中田考のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
対談の面子がすごい
最初あたりの全共闘のところはあんまり面白くないなあとおもったけど、ポツポツと気になるところが出てくる。2人の思想のポイントが垣間見えるところが面白い。体系的にはわからないのが対談の限度か。2人の本を読みたくなる。
以下面白いと思ったところ
●どんなことがあっても「こういう人いるよね」と思ったほうがいい
「床族」の結婚の話も面白かった
●貧困をゼロにしようとすることが社会として不健康
リスクをゼロにするのはコストがすごい
●貨幣を呼び込むコツは贈与すること
貨幣は予想外の使い方を喜ぶ、とか目からウロコ
●合意形成は全員が同じくらい不満なところに持って行く
三方1両損
●考えごとなんかせず他人の頭で考える
人に言って、そのリアクションで考えを進めていく
●オンリーワンにならなくていい。家庭内において僕しかできない、そういった形で社会的な存在価値を持っていく時代 203ページ
何かの本で読んだ、チーターより速い必要はない、いっしょに逃げるシマウマより速ければ生きて行ける、みたいな話を思い出した。
●就活では自己アピールしろと言われる。そんな自己規定は、自己を呪縛することにしかならない。210ページ
僕が何者であるかはその都度、関係でしか決まらないこと
●師を見るな、師を見ているものを見よ
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Posted by ブクログ
中田考という人の事ははじめて知った。
またイスラムの考え方についてもほとんど知らなかったので、たまたま手に取ったこの本の考え方には結構衝撃を受けた。
いまの産業資本主義全体を覆う生きにくさの原因は、
本当の意味で、
「何をしたいか」
「何ができるか」
「何をすべきか」
についてそれぞれが知らないことだという。
著者の表現では、
「自分をヘビだと勘違いしたミミズ」と書かれている。
勘違いしたミミズはカエルを食べてやると言い残してで出かけていったっきり戻ってこない。
身の程を知る。
つまり、「自分には何ができるか」ということに対して、より現実的にならないといけないし、
そもそも生きる価値や人間に価値はないと言うことを認められるかどうか。ということ。
たいがい出来もしないのに、もっとやるべきことがある、こうならなくちゃいけない。にふりまわされているのが現代の人々である。よく言われることだと、
「承認欲求が強すぎる」という一言になるんだと思う。
無限に肥大化する「承認欲求」とうまくつきあうべしということには、自分も大きく賛同するし、
改めて自分を戒めないといけないなと。
一方で後半のくだりの、しょせんみんなバカなんだから、何も考えず優秀な人やボスと思った人に黙ってついていけばだいたい幸せ。という話はちょっと分かりにくく感じた。
誰かが決めたすべきことや、価値があること、承認欲求にふりまわされるな。と説いておいて、何も考えずにボスについていけば大丈夫。と言うのはちょっとな。
全体的にはものの見方を広げてくれる良著だとおもう。
キュートな表紙も良いね。 -
Posted by ブクログ
内田:
ユダヤ教、イスラム教、キリスト教は互を相互参照しながら体型を築いていったkという気がしますね。(略)進行の深さを魂の純良さを持って示すのか、学識の豊かさでし召すのかというあたりの力点の置き方がこの3つの宗教では微妙に違う気がします。
キリスト教⇒人間の魂の清らかさ
ユダヤ教⇒知性的な成熟
イスラム教⇒両方
イスラム教はもともと遊牧民の宗教。つまり、国境自体を意識しない。クロスボーダーな集団だった。これは国土、国民を絶対とし、国境を死守する、現在の「国民国家」とは折り合いが悪い。
いま「グローバリズム」が叫ばれているが実態は「汎アメリカ化(アメリカン・グローバリズム)」。だが、その勢力を伸ばし、世界を「フラット化」するにはイスラム教は邪魔。
なぜなら、イスラム教は同一の儀礼、儀礼の言語、同一のコスモロジーを共有しているので「汎アメリカ」の強力な対抗勢力となりうる。
だが、そのイスラム圏を分断するために、欧米の宗主国はそれぞれの支配層へエージェントを残していった。彼らは国家の利権の名のもと、自らの権益を守るため、イスラム圏の分裂を固定化している。
アメリカはダブルスタンダード。
日本や韓国の非イスラム圏は自由貿易によって市場を解放させ、食料自給率を低め、英語公用化か勧め、固有の文化や商習慣を廃絶し、国民国家としての自立性・主体性をなし崩し的に無化していく。
逆にイスラム圏には正当性の乏しい独裁国家を応援して、境界線を厳しく分断し、内部の連帯が取られないようにする。
