中田考のレビュー一覧

  • みんなちがって、みんなダメ

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    金子みすゞに真っ向から立ち向かう!?タイトルがまず秀逸!

    自分のことを無宗教だと思ってましたが、いつの間にかキリスト教的価値観がたくさん身についていることを突き付けられます

    例えば、昨今のLGBT関係の流れの中で、そこに反対する人と賛成する人との対立はよく見かけますが、それはどちらもキリスト教的価値観(世界で約24億人が信じる。)に基づいていて、
    イスラム教的価値観(こっちだって世界で約20億人が信じる。)では、そもそもこの対立構造すら起き得ないし、この起き得ないことを非難するのも、これまたキリスト教的価値観だ、とか

    まさに"目からウロコ"(ちなみにこれはキリスト教か

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    2025年06月14日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    (2022/1/8)
    2020年、まだコロナ第2波くらい、オリンピック延期、という段階で書かれたアンソロジー。

    日本の知性が集結している。多くの方が参加している。

    読み始めたとき、それぞれのお名前の横に簡単な肩書しか書かれておらず、

    もう少し人物紹介すればいいのに、、、と思ったのだが、巻末にまとめて紹介されていた。

    この本は中高生向きなので、それぞれの著者を知らない可能性が高く、人物紹介が長いとかえって予断を持って読み始めてしまうので、避けたのかな、と推察。

    私は彼らの著作を結構読んでいるので、背景を知って読むとより立体的に読めた気がする。

    一つ一つのコラムにコメントをするのは野暮

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    2024年05月21日
  • 13歳からの世界征服

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    イスラーム学者の中田考氏の考え方は、人が当たり前と考えている枠組みにはとらわれていない。今までにない考え方で、一度読んだだけでは頭にも心にも入ってこないが、その考え方を咀嚼し、無意識にとらわれている当たり前を取り払っていけば、自由に考え自分で決める意味が分かる

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    2024年04月04日
  • みんなの宗教2世問題

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    エホバの証人の2世の方で、臨床心理士の資格を取り、スクールカウンセラーをされている方の言葉が、とても強く切実に響きました。
    ぜひ多くの人に読んでもらいたい本です。

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    2024年03月30日
  • 現代思想 2015年3月臨時増刊号 総特集 シャルリ・エブド襲撃/イスラム国人質事件の衝撃

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     先日youtubeで中東研究者有志の会が「ガザ戦争の即時停戦」を求めるLIVE配信を行った。そこで栗田禎子、酒井啓子女史を知りこの本を手に取った。本書はシャルリエブド事件の際に組まれた特集号である。シャルリエブド事件は、少し前の話だが、ガザで戦争が行われていることとひとつなぎであり、内容はまったく古くならない。
     本書で繰り返し述べられることのひとつに「テロ」とは何か、すなわちテロとカテゴライズすることが多くの問題を覆い隠しているということが挙げられる。
     例えば、シャルリエブド事件は、イスラーム教徒が表現の自由に対する侵害を行ったと挿げ替えられた。「表現の自由=文明、神への信仰=未開といっ

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    2024年02月19日
  • イスラーム 生と死と聖戦

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    イスラーム 生と死と聖戦
    著:中田 考
    紙版
    集英社新書

    良書、わかりやすいテキストだと思いました。

    世界第2位の宗教人口を誇るイスラム教、第1位は、キリスト教で23億、ついで、イスラム教が18億
    日本では、イスラム教に関する情報があまりにも少ない。世界を理解するためには、キリスト教と同様、イスラム教もおなじくらい理解する必要がある

    筆者は、東大文学部イスラム学科の1期生で、イスラム教徒、カイロ大で哲学博士、いろいろ物議をかもした方であるが、どうして日本はこういう人を
    大事にできないのか、と思いました。

    気になったのは、以下です。

    ・インジャーアッラー 神の御心のままに、自分の力でで

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    2023年11月27日
  • 一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教

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    一神教、特にイスラム教についてとても勉強になる。今まで知っているつもりだったものをより深く知ることで認識が180度変わるということもある。
    内容には著者の主観的なところも多少含んでいるが、カリフ制復活論なども大変興味深い。

