中田考のレビュー一覧
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キリスト教徒とイスラム教の社会や政治のあり方への影響を比較しつつ、「キリスト教がなぜ戦争に強いのか?」とか、それぞれの国での政治の仕組みや、これからの戦争や世界システムについて、議論する本。
対談を本にしたものなので、スラスラと読めるかと思ったが、かなり濃縮度の高い議論で、二人の著者がそれぞれの考えを述べて、共通点を確認したり、対立したり。この議論についていくのは、わりと時間と体力を要した。
スリリンな本であるが、でも辿り着くところは、まあそうかな〜というところかな。宗教が社会に影響を与えるのもわかるけど、なんでもそれで解釈できるわけでもないだろう〜と思ったりする。
著者のひとり中田さん -
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ネタバレ「カルトの子」に衝撃を受け、何度も読んでいる身としては読まずにいられないテーマ。宗教と発達障害の関係については考えたこともなかったけど、人生がうまくいかずに宗教に助けを求めることを思えば、生きづらさを感じやすい人たちがはまってしまうのはなるほどと思う。当事者のインタビューは読みやすかったけど、専門家のところはちょっと読み飛ばすところも。信田さよ子さん、久しぶりに読んだけど、やっぱ分かりやすかった。斎藤環さんとの対談のとこも。こういう本を読むと、あの高校時代のエホバの子を思い出す。今どうしてるんだろうなぁ。エホバの個別訪問が辛い思いをさせて、コミュニティへの帰依を高めるためだという意見にはなるほ
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ネタバレ宗教者、精神科医、ジャーナリストなどこの問題に向き合っている様々な専門家との対談や取材と2世当事者の声を集めた章が秀逸。
むしろそこだけでも良かったのでは、と思うくらい。
最後の方の章は著者自身の著作や宗教関連の文学や映像作品の紹介と見解が多く、興味を惹かれるものもあったが映像に関してはほとんど見ることのできないものが多いこともありちょっとうるさく感じてしまった。蛇足感がある、と言ったら言い過ぎだろうか。
p253で著者が創価学会について、エホバの証人のように2世問題を唱えてる人や宗教被害を受けたと言っている人が実数からすると多いと思えない、ゆえにエホバが2世問題を生み出しやすい宗教と言える -
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内田の依頼に応じた識者たちが人口減少の日本の撤退論を語る。
それぞれある意味好き勝手に持論を書いている。
これをここでまとめても意味はなかろう。
自分の思う「撤退論」を書くことにする。
識者の意見に影響を受けつつ。
人口減少は先進国共通の現象であり、これを避けることはできない。
異次元の少子化で児童手当増額などといいながら、
扶養控除を廃止したり、社会保険料を増やそうとする政府の愚には呆れる。
彼らにこそ撤退論が必要なのだ。
高度成長時代の、人口増加時代の仕組を変えようとせずに小手先だけの政策を行う。
前例に倣うことしかできない。
更に省益優先、OBの天下り先 -
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ネタバレロシアのウクライナ侵攻から1年以上経過するが、終わりは見えない。
これまでにウクライナ関連本を読んできたがよくわかなかった。過去にあった事件からウクライナからロシアに対する怨嗟があることは知っていた。ロシアからウクライナにはそれほど怨嗟はないだろう。しかしことはそんな単純ではない。著者はカソリック社会と正教社会、そこに割って入ったトルコ、イスラム社会があり。複雑な様相を呈する。
それがここ数百年の流れであある。ロシアはいつも西洋社会から疎んんじられ、嫌われてきた。にもかかわなず、オスマントルコの力をそぎ、ナポレオンを撃退し、ヒットラーを撃退し、9.11以後は米国追従の立場をいち早く表明した。 -
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この国の統治権力に正当性がないように現在のイスラーム社会においても正当性のない政治が行なわれていることを知る。だが本来のイスラム教は知れば知るほど冷静で平和でプレーンなものだった。
イスラーム法は法律ではなく法である。善悪と存在がアッラーによって保障されている。そしてアッラーとは自然界と人間界を貫く普遍原理である。そのアッラーへの信仰の上に人は暮らす。つまり自然法が信仰によって強化されている。ただ単にそれだけの話なのだ。そして法が時の統治者によって変えられることもない。これほど当たり前で単純な政治システムはあるだろうか。イスラム法の上に時代に合わせて法解釈が積み上がるだけである。元が寛容で精緻 -
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以前、立ち止まって交通整理することが必要ではないか、+はわかりやすいけど-が評価されにくくて敬遠されるというようなブログを書いていたので非常に興味深い題材でした。
いろんな人が寄稿しているので中には読みにくいものがあったり、何を言ってるのか、何が言いたいのかがよくわからない人もいたけど、いろんな考え方があって面白く、中でも青木さんや想田監督、平川さんなどは近い考えで興味を持ちました。
障害とは、健常とは、健全とは?頭が悪い、コミュ障、ノンデリ、自我の喪失、倫理観の欠落などと障害の差は?ふだん考えていたことが青木さんによって明文化されていました。
常日頃、「誰が」という点に注目が置かれ、その中身 -
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ネタバレ中国人を妻に持つ中国通の社会学者・橋爪大三郎と、イスラム教に入信したイスラム学者・中田考による、ウイグル問題を端緒とした中国共産党体制をめぐる対談。
中田氏がカリフ制復興を提唱していること、ヨーロッパ・キリスト教に端を発する価値観やアメリカに対して(歴史的経緯を踏まえたうえで)批判的なのが印象的(特に「あとがき」で爆発している)。
以下、印象に残った点。
なぜイスラム諸国がウイグル問題に介入しないのかというのは、イスラム諸国同士で対立していてまとまることができないから。トルコはアメリカやEUとの関係が悪化し、経済状況も厳しくなって、中国への依存が強まっている。そして、現在のムスリムはイ -
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面白え。
中田先生っちゅうのは、イスラム研究の第一人者としての地位にある方らしい。
こいつ、気持ち悪い。
この本は、同じテーマについて、飯山先生と中田先生がそれぞれ論ずる形を取っている。まあ、本の半分が飯山先生で、半分が中田先生なのだが、この中田部分が気色悪い。
全くの論点ずらし、訳のわからんグダグダな語りで何言ってるかわからん上に、我こそ絶対正義、立場の違う奴は愚民と言い切ってしまう。
飯山先生の論が、ことの正否はともかくスッキリ判りやすいのと全く色を分ける。にで、飯山先生の方が、真っ当だと考えるわけだ。
世に、イスラムこそが現代社会を越える、優しい、理論だと考える奴が多い(?)のだ