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小説家桜庭一樹のまさかの新書です。ボリュームは少ないのですぐに読み終わることができると思います。
読み進めながらずっと『少女を埋める』のことを考えていました。
Posted by ブクログ
桜庭一樹氏の『読まれる覚悟』を読みました。よくこの内容を言葉にして1冊の本にまとめてくださったなあ、勇気が必要だったろうなあと
キャリアのある小説家だからこそできたという面とキャリアのある小説家だからこそ言葉に重さが発生してしまうということを考えるとよくぞ世にだしてくれたという気持ちになる
読み方や感想の持ち方は自由というのは、それはあるのだけれどやっぱり誤読というのはある、と私は思っている。小説家だけではなくあらゆるクリエイター(特に物語性が発生してしまうもの)にも言えることだと思うけどどんな感想も引き受けろというのはそれはかなり暴力的だと思う。明らかな誤読は誤読であるのだから、それまで引き受けなくても良いというのはとても心強い言葉だし、本書では何が解釈の自由、感想としての自由にあたるかと誤読の違いも書いてくれているのでSNSなどにレビューを書くことが多い人の参考になると思う
韓国文学のメッセージ(政治的な主張)の強さやそれができる社会背景などにも言及してくれて、これはこの本を読まなければ知ることのできない部分だったのでよかった
また作家や作品にファンダムができてしまった場合のことについても書いてくれていて、何か好きな人やものがある人にもおすすめ
Posted by ブクログ
2025.1.14〜2025.1.16
今年1番にこの新書選んでよかった!と思える本でした。
「あなたが小説家になったときに」と最初に記述がありますが、それを受け取る側である私達も読んでおいて損はない本だと思います。
ちなみに私は今、この本の感想を書くのをとても躊躇しています。作者である桜庭先生の主張されている内容と、私が読んで取り入れた内容に乖離があるのではないか、とヒヤヒヤしているからです。
読みながら思い返していたのは昨年、大好きな本のファンレターを書いたことです。とても面白かったことをたくさん伝えたくて。先生にとってデビュー作である作品だから、尚更特別なファンレターになることがわかっていたから、より気合が入りました。
でも、先生にとって、それは私の読んだ解釈の感想です。受け取る側として「そういう考えの方もいらっしゃるのか」と思う作家さんもいれば、「そういうことが言いたかったんじゃない」と感じる作家さんもいらっしゃるでしょう。先生が、どちらのタイプの先生かわかりませんでした。今でも、どう書いたら正解(正解がある話ではないとも思いますが)だったのかわかりません。
思えば、私が「感想を伝えることが苦手」と前々から感じていたのも、この前提が先立っていたからでしょう。
全体を通して、目の前にあるのは単に「小説と原作者という神」のような概念的なものみたいに捉えるんじゃなくて、その人が生み出したものと1人の人間がそこに存在していることをもっと知覚しなきゃいけないなと1人反省しています。
無意識に自分も「ものごと」として生身の存在を見てしまっていたのかも、とハッとさせられる瞬間が至る所にありました。
特に今ってSNSが当たり前になっていて、作者と読者の距離が近くなる瞬間って確実に存在しています。それに慣れきっている今だからこそ、改めて立ち返って、小説に限らずいろんな物事で気をつけないといけないんじゃないかなあ。
定期的に読み返して、自分の行動がいきすぎてはいないか、リセットする機会にできる本です。新年一発目、もうお済みの方も多いかもしれませんが、この本を読んで少しマインドを切り替えてみても良いのではないでしょうか。内容としてもとても興味深くておすすめです!
Posted by ブクログ
『読まれる覚悟』は、「本を書くこと」ではなく、「本が読まれ始めてから何が起こるのか」を描いた一冊だった。
印象に残ったのは、作品が世に出ると、作者だけでなく読者や批評家、ファンまで含めた関係性が生まれるということだ。人は作品をそのまま読むのではなく、自分の経験や知識を通して意味を再構成するため、誤読はある程度避けられない。一方で、批評を書く立場には、その評価に至った根拠を示す責任があり、批評そのものも読者から評価される時代になってきていることは健全な変化だと感じた。
また、ファンダムは作品を支え、作者を応援する大きな力になる一方で、過熱すると作者を神格化したり、人格への攻撃につながったりする危うさも持っていることが印象的だった。作者が解釈を固定しすぎない姿勢は、読者が自由に作品と向き合う余地を守ることにもつながるのだと思う。
本書を読んでいて一貫して感じたのは、「評価とは何か」「健全な議論とは何か」という問いだった。作品だけでなく批評にも責任があり、間違いがあれば認めて修正できる文化の方が、知識や議論は前に進む。アップデートとは新しい知識を増やすことだけではなく、自分の誤りを理解し、考えを修正することでもあるという言葉は特に印象に残った。
SNSの普及によって、作者・読者・批評家・ファンの距離は以前より近くなった。その中で、作品と作者をどう切り分けるか、評価と人格攻撃をどう区別するか、発信や批評にどのような責任を持つべきかを考えさせられる一冊だった。
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