近藤史恵のレビュー一覧

  • 茨姫はたたかう

    Posted by ブクログ

    整体師・合田力シリーズの第2弾。
    キーワードは「白馬に乗った王子様とストーカーとは、どう違うのか?」。

    合田力先生、アシスタントの恵・歩姉妹、週刊誌の記者・小松崎くんが前作からの引き続きの登場人物。前作と同じように、小松崎くん視点と、今回の主人公の女性の視点が交互に語られ、いつの間にか接点ができていて、結局、整体師の合田先生が事件に首を突っ込んで解決する、というお話。

    今作は、従順で素直な「いい子」な女性が主人公。従順で素直…でも、実は彼女は周りの人すべてを否定しながら生きてきたんじゃないの?みたいなお話。

    小松崎くんの恋バナや、女性主人公の周りの人たちのキャラクタが活き活きと書かれてい

    0
    2012年03月24日
  • ふたつめの月

    Posted by ブクログ

    「これは、ものすごい悪人は出てこないミステリーです。」

    解説の松尾たいこさんの第1声が、この小説の内容をスッキリ説明してくれてる。悪意のある悪人が出てこないミステリー。日常、誰にでも起こりそうな、ささいな事件と、その出来事で成長していく主人公の物語。そして、ほんのり恋愛小説でもあったりする。

    『賢者はベンチで思索する』の続編。3つの短編から成り立っているのだけれど、最終的には最後の物語に繋がる伏線が用意されている物語。『賢者〜』ではフリータだった主人公・久里子が就職。けれど、そこを突然解雇されるところから始まる。そして、ずっと会うことのなかった、あの老人に偶然再会する。久里子の仕事の話と、

    0
    2010年12月11日
  • 桜姫

    Posted by ブクログ

    シリーズ物と知らずに買ってしまった・・・
    薄いし読みやすいかと思って買ったら
    短い割に結構詰まってました

    途中の歌舞伎のセリフが書いてあるところは
    理系の私には読みづらく、というか
    読み飛ばしてしまったのですが;

    んーーーなんともいえない感じ!
    悪くはないし、面白いと思ったし
    だけど後に残るものがあんまりないかなー
    って感じ!いや、でも、面白かった!

    0
    2019年01月16日
  • 桜姫

    Posted by ブクログ

    やはり近藤さんは心理描写が秀逸。
    笙子の苦しみ、切なさが痛いぐらい伝わってくる。
    ラストが優しくて良かった。


    でも、子役のくだりは・・・ただ痛々しさだけ残して、あれは、必要だったのだろうか・・と思わないでもなかったな。
    子供や動物が辛いのはダメだorz

    0
    2010年11月11日
  • 桜姫

    Posted by ブクログ

    歌舞伎シリーズ第三作だそうです。
    大物歌舞伎役者の娘・笙子と若手女形役者・中村銀京(ぎんけい)は
    十五年前に死んだ笙子の兄・音也の死について疑問を持ち、
    調べようと動き出すが、父や一門の者が執拗に阻止しようとする。
    一方、舞台で子役を務めた少年が大道具部屋で死んでいた。

    2つの死の真相を究明するべく依頼を受けた今泉文吾が
    たどり着いた結論とは?

    歌舞伎の狭い世界ならではのミステリーって感じです。
    音也の死の真相には驚愕しましたけど、
    久しぶりにドキドキキュンキュンしました。

    0
    2010年09月12日
  • 青葉の頃は終わった

    Posted by ブクログ

    大学時代の仲間の女性が飛び降り自殺を図った。

    死んだ彼女からハガキが届く。
    《私のことを殺さないで》

    いつも一緒にいた中に渦巻いていた感情。
    憧憬、羨望、嫉妬、庇護…。

    彼女を死に追いやったものは何なのか。
    彼女を《殺した》のは誰なのか。


    個人的には彼女の選んだ結果は到底納得できない。

    0
    2010年09月07日
  • ねむりねずみ

    Posted by ブクログ

    歌舞伎界の抱える業。

    一子の夫、優は歌舞伎界の御曹司であり名女形として期待を寄せられている。そんな彼が日常から言葉を忘れ始め、ついには声まで失ってしまう。
    一方、歌舞伎座では葉月屋の若旦那、半四郎の婚約者が殺害された。事件を追う怪しげな探偵と、探偵の友人で歌舞伎の女形を務める小菊が犯人を突き止めようと動き出す。

