あらすじ
その日、兄とあたしは、必死に山を登っていた。見つけたくない「あるもの」を見つけてしまうために。あたし=中学生の山田なぎさは、子供という境遇に絶望し、一刻も早く社会に出て、お金という“実弾”を手にするべく、自衛官を志望していた。そんななぎさに、都会からの転校生、海野藻屑は何かと絡んでくる。嘘つきで残酷だが、どこか魅力的な藻屑となぎさは徐々に親しくなっていく。だが、藻屑は日夜、父からの暴力に曝されており、ある日――直木賞作家がおくる、切実な痛みに満ちた青春文学。
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父親の海野雅愛から家庭内暴力、虐待を受けて、最後には自分が買ってきた大きな鉈でバラバラ死体となって殺されてしまう海野藻屑。それでも、彼女は父親のことが大好きだった。
自分の家庭環境もあまりいいとは言えない藻屑の友達であり主人公の山田なぎさ。自分の足で藻屑の死を確認をするために蜷山に登っていく。
彼女たちは自分のために、そしてお互いのために一体何ができたのであろうか、周りの大人たちはどうやって彼女たちを救うことができたのか、考えさせられる物語だった。
藻屑が砂糖菓子の弾丸を必死に撃ち抜いて生きようとしたこと、藻屑と友達であったことをきっと一生忘れないであろうなぎさのことを考えると胸が締め付けられる。
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読みやすくて面白い、動物好きの人は注意。
初めは藻屑が変な子で少し苦手だなと思ったけど、読み進めていくとだんだん憎めない存在になってくる。
砂糖菓子の弾丸の意味が分かったときが本当にしんどかった、子供にはひとりで生きる自由がないからこその砂糖菓子の弾丸での抵抗。でも砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けないから、自由も手に入らず、藻屑は生き抜くことができなかった。
大人はひとりで自由に生きるための実弾を持っているが子供にはない、撃ち抜くことの出来ない砂糖菓子の弾丸しかない。
実弾を手に入れるために生きるなぎさと、砂糖菓子の弾丸で必死に撃つテロリストの藻屑
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海のシーンで、藻屑は本当に自殺したかったのかもしれない。
本来はあの日、自殺する予定だった。
でも、藻屑はその自殺を止めてくれる特別な存在(藻屑は友達と言っていた)が現れてくれることを願っていて、山田なぎさがその存在になってくれた。
きっと、股関節に障害を持つ藻屑は泳げない。
そんな自分を助けてくれる。必死に救ってくれる。
嘘つきな自分を嘘つきだって知った上で、それでも大切に思ってくれる存在を渇望し、山田なぎさがそんな友達になってくれたことが嬉しくて、水面から顔を上げた彼女は笑ったのだと思う。
藻屑が最期の時、諦めと一緒に恐怖を覚えられたのは山田なぎさのおかげなのだと思う。
あの海の日から、藻屑が生きたいと思えるように成ったのだけが、救いなのだと感じた。
砂糖菓子の弾丸では現実を撃ち抜けなかった。
藻屑は生き残れなかった。
だけど、砂糖菓子の弾丸は山田なぎさの心を撃ち抜き、彼女の人生を変えることはできたのだと思った。
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2026.05.17 (日)
※子供の虐待の他に動物虐待の描写があります…
重い……重すぎる……痛くて痛くて……ドカンとした衝撃はない。ただ、淡々と重い…。藻屑の言葉はいつも甘くて痛かった……彼女の秘密をひとつ知る度に甘く抜けないトゲが刺さるような痛みを覚える……
わたしはこれまでに、これほどの胸が詰まる物語を読んだことがない…………
正直ずっとノンフィクションを見ている気分だった…とても物語だと思えない……ズシンと心を掴まれて切な苦しい気持ちが抜けない………
普段決して読むペースが早くはないわたしが2時間そこらで読み終えてしまった。スルスル読める。だけど、あまりにも辛い。なにか、新聞の片隅に小さく載ったある地域の一件。そのくらいささやかに、だけどどこかで毎年起きている事件。
とてもフィクションとして消化できない……これはかなり心を持ってかれます………
あのクイズは、ウミガメのスープというものに出てきたことがあるのでどう答えるのか分かっていた……。ポチが鉈で解体され、子供のような字で「さよなら、ポチ」と書かれていたと読んで、結末を想像してしまった…だって藻屑は字が綺麗だとなぎさが言っていたから……
後にも先にもこんな悲しい物語には出会わないと思う……
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非常に好きだった。
生き残るための"実弾”を持たない、どこにも行けない子供たち。
実弾をうてるのは大人だけ。
実弾を持てない少女は砂糖菓子の弾丸を撃ち続けるが、その弾は全て溶けて儚く消えていく。
全ての子供が大人になれるとは限らない。
苦しく虚しく残酷なお話なのにどこか美しさを感じてしまった
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好きなフレーズ
↓↓↓
・好きって絶望だよね
・この世界ではときどきそういうことが起こる。砂糖でできた弾丸では子供は世界と戦えない。あたしの魂は、それを知っている。
・彼女はさしずめ、あれだね。”砂糖菓子の弾丸”だね
・なぎさが撃ちたいのは実弾だろう? 世の中にコミットする、直接的な力、実体のある力だ。だけどその子がのべつまくなし撃っているのは、空想的弾丸だ
