【感想・ネタバレ】IT(4)のレビュー

あらすじ

2017年11月3日公開、映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』原作
スティーヴン・キングの最恐ホラー小説、待望の電子書籍化!

少年の日に体験したあの恐怖の正体は何だったのか? 27年後、薄れた記憶の彼方に引き寄せられるように故郷の町に戻り、IT(それ)と対決せんとする7人を待ち受けるものは?――
解説・風間賢二

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ネタバレ

映画版を観た機会に久々に再読。

キングといえばホラーだけど、私が何よりも大好きなのはキングの青春小説なのです。川面で乱反射する日差しのきらめき、世界で一等速い自転車で間一髪ダンプをかわすときの全能感。そういったものを書かせたらキングの右に出る者はいないんじゃないかってくらい。

ラスト、「はみだしクラブ」の友情と、命を賭して戦った軌跡は、超自然の力によって彼らの記憶から消し去られてしまいます。子供時代は誰にとっても儚い。でもこの「はみだしクラブ」のそれは、記憶から消されたからこそ、当時の熱もそのままに彼らの中で息づいているんじゃないかな。そんな永遠の存在を信じたくなります。

エディがいいんですよねえ。親友で彼にとってのヒーローだったビルのピンチだからこそ、振り絞ることのできた弱虫の勇気。映画版はそこんところの描写が省かれていたのが不満。

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2020年02月27日

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読み終わった…読み終えたくないほど面白い内容だったし、何より「はみだしクラブ」(ルーザーズクラブ)のみんなと別れたくなかった。

今日映画の方も観に映画館へ行ったのだが、結末は映画のほうが爽やかなものだった。はみだしクラブのみんなの魅力は変わらないが。

イット。ただ怖いだけじゃなくて、少年少女だったころの楽しかった日々を思い出させ、ノスタルジックな気分にもさせてくれる。あの頃の友達はどこへ行ったのか。

私もこの本を読み終え、そのうちこの気持ちを忘れてまた日常に戻っていくのか。

そして私はまだ、イットへの恐怖、すなわち自分自身の恐怖へと向き合えていない気がする…

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2019年11月11日

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ついに完結! 終盤のあの展開は映画でもドラマ版でも再現されなかった(できなかった)わけですが、さもありなん。どうしてこれを入れたのか、と疑問です。そこを除けば本当に面白く、読後感の満足度は非常に高かったです。

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2017年12月02日

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ネタバレ

子供から大人になる。11歳のころに出来ていたことができなくなる。そして、忘却。

肉体的なものでもなく知識的なことでもない。精神的なこと、想像力。「不安と欲望」。世間の目の意識と世間の目を気にしないこと。

小学校あたりのことを思い出してしまったが、仲の良かった友達はいまなにをしているのか。知る手段はある。が、。
離れていく感覚。精神的に。小学校から中学校にかけて。仮初な感覚がロックンロールに通じる。

今度は居場所を提供する側になる。もう、あのような体験や感覚を共有できることは二度とないのだろう。時間的なリミットがある。ただ、これは子供の時には絶対にわからない。

これが悪いことではなく、当たり前だと思う。また、別の感覚をよいものと思えてくる。ただしそれは作っていかないといけない。
ただし、距離が近くないとだめなんだろうな。時間の共有。意図的に。

passing time, passing time。
離れ離れは距離だけじゃない。
Sweet time。

これも本当。どうしたものか。
ただただ、懐かしい。

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2016年05月28日

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 回想、そして現代ともにITとの最終対決に向かう4巻。

 冗長には感じなかったものの、それでもやはりどこかで長すぎるだろう、という印象のあった『IT』でしたが、読み終えてみるとその長さがあったからラストの涙しそうな感覚が味わえたのかとも思えます。

 モダンホラーの帝王と呼ばれるだけあって、ITの変身するさまざまなモンスターの描写にはかなりの迫力があり、それをただ子供たちが倒すという回想部分だけのストーリーでも、逆に大人がITを倒すという現代のパートだけのストーリーでも十分面白いとは思いました。ただそれだけではキングの代表作と呼ばれるまでの作品にはならなかったと思います。

