桜庭一樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ2日で読み終え、そのあと二回読み返しました。
1回目はそのまま読み、2回目はもう一度初めから読み返し、3回目は最終章から前の章へ、時系列を逆にして、、、。それくらい衝撃的な話でした。自傷をするような感覚で読み返しました。
(以下自分語りになってしまいますが、、)
私も父子家庭、不完全なDV家庭で育ち(性的虐待はなかったが)歪んだ愛というものを痛いほど思い出しました。
日常的に手をあげていながら、機嫌のいい時には「お前は俺の嫁だよ」「お前のことは命に変えても守るからな」と言う父でした。覚醒剤依存で何度も捕まり、睡眠薬のオーバードーズで自殺未遂をするなど、不安定で依存しやすい性質の父を思い出し、 -
Posted by ブクログ
鳥取の製鉄業を営む旧家に生きる女性三代の話
千里眼の祖母、漫画家の母、そして何者でもないわたし
目次で
第一部最後の神話の時代
第二部巨と虚の時代
第三部殺人者
とあって、第三部の最後の女性は殺人を犯してるのかと思っていたら違った
第三部では平成の世代で
自分の在り方に悩みながらも孫が祖母の最後の言葉を探っていく
女性三代を通して
高度経済成長、ハブル崩壊、平成へと移る様子
女性たちの生き様
周りの人たちとの関わり
すべて描写されていて…圧巻
読者を飽きさせない
読後感半端なかった
私にはかなりおもしろかった
最初は字が少し小さいなぁ…読めるかなぁと心配だったけどサクサク読めた -
Posted by ブクログ
マイノリティに刺さる物語を書くことに長けた作家さんだなと改めて感じた一冊
高校生の女の子が副担任の女性に囁かれたある一言で恋と共にじごくに落ちた時の「クラリとして、かなしくなって、私はたちまち、落ちた」この一文凄く素敵。この一説はほんためのあかりんが紹介していて、聞いた瞬間に惚れて書店に走った笑
絶対地獄に落ちると分かってる恋。そんな恋に落ちる瞬間をこんなラブリーに表現出来る作家さん中々いない
50年前に一世を風靡しスキャンダルによって姿を消した人気アイドルA。Aが消えてからアイドルという存在が1人も出てきてない日本で、再びアイドルを誕生させる為ある計画を実行する「A」という物語も良かったで -
Posted by ブクログ
ネタバレコロナがある世界とコロナが無い世界のパラレルワールドを、あるキッカケでLINEだけ繋がる事が出来た2人の話し。
主人公の波間の世界はコロナが無く、オリンピックもそのまま開催される。乳癌を患っていて治療を続けている。
友人の中川君の世界はコロナがあり、現実に実際起きた事なんだけど、コロナが終息した今読むとそんな世界本当にあるの〜と思う波間の気持ちにも時々なってしまった。
乳癌の治療や心情がリアルで、表立って本当の気持ちを話す人はあまり居ないから癌サバイバーの方は良くも悪くも色々思う所があると思う。
波間の言う、言いたい事があまり言えなくなる気持ちに共感した。
自分が良いと思ってる事でも、その -
Posted by ブクログ
思い出の中学時代の本です。ダークファンタジー系ですが、ボーイミーツガール系でもあります。
あらすじ
第一次世界大戦と第二次世界大戦の間の静けさの中、ソヴュール王国には一人の日本人留学生久城一弥が変わり者の天才、ヴィクトリカ・ド・ブロワの元へ通い詰めてプリントを渡していた。ある日村で占い師が殺されたという知らせを受けて困り果てた警部がヴィクトリカに助けを求めてやってくる。見事にその謎を解き明かしたヴィクトリカは久城と共に警部に誘われたクルーズ船で船旅を楽しもうとするが…。
何度も何度も読み返したため正直真新しさはありませんが、なんと言ってもこの作品から漂う不穏さに何度もやられます。曰くつ -
Posted by ブクログ
ネタバレ中学生くらいのころから、もう10年近く何度も繰り返し読み続けている。2桁周はしたんじゃないかな。
『荒野』というタイトルで、荒野という、北鎌倉は今泉台、お座敷街の、武将みたいな名前をした人気恋愛小説家の、娘、が主人公。
初めて荒野を読んだとき、私は13歳だったはずだけど、最後の16歳まで読んでも、私の方が精神的に大人びていると感じたのをよく覚えている。
奈々子さんが大好き。朝が弱くて、少年みたくスレンダーで、センスのいい家事、くわえタバコに競馬新聞、腰に引っ掛けたジーンズ、事なかれ主義で、接触恐怖症気味の荒野に強いて触れない優しい他人。女であることをおくびにも出さない。正慶が真に愛したひとの -
購入済み
小説家桜庭一樹のまさかの新書です。ボリュームは少ないのですぐに読み終わることができると思います。
読み進めながらずっと『少女を埋める』のことを考えていました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレGOSICKシリーズ。学生時代に一番読んでいた作品。ずっと本棚から外せなかった作品。大人になって第1巻から読み直して、今回で2巻目。
2巻目で早くもヴィクトリカの出生につながる話になっている。ほんの僅かではあるが。
母、コルネリアの想い。灰色狼の一族にまつわる伝説の謎。それらに少しずつ触れていくので、シリーズ全体の中でも重要な巻になっている。
ところどころ描かれる、不気味な場面の真実が語られないのもまた不気味…謎解き部分の真実は時を超えて母の名誉を守る行動となっていたが、それでも母はすでにおらず…ヴィクトリカの切なさを憂いてしまう。
1巻から着実に2人の絆は結ばれて、今後のことにも思いを