中田考のレビュー一覧
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社会学者の橋爪大三郎とイスラム学者の中田考の対談。
共産党支配は実は科挙・官僚政治の相似形であるとか、共産党支配の正統性担保のために中華民族を作り出したら今度は非漢民族を中華民族化しなくてはいけなくなってチベット・東トルキスタン・内モンゴルなどなどで民族浄化せざるを得ないとか、なるほどと腑に落ちる分析であった。
著者はどちらも学術の泰斗であり世俗の嫌中・媚中などは超絶した方々と見受けたが、今の共産党の政策は中国的伝統に照らしてさえ異端ないしは畸形であり危ういと見ている。中国の良いところをたくさん知り愛する方々から見てさえ、である。
現代中国情勢に興味のある方なら読むべき本。 -
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ネタバレイスラーム研究者界隈有名人のお二人の往復書簡。何年もずっとフォローしているが、もともとTwitterでもお互い名前を出したり出さなかったりしつつバチバチやりあっていて、最近はアフガニスタンのタリバン政権の絡みで全く正反対の主張をツイート・リツイートしあっている。はたして往復書簡なんて成り立つのか?という感じだったけど、やっぱり早々に往復形式は放棄されて同じテーマで書く方式になっていた(笑)。その違いの大きさは鮮烈と言っていいレベルだ。
ハサン中田先生はカリフ制再興のためのポジショントーク的な面をスルーすれば…とはいってもイスラム国はテロをやってない!とかあまりにひどい詭弁も多いのだが、やはり中 -
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Posted by ブクログ
大学時代に中世ヨーロッパ史を専門としていて、キリスト教の考え方や歴史はある程度勉強していた。その中で、現代日本においてイスラームを信仰する人というのはどのような感覚・価値観を持っているのか非常に興味を持っていた。そのため、本書を通してムスリムの考え方の一端を窺い知ることができて良い体験ができたと思う。内田氏中田氏の考え方や主張は極端だなと感じる部分もあったが、中東情勢を西洋的日本価値観で見ていた自分にとって、新たな知見を与えてくれた。中東情勢は非常にややこしく腑に落ちないな〜と言う人は読んでみると理解の助けになるかもしれない。自分がどの考えを選択するかは置いておいて、自分にない知見を得ると言う
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2020年の8月くらいに書かれた内田樹さん編のアンソロジー。
コロナをへてポストコロナに対しての中高生・大学生
に向けて30代・40代・50代・60代・70代の著作者が
指針というかメッセージ集です。
前書きの内田樹さんの『各代の著作者からの想定読者にたいするいうべき言葉は『ごめんなさい』』という部分は非常に
心に残る内容です。
20人の人からの言葉のなかで、一番よかったなあと思うのが、今回は平川さんでした。
昨年の8月と現在(2021年1月)とはまたフェーズが
変わってきているコロナの状態ですが。
やはりいろいろな矛盾が表出してきているなあと
思います。
たしかに、自分の息子も含めて、若い人 -
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ハサン中田先生の本を読むのは3冊目。
本作は子供からの質問大して答えるという形でかなりライトな作りだが、
相変わらずのシンプル&ストレート&エキセントリックで面白い。
周りの目を気にするな、お金にとらわれるな、などなど、
いわゆる、一般的な良いことも沢山書いてある一方で。
・人を殺してはダメなんて言う理由はない、自殺してはダメというのも同じ
・たいていの問題には解決策はない。
・コミュニケーションというものは無駄であり、ただの言い訳
・悩みを克服するには世界征服を目指せ!
などなど、一見、常識とは相いれない内容も盛りだくさん。
大人が面白がって読むのはいいけど、
あなたは13歳の子供 -
Posted by ブクログ
イスラーム学者である中田孝先生が、子供たちの悩みに答える。どうして人を殺してはいけないのか、とか、いじめられているのでどうしたらいいか、大学に行くべきか等。
激しいこと書いているところあるけれど、真理をついているところあるし、まあ、そうだよなあと。成人になってからだいぶ経つ私が読んでそう思うけれど、13歳とか読むとどうなんだろう。一部分の子供だけでなく、たくさんの13歳(子供)、大人に読んでもらって、一つの考え方、大切な考え方を知って欲しいかなと思う。世界はハード、大人でも生きてて苦労するところたくさんあるし(私だけか?)、この本だけでなくいろんな本を読んで、若さを武器に世界と戦って欲しいかな -
Posted by ブクログ
僕は内田樹という知性を信頼している。
膨大な知識・鋭い感性・身体性に裏打ちされた独自の視点を持ちつつ、さらに自分より若い世代や異なる分野の専門家に対してオープンマインドな姿勢を保ち続けている人だからだ。
自分はもうすぐ40歳を迎える人間(内田樹氏から見ればまだまだ若造)だが、既に自分より遥かに若い人たちの感性やスピードについていけず、徐々の頭が徐々に柔軟性を失いつつように感じ始めている。
そういう自分の老化のようなものを自覚し始めた今だからこそ、内田樹氏の開放性というか、しなやかさに尊敬の念を禁じ得ない。
本書「しょぼい生活革命」は、そんな敬愛する内田樹氏が、自身の娘よりも若い30歳 -
Posted by ブクログ
「みんな違ってみんなダメ」が面白かったので、
よりイスラムに突っ込んだ話が読めると思い購入。
相変わらずラディカルで面白い。
筆者の方はイスラームになったということだが、
客観的な目線を常に忘れておらず、イスラムの考え方と、
キリスト教や欧米資本主義の考え方との違いや、何が正しいのかについて、哲学的アプローチで極めて論理的に解釈をしようとしている。
自分に染み付いた西洋的な価値観や教育によってはめ込まれた思考の枠組みを、我々はどれだけいったん外して考えられるのか。
筆者は極めて挑戦的に我々に挑んでくる。
自由とは?
国家とは?
自己実現とは?
宗教による救いとは?
イスラム教を通じて