桜庭一樹のレビュー一覧

  • 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet

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    ネタバレ

    父が死に兄がひきこもりの山田なぎさは、人生に直接関係のある「実弾」にしか興味がない。
    たとえばその日の糧についてだし、たとえば毎日しなくてはならない料理についてが「実弾」である。
    ある日砂糖菓子の弾丸を打ちまくる転校生、海野藻屑がくる。ミネラルウォーターを投げたり、嘘をついたり、虐待された痣を汚染と言い張る。
    この話は海野藻屑が虐待の果てに殺されて近くの山にバラバラで捨てられるまでを描いている。
    子供が放てる砂糖菓子の弾丸では大人の実弾には、勝てない。
    海野藻屑のちょっとした魅力がすてきで、悲しい本でした

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    2025年08月16日
  • 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet

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    「生きているだけで偉い」とよく言われるが、この本を読んで偉いというよりもすごいことだと思った。この世は生き残りゲームみたいなもので、生き抜いて大人になれるだけで奇跡なのかもしれない。

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    2025年08月09日
  • 名探偵の有害性

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    主人公2人と同世代の自分にとってはこれは青春小説だな。そしてボーイミーツガールでバディもの。変人探偵と世話焼きな助手という王道。謎解き推理部分はありきたりであんまりだけど、キャラクターで魅せる。出てくる小道具や背景、流行がいちいち懐かしく、何者かになりたかった若い頃と、妻や母という役割に落ち着いた現在が主人公とリンクしてちょっぴりこそばゆい。十代二十代の子が読んで面白いと感じるかわからないけれど、昭和ブームだしいいかな。

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    2025年08月09日
  • 彼女が言わなかったすべてのこと

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    パラレルワールドの小説。

    この世界とあの世界、どっちも一緒であり一緒じゃない。ちょっと間違えれば世界線の波間にいて、無になる。なんかわかるようなわからないような。
    この世の中の状況を織り交ぜながらの話し、
    私もガンサバイバーだけど、もう普通に生きている。人からの見た目や価値観はさまざまだなと思うし、言わなくてもいい事が増えてくるのは同感。

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    2025年08月07日
  • 少女を埋める

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    田舎帰省。家父長制。Cさん嫌だ。論点をすりかえるな。
    明るくネガティヴなことを言うとしらける確かに気をつけよう

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    2025年08月04日
  • 赤×ピンク

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    3.7という感じの評価。
    女の子たちの話だというものすごくざっくりした知人からの紹介で読んだが、彼女たちの生き方在り方が心に響いた。

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    2025年07月29日
  • 彼女が言わなかったすべてのこと

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    コロナがある世界とない世界、二つのパラレルワールドが主人公と別世界の男の子とのLINEを通してだけ繋がるお話。
    同じ世界でも違う世界でも、みんな違う人生を生きているし、人生同士の境界線は曖昧。他人事として考えるか自分ごととして考えるか、いつでも選択できるし、手放すのも寄り添うのも自分次第である。

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    2025年07月28日
  • 赤朽葉家の伝説

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    長い。けどテンポ感がよくサクサク読める。正直内容は覚えてないんだけど(おい)こちらも10代の時に読んで超おもしれ〜ってなった作品

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    2025年07月17日
  • 女殺油地獄

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    ネタバレ

    おどろおどろしい表紙とタイトル。
    お恥ずかしい話ですが、学がない私はこの古典作品を知りませんでした。
    そんな私ですが、大好きな桜庭一樹先生が書いていると知り読みました。
    惨殺シーンがグロテスクでありながら、エロチックでもあるのはさすが桜庭先生ですね。
    江戸時代は実際にあった事件を大衆演劇の演目とすることは知っていましたが、この作品は事件から1ヶ月半後に上演されたとか…。
    人の命の重さが違う時代だとは頭では理解していたつもりですが、その感覚、現代人には理解できるものではないですね…

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    2025年07月14日
  • 彼女が言わなかったすべてのこと

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    読み終わって、当事者意識、について考えている。

    自分ではない立場の人の状況や気持ちになるのが難しいって事はよく分かるし、いつか自分もその当事者になるかもしれないっていう想像も難しい。
    頑張って想像してみたところで、憶測に過ぎなくて、
    かえって失礼かも、とか、逆の立場なら、やめてよっ!てリアクションをしてしまうかもしれない。

    自分ではない誰かの気持ちを丁寧に書ける作家さんって、ホントすごい。とも改めて思う。

    二つの義務、についても考える。
    少数派が、多数派の和を乱すだけ、困惑させるだけだから黙っている沈黙。
    少数派だから、社会に受け入れて頂くため説明し、努力を重ね、理解して頂かなくてはなら

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    2025年07月14日
  • 赤朽葉家の伝説

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     著者の別作品のシリーズに『GOSICK』なるライトノベル作品が存在する。一九二四年、架空の西欧の小国ソヴュールを舞台とするホラーテイストのミステリである。二〇一一年には悠木碧主演でアニメ化もされた。

