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Posted by ブクログ
映画が墓場に持っていきたいくらい素晴らしく、とても大事な映画になったので『ダークタワー 』シリーズマラソンを一時中断して読んでいた。
ダン・トランスがアルコール依存症から立ち直り、アブラやビリーと出逢って心から大事にしたいと思える人に出逢えて良かった。
ずっと父親の陰と自分が犯した過ちに悩み続けていた彼が、ある戦いをきっかけに折り合いをつけるところが良かった。
ダンがアブラを愛しい、大事にしたい、と読んでいて恥ずかしくなるくらい感情を表すモノローグが結構ある。
ビリーに対してもそうなのだが、心の中でとはいえ、恋愛関係が生じていない、相手を「愛しい」と思う気持ちをこれだけ繊細に描ける作家は今まで見たことない。
ダン・トランスはこれからもアルコールと縁を切った、ただのダン・トランスとして、そしてドクター・スリープとして大事な人達と時間を過ごしていくのだろうな。
終章は感極まって涙ぐみながら読んでいた。
とにかく素晴らしかった。
因みに、小説と映画は大分展開が違う。
それは映画版『ドクター・スリープ』がキューブリック版の『シャイニング』を踏襲した展開だからだ。
しかしながら、キューブリック版の『シャイニング』と同じくらいスティーヴン・キングの原作を大事にしており、喧嘩し続けていた映画と小説、原作者を全て結び、見事に仲直りの握手をさせた脚色はお見事!としか言えない。
展開は違っても根っこの本質は同じだった。
そこが本当に素晴らしかった。
是非、キューブリック版の『シャイニング』を観た人は安心して『ドクター・スリープ』も鑑賞してほしいし、なんならこの原作本も読んでほしい。
私もこれから『シャイニング』読みます。
こんな体験は一生に一度しかできないと思うので。
勿体無くてずっと読んでいたかった。
素晴らしい時間を有難う。
Posted by ブクログ
「シャイニング」の後の話。
惨劇から生き残ったダン少年だったが、その<かがやき>ゆえに、というか、事件のトラウマゆえというか、彼そのものの気質のせいか、苦難に満ちた人生を歩んでいく。
というのが、前半で、つらい。
もうどうしようもない感じで、坂道を転がっていく様が、淡々と描かれるのでさらに救いがない。というか、ダンが本気で救われようとしてないんだよね。でも、それをせめるということもなく、かといって憐れむでもなく、一定の距離をおいて書き進めていけるのは、キングの筆力なんだろう。
なので、小さな女の子の存在に結構癒されるのである。
とはいえ、彼女アブラも<かがやき>の持ち主で、色々トラブルにあうのだけど、彼女の場合両親とその周りがしっかりしていた。
アブラが成長していく過程を読んでいくたびに、ダンの父の弱さが浮かび上がってくる。
同時に、弱さを受け継ぎ、それに屈してしまいそうになりながら、あがくダンの姿も明瞭になってくる。
光を目指しているような二人の姿の陰に、<かがやき>を食べて生き続けている一族が近寄ってくる。
これはこれで始終暗い。
ようするに、色々な対比、というか対立の話なのだろう。
対立は、他者と自分であるのは当然だが、自分自身の中にあるものとの対立も常に存在する。自身の中のものはどちらがが勝つとか負けるとかではなく、バランスなのだ。バランスであるということを、受け入れることが重要なのだ。
後半の戦いは、一気読み必至です。
でもってキングも丸くなったねぇ、って感じ。
結論、キングは最高!! なのだ。
Posted by ブクログ
『シャイニング』で幼い子どもだった主人公が中年になり、同じく超能力をもつ少女とともに、子どもたちの命を狙う一族との闘いに挑む。
あのダニー坊やがアルコール依存症になり、すさんだ生活をしている序章は、読んでいて気分も下向きに。でも、どん底の暮らしぶりがあったからこそ、その後の少女とのかかわりや一族との闘いにも説得力が加わっり、深みが出ている。
『シャイニング』を初めて読んだのは数十年前。
逃げ場のない閉鎖的な空間で、徐々に追い詰められていく恐怖は圧倒的で、しばらくは物語の世界をひきずって、動物の形の植え込みにぎょっとしたり、出張先のホテルでバスルームをのぞくのが本気で怖かったのを覚えている。
以来、何度か再読するほど、キングのなかでは好きな作品だ。
そんな前作とはまったく趣が異なるけれど、これはこれでおもしろい。思いもよらなかった設定に驚かされ、後半のスピーディーな展開にはらはらして。全体的に人間味のある温かさも加わって、心地のよい余韻が味わえた。
そのうち映画も観てみようかな。時間があれば、『シャイニング』のほうも、また本と映画を見比べてみたい。
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