あらすじ
その日、兄とあたしは、必死に山を登っていた。見つけたくない「あるもの」を見つけてしまうために。あたし=中学生の山田なぎさは、子供という境遇に絶望し、一刻も早く社会に出て、お金という“実弾”を手にするべく、自衛官を志望していた。そんななぎさに、都会からの転校生、海野藻屑は何かと絡んでくる。嘘つきで残酷だが、どこか魅力的な藻屑となぎさは徐々に親しくなっていく。だが、藻屑は日夜、父からの暴力に曝されており、ある日――直木賞作家がおくる、切実な痛みに満ちた青春文学。
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藻屑となぎさ2人の共通点は、家庭が大変だということ
藻屑は妄想することで自分を守りなぎさはいつも実弾ということを軸に考えて自分を守っている
藻屑のことを嫌いになれないだって彼女を妄想の世界に引き込んだのはきっと環境のせいだからだ
大人ができることはきっとあったそれを忘れないようにしていきたい
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直木賞の「私の男」から桜庭一樹を知り、その生々しさの表現の中にある世界観に虜になりました。
現代から過去に流れていくプロットも好きです。
この作品でも同様に、1ページ目から既に死んでいると分かっている少女の人生を追う形で進行し、結末までの生々しさが素晴らしかったです。
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すごい本
最初から結末が分かっているのに、そこで生きている女の子二人から目を離せなくなる
昨年少女七竃を読んでいたので、桜庭先生の書く世界の綺麗な残酷さは体験済みだったけど、この作品はより痛みがずっしり来る感じ
嵐の来た夜に読み直せるように、本棚に置いておこうと思います
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藻屑ちゃん最低で最悪なのに憎めないし、むしろ魅力的に感じてしまうのファム・ファタールすぎるよ
ずっと霧がかってるみたいな不思議な感覚になるお話だった。桜庭一樹さんは天才だな
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なんて救いのないストーリーなのでしょうか。
冒頭で死ぬことがわかっている女の子の話ですが、読んでいるとそんなことすっかり忘れてしまっていて、結末にショックを受けました(冒頭ででわかっていたはずなのに)。
嘘と本当の中に、愛と虐待が絶妙に混じっていて、一瞬ファンタジーなのかなと思わせておいてからのリアリティがドーンです。
ページ数も少ないので、一気に読み切りました。
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凄い作品と出会った。地方の中学生・なぎさはクラスで浮いた存在の転校生・藻屑と知り合う。藻屑は自分を人魚だと言い張り、海に帰ることを信じ、周囲から理解されない言動を繰り返す。一方、なぎさは彼女の言葉を信じきれないまま、それでも一定の距離を開け藻屑と関わり続ける。藻屑の抱える家庭環境や危さが明らかになり、何もできない自分と対峙するなぎさは、彼女を見続ける。共感できた理由として、読者に正義や救済を押しつけない、読者も同じ無力であり、なぎさは他者をきちんと理解できないが、絶対に切り捨てなかったということ。⑤↑↑
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この本は最初のページに主人公の友達となる藻屑が死ぬことが書かれていて、もうここでそんなこと書いちゃっていいの?って驚いた。話の最初は(藻屑、、すごい子だな)とだけ思いながら読んでたけど、話が進んでいくうちに亡くなってしまうこと自体は最初から分かっていたのに最後物凄いショックを受けてしまった。(嫌だ死んでないよね、生きていて!!!)とまで思うくらいに藻屑がおかれている家庭環境や過去の辛さが読み進めていくうちにボロボロと明らかになってきて悲しくなった。この物語の主人公なぎさも普通ではない家庭環境で暮らしていて、そんな2人が出会ったことが作中の唯一の救い、また奇跡だったと思っている。2人が出会えてよかったと心から思う。描写がすごくリアルであまりにも情景がしっかり浮かび上がってくるから自分も物語の世界にいるような気がしてしまった。本自体はそんなに厚く無かったけど凄く印象に残る本だった。私はハピエン厨だからメンタルが安定してる時にまた読み返したい!
