あらすじ
暴走車を駆って大量殺人を犯した男、ブレイディは、母親とともに暮らす孤独な男。
いま彼は新たな計画を練っていた――。
一方、退職刑事ホッジズも犯行に使われた自動車を手がかりに、真相に近づきつつあった。
開始される惨劇の秒読み。それを阻止すべく、ホッジズと仲間達は奔走する!
巨匠渾身のミステリー大作。
(解説・千街晶之)
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Posted by ブクログ
あぁ‼︎ 夜も止まらず読んで、寝不足になりました。
『キング初のミステリー』なんで言われている作品ですが、え⁉︎ という感じです。モダン・ホラーの帝王と言われてはいますが、私にとって、キング作品は常にミステリーのイメージです。
キング作品というのは、読み始めにエネルギーがいります。決して読みにくいわけではなく…。以前も書いたけれど、それぞれの人が、瞬間瞬間にふっと頭の中をよぎること、目の前の食べ物や景色、人の表情を見たときなどに、短い時間だけど、人はたくさんのことを考えていて…それを全て洩れなく書いている…という感じ。しか~し、これがくせになるというか…(≧∀≦)
要は、私はキング作品が大好きなのです!大好きだけど、エネルギーがいる。
前置きが長くなりましたが、実は、今作で私史上、初の感覚があったのです‼︎ って、そんな大袈裟なことではないですが。
私はいつもは、原作読む→映像(映画かドラマ)観る、という順番が多いのですが、この、「ミスター・メルセデス」は珍しくドラマを、先に観ていたんです。このドラマが、退職した刑事の普段の生活や、誠に胸糞悪い(お下品な表現で失礼)犯人の日常を、丁寧に丁寧に描いていたのです。もちろん、原作にはない脚色もあり、2時間枠の映画よりも長いので、非常にゆっくり進む感じがありました。そのせいか、初めて!映像化よりも、原作の方がスピーディーに感じたんです‼︎
これはちょっとした驚きでした。
普段は、原作を描ききれてないなぁ
アレが足りない、コレも…なぁんて思うことが多いのですが。読んでいてもう、何年か前に見たドラマの、ワンシーンワンシーンがまざまざと浮かびました。
とはいえ、キングの筆力が変わっていたわけではなく、ドラマ化が絶妙にいい具合だった気がします。(キャスト凄まじい)ただ、私はシーズン途中で観れなくなっているので、続きが気になります。(ちょうど、この作品のところまではドラマで観れていました)
さて、これは、三部作となっていて、二作目「ファインダーズ・キーパーズ」三作目「任務の終わり」と続きます。いやーん、もう読んじゃったら、続きが読みたくなりました。我慢がきかないワタシはおそらく買ってしまうでしょう。でも文庫になってるものね。
そう…キング読みは、クセになるのです‼︎
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キングが書いたミステリー。
いきなり、エドガー賞、とってるよ。
仕事を求める人の列の中に、暴走車がつっこみ多数の死者を残して立ち去る。事件は未解決のままであったが、担当していた退職刑事のもとに犯人からの挑戦状が届く。
とりあえず、あれだ「雉も鳴かずば撃たれまい」だな。
元刑事のホッジズは昔かたぎって感じで、昨今のアイテムに弱い。そこをフォローする高校生や、犯行に使われた車の持ち主の妹や、彼を助ける人物像がどれもいい。
人の善良性や人生の光を信じている感じがある。
だからこそ、犯人の醜悪さや闇に向かう心が、いやな汗のようにまとわりついてくるのだけどね。
また、事件によって人生を狂わされた人々の哀れが切ない。
昨今のミステリーは、犯人にもこういう事情があって、とちょっと同情的なものが多い気がするのだけど、そういうのはない。確かに、幸せな生い立ちとはいえない。が、それがどうした。犯人の罪と人となりは、とにかく醜悪だった。
と、後半に向かって、急展開になっていくあたりは、さすがにキングって感じだった。
が、そうきたか。
そうなのと、ちょっと…。
年齢重ねてキングも丸くなったと思っていたのにww
実際、推理小説としてはどうなの、って思わないではい。基本、犯人がボロを出すって動きだからね。
が、小説としては、群像小説としては、最高だと思う。
続編もすでにあるみたなので、楽しみ!
