中田考のレビュー一覧
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金子みすゞに真っ向から立ち向かう!?タイトルがまず秀逸!
自分のことを無宗教だと思ってましたが、いつの間にかキリスト教的価値観がたくさん身についていることを突き付けられます
例えば、昨今のLGBT関係の流れの中で、そこに反対する人と賛成する人との対立はよく見かけますが、それはどちらもキリスト教的価値観(世界で約24億人が信じる。)に基づいていて、
イスラム教的価値観(こっちだって世界で約20億人が信じる。)では、そもそもこの対立構造すら起き得ないし、この起き得ないことを非難するのも、これまたキリスト教的価値観だ、とか
まさに"目からウロコ"(ちなみにこれはキリスト教から来た諺‼)の一冊でした
Going Head-to-Head with Misuzu Kaneko!? The title alone is brilliant!
I always thought of myself as non-religious, but this book forcefully showed me how many Christian values I’d unconsciously absorbed.
For example, today we often see clashes over LGBT issues between opponents and supporters—but both sides are rooted in Christian values (believed by roughly 2.4 billion people worldwide). Under Islamic values (held by about 2 billion people globally, too‼), that very confrontational structure wouldn’t even arise—and condemning the impossibility of such a conflict is itself another Christian perspective.
It was truly a “scales falling from one’s eyes” book—by the way, that proverb also comes from Christianity, haha!
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Posted by ブクログ
(2022/1/8)
2020年、まだコロナ第2波くらい、オリンピック延期、という段階で書かれたアンソロジー。
日本の知性が集結している。多くの方が参加している。
読み始めたとき、それぞれのお名前の横に簡単な肩書しか書かれておらず、
もう少し人物紹介すればいいのに、、、と思ったのだが、巻末にまとめて紹介されていた。
この本は中高生向きなので、それぞれの著者を知らない可能性が高く、人物紹介が長いとかえって予断を持って読み始めてしまうので、避けたのかな、と推察。
私は彼らの著作を結構読んでいるので、背景を知って読むとより立体的に読めた気がする。
一つ一つのコラムにコメントをするのは野暮なので辞めておくが、一番心を動かされたのは、雨宮処凛さんのコラム。
ペット連れの要生活保護者をどう支援するか。役所は「犬を処分してから来い」と言い放つ。
確かにその考えは自分の頭の中にもある。生きるか死ぬかの状態で支援を求めるのにペットなんて贅沢!と。
しかしその一方、モノではなく生きているペットを捨てる、殺すなどできるはずもないと、、、
我が家にも猫がいるが、極端に憶病なので、地震で避難所に行くことになったらどうなるのか?いやそもそも避難所が受け付けないか、、
話戻ってそうした人を支援する彼女たち。当然お金が必要。これをどう集めるか。
自分は寄付できるか?
日ごろ人の役に立ちたい、などと言っていても、そこに目が向くか。
反省。
それに関連して、ベーシックインカムに注目するコラムもいくつか。
クソ面白くない仕事をAIに任せる。
イギリスをダメにした高福祉、働かなくても食えることに劣等感、感情を持たせるようにしたサッチャー。これは今の日本にもある。生活保護を受けづらくする。
しかし金はあって暇がある、という状態が様々な文化を生む側面もある。
オリザさんも別の切り口ではあるが、不要不急の芸術の必要性を訴える。
・・・もしAIが何でもやってくれて、富がうまく社会に分配されるようになれば、人々は金のためにあくせくするのではなく、本当に人の役に立つために、自分の好きなことをして働けるのではないかな。
なまじ労働が貨幣価値に代替されるから、怠ける人が出るのでは、、、
いくつかのコラムからそんなことを感じた。
あ、それと、「椎名林檎になるための方法を教えてくれるのはどこの学校か?」と真剣に聞く大学生がいたという話は衝撃的だった。増田聡さん。