 この二つの時代での恐怖を乗り越える大人と子供の姿を描いたことはもちろんのこと、子ども時代の回想でしつこいくらいに描かれた遊びの様子、いじめっ子たちとの対決、はみ出しクラブの友情、新たな出会いや発見……そうしたものがあったからこそ再び集まった彼らの絆を読者である自分も信じることができたし、それがラストのさびしくも穏やかな終息につながっていったのだと思います。

 序盤は早くITとはみ出しクラブの対決が読みたいと思っていたのですが、4巻の終わりごろにはまだはみ出しクラブといっしょにいたい、と思いながら読んでいました。個人的にはまたはみ出しクラブはITの件抜きでめぐり合えるものだと信じたいと思います。

1993年版このミステリーがすごい!海外部門4位

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2013年12月10日

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it(ピエロ)まじ怖い。
話はさすがスティーヴンキングといった感じ。
読んだことないひとは一読の価値あり。

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2011年09月22日

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27年ぶりにIT(それ)と対決するはみだしクラブの面々。仲間は欠け、子供時代に持っていた魔法を信じる心も失った彼らが、ITと戦うために支払った代償とは…。ラストの一文は、何度読んでも泣けます。

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2009年10月04日

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1959年、7人はITと闘った。
1985年、大人になった彼らは再びITと対峙する。少年時代に使えた力を、今も使えると信じて。
キング超大作の最終章。

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2009年10月04日

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ネタバレ

第4巻
ITとの死闘が凄まじかった。息もつかせぬ展開に圧倒された。
11歳の時の闘いと27年後の今の闘いが、一文で繋がり交互に描かれる構成が素晴らしい。緊迫感がより高まり、ぐいぐい読ませる。こんな描き方があるのか…やっぱキングって凄いわ。
太古の昔から闇の中に生きてきたIT。食べては寝て起きて食べては寝るというサイクルを27年ごとに繰り返していた。近年は子どもの恐怖心が好物で捕食しており、あらゆる物に化け人々を恐怖に陥れる。
それに立ち向かうビル達はみだしクラブの7人。仲間を失いながら、傷を負いながらも友達を思いやり挑んでいく。
自分や仲間を信じる勇気こそがITを滅ぼすチカラとなり、そして…

友情が紡ぎ出す青春物語。
デリーの町ごと全てが破壊されていく場面は、キャリーと同じく大迫力だ。
ちょっと残念だったのは、子ども時代にベヴァリーが他の6人の男の子と〇〇○する件。絆を強める為とは言え、その手段ではない方が美しかった気がする。
これだけの出来事がマイクの記憶からなくなっていく。固い絆で結ばれた友達の名前さえも忘れてしまう。おそらくビルやベヴァリー達もいずれはそうなのだろう。
このラストが私は好きだ。子どもの頃の記憶ってなくなっていくよなぁ。良い事も悪い事も。だから生きていけるんだよね。

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2025年09月13日

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喪失なくして克服なし。ままならない日常に光った煌めきも、恐怖に呑まれそうになった痛みもいつかは忘れていく。絶対はないということ。ホラー・ジュブナイル・スーパーナチュラル大長編の根幹には、人の切ない性(さが)がある。Bravo!

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2025年09月12日

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正直四巻まで面白さがわかんなかった。ただただスティーブンキングの文章力に魅せられてページをめくっていただけだったが、四巻で全てを持っていかれた
大人になる恐怖、忘れてしまった子供時代、すべてがリンクしてまた忘れていく一連のサイクルがとても美しかった
ベヴァリーのセックスの話はちょっと助長だと思ったけど、スーザンの回復やデリーの崩壊の部分はすごくよかった
でも個人的にはあんまり怖くなかったかな、ホラーの帝王の文章を味わう小説だと思った

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2024年11月08日

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いや、トムの扱いが…
「ハイヨォー、シルヴァー、それいけぇぇぇぇ」の原文なんだろう?映画で実際に言っているの確認したい
「イエス、イエス、イエス」か…
「カレハコブシデグイグイトハシラヲオシテユウレイガイルトイイハル」を検索してもあまりヒットしない、本当に吃音矯正の為の言葉なのか確認できなかった。
主人公のビル禿げてるみたいなんだけど映画だとどなってるんだろう?
シルヴァーって自転車実在すんのかな?
他の描写でケッズだとか具体的なブランドのぎ記述あったからあるかもだけど。
それにしても、あっさりIT倒しちゃた。素手…って?

