近藤史恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
妻に離婚され、荒んだ生活をしていた主人公が、大阪の家事学校に通う中で、家事や家族、社会への見方や態度を変えていくお話。
家事学校に通う他の受講生たちの話もちらほら入り、多様な課題を見せていく。
自分の家族への配慮のなさ、視点のなさ、考えなさに気づいて、優しく柔軟になっていく主人公(元々素地はある)が、それでもやっぱりまだ相手の立場や状況を分かってなくて傷つけたり、傷ついたりする。
ベースあったかい、回復に向かう物語だからこそ、中盤終盤の浮き沈み(小説だからね!ドラマがなきゃ面白くないんだが!)に悲しくなったり、やめてくれー、と思ったりする。
そんなドラマチックじゃないんですけどね。ちっちゃ -
Posted by ブクログ
「ラストメッセージ」がテーマの短編集11編。
とても読み易かった。
印象に残ったのは「もうひとつある鷹宮家四訓」
「孤独の谷」「猫への遺言」
「もうひとつある鷹宮家四訓」は、大切な人を
思いやる気持ちが温かい。
ほのぼのとした短編集ばかりかと思いきや、
「孤独の谷」は言葉を使えば使うほど死に近づいて
いくという少し怖い話で、最後のシーンが
ぞわりとする。
「猫への遺言」は、読み終わった後、なんだか
モヤモヤ感があった。新型コロナウイルスで
亡くなった夫の遺言書、読まれるはずのなかった
遺言書で、妻は夫の秘密を知ることになる。
いろいろあったかもしれないが、
夫には共感できない。
これ、いい話