宮崎哲弥のレビュー一覧

  • 少年をいかに罰するか

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    お二人の、少年法とその複雑なシステムに対する知識の深さ、加害者被害者両面からの深掘りや報道まで、多面的に語れる凄さを感じた。
    自分が目にするもの、聞くもの、それが本当に「真実」を捉えているのか、偏っているのか、一部を切り取ったにすぎないものなのか、単なる推測や感想なのか、しっかり考えて受け取らないといけない。

    出版から15年近く経つ。また二人で、現行の少年法とそれを取り巻く環境に関し語り合って欲しい。

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    2023年03月12日
  • 教養としての上級語彙―知的人生のための500語―(新潮選書)

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    宮崎哲弥さんの魅力に触れてみたくて読み始め、知識の広さと、言葉選びの巧みな理由が、とてもよくわかる本でした。正直、ここで出てくる言葉が自分のものになるかというと、それは否だと思うので、ここで触れた言葉は入り口だと思って、読書を続けて、物語の流れの中で上級語彙が登場した時に、身に入るような気がします。

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    2023年02月03日
  • 教養としての上級語彙―知的人生のための500語―(新潮選書)

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    自分がよく知らなかった日本語について気づくところはあったが、自分にとってはトリビア的な楽しみしかなく、考えが変わったり、行動が変わったりと言うきっかけになるような種類の本ではなかった

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    2022年12月27日
  • 教養としての上級語彙―知的人生のための500語―(新潮選書)

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    宮崎哲弥(1962年~)氏は、慶大文学部社会学科卒、博報堂嘱託研究員、中央大学非常勤講師、京都産業大学客員教授等を経て、相愛大学客員教授。研究開発コンサルティング会社・アルターブレイン副代表。多数のメディアに出演する、評論家、コメンテーター。
    私はこれまで、著者の本では、随分前に『新書365冊』(2006年)を読み、それを参考に何冊かの新書を手に取った記憶があるが、所謂書評本であるその本のクオリティについては考えたことがなかった。ところが、最近たまたま松岡正剛の伝説の書評サイト「千夜千冊」を見ていたときに、『新書365冊』が取り上げられており(そもそも、書評のプロである松岡氏が自らの書評サイト

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    2022年11月28日
  • いまこそ「小松左京」を読み直す

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    SFのというか小松左京の宇宙観というか神話体系はある種の普遍性を有しているように思う。文学は近代小説にとどまるものではなく、まさにナラティブなのだ。

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    2021年11月26日
  • いまこそ「小松左京」を読み直す

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    日本を代表するSF作家の一人、小松左京さんの代表作品を読み解いた新書。小松さんの小説をまずは楽しみたいという方は、本書は読まないほうがいい。ネタバレ満載で作品を解説したもの。
    随分前に読んだ作品を思い出しながら読んだり、まだ読んでいない作品のところは、サラサラとななめ読みで。
    小松左京さんの作品を制覇したいとの思いはあるのだが、まだ果たせていない。
    お亡くなりになってから10年の節目に、チャレンジする良いタイミングかもしれない。

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    2021年10月07日
  • いまこそ「小松左京」を読み直す

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    近年再評価される小松左京。政治哲学、仏教思想のか学者が解釈するディープな世界。

    大震災と「日本沈没」、トランプ政権と「アメリカの壁」、パンデミックと「復活の日」。その度再評価されるSFの巨匠小松左京。

    氏の思想を宗教的、哲学的な立場から語り尽くす書。

    サイエンス・フィクションを突き詰めると神話や宗教の世界にたどりつくところが興味深い。

    かなりハイレベルな一冊。自分の力及ばず、多くは理解できませんでした。

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    2021年03月08日
  • いまこそ「小松左京」を読み直す

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    “僕らがこの世界と出会い直すためです”

    なぜSFを描くのか?なぜ小松左京の小説は時代を超えて参照されるのか?

    実写版日本沈没から、日本沈没2020へと行きついて、この本にたどり着いた。

    各作品のストーリー展開と、その背景を多数の引用から紹介し、その関連性や背景を読み解いてくれるガイドブック的存在。

    あぁ、自分は小松左京作品の原作を全然読んでなかったんだなぁ、と思いながら日本語の難しさに少し苦労した、、、。

    久々に本らしい本を読んで、少しお盆の昼下がりが有意義なものになったかもしれない。

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    2020年08月13日
  • ごまかさない仏教―仏・法・僧から問い直す―(新潮選書)

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    冒頭にハリラの仏教についての記述を紹介しているが、的確な指摘の連続で、イスラエルの歴史学者がここまで仏教を理解していることに宮崎は驚いているが、私もハリラの分析力に感心した.本論に入ると、宮崎と佐々木の討論が始まるが、宮崎が次々と繰り出す論点に佐々木は冷静に対応しているが、読者からすると、宮崎の知識の開陳の連続という感じがした.釈迦が実際に述べたことを忠実に伝えているとされる文書はほぼ確定されたようだが、研究は緒に就いたばかりという感じだ.「仏」、「法」まで読んだが、難しい!日本にはびこっている鎌倉仏教との相違点だけを重点的取り上げて欲しい.日本の仏教と釈迦の原点はかなり異なっている感じがする

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    2019年02月28日
  • ごまかさない仏教―仏・法・僧から問い直す―(新潮選書)

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    釈迦の本来の教えである上座部仏教と大乗仏教との違いを三宝(仏・法・僧)の観点で対談形式で説明している。大乗仏教の中でも日本の仏教が特異であることがわかった。