    馴染みのない歌舞伎の世界に最初は圧倒されていたが、舞台と日常の差異や不公平で公平な歌舞伎界に惹かれていった。
    芸の道に生きる。それは生半可な心構えでは太刀打ち出来ない場所で、努力だけではどうにもならない道である。
    その道に全てを捧げて生きる者の厳しさとやるせなさを感じた。

    生きて

    0
    2010年08月15日
  • 青葉の頃は終わった

    Posted by ブクログ

    近藤さんの話はいつも淡々としていながら美しい。

    大学時代の友人、河合瞳子の自殺により動揺する仲間たち。
    それぞれの視点から描かれた瞳子との関係。

    登場人物のキャラクターが確立されていたので、すごく読みやすかった。
    ただ疑問点が二つあり。(以下少しネタばれあり)
    1.ブリュッセルで写した4人の写真が残っていること。
    →普通あんなことが起こったあとでは、そんな写真は現像さえもしないのではないか。なんで持っているの?加代ちゃん。
    2.どうして瞳子は彼らとの旅行を嫌がらなかったのか。
    →自殺につながる事件に発展するだけに、ここはハッキリさせてほしかった。

    読書中この二つが気になって仕方がなかった

    0
    2010年08月09日
  • 天使はモップを持って

    Posted by ブクログ

    女の園みたいな部署に配属になって戸惑うばかりの大介
    男子には分からないだろうけど、そういう事って分かる!分かる!・・と
    共感出来る所があり親近感が湧きました。

    ちょっと頼りない大介を助けてくれるのが
    お掃除スタッフのキリコちゃんでとってもお洒落なうえにお掃除の天才
    さばさばした性格でとってもかわいい♪

    そんなキリコちゃんがお掃除を通して事件の真相を
    解き明かしていく過程はお見事!


    最終話に意外な展開があり
    大介もキリコちゃんもとても優しくて心温まりました。





    0
    2017年09月20日
  • にわか大根~猿若町捕物帳~

    Posted by ブクログ

    再読しました。最初にこれを読んだときも面白かったのですが、本シリーズの前2作を読んでからだと一層おもしろく、千蔭さんや、特にお駒さん・梅ヶ枝さんに感情移入できてよかったです。

    0
    2010年05月04日
  • 巴之丞鹿の子~猿若町捕物帳~

    Posted by ブクログ

    「にわか大根」(シリーズ三作目?)を先に読んで面白かったので、最初からと思って読みました。いや、なかなか良く出来た作品だと思います。全体としての謎と共に、登場人物各人がどういう人物であるか知りたくてどんどん読み進めてしまいました。シリーズの他の作品も読んでみようと思います。

    0
    2011年07月17日
  • にわか大根~猿若町捕物帳~

    Posted by ブクログ

    いばら姫、天使はモップを持ってなど、ほんわかしたドリーミーなストーリーが好きな女子にはぜひ勧めたい。

    とりたてて珍しい設定でもない捕物帳なのだが、主人公が自分よりも若い継母に振り回されたり、いやになるほど乙女ゴコロがわからなかったりと、ほのぼの要素満載。
    さらさらと方の力を抜いて読めるし、難しい時代考証も不要。

