川村七竈十七歳はたいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった。」
語り手を話ごとにスイッチしていく方法をとっていたり、雪や七竈の情景描写を比喩としたり、遺伝子的に現れ等、最後まで面白く読ませる工夫がたくさんあって流石と思いつつ、何と言っても古風な言い回しが平成九年生まれの私にとっては滑稽のような洗練されているような不思議な面白さを味わった。
私は川村七竈のように美しい、かんばせ、を持つ人間ではないけれど何だか世間に対する怒りを特に思春期の頃に抱えていて、そういった感情を引っ張り出させてもらえるような力強さがこの作品にあると思う -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本は最初のページに主人公の友達となる藻屑が死ぬことが書かれていて、もうここでそんなこと書いちゃっていいの?って驚いた。話の最初は(藻屑、、すごい子だな)とだけ思いながら読んでたけど、話が進んでいくうちに亡くなってしまうこと自体は最初から分かっていたのに最後物凄いショックを受けてしまった。(嫌だ死んでないよね、生きていて!!!)とまで思うくらいに藻屑がおかれている家庭環境や過去の辛さが読み進めていくうちにボロボロと明らかになってきて悲しくなった。この物語の主人公なぎさも普通ではない家庭環境で暮らしていて、そんな2人が出会ったことが作中の唯一の救い、また奇跡だったと思っている。2人が出会えてよ
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Posted by ブクログ
切実な痛みをもった、女子中学生が主人公の青春小説です。
読んだあと、切なくて苦しくて悲しくてたまらないのに、なぜか爽やかな気持ちになりました。
主人公のなぎさには引きこもりの兄がいて、不思議な転校生の藻屑は、父親に虐待を受けています。
藻屑の抱える苦しみ、なぎさの抱える悩み、幼さの中に見え隠れする深い絶望とかすかな希望。
この物語は、藻屑という不幸な少女の、やるせない人生を描く鬱物語なのか。
それとも、藻屑との出会い、交流をとおして、痛みをともないながら残酷に成長していく、なぎさの切ない青春物語なのか。
それとも、運命に抗い戦った、あまたの少年少女たちに捧げる、暗く哀しい救 -
Posted by ブクログ
親愛と性愛の重なり合い、言語化されるのが躊躇われるような情緒を、これ程に巧みに表現できるのは凄い。
しっかりと気持ち悪いが、花の気持ちに理解できる部分が多いのも、また歯痒くて悲しくて苦しい。
時を経ていくにつれ、純真でただ愛しかった互いの存在が、共依存のような退廃した関係性になっていくのがキツくてたまらない。
「生きている意味とは」を、ふっと考えさせられる作品。当たり前に生きることは、こうにも難しいのか。
桜庭一樹さんは、心理描写、情景描写ともに文章があまりにも上手すぎる。冒頭フィジーのエメラルドの海が、読み進めるほどに「中身のないバカみたいな美しさ」の対比を効かせてくる。
ああ、ふ -
Posted by ブクログ
直木賞受賞作
『私の男は、ぬすんだ傘をゆっくりと広げながら、こちらに歩いてきた。‥‥傘盗人なのに、落ちぶれ貴族のようにどこか優雅だった』
40才になる腐野淳悟
結婚直前の養女、花
この2人には何かある
そう思わせる冒頭の文章
もうここから引き込まれていく
凄い話なのになんだか
美しささえ感じてしまう
以前「赤朽葉家の伝説」を読んで
すっかり好きになってしまった
桜庭一樹さん
でもこの小説はまた違った
魅力がある
最後まで謎があって
想像が止まらないのも良い
今後の2人がどうなるのかも
謎!
腐野 (くさりの)なんて名前も
ふざけてるし‥
『おまえが、濡れるといけないと思って。花』
こ