イスラーム的に正しい政府をつくろうとすると、国を超えてムスリムが選ぶカリフが必要となるが、それは国民国家に縛られたままでは難しい。
だが、イスラム圏の分裂を修正するために著者のひとりである中田氏は「カリフ制復興」を掲げている。そのため、アメリカには目をつけられている。
<感想>
イスラム圏が国民国家と折り合いが悪く、下手をすると『不倶戴天』になってしまう道筋は、内藤 正典著「イスラームから世界を見る」からでもぼんやりとはうかがい知れた。
が、本書では内田氏と中田氏では「国民国家」の是非について対談を通して、その点がもっとはっきりと指摘されている。
特にアメリカのアレルギーとも言うべき激しい拒絶反応の理由がよりはっきりした。
が、いくら「カワユイ」が相手の攻撃衝動を削ぐための戦略だと言われても、「みんなのカワユイ(^◇^)カリフ道」のネーミングセンスはどうかとおもう(笑) -
Posted by ブクログ
タイトルからして素晴らしい。
金子みすゞの詩も好きだけれど、このタイトルも好き。
表紙カバーもいい。
「君たちはどう生きるか」の漫画版も手元にあるのだが、ずっとそのままで(なんか読む気がしない。自分で買ったわけではない)、それを読むとバカになる、というこちらの方を先に読むことになった。
全ての内容に納得するわけではないけれど、確かにそうだよなと思うことがたくさん書いてあった。こういう考え方もある、とか、そういう考え方をしたらいいんだ、とか、思考が広がった。
いや、バカは考えてもバカなことしか考えないから考えるな、ってことが書いてあるのだけれど。
確かにホントそうだ。
一生懸命になって、疲れている人が多いような気がするから、そういう人が読めば救われるのではないか。いや、納得できないままの人も多いかも。でも、その柔軟性のなさが、その人を疲れさせているんだろう。
最後の構成者の解説は、スッキリ本書の内容をまとめてくださっていた。
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Posted by ブクログ
ネタバレタイトルの通り、著者である中田考氏がなぜ、様々な宗教や進行について学んだうえでイスラム教徒になったのか、という経緯が書かれた本。それと同時に、氏が提唱するカリフ制の復興こそ世界の安定や繁栄にとって必要である、という持論も展開されています。
ISISが提唱しているせいで悪い印象のあるカリフ制ですが、氏によればカリフ制とは「すべての領域国民国家を廃止、国境をなくし、人と金とモノの自由な行き来を可能にする」もので、異教徒であっても人頭税を払えばその信仰が担保され、安全に暮らすことのできる制度。よって、イスラムを利用して国をまとめているサウジアラビアなどにとっては危険思想となり、そのほかにも政治家や王の支配権を是とする現在の国民国家からも受け入れられない、という制度でもあります。
氏はカリフ制復興がすぐに成就するとは考えていません。ただ、世界の混乱や衝突を回避する妙案の一つとして、一考に値すべきものであるという確信を持っていることはよくわかりました。
著者いわく、現状、「ムスリムであればだれでも受け入れる」というスタンスなのがISISだけで、イスラムの為政者が治める国であっても実質的には違う宗派のムスリムを受け入れず、ムスリムの精神を理解していない指導者が治める国では真面目なムスリムが生きていけないというのが問題、らしいです。そういう視点で見ると、いわゆる「敬虔なムスリム」や「居場所のないムスリム」がISISに傾倒した理由が分かります。
同じムスリムならシーアもスンニも同じじゃないか、と考えてしまう非ムスリム&中東から遠い極東日本に住む日本人にとっては、シーアとスンニが同じ宗教内にありながら水と油ほども違うことを理解できません。お互いの相違点についても、氏は分かりやすく解説しています。
そのうえで、価値観を共有しない者を排除するのではなく、どう対話(交渉)するかが重要で、ムスリムにおいては対立する相手でも対話や交渉は可能であると考えている、というのは面白いポイントでした。その点、思想の異なる者を「テロとの戦い」と断じて拒絶し、滅ぼすことしか考えなかったイラク戦争当時のアメリカをはじめとするキリスト教諸国のほか、それに対抗したアルカイダなどのムスリムを信奉する(ということになっている)テロ集団、いずれもがムスリムの考え方には基づいていなかった、ということになります。
イスラム教の本は、読めば読むほどこの宗教の奥深さが分かってきます。それと同時に、いかにこの宗教が誤解されているかも。
これまでの経緯が複雑なため、シンプルに誰かに説明するのはいまだに難しいですが、漠然と間違った知識を持ち続けるよりは、混乱してでも正しい情報を身に着けようと努めるほうがいい。日本人が知らないムスリムの考え方をいくつか、提供してくれる良い本です。