感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2020年02月27日
映画版を観た機会に久々に再読。
キングといえばホラーだけど、私が何よりも大好きなのはキングの青春小説なのです。川面で乱反射する日差しのきらめき、世界で一等速い自転車で間一髪ダンプをかわすときの全能感。そういったものを書かせたらキングの右に出る者はいないんじゃないかってくらい。
ラスト、「はみだし...続きを読むクラブ」の友情と、命を賭して戦った軌跡は、超自然の力によって彼らの記憶から消し去られてしまいます。子供時代は誰にとっても儚い。でもこの「はみだしクラブ」のそれは、記憶から消されたからこそ、当時の熱もそのままに彼らの中で息づいているんじゃないかな。そんな永遠の存在を信じたくなります。
エディがいいんですよねえ。親友で彼にとってのヒーローだったビルのピンチだからこそ、振り絞ることのできた弱虫の勇気。映画版はそこんところの描写が省かれていたのが不満。
Posted by ブクログ 2019年11月11日
読み終わった…読み終えたくないほど面白い内容だったし、何より「はみだしクラブ」(ルーザーズクラブ)のみんなと別れたくなかった。
今日映画の方も観に映画館へ行ったのだが、結末は映画のほうが爽やかなものだった。はみだしクラブのみんなの魅力は変わらないが。
イット。ただ怖いだけじゃなくて、少年少女だっ...続きを読むたころの楽しかった日々を思い出させ、ノスタルジックな気分にもさせてくれる。あの頃の友達はどこへ行ったのか。
私もこの本を読み終え、そのうちこの気持ちを忘れてまた日常に戻っていくのか。
そして私はまだ、イットへの恐怖、すなわち自分自身の恐怖へと向き合えていない気がする…
Posted by ブクログ 2017年12月02日
ついに完結! 終盤のあの展開は映画でもドラマ版でも再現されなかった(できなかった)わけですが、さもありなん。どうしてこれを入れたのか、と疑問です。そこを除けば本当に面白く、読後感の満足度は非常に高かったです。
Posted by ブクログ 2016年05月28日
子供から大人になる。11歳のころに出来ていたことができなくなる。そして、忘却。
肉体的なものでもなく知識的なことでもない。精神的なこと、想像力。「不安と欲望」。世間の目の意識と世間の目を気にしないこと。
小学校あたりのことを思い出してしまったが、仲の良かった友達はいまなにをしているのか。知る手段...続きを読むはある。が、。
離れていく感覚。精神的に。小学校から中学校にかけて。仮初な感覚がロックンロールに通じる。
今度は居場所を提供する側になる。もう、あのような体験や感覚を共有できることは二度とないのだろう。時間的なリミットがある。ただ、これは子供の時には絶対にわからない。
これが悪いことではなく、当たり前だと思う。また、別の感覚をよいものと思えてくる。ただしそれは作っていかないといけない。
ただし、距離が近くないとだめなんだろうな。時間の共有。意図的に。
passing time, passing time。
離れ離れは距離だけじゃない。
Sweet time。
これも本当。どうしたものか。
ただただ、懐かしい。
Posted by ブクログ 2013年12月10日
回想、そして現代ともにITとの最終対決に向かう4巻。
冗長には感じなかったものの、それでもやはりどこかで長すぎるだろう、という印象のあった『IT』でしたが、読み終えてみるとその長さがあったからラストの涙しそうな感覚が味わえたのかとも思えます。
モダンホラーの帝王と呼ばれるだけあって、ITの...続きを読む変身するさまざまなモンスターの描写にはかなりの迫力があり、それをただ子供たちが倒すという回想部分だけのストーリーでも、逆に大人がITを倒すという現代のパートだけのストーリーでも十分面白いとは思いました。ただそれだけではキングの代表作と呼ばれるまでの作品にはならなかったと思います。
この二つの時代での恐怖を乗り越える大人と子供の姿を描いたことはもちろんのこと、子ども時代の回想でしつこいくらいに描かれた遊びの様子、いじめっ子たちとの対決、はみ出しクラブの友情、新たな出会いや発見……そうしたものがあったからこそ再び集まった彼らの絆を読者である自分も信じることができたし、それがラストのさびしくも穏やかな終息につながっていったのだと思います。
序盤は早くITとはみ出しクラブの対決が読みたいと思っていたのですが、4巻の終わりごろにはまだはみ出しクラブといっしょにいたい、と思いながら読んでいました。個人的にはまたはみ出しクラブはITの件抜きでめぐり合えるものだと信じたいと思います。
1993年版このミステリーがすごい!海外部門4位
Posted by ブクログ 2009年10月04日
27年ぶりにIT(それ)と対決するはみだしクラブの面々。仲間は欠け、子供時代に持っていた魔法を信じる心も失った彼らが、ITと戦うために支払った代償とは…。ラストの一文は、何度読んでも泣けます。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
1959年、7人はITと闘った。
1985年、大人になった彼らは再びITと対峙する。少年時代に使えた力を、今も使えると信じて。
キング超大作の最終章。
Posted by ブクログ 2018年09月04日
とうとう読み終えてしまったという感じです。
デリーの崩壊は凄まじかったですね。
亡くなった人々はデリーに生まれてしまったが故の、どうしようもない運命だったのかも?
