中田考のレビュー一覧
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金子みすゞに真っ向から立ち向かう!?タイトルがまず秀逸!
自分のことを無宗教だと思ってましたが、いつの間にかキリスト教的価値観がたくさん身についていることを突き付けられます
例えば、昨今のLGBT関係の流れの中で、そこに反対する人と賛成する人との対立はよく見かけますが、それはどちらもキリスト教的価値観(世界で約24億人が信じる。)に基づいていて、
イスラム教的価値観(こっちだって世界で約20億人が信じる。)では、そもそもこの対立構造すら起き得ないし、この起き得ないことを非難するのも、これまたキリスト教的価値観だ、とか
まさに"目からウロコ"(ちなみにこれはキリスト教か -
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(2022/1/8)
2020年、まだコロナ第2波くらい、オリンピック延期、という段階で書かれたアンソロジー。
日本の知性が集結している。多くの方が参加している。
読み始めたとき、それぞれのお名前の横に簡単な肩書しか書かれておらず、
もう少し人物紹介すればいいのに、、、と思ったのだが、巻末にまとめて紹介されていた。
この本は中高生向きなので、それぞれの著者を知らない可能性が高く、人物紹介が長いとかえって予断を持って読み始めてしまうので、避けたのかな、と推察。
私は彼らの著作を結構読んでいるので、背景を知って読むとより立体的に読めた気がする。
一つ一つのコラムにコメントをするのは野暮 -
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先日youtubeで中東研究者有志の会が「ガザ戦争の即時停戦」を求めるLIVE配信を行った。そこで栗田禎子、酒井啓子女史を知りこの本を手に取った。本書はシャルリエブド事件の際に組まれた特集号である。シャルリエブド事件は、少し前の話だが、ガザで戦争が行われていることとひとつなぎであり、内容はまったく古くならない。
本書で繰り返し述べられることのひとつに「テロ」とは何か、すなわちテロとカテゴライズすることが多くの問題を覆い隠しているということが挙げられる。
例えば、シャルリエブド事件は、イスラーム教徒が表現の自由に対する侵害を行ったと挿げ替えられた。「表現の自由=文明、神への信仰=未開といっ -
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イスラーム 生と死と聖戦
著:中田 考
紙版
集英社新書
良書、わかりやすいテキストだと思いました。
世界第2位の宗教人口を誇るイスラム教、第1位は、キリスト教で23億、ついで、イスラム教が18億
日本では、イスラム教に関する情報があまりにも少ない。世界を理解するためには、キリスト教と同様、イスラム教もおなじくらい理解する必要がある
筆者は、東大文学部イスラム学科の1期生で、イスラム教徒、カイロ大で哲学博士、いろいろ物議をかもした方であるが、どうして日本はこういう人を
大事にできないのか、と思いました。
気になったのは、以下です。
・インジャーアッラー 神の御心のままに、自分の力でで -
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現在のシステムの潮流でのカタストロフィの生じる前の方向転換を撤退論としている。
コモンの再生と撤退ということで、斎藤幸平が、『資本主義から撤退して里山に行くだけでは不十分。何故ならそのままでは、資本主義が里山を含めた環境を破壊するから。』と言っていたところに納得。彼はだからこそ資本主義は止めなければならないという。当方はまだ、サステナビリティは社会という形での対応が必要と思っている。戦争、技術進化などに対応する上で、経済を止め切ることはできないと思うため。
撤退とは、単に行くか戻るかの二者択一を意味しない。そのような二者択一を自分に迫っている世界観とは、全く異なる世界観へのパラダイムシフトを -
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「まえがき」の内田樹の文章の衝撃たるや。
21世紀末には、総務省の中位推定で、日本の人口は4700万人に。7000万人も減るという。