・こんな人生は全部、嘘だって。嘘だから、平気だって。
匿名
家庭と学校という狭い世界で生きなければならない二人の中学生の話。もしそこが地獄だったら。無理に適応しようとしたり現実逃避したり。
間に合いはしなかったが、子どもを助けたいと思う大人の存在が救いになります。
話は鬱だが、子供の視点で書かれていてとても読みやすいです。
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よくSNSとかで面白いと聞くので購入。
登場人物の味付けが非常に良いなと感じた。ミステリーとしても好きだ。
海野藻屑という1人の子供から主人公含む様々な登場人物の変化を追って行くのが読み応えがあった。
私があまり読まないタイプの小説であるので良い読書だった。
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初めはよくわかんないというか、独特な話だなーと思ってたけど重くて悲しい話だった。
ストックホルム症候群とか、藻屑の「好きって絶望だよね」とかがめちゃくちゃ辛くて刺さった。
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海猫沢めろん先生が「この本を読むと思春期、地方都市にいた頃の閉塞感を思い出す。」と紹介されていたので気になり読んだ。
自分の若い頃の砂糖菓子の弾丸を空撃ちしていた時のことを思い出した。当時読んでいたらどう感じたんだろう。砂糖菓子の弾丸に気づいて絶望していたかもしれない。気づいたら大人になれていた。使う必要のない実弾もある。よかった。
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切なかった。やり切れないというか不思議な話。
生き残った子供だけが大人になれる、てあとがきにも書いてあったけど本当にその通りだなー。
藻屑が大人になってる様子が全く思い浮かばないのは彼女自身が辛い現実を自分の現実として見れない。でもちゃんと傷ついて泣くし、一方で傷つきすぎて鈍感になってる部分もある、ほんとに不思議な子
大人になったからには過去の自分みたいな子供を救う立場になれたらいいのにね
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中高時代に出会いたかったなあ、そしたらもっと大人を信じられたかもしれない。
ただタイトルが好みで手に取ったけど、色々と謎の親近感?があった。
私は鬱作品だとは思わない。残酷だけど美しかった。
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原色のような鮮烈な印象と言葉に出来ない程の閉塞感を感じる物語でした。引きこもりの兄がいて母親は仕事で家にいないことが多いため1人で家事全般を担わなければならないなぎさと父親からアザが残るほどの暴力を受ける藻屑。それぞれの辛さはたった13才の子供である彼女達にはどうすることも出来ない…。その事実に彼女達が未成年であることの残酷さをひしひしと感じます。藻屑の奇想天外な言動は、辛い現実から逃れるためのせめてもの足掻きだったのかなぁ…。鬱小説の代表格という評判に深く同意します。
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とにかく儚くて、あのひと夏を一冊の本に引き延ばしたみたいな本だった。
例えるなら、溺れるナイフ、みたいな。もし実写化されたら、挿入曲は「コウを追いかけて」がぴったりだろう。疾走感があって、青くて、一瞬で、脆くて弱い嘘の膜の内側で息をする少女のお話。
この不思議なタイトルに惹かれて手に取ってみて良かったです。
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わたしは海無し県の田舎で育ったから、この物語の舞台の日本海に面した田舎町はなんだかファンタジーのような遠い世界にも思えて、海野藻屑の嘘ばっかりの話も何だか受け入れられてしまうような不思議な力がある文章だった。
登場人物みんな一般の感覚とはだいぶズレているように思えた。田舎町にありがちな閉ざされた空間の中で狂ってしまった価値観がそのままテクストにも通用しているようだった。「実弾」を求める主人公の「あたし」の視点もかなり偏っていて、引きこもりの兄を神と崇めるように扱うのは彼女なりの貧しい暮らしを生きぬく術なのだろう。読者である自分も兄を美形でインテリの、知識人として受け入れていたが、「あたし」の担任のセリフでその認識が見事にひっくり返される。外から見れば兄は親から自立できていない単なる引きこもりであり、「あたし」が兄を異常なほどまでに崇拝していたと気づく。担任の先生は、花名山が校長室で絞られ、野球部からの退部を言い渡された後に「これで髪が伸ばせるな」と声をかけてしまうような無神経な人間として描かれるが、その一方で教師としての理想を持ち、「あたし」や藻屑を貧困や虐待から救おうと、「あたし」の視点からは語られていない部分で奔走していたのかもしれないことが終盤で分かる。藻屑を救えなかった担任の流す涙は、教育者としての責任というよりもむしろ海沿いの閉鎖的な田舎町に暮らす一般的な大人の無力さを感じた。
海野藻屑の嘘ばかりのセリフ、「砂糖菓子の弾丸」は、最初こそ異質だが、短い物語が進んでいくにつれてどんどん悲しみを、切実さを帯びていく。愛する父を、そして自分を守るために彼女がついた嘘も全て許せてしまうようになる。本を読み終わったあとも、彼女の放つ砂糖菓子の弾丸を欲してしまう自分がいることに気づく。