    時代物が苦手な人にも、オススメ。

    0
    2010年01月26日
  • 桜姫

    Posted by ブクログ

    笙子は大物歌舞伎役者の娘。
    15年前に、跡取り息子として期待されていた音也がなくなった後に引き取られたが、女の子では役者にはなれない。
    音也の首を絞めようとする悪夢を見る笙子は、何があったのか不審に思っていた。
    子供時代に別荘で音也と仲良くしていたという中村銀京という大部屋役者に出会い、奇妙な点のある音也の死について調べ始める。
    おりしも子役の少年が劇場でなくなるという事件が起きる。
    女形・瀬川小菊の知り合いの探偵・今泉文吾に調査を依頼することになるが…
    桜姫東文章の舞台をからめながら展開する〜封印された過去を巡る切ない恋の物語。
    平成14年単行本化された物の文庫。
    2007年の大ブレイクにつ

    0
    2025年08月23日
  • 巴之丞鹿の子~猿若町捕物帳~

    Posted by ブクログ

    巴之丞が探偵役かと思えばさにあらず。地道な調査と一瞬のひらめきで事件を解決に導き、大詰めでは芝居掛りでケレンを見せる手法が上手い。

    0
    2011年08月19日
  • 青葉の頃は終わった

    Posted by ブクログ

    「愛情という名で押しつけられるものは、決して拒むことができないのだ」っていう文章が、やはりこの作品全体を通じて貫かれているテーマだとは思うのですが、やっぱり人って愛情なしではなかなか生き抜いていくこと(いきることではなくて)って難しい一方で、愛情によって傷つきやすいっていうのは人の心も脆さというか儚さのようなものを感じさせますね。

    一番印象に残っているのは、自分が瞳子に対して示していた態度や見方が、彼女が巻き込まれたフランス旅行中の事件の犯人である日本人の男二人と同等に位置づけた瞬間ですね。ここまでの発想というか、思いを巡らせる展開は驚きでもありました。読み終わって感動する作品ではありませ

    0
    2009年10月07日
  • この島でいちばん高いところ

    Posted by ブクログ

    救いようの無さ、やりきれなさ、それから若さや強さやいろんなものがないまぜになっている感じ。恩田さんの少女ものが好きな人は好きなテイストかもしれないとかんじました。取り残された島での連続殺人事件。

    0
    2018年09月26日
  • 散りしかたみに

    Posted by ブクログ

     近藤史恵さんの歌舞伎ミステリーです。
    この人の歌舞伎ミステリーのシリーズ読んでると、
    私の中で、この人はこの役者さんのイメージっていうのが出てきます・
     今回のキーマン、登場人物の名前忘れちゃったんだけど(苦笑)
    顔に傷をおった役者さんのイメージ、スッとしてるイメージが勝手に出来上がって、
    なんとなく、お顔創った顔(化粧をした顔ね)が、
    中村梅玉さんのイメージができあがりました。
    年齢とかは全然違うんだけど、私の勝手なイメージ(笑)

    0
    2009年10月04日
  • 青葉の頃は終わった

    Posted by ブクログ

    人間関係の内に秘めたものをテーマにした作品が多い近藤史恵。彼女を自殺によって、いままで保たれていた友情がゆっくりと崩れつつある。そして残された者たちの自問は答えを見失い迷宮に入る。そもそも、この答えに明確な着地点などはないのだろう。そんな作品。

    0
    2010年05月14日
  • 散りしかたみに

    Posted by ブクログ

    歌舞伎座での公演中、毎日決まった箇所で降る花びらの謎を追う。
    女形の主人公と、友人の探偵が梨園を舞台にした謎を追うシリーズもの2作目。

    0
    2009年10月04日
  • サクリファイス

    Posted by ブクログ

    犠牲とは良く言ったもので、美談には違いないが、現実味がなさすぎる。石尾のような人間は絶対にいないと断言する。
    脳内でどれだけ人物造形を試みようとしても、どうしても弱虫ペダルのキャラクターで想像してしまい面白い。

    0
    2025年12月06日