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切実な痛みをもった、女子中学生が主人公の青春小説です。
読んだあと、切なくて苦しくて悲しくてたまらないのに、なぜか爽やかな気持ちになりました。
主人公のなぎさには引きこもりの兄がいて、不思議な転校生の藻屑は、父親に虐待を受けています。
藻屑の抱える苦しみ、なぎさの抱える悩み、幼さの中に見え隠れする深い絶望とかすかな希望。
この物語は、藻屑という不幸な少女の、やるせない人生を描く鬱物語なのか。
それとも、藻屑との出会い、交流をとおして、痛みをともないながら残酷に成長していく、なぎさの切ない青春物語なのか。
それとも、運命に抗い戦った、あまたの少年少女たちに捧げる、暗く哀しい救いに満ちた、鎮魂歌レクイエムの物語なのか。
きっとそれら全ての要素を持つ、鬱で青くて、儚くて、清く正しく間違っている鎮魂歌。それこそが、「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」なのではないでしょうか。
まるで、清涼感あふれる真夏のサイダーのような、青春文学の傑作。
2人が再び出会ったとき、この世界が、全ての子供たちが幸せな、楽園のような世界になっていることを願って。
子供、そして、かつて子供だった人に読んで欲しい、もろくて儚いストーリーです。
Posted by ブクログ
9/26再読。"好きって絶望だよね"、"大人になって自由になったら。だけど十三歳ではとこにもいけない"桜庭一樹の言葉選びが光る。藻屑が死ぬのは最初にわかっているのに死んでしまうシーンでは涙が出てしまった。それまでなんだコイツと思ってた担任の先生をすごく好きになる。"おまえには生き抜く気、会ったのかよ……?"のセリフが胸に刺さる。実際どうだったんだろう?どうしてなぎさと逃げられなかったのか。お父さんに捕まって行けなかったのだと思いたい。
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藻屑のことは結局救えなかったのに、砂糖菓子の弾丸はもうどこにもないのに結局クラスで無視されないようになって、兄が社会に馴染めるようになって、なぎさが進学できて、良い方向に進んでいってるのがとても悲しい。
匿名
家庭と学校という狭い世界で生きなければならない二人の中学生の話。もしそこが地獄だったら。無理に適応しようとしたり現実逃避したり。
間に合いはしなかったが、子どもを助けたいと思う大人の存在が救いになります。
話は鬱だが、子供の視点で書かれていてとても読みやすいです。
Posted by ブクログ
間違いなく読んだ本の中のベストテンに残り続けると思えた一冊。
タイトルからしてすでに秀逸だ。
砂糖菓子の弾丸を打ちまくった藻屑は死んでしまった。
私はこの本を夏のじめっとした部屋の中で読んだ。この環境で読んで良かったと心から思う。まとわりつく様な気持ちの悪い暑さと、この文章は非常に相性が良い。
藻屑が本当に人魚だったら良かったのにという感想を目にして、私も心から同意した。藻屑は自由を手にして海の底で卵をポコポコと産んで微笑を浮かべているべきなのだ。
「この人生は全部、嘘だって。嘘だから、平気だって。」
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好きなフレーズ
↓↓↓
・好きって絶望だよね
・この世界ではときどきそういうことが起こる。砂糖でできた弾丸では子供は世界と戦えない。あたしの魂は、それを知っている。
・彼女はさしずめ、あれだね。”砂糖菓子の弾丸”だね
・なぎさが撃ちたいのは実弾だろう? 世の中にコミットする、直接的な力、実体のある力だ。だけどその子がのべつまくなし撃っているのは、空想的弾丸だ
・こんな人生は全部、嘘だって。嘘だから、平気だって。
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短めの物語ではあるものの青春と死という関係性が余りにも遠くて近い。そんな一瞬の表情感情が限られた時の中流れ加速させていった
冒頭から物語が悲劇なのは分かるが、どうにかその弾丸を誰でもいいから撃ち抜けんものだったかと思いそして歯痒い。自分がどの立場だとしても無力さを味わうように思う。
言葉にできんけどなんか優しくなろうてなった
好きなフレーズ引用
そのべたべたの砂糖菓子について あたしはあまり怒る気になれずに ただ黙って歩き続けた
魂はお金のことなんかで真実を曲げたりしないのだ
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初めの1ページで結末がわかっている状態でストーリーが進むのに、ずっとドキドキしながら読んだし、めっちゃくらいました…
主人公は13歳の女子中学生だけど、大人が読んでも感情を揺さぶられるかんじ。厨二感のある表現も物語の空気とガッチリあっていて素敵で、一気読みでした。
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中高時代の自分に刺さった本を再読する試み 「友達の死を若き日の勲章みたいに居酒屋で飲みながら憐情たっぷりに語るような腐った大人にはなりたくない」
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百合だよ〜って聞いて読んだけど、それどころではなかった。子ども、子ども時代を忘れた人、子ども時代を覚えてる人、全員が心の余裕のある時に読むといい本だと思う。
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おすすめ頂き、購入してやっとこさ読むことができた作品『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』。
タイトルの意味から内容がイメージつかなかったのが理由です。表紙はいい感じだったんですが。
さてさて、何がうちぬけなかったのか?
