スティーヴン・キングのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「小説を書くためのハウツー本ではない
よく読んでよく書いて、極力無駄を省いて装飾を取り払った言葉を連ねて文章を紡ぐだけ」
そう嘯くスティーヴン・キングの、創作に対する取り組みを読めるだけでも価値がある本と言える。
本人は「自叙伝の類ではない」とことわっているが、前段は幼少期から青春時代と小説を生業にするようになった頃、次から次へと創作を続けながらアルコールとドラッグに浸るようになった壮年期まで、キングらしいシニカルでユーモアのある筆致で描かれていて興味深い。
小説を書く上での各論というか具体的な作法についての解説の後、不慮の事故で大怪我をして復活するまでのは生々しい顛末も記されており、前段の履歴書的な記述と最後の怪我の顛末に小説作法が挟まれたスティーヴン・キングの半生バーガーといった趣きの、味のある本になっている。
しかし、何か大きなことをしでかす人には見えない力が働くのだなぁと思わざるを得ない。そんな感想を持った。 -
Posted by ブクログ
キング本人一番のお気に入りというのはわかるような気がしますが、私としては少しお下品味が足りませんでした。
とは言うものの技巧の限りが尽くされており、古参ファンサービスも万全。
どう解釈して良いのか苦労してる方はアリアドネの赤い糸やオルフェウスの冥界などのギリシャ神話をイメージすると助けになると思います。
交通事故以降のキングは明らかに作風が変わっており、上質な小説を読みたい向きには良い本。
綺麗にまとまっていて読後感も素晴らしいです。
特筆すべきはこの本自体がキングが読者に贈る"ブール狩り"であること。
ご褒美は「素晴らしい読書体験」です。 -
Posted by ブクログ
アメリカの作家スティーヴン・キングの長篇ミステリ小説『ジョイランド(原題:Joyland)』を読みました。
『スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編―』に続き、スティーヴン・キングの作品です。
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巨匠が放つノスタルジックで切ない青春ミステリー
遊園地でアルバイトを始めた大学生のぼくは、幽霊屋敷に出没する殺人鬼と対決する……もう戻れない青春時代を美しく描く巨匠の新作。
1973年。作家志望の大学生であるぼくは、恋人との距離を縮めることのできない鬱屈を抱えながら、夏休みに遊園地「ジョイランド」でアルバイトをはじめた。
乗り物の運転から園内の清掃まで、観光シーズンまっただなかの遊園地での仕事は、多忙ながらも楽しかった。
しかし気がかりもあった。下宿屋のおかみから聞かされた、4年前に遊園地の幽霊屋敷でかつて喉を切られて死んだ女の子がいたという話。
調べてみると同様の事件が何件も発生していることがわかった。
仲間とともに情報をあさった結果、事件の前後に移動式の遊園地が現場近辺に来ているということだった。
そしてぼくは、ひょんなことから殺人鬼の正体を告げる事実を知った。
冬期閉園が近づくジョイランド。
殺人鬼に捕らわれた車椅子の少年を救うため、ぼくはやつとの対決を決意した。
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2013年(平成25年)にミステリー専門の出版社からペーパーバック・オリジナルで刊行された作品で、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀ペーパーバック部門の最終候補作となった青春ミステリ… 回想シーンの描き方やGS&WM鉄道で雌ジカと遭遇するシーンが使われる等、『スタンド・バイ・ミー』に通じる、切ない青春小説の味わいが漂う物語でした。
1973年、大学2年生の夏、「ぼく」ことデヴィン・ジョーンズは付き合っていたウェンディ・キーガンの気持ちが一方的に離れて行っていることに気付き、鬱屈を抱えながら、大学から離れた遊園地ジョイランドでアルバイトを始める… そこで出会うアルバイトの同僚トム・ケネディ、エリン・クックや彼らを束ねるジョイランドの従業員レイン・ハーディ、ゲイリー・アレン、エディ・パークス等々、遊園地を訪れる客、下宿の人々と交流をするなかで次第にウェンディのことを忘れていくデヴィン、、、
そんな中、遊園地の幽霊屋敷・ホラーハウスに現れるという、そこで殺害された少女リンダ・グレイの幽霊の噂を聞いたデヴィンはその謎に惹かれ、下宿と遊園地の間にある浜の脇の館に住んでいる体の不自由な少年マイク・ロス、彼の母アニー、飼い犬のマイロも着実に謎に巻き込まれていくことに……。
スティーヴン・キングの作品なので、ややホラー要素も含まれていましたが、物語全体としては切なくて甘酸っぱい青春小説の要素が強く、そこに様々な土地で殺人を犯しているサイコキラーが絡んでくることによりミステリ要素も絡んでくる感じ… 恋愛の不安と痛み、人と人の別れや喪失も巧く織り込まれていますが、読後に爽やかさも感じる展開で、余韻に悲しさを爽やかさで包むことで生まれる独特の甘酸っぱさが広がる作品でした、、、
スティーヴン・キングって、ホラーのイメージが強いですが、少年や青年が大人になるまでのエピソードや若者の恋愛や青春の甘やかな痛みを描くのがとてもう巧い作家だと感じましたね。