     此の『GOSICK』シリーズに関して、著者が何処かで、歴史上、近代とは日本にとって青春の時代ではなかったか、というようなニュアンスのコメントを残していたと思う。

     即ち、子供から大人へ。神秘から科学へ。換言すれば近代とは神秘の残り香を宿した最後の時代なのである。本書『赤朽葉家の伝説』もまた『GOSICK』と同様の通奏低音の下に書かれた作品であろう。

     サンカ、服わぬ山の民。其の遺児たる万

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    2025年07月04日
  • 読まれる覚悟

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    小説家が読者、批評家、書評家などをターゲットに彼らに対する思いをぶちまけた珍しい本だ.面白かった.本が出版された瞬間にそれは小説家の手を離れてしまうことは、物理的に理解できるが、小説家自体がこの本に書かれているように様々な思いを持っていることは予測できなかった.著者が女性であることに特化された思いもかなり出てきたが、男性社会の日本では当然だと感じた.対話と共話の比較論も楽しめた.

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    2025年07月01日
  • 少女七竈と七人の可愛そうな大人

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    ネタバレ

    世界観がかなり独特。
    読み始めた時はあまり没入できずにいたのですが、結婚式の場面でカメラを機関銃に例えるところの表現が美しくて惹き込まれました。
    桜庭さんの小説はこれが初めてでしたが、他にも読んでみたくなりました。

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    2025年06月23日
  • 女殺油地獄

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    初め、読みにくい文体、、、と感じたが、
    まるで舞台で口上をあげているかのようで、浄瑠璃または歌舞伎を観ているような気分にさせられた

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    2025年06月21日
  • 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet

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    海野藻屑という風変わりな名前の少女のバラバラ遺体が発見されるところから始まり、その少女が死に至るまでを追ってゆく。
    冒頭を読んで「これはハッピーエンドは望めないな」と思いながらも読み進めていくと、主人公の山田なぎさ視点のラノベっぽい文体から「ひょっとしてそこまで酷い展開でもない?」と一瞬思ってしまったが、そんなに甘くはなかった。
    波打ち際を意味する「なぎさ」という主人公の名前は、深海まで藻屑を救いに行けないことを匂わせているんだろうか。
    とにかくやるせないお話でした。 

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    2025年06月19日
  • 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet

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    友人に薦められてなかなか読めていなかったけどようやく読めた。2人の主人公の女子中学生のお話。砂糖菓子の弾丸って何って思っていたが最後は意味が分かりとても興味深い作品になった。最初に結末が分かっているからこそ物語の傍観者として最後の結末を予想しながら読み進めることができた。なかなかに面白い本だった。

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    2025年06月14日
  • 私の男

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    至高のロリコンを期待して読んだらマザコンでびっくり。ちょっとしょんぼり。
    でも作中一貫して花が淳悟を「私の男」と呼び続けてるのよかった。

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    2025年06月06日
  • 無花果とムーン

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    久しぶりの桜庭一樹。
    月夜の義理の兄・奈落の死から物語が始まる。
    血縁とか家族とかの軋轢や愛を描くのばかり読んでる気がする。

    死者を忘れるのは簡単で難しい。
    簡単に忘れて、不意に思い出して、染みみたいに残る。

    奈落みたいな男の子、モテるだろうなぁ。
    月夜みたいな子、居るよなぁ。
    生い立ちが複雑だと何もかもそこに起因している様な気がしてしまうけど、本当はもっと些細な事なんだろう。
    本人的には重大な過失の様に感じても。
    それを『18歳と19歳』で分けたり、月夜の友人らの陰口で表現していて、世界観は現実とファンタジーの狭間なのに、そこに生きている人達はリアルだ。

    密と約のセクシーな感じが伝わっ

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    2025年06月01日
  • GOSICK V ──ゴシック・ベルゼブブの頭蓋──

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    ネタバレ

    アニメ途中までしか観てなかったからこの話は初見。
    突然学園から連れ去られたヴィクトリカを連れ戻しに旅立つ一弥。
    修道院ベルゼブブの頭蓋にて無事再開できたものの、ヴィクトリカは相変わらずのツンツンっぷり…笑
    …と思っていたら後半で、母コルデリアに対する想いや父に道具として扱われる自身の生まれてきた意味に対する不安等心の内を一弥にこぼす。あ、あのヴィクトリカが素直に……‼︎と軽く感激(;∀;)

    今作ではコルデリアに加えてついにヴィクトリカの父アルベールが登場したり2人の絆がより深まったりと前作より更にストーリーが進展して今後の展開が気になるところ。
    そして結局パンドラの箱形見箱とは⁇…ってめちゃ

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    2025年05月29日
  • 少女には向かない職業

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    思春期の不安定さ、自分が世界にハマってない感じがリアルに描かれていて、思春期の頃の感情を大人になっても忘れず瑞々しく書けることに感心した (内容は瑞々しいって感じと違うけど)

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    2025年05月26日