桜庭一樹のレビュー一覧

  • いつか、アジアの街角で

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    読み終わった後、胸の中にアジア特有の、熱気を持った風が吹くのを感じた。
    6人の作家が生み出したそれぞれのエピソードが収録されている短編集で、どれも本当に味わい深かった。主に台湾、香港といった地が登場していた。
    直接アジア圏の国に足を運ぶ物語もあれば、日本で想うだけのストーリーもある。
    全て異なったルートで、でもどこかで日本以外のアジアと主人公が繋がっている。短編では物足りない!と物語を読み終える度に思った。
    アジア圏からの旅行から帰って来たばかりというこのタイミングで出会えたからこその魅力もあったと思う。何度でも、旅がしたい。

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    2024年09月27日
  • 少女を埋める

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    すごく「今」読みたい本だった!!!!!
    親の喪失を通して色々考えたり経験したことを私小説に落とし込んでいる作品。
    「わきまえろ、同化しろ、さもなくば立ち去れ」というメッセージを送ってくる共同体(個人よりも共同体の維持が優先され変革をもたらす存在を排除する)に対し、わきまえないし、出て行かない、そのままの存在でそこにありつづける(そして共同体を変えていく)という力強いメッセージを発していて心強かった。

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    2024年09月25日
  • 推定少女

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    日々はもちろん不安だった。ぼくは十六歳、十七歳と歳を取っても、相変わらず同じ生き物だったのだ。弱くて、傷つきやすくて、プライドだけ高くて、そのくせ人の気持ちには絶望的に鈍感な、そんなだめな生き物だ。突破口はみつからなかった。相変わらず自分が嫌いだった。そういうものなのかもしれない。(本文より)

    読んだ当時は学生時代で、精神的にいまよりも未熟な部分が多く、瑞々しい言葉たちがすごく刺さったのを覚えている。二十代後半になった今でもまだ、大人ってなんだろう、とよく考える。

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    2024年08月29日
  • 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet

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    ネタバレ

    間違いなく読んだ本の中のベストテンに残り続けると思えた一冊。
    タイトルからしてすでに秀逸だ。
    砂糖菓子の弾丸を打ちまくった藻屑は死んでしまった。
    私はこの本を夏のじめっとした部屋の中で読んだ。この環境で読んで良かったと心から思う。まとわりつく様な気持ちの悪い暑さと、この文章は非常に相性が良い。
    藻屑が本当に人魚だったら良かったのにという感想を目にして、私も心から同意した。藻屑は自由を手にして海の底で卵をポコポコと産んで微笑を浮かべているべきなのだ。

    「この人生は全部、嘘だって。嘘だから、平気だって。」

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    2025年11月24日
  • ファミリーポートレイト

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    この本は桜庭一樹が全て詰まっている。
    「私の男」のザラザラした不快感。「砂糖菓子の弾丸は打ち抜けない」のティーンエイジャーの複雑で理解不能な闇。「荒野」も「製鉄少女」も、そして全編通して「地獄行き」。前半はマコとコマコの非現実世界での、リアルで暗い逃避行。後半は駒子の幸福へ背を向けて大人になる姿。相変わらず靄のかかった暗い世界なのだが、なぜか読み出したらやめられない陶酔感。長い話でしたが、とても印象的な心に刻まれる小説でした。

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    2024年06月02日
  • GOSICK ──ゴシック──

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    ヴィクトリカかわいい!♡ 一弥くんかわいい!笑

    アニメ版は、のちにブシロードと縁深くなる、安田猛さんの企画作品となり、桜庭一樹さんの独特な世界観を見事に描いてくれました。

    本作はその最初の導入作品となります。

    もうこの2人の遠回りな恋模様がいじらしくてかわいらしくて。

    それでいて、世界一大規模な占いこそが、ユダヤ教以降の宗教だという風刺は大変に趣深いものがありました。直接名指しはしていないものの、中世から近現代に近づくにつれ、戦争の背後には、特定の人物が深く関わっていることをそれとなく伝えています。私たちの実在の世界においても、占いや大規模実験というのは、一部の資産家たちによって実際に

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    2024年05月28日
  • 少女七竈と七人の可愛そうな大人

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    ネタバレ

    切ない。互いに惹かれ合う七竈と雪風が、血のつながった姉弟であるかもしれないという設定が秀逸。しかも母の昔の男遊びのせいで。
    ラスト、進学を機に離れ離れになる終わり方は哀しかった。

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    2024年05月18日
  • 赤朽葉家の伝説

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    終戦後から平成の中頃までを、実際の出来事にも触れながら紡がれる女三代記でした。

    語り部である三代目、瞳子が私と同じ頃の生まれで、誰か人伝に聞いた話のように読むことができ、社会情勢や価値観、暮らしなど移ろう時代を登場人物に想いを馳せて読んでいました。

    特に一代目万葉の時代の話が、実家に伝わる古い話とどこか似ていて、お気に入りです。

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    2024年03月24日
  • 私の男

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    すごかった。何かが違う何かが漂ってるような雰囲気が終始あった気がする。こんな愛の形が存在するのか、そう思わせてくれた小説だった。ずっと暗い雰囲気で私の好きなタイプの本だった。再読1年ぶりにした。1回目では理解できなかった表現が理解でき、またこの素晴らしい作品にどっぷり浸れた。花の感情はたくさん描かれてるのに淳吾の感情の表現は避けられてるっていう説明を最後解説で読んで、それでも、伝わってくるこの違和感、禁忌桜庭先生の力を感じた。何回でも読み返したい。

