桜庭一樹のレビュー一覧
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これは、小説なのか?私小説とはなんなのか?
地方の、この押し潰されていく感じ、箱に入れられる感じ、話ができない様。自分の一部でもあるから捨てられないんだけど、うんざりする思い。この息苦しさが、わからない人がいることがショックだった。
そして、自分が肌感覚でわからない、頭でどうにか想像してわかろうとするけれど、気を抜くとわからなくなってしまう世界があるだろう、さらにそもそも気づいてもいない世界がすぐ近くにあるのだろう、ということを自覚しておきたい。(そう思いながらもすぐ忘れてしまうのだろうから、せめてアンテナを張ることは続けておこう。)
共同体のルールにのれないなら、出ていかなければならないのか。息ができない思いをする人がいるなら、社会が変わらなければいけないのではないか。だから、わきまえても黙りこんでもいけない。心身共ににダメージを受けることになるのだが。 -
Posted by ブクログ
読み終わって、当事者意識、について考えている。
自分ではない立場の人の状況や気持ちになるのが難しいって事はよく分かるし、いつか自分もその当事者になるかもしれないっていう想像も難しい。
頑張って想像してみたところで、憶測に過ぎなくて、
かえって失礼かも、とか、逆の立場なら、やめてよっ!てリアクションをしてしまうかもしれない。
自分ではない誰かの気持ちを丁寧に書ける作家さんって、ホントすごい。とも改めて思う。
二つの義務、についても考える。
少数派が、多数派の和を乱すだけ、困惑させるだけだから黙っている沈黙。
少数派だから、社会に受け入れて頂くため説明し、努力を重ね、理解して頂かなくてはならないかの様な、謎の説明責任。
確かに、どっちも嫌でたまらない。
大学生の頃のサークル活動の事も思い出した。
私、イタい子認定されて、軽くハブられてたらしい。
本人、ぜんっぜん気がついてなくて、別に居心地の悪さなんかも感じてなかったのに、後輩が突然キレた。
「あんだけ無視されて何も感じないとか信じられない!」
彼女がキレたのが、義憤だったのか、もしかしたら向こう側の人で反応しない私が面白くなかったのか、その辺は分からないけど、なんかとりあえず彼女の言葉にショックを受けた。
ハブられた事より、可哀想な子認定を突きつけられた事がショックだったのかな、と四半世紀以上経って思い至っている。
別に真相なんてどうでもいいし、もう連絡もとうの昔に途絶えているし、今更彼女に私が傷つけられる事なんてないし、ただ、それは気が付かなきゃならなかった事なのか?という静かな疑問が浮かんだだけ。
私も知らず誰かを傷つけたかもしれない。
私を作る細胞達が一つひとつ違って、何なら腸内細菌やら皮膚常在菌やらも併せて私を作っている様に、一人ひとり違う私達が大きな宇宙を作っているのかもしれない。そして彼女は私だったかもしれないし、私が彼女だったのかもしれない。
なんてことを考えた。なんか怖っ。
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Posted by ブクログ
著者の別作品のシリーズに『GOSICK』なるライトノベル作品が存在する。一九二四年、架空の西欧の小国ソヴュールを舞台とするホラーテイストのミステリである。二〇一一年には悠木碧主演でアニメ化もされた。
此の『GOSICK』シリーズに関して、著者が何処かで、歴史上、近代とは日本にとって青春の時代ではなかったか、というようなニュアンスのコメントを残していたと思う。
即ち、子供から大人へ。神秘から科学へ。換言すれば近代とは神秘の残り香を宿した最後の時代なのである。本書『赤朽葉家の伝説』もまた『GOSICK』と同様の通奏低音の下に書かれた作品であろう。
サンカ、服わぬ山の民。其の遺児たる万葉は、同時に神秘の時代の落とし子でもあった。
本書は第六十回日本推理作家協会賞受賞作とある。ならば、まあ、推理小説の類であろうと頁を繰るのだが、其処に展開されるのは神秘の落胤・赤朽葉万葉から始まる少し不思議な女三代記である。
然も質の悪い事にこれが結構面白い。途中まで本書がミステリである事を本気で失念して娯しんでしまった。
だがミステリを愛好する向きには安心されたし、本書はちゃんとミステリである。本来御法度とされる筈の神秘の要素も不可欠な仕掛けの一つ。日本推理作家協会賞受賞は伊達ではない。
然し乍ら矢張り自分としてはジャンルの枠組みで縛るのが勿体無いくらいには純粋にクオリティの高い作品であったと感じる。単に小説作品として面白いのである。
これまで読んだ桜庭一樹作品では『私の男』が個人的にはベストであったが、若しかすると首位交代も有り得る……。 -
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久しぶりの桜庭一樹。
月夜の義理の兄・奈落の死から物語が始まる。
血縁とか家族とかの軋轢や愛を描くのばかり読んでる気がする。
死者を忘れるのは簡単で難しい。
簡単に忘れて、不意に思い出して、染みみたいに残る。
奈落みたいな男の子、モテるだろうなぁ。
月夜みたいな子、居るよなぁ。
生い立ちが複雑だと何もかもそこに起因している様な気がしてしまうけど、本当はもっと些細な事なんだろう。
本人的には重大な過失の様に感じても。
それを『18歳と19歳』で分けたり、月夜の友人らの陰口で表現していて、世界観は現実とファンタジーの狭間なのに、そこに生きている人達はリアルだ。
密と約のセクシーな感じが伝わってきて良かった。
2人で密約だね……。 -
Posted by ブクログ
ネタバレアニメ途中までしか観てなかったからこの話は初見。
突然学園から連れ去られたヴィクトリカを連れ戻しに旅立つ一弥。
修道院ベルゼブブの頭蓋にて無事再開できたものの、ヴィクトリカは相変わらずのツンツンっぷり…笑
…と思っていたら後半で、母コルデリアに対する想いや父に道具として扱われる自身の生まれてきた意味に対する不安等心の内を一弥にこぼす。あ、あのヴィクトリカが素直に……‼︎と軽く感激(;∀;)
今作ではコルデリアに加えてついにヴィクトリカの父アルベールが登場したり2人の絆がより深まったりと前作より更にストーリーが進展して今後の展開が気になるところ。
そして結局パンドラの箱形見箱とは⁇…ってめちゃくちゃ気になるところで終わるんかーい‼︎
(ヴィクトリカが特別毒舌でコルデリアは優しいのかと思ってたけどコルデリアも結構なツンツンっぷりだった。流石ヴィクトリカのママ^^;)
(あとベルゼブブの頭蓋と駅と海との位置関係とか水門がどうとかの仕組みがいまいちよくわかんなかったので図を入れて欲しかった…)