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キングワールド堪能しました。
サイコパスものは「クリミナル マインド」などではすでにおなじみですが、キングの世界では、温かみもあり安心して楽しめます。続編も楽しみ!
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ブレイディが次に狙う場所は?その方法は?惨劇を防ごうと彼に迫るのは若い二人。この緊迫感と言ったら…
ホッジズはまたぐだぐた生活に戻るのか??
目覚めたブレイディは何も出来ないのか??
さてさて
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クライマックスの展開はちょっと出来過ぎの感もあるんだけど、それを上回る求心力で読ませてくれました。ホラーではないけど、某人物が毒で死ぬくだりは状況含めてめちゃくちゃエグくてよかったです。
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何も起こらない退職刑事の日常部分でさえ、飽きさせずに読ませてしまう。流石はキングです。
下巻の中盤からは犯人を追い詰めるべく怒涛の展開となります。ここで活躍するのがホリーとジェローム。この2人は更に続編のファインダーズキーパーズでも活躍します。ラストは手に汗握る展開で映画を見ているようでした。キングの描写は非常に克明で頭の中で登場人物が勝手に動き回ります。
Posted by ブクログ
スティーブン・キングの初ミステリーとして話題になり、最近発刊の『任務の終わり』までの三部作シリーズの第一弾
いきなりショッキングな事件で始まり、そのあと主人公と犯人の心理戦が続く。
そして後半は怒涛の展開と、さすがに読み手を飽きさせない。
謎解きや意表を突いた展開がある訳ではない。でも、登場した人のことをこれほどまでに細かく丁寧に描くことで、イヤな奴はホントに厭になり、好きになるとホントにキスしたくなる。
キングはホントに「ヒト」のこと描くのが大好きなんだろうな〜
Posted by ブクログ
とにかく予想外の展開に息を呑む下巻。ホッジズとブレイディの息詰まる攻防、ラストに向かって畳みかける筆致に、何回もいったんページを閉じ、気持ちを落ち着かせながら読み終えた。一見関係なさそうな事件が「そうくるか!」という伏線。しかしながら「無差別殺人」が珍しくなくなってしまった昨今、もはや「メルセデス・キラー」は他人事ではないのかもしれない。
さて「ファインダーズ・キーハーズ」は読んでしまっているので、『任務の終わり』に取り掛かるとしますか。
Posted by ブクログ
最後の最後で一気に追い上げてくる面白さがやっぱり醍醐味なのか!!!にしても色々あって読み切るのに何ヶ月も掛かってしまった、、
あと2タイトル分続きが読めるのが嬉しい。でも読み始めたら終わってしまう……
訳がやっぱり好きだしユーモアあって、映画を見ているよう。ホリーへもそうだし、ちょくちょく垣間見える優しさがあって心が満たされた!!!次も楽しみ!!
Posted by ブクログ
プロローグ的な上巻に比べて下巻は濃密な内容。犯罪を止めるべく奔走するチームホッジス(私が勝手に呼んでいる)と静かに着々と計画を進める犯人、クライマックスに至るまでのそれぞれの場面展開が緊迫感を高め、まるで映画を見ているよう。さすがキング、臨場感溢れる筆致!
これで終わりかぁと思ったら、なんとこれ三部作だそうな。楽しみが増えました♪
Posted by ブクログ
ミスターメルセデスと呼ばれる未解決の大量殺人事件の殺人犯から挑発され、当時は逮捕できず現在は退職した刑事が探偵として犯人を追うサスペンスです。
スティーブンキングの小説は何回かチャレンジしているのですがいつも途中で断念していたのですが今回は読みきれました。
上巻は特にテンポがゆったりとしていてアメリカンジョーク的なノリがあり慣れなかったのですが、後半の犯人に迫っていく過程は凄く面白く読めました。