近藤史恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「クッキーをひとつひとつ選んで買う人は、詰め合わせを買う人を莫迦にしたりするだろうか。徒歩で向かう人は、タクシーに乗る人を笑うだろうか」
「みんな服はわざわざ自分で作ったり、オーダーメイドしたりせずに、売られているものをそのままか、少し丈を直すだけで着ているではないか。なぜ、そんなふうにツアーで旅行する人を見下せるのだろう」
私自身、旅行はツアーではなく個人旅行に限る、もっと言えば、ツアーに頼るなんてありえない」と思っていましたが、上記のような例えを読んで、はっとさせられました。
主人公は旅行が好きでツアーコンダクターの仕事を選びながらも、実際の仕事で悪戦苦闘し、本当にこの仕事に自分は向いているのだろうかと考え始めます。
「私は自分で選んで今、ここにいる」
主人公がそう言い切れるまでには、紆余曲折ありましたが、この言い切りに清々しさを感じました。
私は、今の自分と選ばなかった選択肢を天秤にかけて、うじうじ後悔することがありますが、主人公のように、自分で選んだ道を心から肯定できるようになりたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ下町の片隅にある小さなフレンチ・レストラン、「ビストロ・パ・マル」。
スタッフはシェフの三舟と志村、ソムリエの金子、ギャルソンの高築の4人。
そんなお店で、シェフの三舟がお客さんの身に起こった事件や不可解な出来事の謎を解いていく、美味しくて優しいミステリー!7つの短編集。ミステリー初心者とサラッと読めました。
・「タルトタタンの夢」
女優と婚約したばかりのお客さんが、なぜ体調不良に襲われたのか…
・「ロニョン・ド・ヴォーの決意」
好き嫌いが多いと三舟が一目置いていた男性のお客さんの食事の秘密とは…
・「ガレット・デ・ロワの秘密」
ガレット・ロワに隠された陶人形はどこに消えたのか…
・「オッソ・イラティをめぐる不和」
ヨーロッパ旅行から帰国したばかりの妻はどうして突然家出してしまったのか…
・「理不尽な酔っぱらい」
不祥事を起こした高校生はどんな手口で飲酒したのか…
・「ぬけがらのカスレ」
鵞鳥のコンフィのカスレをどうしても食べたいお客さんの理由とは…
・「割り切れないチョコレート」
気難しいショコラティエが作る詰め合わせはなぜ素数(割り切れない数)なのか…
私は「ガレット・デ・ロワの秘密」と「割り切れないチョコレート」が特に好みだった!
「ガレット・デ・ロワの秘密」では志村さんがフランスにいた時の奥様との馴れ初めのようなところが描かれていてホッコリとしたし、「割り切れないチョコレート」はショコラティエの男性の女手一つで育ててくれたお母さんへの思いがチョコレートに表現されているのかなと、少し切ない気持ちにもなった。
続編も楽しみです〜! -
Posted by ブクログ
この本を選んだきっかけは、好きな作者さんであることと、やっぱり表紙のお菓子が素敵だったからかな(๑´ڡ`๑)。中身は短編集で、どれもはるばる海外に来たのに、引きずってる悩みが消えなくて大きなため息が聞こえてきそうな内容だった。友達を心から祝福出来ないで訪れるモロッコと、家族の介護から解放されたはいいものの自分は独りで生きていけるか戸惑い隠せないアイスランドの話が、短く読める作品の中で心に残りました。
『それなのにわたしは笑えない。まるで砂漠でたったひとりで立ちすくんでいるみたいだ。-ジブラルタルで会えたら-』
『「アイスランドは風が強くて、植物が育ちにくいから、その分、食材は貴重で、大切に使うんだと聞いたことがあります」だから、パンやバターや、ハンバーガーや、フライドポテトなどシンプルなものがおいしいのだろうか。-オーロラが見られなくても-』
何気なく食べた物が意外と美味しいと、ハッと気付かされる。日本にいた時と海外にいる今と少し思考が変わる、そんな描写があちこちにあって良いなと思った。
2026.6