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    2023年08月13日
  • 撤退論

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    現在のシステムの潮流でのカタストロフィの生じる前の方向転換を撤退論としている。
    コモンの再生と撤退ということで、斎藤幸平が、『資本主義から撤退して里山に行くだけでは不十分。何故ならそのままでは、資本主義が里山を含めた環境を破壊するから。』と言っていたところに納得。彼はだからこそ資本主義は止めなければならないという。当方はまだ、サステナビリティは社会という形での対応が必要と思っている。戦争、技術進化などに対応する上で、経済を止め切ることはできないと思うため。

    撤退とは、単に行くか戻るかの二者択一を意味しない。そのような二者択一を自分に迫っている世界観とは、全く異なる世界観へのパラダイムシフトを

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    2023年05月03日
  • 宗教地政学から読み解くロシア原論

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    2022年から始まったウクライナ・ロシア戦争の原因・遠因は様々あると思うが、宗教(主に正教会)的な観点から両国に関する地政学と歴史を考察しており、よい読書体験になった。

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    2022年10月30日
  • 撤退論

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    「まえがき」の内田樹の文章の衝撃たるや。
    21世紀末には、総務省の中位推定で、日本の人口は4700万人に。7000万人も減るという。
    そして、この事実を国は知ってはいるが、「このシナリオを国民に対して開示する気がない」にっちもさっちもいかなくなってから、我々に、さて、「日本は沈みつつありますが、生き延びる手立てはもうこれしかありませんと手の内を明かす」だろうと。
    その時には「強者にすべての資源を集中し、弱者は見捨てる」というシナリオは出来上がっている…。

    そうだろうと思う。そうなのだ。たぶんもう出来上がっているのだ。我々庶民はうかうかしてこれからだまされるのだ。

    この「まえがき」と白井聡と

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    2022年06月01日
  • 撤退論

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    涙あり、衝撃あり。15通りのメガネをかけさせてくれる、とても有意義な一冊。
    一人ひとりの論考をじっくり味わいたい、でも面白すぎるし文章の量も程良いのでもう1人読みたい、もしくはこの人の別の著書を早く読みたい、そんな気持ちになった。
    新しい時代がそこまで来ている、そんな予感がしてくる。

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    2022年05月30日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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     内田樹さんんが呼びかけて「中高生向き」に書いてもらった,オムニバス本。わたしが知っていた人は6~7人だが,それぞれの呼びかけが面白かった。
     本書のメッセージは,30代~70代の年代別に分かれていて,70代なんて,中高生が大人になった頃はほとんど現役ではないわけで,だからこそ,なにを呼びかけているのかが,気になる。
     新型コロナによって暴き出された現代社会の矛盾は,コロナ禍が過ぎ去ったとしても,なんらかの修正を迫られるはずだ。会社に行かなくても仕事ができる…と分かったからには,満員電車に乗って会社へ行くこと自体が,すでに「必要なこと」ではなくなってしまった。密を避けることは,過疎地域では当た

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    2022年01月10日
  • タリバン 復権の真実

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    俺の説では欲望の次元を上げる!のが人類が生き延びる途なんじゃないかと思ってんだよな…おのれの欲望を超えた正義や公平。それを欲望できるかどうか?それが実現できればもっと生きやすくなるんじゃないかと…

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    2021年12月18日
  • 中国共産党帝国とウイグル

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    俺に何ができるのかは、とどのつまり俺は如何にして生き延びたいのかでもある。自分のための利他である。でもまぁ…それしかないと今は思っている。
    碩学と言える橋爪先生の鋭く深い(無意識にまで踏み込む)中国共産党やアメリカの現状の分析とともに中田先生のイスラームから見た世界という視点が加わることで真にグローバルな世界観が得られる。
    アナーキストを自称する俺としては途方もなく為になった。今の現状に不服や不満のある異分子であるアナーキストの卵たちに是非も読んでもらいたい!特に中田先生のあとがき…