itを倒せた代償は、2人の犠牲者とデリーでの記憶という事が、すっごく切ないですね。
見ているこっちが寂しかったです。
それでも、全て...続きを読むが終わった後に、前向きなスタートを踏み出せて本当によかったと思います。
これではみだしクラブとはお別れになっちゃうのが本当に寂しい…!(笑)
Posted by ブクログ 2017年09月20日
読み終わった・・・。すべてが終ってしまった・・・。
全4巻という大長編に正直尻込みしていたのだが、手に取った瞬間から物語の世界に引き込まれてあっという間に読み終えてしまった。
かといって、いわゆる「さくさく読める」と言うのとはちょっと違う。やはり、キングの手によるグロテスクでおぞましいモンスタ...続きを読むーや惨劇の圧倒的な描写は、それでも一言一句読み飛ばすわけに行かない。どんなに目をそむけたくても、見届けなければいけないのだ。
少年時代のひと夏の冒険譚という意味では、解説でも指摘されているとおり「スタンド・バイ・ミー」だがそれだけではないのはご承知のとおり。デリーの町を恐怖で支配する――住民たちはそれとは気が付かずに――ITの驚くべき正体はとんでもないスケール感だし、子供たちが見るモンスターは吸血鬼や狼男、フランケンシュタインといった西洋お化け屋敷の常連揃い。そこに日本製のラドンのイメージまで呼び出されるからさながら古今東西の怪物見本市。
とにかく、キングワールドご堪能あれ!な一大叙事詩。キングファンなら、なるほど「読んでおくべき一本」と言えるでしょう。
あ、映画は「子供時代編」だけなのかしら?続編が作られるということは・・・?
Posted by ブクログ 2018年01月14日
もりだくさん、という感じ。解説を見ると、キングのある時点での集大成として他作品の要素が込められているようなので、それを知るとさらに重層的に読めるのでしょう。
読後はさみしいというか、切ないのだけれど、清々しいというのはつまりそういうことなのだ。振り返らないということ、死んで生まれるということは。
...続きを読む
振り返ると、シルヴァーや、スタンの鳥や、エディの吸入器、そんな細かなものが印象的に話中に埋め込まれていので記憶に残っている。あと、チュードの儀式のところも好きです。
初キング作品でしたが、楽しめました。
Posted by ブクログ 2015年02月08日
過去と現在の状況がより交錯しながら物語が進んでいく4巻。
その交錯加減が絶妙。
ともすれば読者が混乱するかもしれぬ演出だが、今読んでいるのが『過去』か『現在』なのかわかりやすく描いてくれる。
しかし全体的に超現実なホラーだったことにいささか驚いたのも事実。
長ーい作品でひと月半没頭して読んでたと...続きを読むいうこともあって、先が知りたい、早く読み終わりたいという気持ちがあったにもかかわらず、読み終わったら妙に寂しい。