桜庭一樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ生きているとは何か。
日々をこなすのに精一杯で、ついおざなりになっていた生き方について優しく説いてくれる作品だった。
「心が動くこと。
誰かを愛したり、なにかを美しいと思ったり、成長したいと願ったり、自分をひどく恥じたり。
そしてなにかを強く感じること……。」
忘れずに心に留めておきたい。
全体を通して、未来へ進む、ということを3編異なる視点から描いている作品だと感じた。『ちいさな焦げた顔』は進む側の物語、『ほんとうの花を見せにきた』は置いていかれる側の物語、『あなたが未来の国に行く』は託す側の物語。ムスタァの「人間は、火だ」という台詞で分かった気になっていたけれど、最後の1編を読んで、バン -
購入済み
桜庭一樹先生のファンなので購入しました。
抗がん剤治療を行う波間はある日別の世界に住む同級生の甍と連絡先を交換する。甍の世界では大変な感染症が流行し始めているようで……。
あらすじを読むとSFの色が強いのかなと思いましたが、普遍的な生活の物語でした。パラレルワールドのひとと連絡が取れることはフィクションですが、病気や人間関係の苦しみ、異性からの視線など、共感できるもやもやした感情が描かれていて苦しくなりました。 -
Posted by ブクログ
この本を初めて読んだのは中学3年生の頃でした。当時は主人公の巣籠カナと同じ学年だと思いながら、カナが言っていることや思っていることに共感したり、そういう考え方もわかる、といった雑駁な印象を抱いていました。
けれど世間知らずな私は、カナが見ている繁華街や東京の景色がイメージできず、漠然とした読み味だったのを覚えています。
大人になってから久しぶりに読み直してみましたが、むしろ大人になってからのほうがグサグサに刺さる小説だったことを思い知らされました。
かつて中学3年生だった私がどんなことに毎日悩み、苛々したり、将来に迷って苦しんでいたか、私はすっかり忘れてしまっていました。
白雪が渡してくれたド -
Posted by ブクログ
読書日記が大好きで、擦り切れるほどに読み返していたので、このコロナ禍をどう感じていたのかを日記形式で綴ったこの作品は見逃せなかった。4年ほど経って、薄く忘れていっている緊迫感や恐怖がそこにはあった。実際、今も後遺症に悩まされてる人はいるだろうし、日々コロナに罹患してる人もいるだろう。でも、人は慣れるものなんだなと実感している。作家ならではの感性で感じ取った部分が心に突き刺さる。
いつも行っているカフェや喫茶店、ホテルのラウンジが魅力的で1度行ってみたいなと思った。過ごしやすそうな空気のいい場所たち。自分にもそんな場所があったらなーと思った。