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    2021年11月17日
  • みんなちがって、みんなダメ

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    バカが不幸になると本書は説く。バカとは自分はミミズなのにヘビと勘違いし、錯覚して身の丈に合わない生き方をしようとする人のこと。
    ほとんど大多数の人はバカなのだから、自分がバカだと認識して、その中で何がしたいか、何ができるか、何をすべきかを考えて生きるべき。

    著者はイスラームである。根底がそもそも一神教で、神に承認、認められるかが基本になっているため、視点が大きく異なる。ただそれゆえ、気づかされることが多かった。

    以下抜粋
    民主主義というのは存在しない。民主主義という口当たりのいいイデオロギーをかぶせることにより、大衆に自分たちが主権者だという愚かな幻想を生ませているに過ぎない。

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    2021年07月25日
  • しょぼい生活革命

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    「しょぼい起業で生きていく」の著者えらい
    てんちょう、こと矢内東紀氏が「街場の○◯
    論」で知られる内田樹氏との対談本です。

    「才能がある人間が日本からいなくなった。
    日本の将来は真っ暗だ」と嘆く人はいますが
    村上春樹氏は「時代によって知性の総量は変
    わらない」と言っていることなどを語り合い
    ます。

    つまり才能ある人が以前とは違う場所でその
    才能を発揮していて、それに多くの人が気づ
    いていない状況にあるのが現代だと言います。

    えらいてんちょう氏などは、その見つけづら
    い才能ある人の典型なのでしょう。

    従来の考え方、生き方ではこういう人と巡り
    会う機会はそうは無いと思います。

    しかしこの

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    2021年05月20日
  • みんなちがって、みんなダメ

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    内容はものすごく辛口で、深く突き刺さりまくります。

    表紙絵と、中身があっていない本ランキングは、間違いなく1位ですね。

    宗教(イスラーム教)の視点から観る、人生論。

    賢いとバカの違いは、シンプルで、
    賢いとは、「何がしたいか」「何ができるか」の2つが分かっていて、分相応に生きること。
    そして、バカは、例えるならば「自分のことをヘビだと思う、ミミズ」と1章で説きます。

    こういった調子で、努力は報われる、自由に生きよう、などの言葉をバッサバッサと切り裂いていきます。

    あれもこれもダメと言われると、どうしてもじゃあどうすれば?なんて、正解を求めたくなりますが、それこそがバカである、とさらに

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    2021年04月04日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    高校3年生の私でも分かりやすい文章が多かった。新型コロナによって振り回される私たちの未来を前向きに考えていこうと思った。まずは正しい知識を得ること。そしてタテ、ヨコ、算数(本書より)の多角的視点から問題をみつめる。これから大学に進学する上で役立ちそうな知恵を得ることができた。

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    2021年02月19日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    色んな立場における識者の手による、今の時代ならではのアンソロジー。内田樹編ってところで、それなりのバイアスがかかっていることは間違いないけど、氏の慧眼に心酔している身としては、その選択には疑念の余地なし。通読した後も、その気持ちに変わりはなかった。いくら博覧強記でも、単著では、その言論にそれなりの限界があるものだと思うけど、その点本作は、根っこの部分でのブレをほとんど感じさせることなく、だけどそれぞれに違った見地からの論旨が展開されていて、感じ入ることしきりだった。

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    2020年12月14日
  • 一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教

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    イスラム、ユダヤ教に関する討議はもちろんとても勉強になったし面白かったのだけど、現在のアメリカ主導のグローバリズムに関する話が特に面白かった。
    今の英語教育、グローバル化というのは結局日本が繁栄する手段というよりアメリカ主導の資本主義の中で個人プレーでどう成功するかの手段にすぎない。わたしもなんとなくグローバル人材という耳触りの良さで英語を勉強したりや海外勤務を希望したりしていたのだけど、自分が目指していたものは一体何なんだ??と考えさせられた。
    もう少し自分の働き方というか、行動の軸を詰めて考えたい、と思わせられた本だった。内田樹の本ってだいたいそうなるんだけど。

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    2020年06月21日