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初めから結末がわかっているのに、その結末までをぐっと堪えてなぎさの目線から追いかけていく。 大人なら理解出来ること動けることが13歳には困難で、それでも対抗しようと藻掻くことを砂糖菓子の弾丸と呼ぶ。 甘くてベタベタでどうにも出来ないやるせなさ。 重いテーマでありハッピーエンドでは無いけれど、胸がぎゅっとなる苦しくて愛おしい。
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最後は前向きな気持ちになれる話ではあるものの、自分にはかなり辛い話でした。
主人公達、十三歳!?かなり大人びていましたが、そうならざるを得ない環境だったのでしょうね。
でも大人の元でないと生きていけない、バイトも出来ない年齢で、もどかしく思いました。
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「生きているだけで偉い」とよく言われるが、生きてるのはすごいことだと思った。この世は生き残りゲームみたいなもので、生き抜いて大人になれるだけで奇跡なのかもしれない。
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タイトルイメージと中身が違うという事前情報と共におすすめされたので。没入して読めたのは楽しかったが、普段読んでる純文学とは違い作り話感と"だから何?"が拭えず…。こういうジャンルが好きな人は好きなんだろうなとは思いました。かつての携帯小説っぽさを感じた。
追記:兄が自分すぎて心に残っているのを時間が経つにつれて実感。評価を1上げる
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読みやすく1日でざっと読んでしまった。ショッキングな内容だけど全体を通してさらりと流れで読める感じ。変なドロドロ感はないけれど、少しの違和感が残る。嫌いではないけど読み返すことはないかな。
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個人的にはあまり刺さらなかった。
最初は、なぎさの一人称視点で素朴に等身大な言葉で書かれている文体が少し見づらく感じたが、それは読み進めていく内に慣れていって気にならなかった。
短いからか、あまり登場人物に愛着が湧かず感情移入もできなかった。登場人物全員何を考えているのか正直よく分からなかった。
けれど、つまらないという訳ではなかった。
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久しぶりの小説
読みたかったというわけではなく寧ろ夏に並ぶ作品として有名すぎるので読んだことがあると思っていて、読んだことがあれば思い出すかと思って読んでみたら読んだことはなく、確かに私は好んで選ばない内容ではあった。
けど、そこまで嫌ではなく、毎年夏には本屋のフェアで平積みされる理由がなんとなくわかるような気がした。
嫌なことも多かったが、美化されることはなく、鬱陶しい人間もそのままで、違和感はなかった。
絶望がわかっていても期待してしまうのはなんでなんだろう、小説だから、もあると思う。本当にファンタジーになる可能性もあってどうにかハッピーエンドになってほしいという願いもあり一気に読んだ。薄いけど4,5時間くらいはかかった。
未成年というのは力がなくて、赤子でなくても守る必要があるんだなと思う気持ちが芽生えたのは自分でも意外だった。でも、そうだったな、とか思い出す、私が持っているのは実弾なんだろうか。
Posted by ブクログ
抵抗して逃げるのではなくて、花名島の気が済んで、自然に手を止める時を待っているのだ。暴力にいつか終わりがあることを藻屑は知っている。そして終わらなければ死ぬだけだと達観──いや、あきらめているんだ。
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とっても悲しく、現実に起きて欲しくない話でした。
たくさんの人が様々な方法で守ろうと努力していながらも、最悪な形で終わってしまった、悲しい。というのが最初に出る感想です。
中学1年生という多感な時期ということが、この事件から守ることができなかった要因なのかなと思いました。何が愛なのか、どれを信じて生きるべきなのか、先導するのは親である。親は子を愛するものであるため自身がどんなに痛いこと、ひどいことをされてもそれを愛と純粋に受け止めてしまう。作中何度か出てきていたストックホルム症候群が鍵になっていました。
海野雅愛がなぜ殺しをしてしまうのか、犬と藻屑を死に追いやった本当の理由が知りたいと個人的に思ってしまいました。
最初こそ胡散臭い子だなと思っていた藻屑ですが、だんだん愛おしく思えてきていたのに最後が本当に残念で、悲しくて悔しかったです。
物語としては事件当日の朝と転校初日からの2つの時間軸で展開されていて、読み進める手が止まらなくとても面白い作品だなと思いました。
Posted by ブクログ
可愛くて悲しいお話。
砂糖菓子の弾丸でしか戦えない子どもたちの、だけど戦おうと藻掻いている姿が素敵だった。
お兄ちゃんが妹のために家を出たときの、兄の中にいた神様がピンクの靄になって出ていく描写が何となく好きだった。
Posted by ブクログ
初心者向けの地獄と表されていて、確かにと思った。
子供の頃特有の、何とも言えない独特なあの世界の狭さ。
結末が分かっているからこそのしんどさ。
読むのが辛くなるけど、読み進めたくなる感覚。
どうとも形容し難いのだけれど、
またきっと時が経ったら読み返すのかなと思いました。