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温かさと悲しみの入り雑じったラストがとても切なかったです。
年齢を重ねるにつれ、作風も変化しているのでしょうか。キングってこんなに優しさに溢れた人だったんだと感じる事、しばしば。
作品としてはリーシーやジョイランドに似た傾向があり、ホラーが読みたい時に読むと期待通りとはいかないかもしれません。
ただ、不思議さは盛り沢山です。
私には「カードマン」の存在が一番強烈な印象で、その言動にゾクッときました。
こういうのはキングしか描けない。
フィクションかノンフィクションかわからないエピソードをさりげなくちりばめてくる技量が圧巻で、だからキングを読むのは止められないと読むたび毎回思います。
Posted by ブクログ
ケネディ暗殺を阻止するジェイクの物語も佳境を迎える下巻。元夫クレイトンにより顔に傷を負いふさぎ込むセイディーをジェイクの献身が癒し、あとはリー・H・オズワルドの凶行を止めるのかと思ったが、“時は変化することを嫌う”という原則から一時、ジェイクは記憶障害を伴う重症に陥ってしまう。しかしそれを乗り越えセイディーとともにケネディ暗殺を阻止するもセイディーはオズワルドの凶弾に斃れてしまう。そしてジェイクはセイディーとの愛のために再び兎の穴で過去をやり直そうとするも…。
ラストまで読むとジェイクの体験したこの5年とはいえ長大な旅路はまるでセイディーと“イン・ザ・ムード”を踊っていたかのようだと思える演出で、キングってやっぱり良いなと思った。文庫にして上中下巻合計1420ページの超長編だけど大満足な読書体験になった。
Posted by ブクログ
過去を変えることができたら――。個人的なことであれ、社会的なことであれ、たぶん、多くのひとが一度は考えたことがあるのではないかと思います。だからこそフィクションは数多くの時を超える物語を生んできたのではないか、とも。ケネディ暗殺を阻止しろ、と死期の迫った友人から想いを託された主人公が過去に戻って奔走する本作も、過去を変えようとする物語。
様々なジャンルの要素を内包する長大な(文庫本にして1400ページを越える)物語は、中盤以降は恋愛小説としての大きな魅力を持って進んでいき、あぁ最後までこの物語に付き合って良かった、と心から思えるような結末を迎えます。時を超える壮大な冒険と恋の物語、ぜひおすすめです。
Posted by ブクログ
キングなので、一応翻訳ホラーにカテゴライズするけど、ホラー要素はほとんどないな。
うん。これはSFでいいんではないかと。
っても、通常のSFともちょっと違う感じ。
「ジョイランド」もそうだったけど、「メルセデス」ではミステリーになってるそうなので、キングは<キング>というカテゴリーを生み出そうとしているのかな、と漠然と思う。
で、タイムスリップできる穴を通って、ケネディ暗殺を阻止しようとする話。
でも、まぁ物語の常として簡単にいかないわけで…。
タイムスリップものは、色々な規制がかかってきて、そのさじ加減が上手い下手の分かれ目のように思うのだけど、これは<切ない>
うん。
過去を思う、郷愁と切なさに満ちた物語だった。
結末が、キングにしては、って思ってたら、息子の助言で直したそうな。
うーん。
まぁここんとこ、人間丸くなったよねって思うキングなのでそう終わるのも当然なのかもしれないけれど、「クリスティーン」や「デッドエンド」みたいな終わり方もキングらしくて好きなんですけどね。
つか、そういう方向のを読みたかったわ。
Posted by ブクログ
絶対にIn the moodを知っておいた方がいいと思う。
読みながらあの曲が流れ出すタイミングは
その時代には影も形もなかった、米国人ですらない
私をいっきに物語の舞台へ連れて行ってくれる。
作中に流れる曲、流れそうな曲のCDとセットを希望。
あの日を境に世界は良くない方向に動いてしまった。
それを阻止するための数年に及ぶ潜伏が物語の中心だが
そのわきを固めるのは、まだ悪くなかった時代、
温かく穏やかで優しい世界の空気、
その時代に生きる人々との日々(一方でそこにある
そうではない世界の明と暗)。
そして、その世界で出会う最愛の女性。
恋愛物語は大きな事件があり、単純に甘々ではなく、
さらに時間モノだから永遠の喪失の予感が付きまとい…
JFK側では、パラドックス、もしもの未来
ではなくバタフライ効果、ブラッドベリ作品の
強烈、濃厚な結末が描かれる。過去を受け止めること
過去に抗うこと、いずれが正しい行いだろうか。きっとセイディーの行動が答え。
そして過去改変モノの作品と思わせながら、
実は50-60年代の(古き良き?)アメリカでの
恋愛物語だった本作品の真のラストシーンは。
一言「美しい」。
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