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    2024年03月23日
  • ほんとうの花を見せにきた

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    ネタバレ

    生きているとは何か。
    日々をこなすのに精一杯で、ついおざなりになっていた生き方について優しく説いてくれる作品だった。
    「心が動くこと。
    誰かを愛したり、なにかを美しいと思ったり、成長したいと願ったり、自分をひどく恥じたり。
    そしてなにかを強く感じること……。」
    忘れずに心に留めておきたい。

    全体を通して、未来へ進む、ということを3編異なる視点から描いている作品だと感じた。『ちいさな焦げた顔』は進む側の物語、『ほんとうの花を見せにきた』は置いていかれる側の物語、『あなたが未来の国に行く』は託す側の物語。ムスタァの「人間は、火だ」という台詞で分かった気になっていたけれど、最後の1編を読んで、バン

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    2024年03月05日
  • 伏 贋作・里見八犬伝

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    時代小説の中で見つけたこの一冊。

    実に少年ジャンプ的な元気、勇気のSFアクション冒険ファンタジーだった。

    そもそも南総里見八犬伝が読みたくて、とりあえず購入したんだけど、面白いのなんの。

    伏と呼ばれる化け物、この化け物がいかにして生まれたかを、里見八犬伝がノンフィクションであることを前提に紐解かれていく様がキュンキュンです。

    ただの悪とするのではなく、各個人にバックグラウンドを持たせる感じ、手塚治虫的な感じ大好き。

    少々子供向け感はあったけど、お陰で分かりやすく、素直に面白いと思った。

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    2024年01月15日
  • じごくゆきっ

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    ネタバレ

    「砂糖菓子〜」の時もそうだったけど、改めて子どもは生まれ落ちた先が地獄でも逃げることなんて簡単に出来ないんだなと。耐えてサバイブ出来た人間だけが大人になれるんだ。砂糖菓子の時は理不尽という棒で頭をガツンと殴られたような衝撃だったけど、これは真綿で首を絞められてる感じ。私は本のこちら側で祈るしかできない。みんな生きてね。生き残ろうね。

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    2024年01月07日
  • 彼女が言わなかったすべてのこと

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    このジャンルの本を久しぶりに読んでみた。
    パラレルワールドなんだけど、世界線がちょっと変わっていてとても面白いと感じた。あと絶妙に散りばめられた時事ネタも。

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    2023年11月21日
  • 彼女が言わなかったすべてのこと

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    何かを持っているかいないか(それが一般的に良いことか悪いことかは関係なく)で、一線のあちらのこちらに分断されてしまいがちな世の中で、その一線を超えようと対話すること。
    それは簡単ではないかもしれないけど、対話しなければ何も始まらない。
    コロナ禍を経験した私たちだからこそ、その経験をあらためて振り返らないといけないんじゃないかと思った。

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    2023年11月19日
  • GOSICK VIII 上 ──ゴシック・神々の黄昏──

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    ヴィクトリカの運命、切なすぎる。
    一弥からの手紙を体に刻むところで号泣。あんなにほんわかした日常がこんなふうに変わってしまうなんて。切ない切ないただただ切ない!!

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    2023年11月09日
  • 赤朽葉家の伝説

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    何度目かの再読!
    桜庭一樹さんの長篇、いつも前半部の面白さがとてつもない。後半になって減速する印象は否めないが、それでも最後まで面白い。

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    2023年10月22日
  • 彼女が言わなかったすべてのこと

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    どんな本も感じることはある。

    パラレルワールド
    選択しなかった(?)ほかの世界
    そちらの人とつながるのは
    村上春樹とか得意だから 私はそっちのほうが好き

    がんサバイバーの話
    友人にもいるからだいたいはわかる
    (とはいえその人の感じかたにはとうていなれない)
    普通の更年期も辛いものだよ
    死と隣り合わせではないけれど
    ずっと続く鬱にはなるかも で

    会話の言葉遣いが好きでないので
    速読に近い読み方をしてしまって
    入り込めず
    そして
    最後もなんだか あれ? だった

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    2023年10月13日
  • じごくゆきっ

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    やっぱり桜庭一樹さんの文章が好きだな…。
    もう戻らないあの日、あの時。読み終わった後のなんとも言えない喪失感が癖になる。

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    2023年09月23日
  • 彼女が言わなかったすべてのこと

    購入済み

    桜庭一樹先生のファンなので購入しました。
    抗がん剤治療を行う波間はある日別の世界に住む同級生の甍と連絡先を交換する。甍の世界では大変な感染症が流行し始めているようで……。
    あらすじを読むとSFの色が強いのかなと思いましたが、普遍的な生活の物語でした。パラレルワールドのひとと連絡が取れることはフィクションですが、病気や人間関係の苦しみ、異性からの視線など、共感できるもやもやした感情が描かれていて苦しくなりました。

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    2023年08月28日
  • GOSICK GREEN

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    謎解きはともかく、話筋が面白かった。
    カラーシリーズで一番かも。
    依頼者との関係
    ニコとの関係
    少しずつ少しずつ移り変わっていく描写がとてもいい

    でも個人的にはヴィクトリカはもうすこし人見知りなかんじで
    九城はもうすこし利発なかんじなイメージがよいですね。

    そしてそして
    うわ~ここで終わりかっ!
    続きは~?

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    2023年08月21日