桜庭一樹のレビュー一覧

  • 女殺油地獄

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    ネタバレ

    近松門左衛門、人形浄瑠璃。
    油屋の息子、与兵衛、放蕩の末に殺人まで犯すお話。

    桜庭一樹と、表紙に、惹かれて購入。
    殺人場面の油と血の表現が、衝撃的。
    恥ずかしながら、近松門左衛門、あまり知らなくて、、、
    なるほど芝居の台本みたいな感じなのね、と。
    映像やら舞台やらにもなっていて、それぞれの演出により解釈が異なってくるというのが面白い。
    実際の事件を基にしてるというのも、なかなかエグイ。
    当時はそういうの、普通にあったのだろう。
    怖いよな、人間って。

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    2025年08月03日
  • 読まれる覚悟

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     ひとつの作品に対して、自分だけであれこれ思うだけでなく、他の方の感想や書評、批評も読んで、さらに考えを深めたり、ひいては世界のことを知りたい、と思っている。
     これまで、読む側の態度について考えたことはあっても、「読まれる側」について考えたことはなかったので、新しい読書体験だった。「作者=神」だと思ってたので、その繊細さにも驚いた。
     しっかり読み込めた手応えがないので、また読み返したい。

     文壇にも差別があるのか、と暗澹たる気持ちになる。

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    2025年07月21日
  • 少女七竈と七人の可愛そうな大人

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    大好きな桜庭作品。こちらも10代の時に単行本で読んだ。美人が故に他人に放っておいてもらえない人が主人公。文章が綺麗。実家にあるのでまた読みたい。

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    2025年07月17日
  • 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet

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    初めて読んだ桜庭一樹さんの作品。ここから桜庭一樹さんにどハマりする。10代の時に読んでおいてよかった。

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    2025年07月17日
  • 私の男

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    ネタバレ

    2日で読み終え、そのあと二回読み返しました。
    1回目はそのまま読み、2回目はもう一度初めから読み返し、3回目は最終章から前の章へ、時系列を逆にして、、、。それくらい衝撃的な話でした。自傷をするような感覚で読み返しました。

    (以下自分語りになってしまいますが、、)
    私も父子家庭、不完全なDV家庭で育ち(性的虐待はなかったが)歪んだ愛というものを痛いほど思い出しました。
    日常的に手をあげていながら、機嫌のいい時には「お前は俺の嫁だよ」「お前のことは命に変えても守るからな」と言う父でした。覚醒剤依存で何度も捕まり、睡眠薬のオーバードーズで自殺未遂をするなど、不安定で依存しやすい性質の父を思い出し、

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    2025年07月13日
  • 赤朽葉家の伝説

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    鳥取の製鉄業を営む旧家に生きる女性三代の話
    千里眼の祖母、漫画家の母、そして何者でもないわたし

    目次で
    第一部最後の神話の時代
    第二部巨と虚の時代
    第三部殺人者

    とあって、第三部の最後の女性は殺人を犯してるのかと思っていたら違った

    第三部では平成の世代で
    自分の在り方に悩みながらも孫が祖母の最後の言葉を探っていく

    女性三代を通して
    高度経済成長、ハブル崩壊、平成へと移る様子
    女性たちの生き様
    周りの人たちとの関わり
    すべて描写されていて…圧巻

    読者を飽きさせない
    読後感半端なかった
    私にはかなりおもしろかった

    最初は字が少し小さいなぁ…読めるかなぁと心配だったけどサクサク読めた

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    2025年07月11日
  • じごくゆきっ

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    マイノリティに刺さる物語を書くことに長けた作家さんだなと改めて感じた一冊
    高校生の女の子が副担任の女性に囁かれたある一言で恋と共にじごくに落ちた時の「クラリとして、かなしくなって、私はたちまち、落ちた」この一文凄く素敵。この一説はほんためのあかりんが紹介していて、聞いた瞬間に惚れて書店に走った笑
    絶対地獄に落ちると分かってる恋。そんな恋に落ちる瞬間をこんなラブリーに表現出来る作家さん中々いない

    50年前に一世を風靡しスキャンダルによって姿を消した人気アイドルA。Aが消えてからアイドルという存在が1人も出てきてない日本で、再びアイドルを誕生させる為ある計画を実行する「A」という物語も良かったで

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    2025年07月03日
  • 赤朽葉家の伝説

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    文庫本の小さな文字にも負けずに読みました。
    それほど面白くて…

    あとがきがまた興味深い。
    この作家さんのはもっと読みたいと思いました。

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    2025年06月24日
  • 彼女が言わなかったすべてのこと

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    ネタバレ

    コロナがある世界とコロナが無い世界のパラレルワールドを、あるキッカケでLINEだけ繋がる事が出来た2人の話し。
    主人公の波間の世界はコロナが無く、オリンピックもそのまま開催される。乳癌を患っていて治療を続けている。
    友人の中川君の世界はコロナがあり、現実に実際起きた事なんだけど、コロナが終息した今読むとそんな世界本当にあるの〜と思う波間の気持ちにも時々なってしまった。

    乳癌の治療や心情がリアルで、表立って本当の気持ちを話す人はあまり居ないから癌サバイバーの方は良くも悪くも色々思う所があると思う。

    波間の言う、言いたい事があまり言えなくなる気持ちに共感した。
    自分が良いと思ってる事でも、その

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    2025年06月23日
  • 赤朽葉家の伝説

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    今まで読んだことのないタイプの小説で初めはなんだろこれと思っていたが、50ページほど読んだところでこれは面白い!と思い始めて一気に読んだ。

