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Posted by ブクログ
「チェックメイトだっ!」、その途端、海に浮かぶ大地が揺らいだというように、駒たちがかすかに震えた。ヴィクトリカはぶつぶつと、「チェスとはじつに手の込んだ知性の浪費法だな」と独り言を言った。ふと耳をすます。遠く、学園の校舎の方からか、生徒たちの喧騒がかすかに聞こえてきた。ヴィクトリカはしばし不思議そうに考え込んだ。やがて、「あぁ」と合点したようにうなずいた。「今日はあれか・・・」
GOSICKsⅣ
GOSICK短編集第四弾はある冬の一日に焦点を当てた物語集。その日はリビング・チェス大会の日。黒と白の剣士や僧侶、戦車、女王になりきった生徒たちが駒になりきって、戦っている。しかしリビング・チェスに参加しているのは生徒だけではない。セシルやゾフィといった大人も混じってまるで子供に戻ったかのように冬の一日を堪能している。そんな和やかなリビング・チェス大会にある人物も参戦する。その人物はジャクリーヌ・ド・シニョレーとまさかまさかのグレヴィール・ド・ブロワ・・・!
まず私のお気に入りポイントはキャラクター。特にこの短編集ではある意味主演であるジャクリーヌはとても良いキャラクターだと思います。警視総監夫人でありながらの天真爛漫さは物語を明るくしてくれていますし、女性としてのかわいらしさも持ち合わせています(ヴィクトリカにも好影響を与え、そしてブロワにも好影響を与えて欲しい人物)。
そしてそんな彼女がある事件の容疑者にされたとき、ヴィクトリカの力を借りながらも潔く条件を飲み、ジャクリーヌを救ったブロワも今回は今までの憎たらしさを減らして、子供のような純粋な戦車になりきりますw。
個人的にブロワのヴィクトリカへの態度は時々憎たらしいけど、最近は会話自体にヴィクトリカへの感情の変化が感じれるような気もしないではないです(実はヴィクトリカを灰色狼として憎み、恐れながらもあのようにじゃれているような文句のたれ合いをしているのならば、相当な実力者になりますが)
個人的なお気に入りは「黒の女戦士は駆け抜ける」です。アブリルとヴィクトリカのまともな絡みは良いですね!またブロワの人形好きの謎についても知れたので、私としては満足です。そしてヴィクトリカとアブリルがより近づいた印象があったことが一番の魅力でしょうか。私は2人には仲良くして欲しいのでw。
そして外せない話が「騎士はちいさな姫にかしずく」です。これには触れませんw、読んでください!この短編集の最大の狙いはおそらく次の嵐の伏線を張ることではと思います。そこは是非読んで確認して欲しいです。
これは好き。
Posted by ブクログ
短編集四作目は、冬のリビング・チェスの日に思い返される、様々な昔の経緯である。
ここに来てまとめに入っている感は否めないが、話に出ていながら詳しくは説明されなかったグレヴィール関連の話や、以前ちょろっと顔を出したレディズメイドが再び顔を出す話など、過去にあった出来事を詳らかにしている。
その中で書き下ろしの五章は異色だが、これはどう解すればいいのだろうか? 個人的には、やや遊びが過ぎるかな、という気もする。ミステリーは簡潔をもって良しとするものだと思うので、この部分は(たとえばこれからの争いを暗示するものだったとしても)冗長に感じられた。
結末前の箸休めといったところだろうか。ただ、次の上下巻が出てから(あるいはその合間に)この巻が出るのもすこぶる微妙なので、出版するタイミングとしては適当なところだろう。
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小説・文芸
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