正解が学校にある、と思っている日本の教育システムの膿のような話。
。。。しかし、こういう本があるということは、日本の知性が捨てたもんじゃないことの証でもある。希望はある。
こんなコロナ禍ではあるが、前を向いて生きていきましょう! -
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イスラーム 生と死と聖戦
著:中田 考
紙版
集英社新書
良書、わかりやすいテキストだと思いました。
世界第2位の宗教人口を誇るイスラム教、第1位は、キリスト教で23億、ついで、イスラム教が18億
日本では、イスラム教に関する情報があまりにも少ない。世界を理解するためには、キリスト教と同様、イスラム教もおなじくらい理解する必要がある
筆者は、東大文学部イスラム学科の1期生で、イスラム教徒、カイロ大で哲学博士、いろいろ物議をかもした方であるが、どうして日本はこういう人を
大事にできないのか、と思いました。
気になったのは、以下です。
・インジャーアッラー 神の御心のままに、自分の力でできるだけがんばるが、人間の力の及ばないところは神のお力添えそのままに という言い訳であり、謙虚な美徳とあり
・剣かコーランか 正しくは、剣か、税か、コーランか。税を収めれば無理やりイスラム教に改宗しなくても、子々孫々まで永住権がえられます。
・イスラムテロは、ジハードとはいいがたい、第一、イスラム教は、自殺を禁止している
・イスラームは、地域や民族を超えた普遍宗教であり、ムスリムには、国籍も血統も関係なく、誰でもなれます。
・ムスリムになるには、アッラーを信じるだけでいい。入信名簿もなければ、報告義務もない。だから信徒の正確な数はわからない
・ジハードとは、自分の弱い心を乗り越えるという意味がある。これを、「大ジハード」という、一方で、武力による戦闘は、「小ジハード」という。一般には、ジハードとは、小ジハードをいう
・ジハードとは、異教徒に対する戦いであり、ムスリム同士の戦いはジハードとは言わない
・イスラーム法とは、神の定めた掟のことである。イスラーム圏はイスラーム法の枠組み内で、多文化、多民族、多宗教が共存する広大な法治空間のことをいう
・神の決めた掟、イスラーム法は、アラビア語で、シャリーア、という
・シャーリアは、神の啓示の記録であり、①クルアーン(コーラン)と、②ハディーズの2つがある。
・クルアーンとは、最後の予言者であるムハンマドの言葉をまとめたもの
・ハディースとは、ムハンマドの言行を弟子たちが書き留めたもので、7300以上のハーディスがある
・イスラームは、5つの行為からなっている。①信仰告白(ラーイラーハイッラー、ムハマンドゥンラスールッラー)、②礼拝、③ザカー(浄財)、④ラマダーンの斎戒、⑤メッカ巡礼
・イスラーム法学、フィクフ。5つの範疇がある ①義務行為(しなければならない)、②推奨行為(したほうがいい)、③合法行為(してもしなくてもいい)、④忌避行為(しないようがいい)、⑤禁止行為(してはいけない)
・イスラームにおいて、ムスリムでなければいかなる義務の生じない。異教徒は、5つの範疇の外にある。ただし、イスラームを侮辱するようなことを行ってはならない
・ハラルとは、許可という意味です。ハラルのマークは、イスラーム的にOKということです
・クルアーンの中で、現世で死んだあとに天国で生きているとされるのは、実は、殉教者だけです
・イスラームには、人間に対する罪と、神に対する罪とがある
・神に対する罪とは、神だけが赦すという権利関係なので、人間はそれには関わらない。神に逆らっても、そもそも他人が非難するようなことではない
・政教分離とは、キリスト教世界で、王権と教会、カトリックとプロテスタントの宗派間対立を調停するためのもの、イスラームには、政教分離という考えはない
・政教分離をすれば問題が解決するというのは、現代の迷信だ
・ムハンマドは最後の預言者で、神の法をもたらしているもの、最後の預言者なのでムハンマドの教えは1000年たったいまでも、変わることはない
・ダル・アル=イスラームとは、イスラーム圏という意味、ムハンマドとその後継者たちが最初につくった、イスラーム国家という意味です。
・イスラームでは、神は1人、法はひとつ、預言者の1人なので預言者の代理人であるカリフもまた1人しかいない。
・1924年最後のカリフが退位したのち、現在までに、カリフが存在しないことが自体が、イスラーム法上の一番の問題である。
・カリフの再興、ダール・アル=イスラームの復元ができるかどうかが、イスラーム世界の抱える最大の問題です。
・人間が人間を支配するのはいけない、国家も民族も、人間が人間を支配するという不正を隠蔽するためのベールにすぎない。
・イスラームには教会もなければ、公会議もないし、教皇もいない。モスクとは教会ではなく、単なる祈る場所のこと、だからなにもない。
・メッカの方向に向かって祈るのも、人々がばらばらに祈ると収拾がつかなくなるため、クルアーンにメッカにむかって祈れと書いているからだけ
目次
序章 イスラームとジハード
第1章 イスラーム法とは何か?
