スティーヴン・キングのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『シャイニング』で幼い子どもだった主人公が中年になり、同じく超能力をもつ少女とともに、子どもたちの命を狙う一族との闘いに挑む。
あのダニー坊やがアルコール依存症になり、すさんだ生活をしている序章は、読んでいて気分も下向きに。でも、どん底の暮らしぶりがあったからこそ、その後の少女とのかかわりや一族との闘いにも説得力が加わっり、深みが出ている。
『シャイニング』を初めて読んだのは数十年前。
逃げ場のない閉鎖的な空間で、徐々に追い詰められていく恐怖は圧倒的で、しばらくは物語の世界をひきずって、動物の形の植え込みにぎょっとしたり、出張先のホテルでバスルームをのぞくのが本気で怖かったのを覚えている。 -
Posted by ブクログ
キングのホラー小説はほぼすべてジェットコースターだ。
落ちる落ちる落ちるぞ……ほら落ちたー!!と、緩急は絶妙にして盛り上げるだけ盛り上げてどん底に突き落とす、よくできた遊園地のアトラクションのような構成。
それ故に、彼の作品で恐怖を感じたことはない。
一時期ハマって読み漁ったのだが、「IT」も「シャイニング」も「呪われた町」も、モダンホラーの傑作と絶賛される完成度の高さは認めるが、お話としてはよくできてる、エンターテイメントとしては大満足、と感心しながら、真実の恐怖を味わったことはいまだない。
それよりはむしろ「刑務所のリタ・ヘイワース」や「11/22/63」のようなヒューマンドラマに重きをお -
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Posted by ブクログ
ネタバレ上巻では、死を目前にした友人から頼まれた勢いで過去に戻り、歴史の転換点であるケネディ暗殺を阻止して、世界に平和を取り戻すための行動をとることにしたジェイク改めジョージの心情にどっぷりはまってしまった。
しかし、間をおいて中間を読むと、「マジですか?」って気持ちがふつふつと…。
だって離婚は不本意だったとして、やりがいのある仕事があり、多分友人だってアル以外にもいただろうし、あるの見世以外にも行きつけの店はあっただろうし…。
そういう現在の生活のすべてを捨てて、見知らぬ世界で人殺しをする?
それが世界のためだと言われても。
至る所たばこの煙が立ち上っているような世界で、人種差別は甚だしい -
Posted by ブクログ
ネタバレアメリカ人はリンカーン暗殺とケネディ暗殺について語るのが好きだなあと思う。
まあ、日本人が本能寺について語るようなものか。
ケネディが生きていたら世界は今とは違っていたはずだ。
そう信じている友人アルに、死期が迫っている自分の代わりに過去へ行って、ケネディ暗殺を阻止してほしいと頼まれるジェイク。
ワンアイデアでこれほどの超大作。
けれど、全然無駄な部分がない。
その「穴」は、どういう理屈で過去と繋がっているのかはわからない。
ただ、毎回同じ場所同じ時間に戻されるので、過去に対応すること離れてくると比較的簡単だ。
ただし、一度現代に戻ってから過去に来ると、全てが振出しに戻っていることになるが -
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エドワード・ホッパーという画家がいる。現代アメリカの具象絵画を代表する作家で、いかにもアメリカらしい大都会の一室や田舎の建物を明度差のある色彩で描きあげた作品群には、昼間の明るい陽光の中にあってさえ、深い孤独が感じられる。アメリカに行ったことがないので、本物を目にしたことはないが、アンドリュー・ワイエスと同じくらい好きなので、ミュージアム・ショップでカレンダーを買って部屋の壁にかけている。
深夜のダイナーでカウンターに座るまばらな客を描いた「ナイトホークス」に限らず、ホッパーの画には、その背後に何らかの物語を感じさせられるものが多い。作家のローレンス・ブロックもそう考えた一人だ。彼は、これは -
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面白かったです。
満を持して「霧」を読みました。
それまでの短編も面白かったです。
「ジョウント」、読み初めて既視感…と思ったら再読でした。途中の、奥さんを、出口への通路を切ったジョウント回路に放り込む殺人、恐ろしかったです。天国にも地獄にも行けず、永遠にワープし続ける絶望。
「カインの末裔」は「ゴールデン・ボーイ」の結末を連想しました。短いですが印象的。
そして、短編集の半分以上を占める「霧」はすごかったです。怪物と死の恐怖と絶望、閉鎖的な空間での追い詰められた狂気。
異形の怪物と戦ったり、マーケットから出ていく出ていかないの駆け引きにドキドキしながらも、自分だったらどんな行動取れるかなと思 -
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(上下巻あわせた感想です)
2009年4月、とある市民センターで催された就職フェアにて、職探しをするために並んでいた大勢の人たちの列にメルセデス・ベンツSL500が突っ込み、多数の死傷者を出す事件が起こります。
犯人は逃亡し、未解決のまま事件から1年が経過したある日、当時捜査に携わり、今は退職して「元」刑事となったホッジズの元に、犯人である「メルセデス・キラー」ことブレイディから、自身が犯人であること、そしてホッジズを挑発する内容の文章が書かれた手紙が届きます。
妻と別れて生きる意味を見出せなくなっていたホッジズですが、この手紙を見て刑事時代の猟犬魂が蘇り、犯人を独力で捕まえるべく、警察を頼 -
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