桜庭一樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルからも堅苦しそーだなあでも読みたいなあ読まなきゃなあを彷徨ってたこの超大作をようやく読めました。読んで良かった。堅苦しさとはなんのことやったのか。物語への没入のしやさすさ。戦後からの時代背景を詳細に踏まえながら、赤朽葉家の物語は語られます。時代に沿ったり沿わなかったり、旧家の有り様も表現豊かでとても面白かった。
なにより、文体や語り草にとても笑ってしまう。
『寝取りの百夜』は腹抱えて笑いました。死に様も全く裏切ることなく、とても良いキャラでした。
万葉、毛毱、瞳子の3世代がもちろん色濃く強く素晴らしい主人公でしたが、周りを取り巻く女性たちのなんと華やかで可笑しなことか。黒菱みどりがと -
Posted by ブクログ
桜庭一樹読書日記2007年3月~2008年2月分。前に読んだ『少年になり、本を買うのだ』の時も思ったけど、ほんとに読書量が半端ではないですね。特にこの年度では夏『赤朽葉家の伝説』が直木賞候補になり、落ち着かない様子、そんななか『私の男』を執筆、そして『赤朽葉家の伝説』は落選。『私の男』上梓。またまたそれが冬の直木賞候補、受賞。当然受賞後のバタバタに、貴重な作家日常ですね。それなのに~この量です!
怒濤の本の数々、偶然わたしが読んだのも多くあり、そうでないものにもすごく惹かれました。恐れおおくも嗜好が同じだなあなんて。読みたい本、買いたい本のリストがますます長くなりまして困りますね。
読 -
Posted by ブクログ
ネタバレ桜庭一樹先生らしい,夢の中にいるような,矛盾だらけで,だから納得できるような気がする短編集.
「暴君」 カミュの「カリギュラ・誤解」は学生時代に読んだはずなのだけれど,全然憶えていないや(「暴君とは」「物事が見えなくなった魂」ねー,んーと,まったく記憶に引っかからない.再読してみるか.再読して:「罪こそ我が家」は「誤解」からか.良くこんなフレーズ引っ張ってきたなー).少女の肉体はまるでオバケヤシキか,うん,桜庭節だね.
「ビザ-ル」 同郷の更田さんに押し切られて二股交際を始めたカノさん.更田さんは,やくざの抗争の流れ弾で障害を負ってしまい,土砂崩れで壊滅的被害を受けた故郷の町の過去の夢に捕ら -
Posted by ブクログ
ものすごく切ない気分になる短編集でした。
読みやすく美しい文体に、ファンタジックでありながらも、人間の内面をえぐるような心情描写とそのリアリティさ。堪能させていただきました。
本書はフォロアーさんの素晴らしいレビューを読んで手に取った本でした。著者の桜庭一樹さん自体も初読みの作家さんです。
「一樹(かずき)」という名前から男性の作家さんだと思っていたのですが、女性の作家さんなのですね。恥ずかしながら知りませんでした。2008年には直木賞も受賞されているし・・・。いやはや、まだまだ知らないことばかりです。
本書は、人間そっくりの姿をした竹の妖怪である吸血種族『バンブー』と人間との禁じられた交