桜庭一樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ今までは一冊ごとに違う事件で、通底するストーリーはあるものの、巻を置いたときにはそれなりに満足感があったものだ。
しかし今回は、連続殺人事件の途中、しかも自己紹介の目に3人目が殺されたっぽい。
え?え?
めっちゃ気になるじゃん。
朝から校内でヴィクトリカを探す一弥。
ヴィクトリカは父親の意向で、リトアニアにある修道院へ拉致され、幽閉されたのだと先生から聞かされた。
傷心の一週間後、ヴィクトリカの兄から、彼女が何も食べずに徐々に衰弱していると聞かされ、一弥はヴィクトリカを連れ戻しに出かける。
今回は一弥もヴィクトリカも、自分の気持ちに自覚的だ。
しかし修道院はいかにも怪しいし、含みのある登場 -
Posted by ブクログ
ネタバレここ最近、小説家の方が小説の書き方や手の内を明らかにする本がよく出ているが、「読まれ方」という視点にいったいどんなことが含まれてるんだろう、と思い手に取った。おそらく、発言する責任というようなことなんだろう、と予測はしていたけど。
本書は、
➀小説が出版されたときに起こること。
②一般的な読者の方にどう読んでもらうか。
➂批評家や書評家の方と共存する方法。
④ファンダムがある作品の原作者になること。
から桜庭さんの考えや経験から得たもの、また他者の意見や実際にあった出来事を例にあげながら話されている。
桜庭さんは文中で何度も人間だから間違ったり勘違いしたりすることは多々あるということを繰り -
Posted by ブクログ
封建的な考え方がある環境から離れ、東京で仕事をこなす主人公が故郷で暮らす家族との会話から、その関係性を考え突き詰める話が主題と思えた
主人公か著者自らを描き、ノンフィクションに近い物語のようだが、自身の印象や記憶から記述されていて物語性がある
執筆した作品の話も出てくるが、呼んでいたほうがより理解できただろう
また読んでいる間よりも、読んで暫くたってからの方が、作品への理解と評価が高まったように思う
他に2作品が収録されている
大手新聞の評論に、誤ったあらすじが掲載され、これに反論する活動が主体の話となっている(と読んだ)
こちらも実話のようだ
原因を推測し、深層を探っていく過程は、作家なら -
Posted by ブクログ
ネタバレ一弥は日本に送ってほしいと姉に頼まれたいくつかの文房具を買いに、首都にあるデパートにやって来た。
ソヴュール王国に伝わる秘宝〈青い薔薇〉を模したガラスの文鎮が、そこにしか売っていないと聞いたから。
しかしデパート内で迷子になった一弥が見たのは、囚われているとおぼしき少女の姿。
警察に届けたものの、デパートに戻ってみると、店員は誰も一弥を見ていないと言い、一弥の証言通りの部屋などどこにもないのであった。
とはいえ読者には、絶対的にこのデパートが怪しいのがわかる。
けれども、いつも謎をすいすいと解いてくれるヴィクトリカは、今回風邪でダウンしているため不在。
一弥ひとりで謎を解くことができるか? -
Posted by ブクログ
美しい男女が青春の終わりを受け入れるまでの物語。
ラストシーン、雪風と七竈が作中で唯一、互いへの感情を言葉にして伝え合う場面。
「母をゆるさないことだけが、わたしの純情です」
「そんなら、ぼくは父をゆるさないことにする」
それは決別であり、同時に永遠の約束にも見えた。未来で交わることはなくとも、同じ傷跡で繋がっている。許さないという選択をとることで、思い出とともに沈む心中のような響きすら宿していた。
あたり一面が真っ白な銀世界のなか、一際鮮やかに映える真っ赤な実――名は体を表す。それが七竈という少女だった。読後に残るのは、切なさとどこかやるせない余韻。そして微かに雲間から差し込むような