第2章 神
第3章 死後の世界
第4章 イスラームは政治である
第5章 カリフ制について考える
終章 「イスラーム国」と真のカリフ制再興
解説―自由主義者の「イスラーム国」論~あるいは中田考「先輩」について
ISBN:9784087207644
出版社:集英社
判型:新書
ページ数:240ページ
定価:760円(本体)
発行年月日:2015年02月
発売日:2015年02月22日第1刷
発売日:2015年02月22日第2刷 -
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現在のシステムの潮流でのカタストロフィの生じる前の方向転換を撤退論としている。
コモンの再生と撤退ということで、斎藤幸平が、『資本主義から撤退して里山に行くだけでは不十分。何故ならそのままでは、資本主義が里山を含めた環境を破壊するから。』と言っていたところに納得。彼はだからこそ資本主義は止めなければならないという。当方はまだ、サステナビリティは社会という形での対応が必要と思っている。戦争、技術進化などに対応する上で、経済を止め切ることはできないと思うため。
撤退とは、単に行くか戻るかの二者択一を意味しない。そのような二者択一を自分に迫っている世界観とは、全く異なる世界観へのパラダイムシフトを意味しているということである。
難しいと考えているシステムの転換は、現代のシステムの思考の中て考えているから。
そのためには、イメージから先に変われ。かえ?とは、目標わ着地点をへんこうすることではなく、現在流通している思考や、言葉遣いそのものを変えるということに他ならない。 -
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「まえがき」の内田樹の文章の衝撃たるや。
21世紀末には、総務省の中位推定で、日本の人口は4700万人に。7000万人も減るという。
そして、この事実を国は知ってはいるが、「このシナリオを国民に対して開示する気がない」にっちもさっちもいかなくなってから、我々に、さて、「日本は沈みつつありますが、生き延びる手立てはもうこれしかありませんと手の内を明かす」だろうと。
その時には「強者にすべての資源を集中し、弱者は見捨てる」というシナリオは出来上がっている…。
そうだろうと思う。そうなのだ。たぶんもう出来上がっているのだ。我々庶民はうかうかしてこれからだまされるのだ。
この「まえがき」と白井聡と平田オリザの論考が、特に優れている。この三箇所だけで、この本は⭐️5つだ。
白井聡はあまりにもハッキリとこの本で、誰もがそうではないか?と薄々気づいていたことを明らかにした。「われわれは根本問題の所在をはっきりと認める必要がある。日本の政治が見るも無惨な状態にあるのは、官僚機構が、あるいは政界が劣化しているからだというよりも、そうした堕落を許すどころか、腐敗堕落した勢力をわざわざ選択し、それに権力を与えている有権者の無知と堕落のためだ、という事実が正面から認められなければならない」
とうとう言ってしまった(笑)
ここを読んだ時間が寝る前だったので、その日は寝付くことができなかった…。白井さん!
平田オリザの指摘も示唆に富む。
西洋のリアリズムを情緒、感傷的に読み変える日本文化。
この甘美な情緒が産むものは何か。
せめてソフトランディングできたら、と願う。
兪炳匡の「プランB 」が少しでも実現できたらと思うが、この国はできないだろうな…。
兪さんの指摘、「著者が懸念するのは、現在の日本で生まれ育った人が、欧米諸国に留学ないし就職する際に、『基本的人権の尊重は建前であり、本音では揶揄・否定しても構わない』との言動をとりかねない」こと、さらに、「個人を評価する時に、日本では、仕事をする能力と倫理観・価値観を『足し算』によって評価」するが、「欧米での評価方法は、『掛け算』ですので、差別発言がある限り、高い研究実績を乗じても0以下になり」、「特定の大学だけでなく欧米の大学・政府組織・企業から永久に追放されます」は重く受け止めた。
つい最近、映画人をはじめとする文化人のセクハラに関して、その作品までも追放するのか、という発言が、なんと新聞にまで登場したことが思い出される。
言論人でさえ、足し算に疑問すら持たず、掛け算の発想すらない、その程度の知性が新聞をつくる国なのだなと思う。
今回の「撤退」に関するアンソロジーは、しみじみ読んでよかったと思うが、しみじみ悲しくもなる。
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内田樹さんんが呼びかけて「中高生向き」に書いてもらった,オムニバス本。わたしが知っていた人は6~7人だが,それぞれの呼びかけが面白かった。
本書のメッセージは,30代~70代の年代別に分かれていて,70代なんて,中高生が大人になった頃はほとんど現役ではないわけで,だからこそ,なにを呼びかけているのかが,気になる。