13歳中学2年生、9月に転校してきた謎すぎる
美女海野藻屑(うみのもくず)。親は芸能人だがどうやら問題のある家庭のよう。
藻屑は自分を人魚だといい、現実として絡むのがかなりシンドイキャラ。また、主人公山田なぎさも、ひきこもりの兄と母と暮らしていて早く大人になりたーい!
あぁ、苦しい設定ですよ。
親や大人に問題あり!凪良ゆうさん的な?
でも不思議と藻屑のキャラが次第に愛おしさすら
感じてくる。なぎさもクラスメイトから友達、
かけがえのない親友以上になり・・・。
冒頭から藻屑が死んでしまうことが提示されての
一カ月間のお話となるので、ショッキングな結末
と感じることはなく。
不思議と前向きになれる小説でございました。
解説込み200ページですが、なかなかの読後感です。オススメ作品です。
Posted by ブクログ
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
このタイトルの意味はいまいち、わかるようではっきりとした答えは言えない。
実弾はお金。
砂糖菓子の弾丸は空想など、、、
とにかく可哀想。変な転校生かと思う。でも愛情と憎しみがわからない。って言うのはよくある。虐待されている子供によくみられるよね。
最初に死亡ニュースが書かれているので最後も予測ができ、話の流れ的に特に驚くことはない。だけど涙が出る。
実際に現場を見たら終わり。
教員の立場を考えても本当に辛いだろうな
Posted by ブクログ
登場人物や文体から独特な世界観が展開され、最初はなかなか感情移入しづらかった物語にどんどん引き込まれた。子どもに対する虐待というテーマを扱っているため、読んでいてしんどい部分はありましたが、短い物語の中で感情を動かされました。タイトルの「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」、おそらく「砂糖菓子の弾丸」は藻屑のことを指しているのだろうけれど、読み終わった後に改めてタイトルの意味を考えると暗い気持ちになる。
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ラストには驚愕させられた。本谷有希子著『乱暴と待機』に通じるものがある。ダークな内容をライトな小説として読ませる。詳細について語らないほどにイメージを膨らませてしまう。とても上手な書き手だと関心した。
Posted by ブクログ
涙が止まらなかった。悲劇で女の子が殺される話、と思っていたけれど、そんな単純なものじゃなかった。
必死にいきる道を探す子供たち。砂糖菓子の弾丸を必死に固める子供たち。
読んでいくにつれ、"砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない"というタイトルが切ない。結局どんなに必死に固めても撃ち続けても、撃ち抜くことができないなんて。
藻屑がどうか、来世では幸せでありますように、と願ってしまう。
この作品は、私の中に強烈なインパクトを与えた作品。
再読。1日で読み切った。
過去の生き残りゲームの兵士だった私を、思い出す。逃げられないものから、逃げようとするひたむきさと温かさ。そんなものでは撃ちぬけない。ロリポップが欲しい。
懐かしくて、残酷で涙が止まらなかった。なのになんでだろう。どこか先を見つめられるのは。
更に再読。3時間程度で読み切った。
大人になってしまったからか、サラっと読めた。あの頃のように胸がえぐられるような感覚がない。良いことか悪いことか…。でもやっぱり続きが気になってスラスラ読めてしまう。
Posted by ブクログ
読後ずんと胸に残る作品でした。
主人公くらいの年齢って、周りの人の事が気になるけど、面倒くさいとか、からかう対象として見ることもあって、後からその人の色々を知ってショックを受ける事もありますよね…
後から気付いても遅い事もあるし…
色々考えると胸がヒリヒリします。
Posted by ブクログ
主人公のなぎさの家は貧しくて、収入という「実弾」を求めている。
転校生の藻屑は虐待を受けていて、自分は人魚で体のアザは汚染だと言って「砂糖菓子の弾丸」を撃っている。
なぎさの兄の友彦は引きこもりで魔術という「砂糖菓子の弾丸」で自分を守っている。
藻屑は実父に殺される。
藻屑の事件を機に友彦は外に出て自衛隊に入る。
世界中で今日も子供が殺されている。
子供は砂糖菓子の弾丸で社会とは戦えない。
この本の1番の秀逸な点はタイトルだと思う。
Posted by ブクログ
鬱小説1位と言われるこの小説。
いろんななことをかかえている13歳の女の子2人が出会ってしまう。
13歳なんて、あまりに小さくて脆くて無力だ。
最近はいろんな問題をかかえた内容の小説が多いから特にこの小説が鬱小説1位とは思わないけど、衝撃的な始まりから終わりまで晴れやかな気持ちで読めるページはなかったなぁ…