桜庭一樹のレビュー一覧
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久しぶりの桜庭一樹。
月夜の義理の兄・奈落の死から物語が始まる。
血縁とか家族とかの軋轢や愛を描くのばかり読んでる気がする。
死者を忘れるのは簡単で難しい。
簡単に忘れて、不意に思い出して、染みみたいに残る。
奈落みたいな男の子、モテるだろうなぁ。
月夜みたいな子、居るよなぁ。
生い立ちが複雑だと何もかもそこに起因している様な気がしてしまうけど、本当はもっと些細な事なんだろう。
本人的には重大な過失の様に感じても。
それを『18歳と19歳』で分けたり、月夜の友人らの陰口で表現していて、世界観は現実とファンタジーの狭間なのに、そこに生きている人達はリアルだ。
密と約のセクシーな感じが伝わっ -
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ネタバレアニメ途中までしか観てなかったからこの話は初見。
突然学園から連れ去られたヴィクトリカを連れ戻しに旅立つ一弥。
修道院ベルゼブブの頭蓋にて無事再開できたものの、ヴィクトリカは相変わらずのツンツンっぷり…笑
…と思っていたら後半で、母コルデリアに対する想いや父に道具として扱われる自身の生まれてきた意味に対する不安等心の内を一弥にこぼす。あ、あのヴィクトリカが素直に……‼︎と軽く感激(;∀;)
今作ではコルデリアに加えてついにヴィクトリカの父アルベールが登場したり2人の絆がより深まったりと前作より更にストーリーが進展して今後の展開が気になるところ。
そして結局パンドラの箱形見箱とは⁇…ってめちゃ -
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中盤まで面白く読み進んでいたのだけれど、最後のほうはちょっと混沌としていて少しすっきりしない感じが残った。LINEでやり取りしていた同級生が、どうやらパラレルワールドにいるらしい。向こうの世界では、自分や周りの人が違う選択肢や、違う運命をたどり、どうやら新型コロナウィルスという病気が世界的に巻き起こって大混乱をきたしているらしい。
そんな話が、もしコロナがなかったら…ということを想像させてくれたし、主人公が30代で乳がんの治療を経験した女性であることからの様々な思いもよくわかって(化学療法中の頭がぼんやりする感じや、白血球を増やす注射をした時の体の感覚など)、健康と病気、男性と女性、加害者と被 -
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ネタバレ本のおびが「書き手の心を守り、読む/読まれるという営みをいっそう豊かにしていくための読まれ方入門」となっている、ベテラン作家の手による新書。一般読者としては、その本が自分にとってどう面白かったかと感じて感想を書いたり、友人と話すといった読者なので、本の著者がどのような気持ちで読んでほしいかを考えたことが無かったことから、斬新な視点の読書方法の本でした。小説の著者は不特定多数の読者と向き合っていることから、林芙美子著「放浪記」の主人公のように感情の起伏の多少はあれタフな精神の人が多いのかと思っていましたが、作者の心の平穏について考えるよい機会にはなりました。高校や大学の図書室に一冊あってもよいか
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ネタバレ久しぶりの桜庭一樹!
パラレルワールドとして存在してるこっちの世界の話が、コロナらへんで「あ、そうだった。ほんとに。この世界はこのままどうなってしまうんだろうと思いながら、それでも懸命に日常を続けていたな」と思い出して怖くなった。忘れていっちゃうのかな、こういうのも全部。
波間の病気のことも。当事者じゃないから私はなにも言えないけど、理解はしたいというか。でもその「理解」が上から目線に思われたり興味本位に思われたらどうしよう、とかは思うから、あんまり、あんまりなぁ。ただ本当に生きて、健康で、楽しく暮らしてほしいということは全人類に思っている。
主人公のお兄ちゃんに対して申し訳なくなるところが -
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山陰の製鉄業で財を成した旧家の三代に渡る女性の年代記
以下、公式のあらすじ
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「山の民」に置き去られた赤ん坊。この子は村の若夫婦に引き取られ、のちには製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれて輿入れし、赤朽葉家の「千里眼奥様」と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。――千里眼の祖母、漫画家の母、そしてニートのわたし。高度経済成長、バブル崩壊を経て平成の世に至る現代史を背景に、鳥取の旧家に生きる3代の女たち、そして彼女たちを取り巻く不思議な一族の血脈を比類ない筆致で鮮やかに描き上げた渾身の雄編。2006年を締め括る著者の新たなる代表 -
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☆3.5 桜庭一樹さんのやさしさ
あとがきで、鴻巣友季子による「少女を埋める」評にも触れてゐます。もっぱら私はこの事件の興味で読みました。
読まれる覚悟の究極的な回答は「読まされる覚悟」をも知ること。と私は考へました。
これを読んで桜庭さんはリベラルな博愛精神の持ち主だとおもひました。誰もが傷つかないやうに気を遣ふ。読者が誤読しても、相手を気遣って批判は避ける。立場は純文学作家の問題意識と大きく重なります。
よもやま話①にある通りに、小説家は一種のはたから見たら、(能天気な)理想主義者ではあるでせう。ただ、小説に全幅の信頼を寄せるけなげなこころがあるかもしれない。私もこどもの頃は、