    この一冊に一つの世界が詰まっている、閉じ込められているように感じる。スノードームのような錯覚。と思っていたら3部目は一挙に外に飛び出して、しかもミステリー持ってくるか!純粋にエンタメとして大変楽しめました。

    著者もこれを書いているときは楽しかっただろうなと思ったら、あとがきにそう書いてありました。

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    2025年06月22日
  • 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet

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    2人の少女の悲劇の物語であり、救いの物語でもある
    これはきっと自衛のための戦争であり、砂糖菓子の弾丸を手に取り必死に戦おうとする姿が印象的でした。
    山田なぎさと海野藻屑は全く違う人物だけど、山田なぎさはきっと海野藻屑だったんだと思います。
    強烈な醜さと美しさを纏った作品でした。

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    2025年06月17日
  • 名探偵の有害性

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    話のテンポが良くて現在と過去の事件の掛け合いが面白かった
    ラストがなかなかセンチメンタルで良かった。

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    2025年06月07日
  • 私の男

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    最っ高に気持ち悪いけど、創作だからこそできることなので私は大好きな小説。不穏、夏の湿度、冬の海の冷たさが文から伝わってくる。ひらがなが甘ったるさと嫌な湿度を助長してて日本語の妙を感じる。現代(結末)から過去(初まり)に遡るので、幼少期のはなが語り手である最終章は最後はああなっちゃうのにね...と泣きながら読んだ思い出。

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    2025年06月07日
  • GOSICK ──ゴシック──

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    思い出の中学時代の本です。ダークファンタジー系ですが、ボーイミーツガール系でもあります。

    あらすじ

    第一次世界大戦と第二次世界大戦の間の静けさの中、ソヴュール王国には一人の日本人留学生久城一弥が変わり者の天才、ヴィクトリカ・ド・ブロワの元へ通い詰めてプリントを渡していた。ある日村で占い師が殺されたという知らせを受けて困り果てた警部がヴィクトリカに助けを求めてやってくる。見事にその謎を解き明かしたヴィクトリカは久城と共に警部に誘われたクルーズ船で船旅を楽しもうとするが…。


    何度も何度も読み返したため正直真新しさはありませんが、なんと言ってもこの作品から漂う不穏さに何度もやられます。曰くつ

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    2025年05月27日
  • 私の男

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    直木賞受賞作。淳悟は花の養父。津波で孤児になった9歳の花を25歳だった淳悟が引き取り親子となった。花の結婚式から物語は遡る。愛に植えた二人の関係が切ない。長身で細身で目の下にしわがある煙草を吸う淳悟がある人のイメージでよけい感情移入してしまった。

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    2025年05月17日
  • ばらばら死体の夜

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    古本屋の二階に住む美女の白井砂漠。大学講師のさとるは学生時代同じところに住んでいたことから彼女と知り合う。全体にただようノワール感と闇。心に闇をかかえた二人と古本屋の店主。消費者金融、借金の怖さが伝わるサスペンス。

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    2025年05月17日
  • 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    家庭と学校という狭い世界で生きなければならない二人の中学生の話。もしそこが地獄だったら。無理に適応しようとしたり現実逃避したり。
    間に合いはしなかったが、子どもを助けたいと思う大人の存在が救いになります。
    話は鬱だが、子供の視点で書かれていてとても読みやすいです。

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    2025年05月15日
  • 荒野

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    ネタバレ

    中学生くらいのころから、もう10年近く何度も繰り返し読み続けている。2桁周はしたんじゃないかな。
    『荒野』というタイトルで、荒野という、北鎌倉は今泉台、お座敷街の、武将みたいな名前をした人気恋愛小説家の、娘、が主人公。
    初めて荒野を読んだとき、私は13歳だったはずだけど、最後の16歳まで読んでも、私の方が精神的に大人びていると感じたのをよく覚えている。

    奈々子さんが大好き。朝が弱くて、少年みたくスレンダーで、センスのいい家事、くわえタバコに競馬新聞、腰に引っ掛けたジーンズ、事なかれ主義で、接触恐怖症気味の荒野に強いて触れない優しい他人。女であることをおくびにも出さない。正慶が真に愛したひとの

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    2025年05月08日
  • 読まれる覚悟

    購入済み

    小説家桜庭一樹のまさかの新書です。ボリュームは少ないのですぐに読み終わることができると思います。
    読み進めながらずっと『少女を埋める』のことを考えていました。

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    2025年05月04日
  • GOSICK II ──ゴシック・その罪は名もなき──

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    ネタバレ

    GOSICKシリーズ。学生時代に一番読んでいた作品。ずっと本棚から外せなかった作品。大人になって第1巻から読み直して、今回で2巻目。

    2巻目で早くもヴィクトリカの出生につながる話になっている。ほんの僅かではあるが。
    母、コルネリアの想い。灰色狼の一族にまつわる伝説の謎。それらに少しずつ触れていくので、シリーズ全体の中でも重要な巻になっている。

    ところどころ描かれる、不気味な場面の真実が語られないのもまた不気味…謎解き部分の真実は時を超えて母の名誉を守る行動となっていたが、それでも母はすでにおらず…ヴィクトリカの切なさを憂いてしまう。

    1巻から着実に2人の絆は結ばれて、今後のことにも思いを

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    2025年05月03日