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2024年09月14日

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キングでしか得られないしつこい文体と、其れによる信頼で長編でも読まされてしまう。長くても文句出ないのは作家の腕だよな。

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2023年03月25日

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ネタバレ

とうとう読み終えてしまったという感じです。

デリーの崩壊は凄まじかったですね。
亡くなった人々はデリーに生まれてしまったが故の、どうしようもない運命だったのかも?

itを倒せた代償は、2人の犠牲者とデリーでの記憶という事が、すっごく切ないですね。
見ているこっちが寂しかったです。
それでも、全てが終わった後に、前向きなスタートを踏み出せて本当によかったと思います。

これではみだしクラブとはお別れになっちゃうのが本当に寂しい…!(笑)

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2018年09月04日

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ネタバレ

読み終わった・・・。すべてが終ってしまった・・・。


全4巻という大長編に正直尻込みしていたのだが、手に取った瞬間から物語の世界に引き込まれてあっという間に読み終えてしまった。

かといって、いわゆる「さくさく読める」と言うのとはちょっと違う。やはり、キングの手によるグロテスクでおぞましいモンスターや惨劇の圧倒的な描写は、それでも一言一句読み飛ばすわけに行かない。どんなに目をそむけたくても、見届けなければいけないのだ。

少年時代のひと夏の冒険譚という意味では、解説でも指摘されているとおり「スタンド・バイ・ミー」だがそれだけではないのはご承知のとおり。デリーの町を恐怖で支配する――住民たちはそれとは気が付かずに――ITの驚くべき正体はとんでもないスケール感だし、子供たちが見るモンスターは吸血鬼や狼男、フランケンシュタインといった西洋お化け屋敷の常連揃い。そこに日本製のラドンのイメージまで呼び出されるからさながら古今東西の怪物見本市。

とにかく、キングワールドご堪能あれ!な一大叙事詩。キングファンなら、なるほど「読んでおくべき一本」と言えるでしょう。

あ、映画は「子供時代編」だけなのかしら?続編が作られるということは・・・?

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2017年09月20日

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ネタバレ

子どもらを使うというところが卑怯だぞ。まあ怖かったけど。しかし、なぜセックスが解決になるかがややこじつけぽい気がした。

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2012年03月23日

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ネタバレ

ここまでは面白かったが最終巻でよくわからなくなってしまった。SF的な展開だったか。
人物描写は素晴らしい。でも肝心のITという存在にあまり納得できなかった。何もかも操作できる存在が、素手の人間に負けるイメージがわかない。
それとベヴァリーが全員と性行為をする必要がないように思えた。いくら友だちとして全員好きとはいえ、11歳の少女に不自然な役割をさせているように思える。手のひらの血の絆だけでも十分ではないか。
これだけ死闘を繰り広げても、最後には何があったかも忘れて、仲間のことすら思い出せなくなるのがとても悲しかった。

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2025年07月25日

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もりだくさん、という感じ。解説を見ると、キングのある時点での集大成として他作品の要素が込められているようなので、それを知るとさらに重層的に読めるのでしょう。

読後はさみしいというか、切ないのだけれど、清々しいというのはつまりそういうことなのだ。振り返らないということ、死んで生まれるということは。

振り返ると、シルヴァーや、スタンの鳥や、エディの吸入器、そんな細かなものが印象的に話中に埋め込まれていので記憶に残っている。あと、チュードの儀式のところも好きです。
初キング作品でしたが、楽しめました。

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2018年01月14日

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3巻まではホラーという感じで楽しめだのだが、
最終対決はコレジャナイ感が強かった。
”IT”はもっとおどろおどろしいものであってほしかった。

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2015年11月14日

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過去と現在の状況がより交錯しながら物語が進んでいく4巻。
その交錯加減が絶妙。
ともすれば読者が混乱するかもしれぬ演出だが、今読んでいるのが『過去』か『現在』なのかわかりやすく描いてくれる。

しかし全体的に超現実なホラーだったことにいささか驚いたのも事実。

長ーい作品でひと月半没頭して読んでたということもあって、先が知りたい、早く読み終わりたいという気持ちがあったにもかかわらず、読み終わったら妙に寂しい。

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2015年02月08日

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