そして、この事実を国は知ってはいるが、「このシナリオを国民に対して開示する気がない」にっちもさっちもいかなくなってから、我々に、さて、「日本は沈みつつありますが、生き延びる手立てはもうこれしかありませんと手の内を明かす」だろうと。
その時には「強者にすべての資源を集中し、弱者は見捨てる」というシナリオは出来上がっている…。
そうだろうと思う。そうなのだ。たぶんもう出来上がっているのだ。我々庶民はうかうかしてこれからだまされるのだ。
この「まえがき」と白井聡と -
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内田樹さんんが呼びかけて「中高生向き」に書いてもらった,オムニバス本。わたしが知っていた人は6~7人だが,それぞれの呼びかけが面白かった。
本書のメッセージは,30代~70代の年代別に分かれていて,70代なんて,中高生が大人になった頃はほとんど現役ではないわけで,だからこそ,なにを呼びかけているのかが,気になる。
新型コロナによって暴き出された現代社会の矛盾は,コロナ禍が過ぎ去ったとしても,なんらかの修正を迫られるはずだ。会社に行かなくても仕事ができる…と分かったからには,満員電車に乗って会社へ行くこと自体が,すでに「必要なこと」ではなくなってしまった。密を避けることは,過疎地域では当た -
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バカが不幸になると本書は説く。バカとは自分はミミズなのにヘビと勘違いし、錯覚して身の丈に合わない生き方をしようとする人のこと。
ほとんど大多数の人はバカなのだから、自分がバカだと認識して、その中で何がしたいか、何ができるか、何をすべきかを考えて生きるべき。
著者はイスラームである。根底がそもそも一神教で、神に承認、認められるかが基本になっているため、視点が大きく異なる。ただそれゆえ、気づかされることが多かった。
以下抜粋
民主主義というのは存在しない。民主主義という口当たりのいいイデオロギーをかぶせることにより、大衆に自分たちが主権者だという愚かな幻想を生ませているに過ぎない。 -
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「しょぼい起業で生きていく」の著者えらい
てんちょう、こと矢内東紀氏が「街場の○◯
論」で知られる内田樹氏との対談本です。
「才能がある人間が日本からいなくなった。
日本の将来は真っ暗だ」と嘆く人はいますが
村上春樹氏は「時代によって知性の総量は変
わらない」と言っていることなどを語り合い
ます。
つまり才能ある人が以前とは違う場所でその
才能を発揮していて、それに多くの人が気づ
いていない状況にあるのが現代だと言います。
えらいてんちょう氏などは、その見つけづら
い才能ある人の典型なのでしょう。
従来の考え方、生き方ではこういう人と巡り
会う機会はそうは無いと思います。
しかしこの -
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内容はものすごく辛口で、深く突き刺さりまくります。
表紙絵と、中身があっていない本ランキングは、間違いなく1位ですね。
宗教(イスラーム教)の視点から観る、人生論。
賢いとバカの違いは、シンプルで、
賢いとは、「何がしたいか」「何ができるか」の2つが分かっていて、分相応に生きること。
そして、バカは、例えるならば「自分のことをヘビだと思う、ミミズ」と1章で説きます。
こういった調子で、努力は報われる、自由に生きよう、などの言葉をバッサバッサと切り裂いていきます。
あれもこれもダメと言われると、どうしてもじゃあどうすれば?なんて、正解を求めたくなりますが、それこそがバカである、とさらに -
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イスラム、ユダヤ教に関する討議はもちろんとても勉強になったし面白かったのだけど、現在のアメリカ主導のグローバリズムに関する話が特に面白かった。
今の英語教育、グローバル化というのは結局日本が繁栄する手段というよりアメリカ主導の資本主義の中で個人プレーでどう成功するかの手段にすぎない。わたしもなんとなくグローバル人材という耳触りの良さで英語を勉強したりや海外勤務を希望したりしていたのだけど、自分が目指していたものは一体何なんだ??と考えさせられた。
もう少し自分の働き方というか、行動の軸を詰めて考えたい、と思わせられた本だった。内田樹の本ってだいたいそうなるんだけど。