新型コロナによって暴き出された現代社会の矛盾は,コロナ禍が過ぎ去ったとしても,なんらかの修正を迫られるはずだ。会社に行かなくても仕事ができる…と分かったからには,満員電車に乗って会社へ行くこと自体が,すでに「必要なこと」ではなくなってしまった。密を避けることは,過疎地域では当たり前であり,過疎であるわたしの地域で影響を受けたのは「年に一番密になる地元のお祭」ぐらいだ。
指導者たちは,巨大な経済システムの中で,無駄を省くことを第一条件として進めてきたことのツケが,あまりにも大きかったことにやっと気づいたのだろうか。もっとも,10年前の東日本大震災の津波による原発事故のときにも気づいたはずだったのだが…それが,いつのまにか,どっかへいってしまっていた。今回,また,違う形で自然が教えてくれたんだが。
内田さんがいうように,今後の社会は決して楽観的に過ごせるわけではないだろう。高齢化率や出生率などを見ても,その大変さがよく分かる。
じゃあ,今後はだれがどんな社会を作ってくれるのか…いや,君が作っていくんだよ,それは君がやりたいことを選んでやっていくんだよ…というメッセージが,少しだけ勇気を与えてくれる。
60代のお爺ちゃんは,孫たちの世代に何を残せるのだろう。まだわたしにできることはたくさんありそうだ。 -
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バカが不幸になると本書は説く。バカとは自分はミミズなのにヘビと勘違いし、錯覚して身の丈に合わない生き方をしようとする人のこと。
ほとんど大多数の人はバカなのだから、自分がバカだと認識して、その中で何がしたいか、何ができるか、何をすべきかを考えて生きるべき。
著者はイスラームである。根底がそもそも一神教で、神に承認、認められるかが基本になっているため、視点が大きく異なる。ただそれゆえ、気づかされることが多かった。
以下抜粋
民主主義というのは存在しない。民主主義という口当たりのいいイデオロギーをかぶせることにより、大衆に自分たちが主権者だという愚かな幻想を生ませているに過ぎない。 -
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「しょぼい起業で生きていく」の著者えらい
てんちょう、こと矢内東紀氏が「街場の○◯
論」で知られる内田樹氏との対談本です。
「才能がある人間が日本からいなくなった。
日本の将来は真っ暗だ」と嘆く人はいますが
村上春樹氏は「時代によって知性の総量は変
わらない」と言っていることなどを語り合い
ます。
つまり才能ある人が以前とは違う場所でその
才能を発揮していて、それに多くの人が気づ
いていない状況にあるのが現代だと言います。
えらいてんちょう氏などは、その見つけづら
い才能ある人の典型なのでしょう。
従来の考え方、生き方ではこういう人と巡り
会う機会はそうは無いと思います。
しかしこの本で今の時代の才能ある人の一端
に触れることが出来ます。そんな一冊です。 -
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内容はものすごく辛口で、深く突き刺さりまくります。
表紙絵と、中身があっていない本ランキングは、間違いなく1位ですね。
宗教(イスラーム教)の視点から観る、人生論。
賢いとバカの違いは、シンプルで、
賢いとは、「何がしたいか」「何ができるか」の2つが分かっていて、分相応に生きること。
そして、バカは、例えるならば「自分のことをヘビだと思う、ミミズ」と1章で説きます。
こういった調子で、努力は報われる、自由に生きよう、などの言葉をバッサバッサと切り裂いていきます。
あれもこれもダメと言われると、どうしてもじゃあどうすれば?なんて、正解を求めたくなりますが、それこそがバカである、とさらにダメ押し。
私みたいな、本に影響されやすいタイプの人間は、少し距離をとりながら、読んだ方が良いのかもしれません。
最近ゆるく生きているな、なんて思っている方は、背筋を伸ばすチャンスです。
ただ、劇薬なので、心が折れるかも知れませんが。 -
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イスラム、ユダヤ教に関する討議はもちろんとても勉強になったし面白かったのだけど、現在のアメリカ主導のグローバリズムに関する話が特に面白かった。
今の英語教育、グローバル化というのは結局日本が繁栄する手段というよりアメリカ主導の資本主義の中で個人プレーでどう成功するかの手段にすぎない。わたしもなんとなくグローバル人材という耳触りの良さで英語を勉強したりや海外勤務を希望したりしていたのだけど、自分が目指していたものは一体何なんだ??と考えさせられた。
もう少し自分の働き方というか、行動の軸を詰めて考えたい、と思わせられた本だった。内田樹の本ってだいたいそうなるんだけど。