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    2018年09月02日
  • 仏教論争 ──「縁起」から本質を問う

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    実に難解な新書だった。釈迦の悟りの中心概念とされる縁起を巡る論争史をまとめている。引用される文献のバリエーションが豊富で読み応えがある。ありすぎる。

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    2018年06月09日
  • 少年をいかに罰するか

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    『家栽の人』の「少年」に対する姿勢は明瞭で、桑田判事の次のような言葉に集約されます。


    「どんなに厳しく罰しても少年はいつかは出てきます。誰かの隣に住むんです。その時少年が笑っていられるように考えるのが大人/司法の役割ではないでしょうか」

    加害少年の幸せを望むかのこの桑田判事の言葉は一見甘く聞こえるけども、「笑っている(=幸せ)」というのは「再犯を犯さない」状態も指しているわけで、これは社会にとっても望ましいこと、つまり公益に即しているとも言えます。



    ただこの更正と教育を基本とする考えは、厳罰を望む被害者・被害者家族の感情と対立することが多いでしょう。特に殺人などの回復困難な重大犯罪

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    2009年10月04日
  • 仏教論争 ──「縁起」から本質を問う

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    仏教にとって縁起というのは大きなテーマの一つだが、その概念は時代によって変わる。さらにその解釈も人によってそれぞれ。

    この本では、縁起に関することを中心い日本での仏教論争を振り返り今日的な視点で整理していく。

    最初は面白いかと思うが、だんだん分からなくなるし、そんな神学論争みたいなことやってて、大丈夫?とだんだん思い始める。

    で、ざっくりと斜め読みですます。

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    2025年07月15日
  • 教養としての上級語彙―知的人生のための500語―(新潮選書)

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    ■前説
    まずもって触れなきゃいけないのは、この表題のこと。そもそも教養って〈長い年月にわたり蓄積した知識と経験が絡み合って知恵化し、人生を豊かにするもの〉と僕の中では定義化している。

    新潮社ともあろう大出版社がコンビニの書籍コーナーに並んでるような安直でスノッブなタイトルを付けたなぁと苦笑いしてしまった。それと〈語彙解説とその用法を説く〉著者の宮崎氏なら、『軽々に教養なんて使うなよ〜』と言いそうなのに認めたことにも驚く。※新潮選書の編集者が命名したと決めつけているけど、実は宮崎氏だったりして…

    ■総評
    本書は、著者が10代半ばより、本・雑誌・新聞等で未知の言葉に出会う度に採録した語彙ノート

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    2024年03月15日
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』

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    教養がないと読み切れない対談集、難しい内容だと感じる本だった。これほどの知識人、文化人がその立場や専門分野から様々な考察がされる。宮崎駿作品ならではのことだろうと思う。それこそ20年以上前に、ナウシカの漫画本を途中までだか、読んだ記憶はあるのだが、自説を語れるほどの読者ではないので、偉そうなことは何も言えない立場ではある。

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    2023年07月23日
  • 教養としての上級語彙―知的人生のための500語―(新潮選書)

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     試みも素晴らしく、悪い本ではないが、とにかく読みにくい。語彙の例中の別の語彙にも解説が適宜加えられ、1つの語彙が頭に入りにくい。索引もネット上にしかないのも不便。余白が多いのだから、紙媒体にも索引はあってほしかった。
     それでも知らなかった語彙やなんとなくわかっていたような語彙の正確な意味を知ることができた。ただここでの語彙のほとんどは一般的に共通認識がないので、使いづらいかもしれない。
     
     個人的に今後使ってみたい語彙
    「地を易うれば皆然り」、「無音」、「耳食」、「顰みに倣う」、「痛惜」、「肯綮に中る」、「批正」。

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    2023年07月02日
  • 教養としての上級語彙―知的人生のための500語―(新潮選書)

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    私たちの中で漢学の素養を持つひとはあまり多くない。調べたいことばは、ネットで一意の意味として置き換え理解したつもりになっている。

    本書は、ことばを大切にして思いを伝えることの美しさを説明してくれている。参考手紙文のような使い方をしたい。

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    2023年04月30日
  • いまこそ「小松左京」を読み直す

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    21/12/02に、clubhouse内で「100分de名著」の「小松左京スペシャル」の回を取り上げる予定なので、参考にと思って読んだものの、ぼくには読みづらさが目立った本だった。きちんと読めたのは第一章までで、その後は、時間の都合で『日本沈没』を扱った章をチラ見した程度。番組(NHKオンデマンドで視聴)はおもしろかったんだけど・・・。

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    2021年11月30日
  • いまこそ「小松左京」を読み直す

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    『日本沈没』や『果しなき流れの果に』などの小松左京の代表作のあらすじと、引用がほとんどで、あまり深い考察はなかったのが残念。しかし、小松左京を読み倒したのは子供時代だし、まだ読んでいない作品もあるので、全集でも買って読み直してみたいなという気になった。

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    2020年09月19日
  • ごまかさない仏教―仏・法・僧から問い直す―(新潮選書)

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    それなりに面白かったけど、思ってたのとは違った内容だった。
    もっと基本をまんべんなく図解まじえつつ解説してくれる入門的な内容の本が読みたかったので。
    とはいえ二人の自説が微妙に違って論争みたいになるところとかは面白かったし、自分の信じる宗教を正当なものとして牽強付会する学者の話とかは興味深かった。知らない世界を知れた本ではある。

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    2018年08月22日