中田考のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
【何故読みたいか?】
世界の情勢を知りたいから
内田樹さんの本だから
視点を変えて世界を観たいから
【ファーストインスピレーション】
読みやすい。
世界を騒がせている、イスラームのことを知りたくて読み始めたが、グローバル資本主義が目指す世界観、それに対抗するのが「食文化」という内田さんの視点に驚く。
金貨は貴金属だから、ある程度もっていると邪魔になる。は(笑)だけど、納得。紙幣は記号だからじゃまにならない。だから、増殖する。
「クロスボーダ」は国家に滅ぼされる。例)東インド会社。ならば、グローバル企業もいずれは国家に滅ぼされる運命か?
イスラーム教だから、特殊な教義があるわけじゃない。ごく当たり前のことを示している。が、結局は人間が歪曲してしまう。
時間を置いて再読してみようと思う。 -
Posted by ブクログ
内田樹さんと、ムスリムでイスラム学者の中田考さんの対談本。
イスラーム文化圏のことは高校・大学でも習ったし、すでに聞き覚えのあることも少しはあったけど、中田さんご自身がムスリムというのがよかったのだろうな、新鮮でした。
相手の人格や内面云々じゃなく、砂漠で飢えている人がいたらとにかく食べ物あげるでしょ、という感覚が面白かった。すごく生命と直結してる、生きていくための法なんだなぁ、イスラームの教えって。この人たちは政治も学問も経済も、全部神様との約束がベースなんだから、政教分離や国民国家なんてのは押しつけても仕方ないように思う。それにしても、現地の人にしてみればタリバンのが米軍よりはよかったかもしれないなんて、ただニュース見てるだけじゃ思いつきもしなかった(もちろん、どちらも見方のひとつでしかないけれど)。
お金に利子がつかないとか、ケチ(吝嗇)と強欲は違うとか、いろいろと目から鱗でした。砂漠の遊牧民の感覚っていうのは、我々日本人にはなかなか知りがたきもの。 -
Posted by ブクログ
私も宗教2世、いや、正確には3世です。
皆さんの体験談は、自分と重なるところも多く、改めて、自分もいろんなことを我慢してきたんだろうな、本当の自分を出すことができずに大人になったんだろうなと感じました。
せっかくなので、私の記録も(長くなりますが)ここに残します。
私は、父方の祖母、母方の祖父母が創価学会に入会し、父と母は子どもの頃から学会員で、学会活動の中で出会って結婚し、私が生まれました。
父母は地元でちょっと有名な活動家だったので、その長女である私も期待されていると(勝手に)感じていました。
小学生になる頃、母から勤行唱題を教わり、土日には未来部として会合や合唱団の活動に参加しました。
かなり真面目でいい子で、勤行唱題も活動も休むことはほとんどありませんでした。
思い出もあるし、活動を率いるお姉さんたちも優しかったし、そこで教わった宗教的な考えに、今でも救われると思うこともあります。
でも、土日に予定があることが多かったこと、特に中学になると休みの日でも制服で学会活動に行くので、友だちに会うと気まずかったこと、修学旅行では他宗のお祈りはできないということで、クラスメイトが参拝中、外で待っていたことなどが、苦い思い出として残っています。
活動したいとか、したくないとかの前に、自分が本当にしたいことというのは、小さい頃からよく分からず、全ての行動はやるべきことだからやる、という感じで、学会活動以外は、勉強ばかりしていました。
なので、成績もよかったです。
学会は関係ないですが、高校の時は留学もしました。
それも、母が話を持ってきたからで、私は「ああ、留学すればいいのね」と思ったことを覚えています。
その後、地方の大学に行き、転勤のある職に就いたので、各地の学会員にお世話になりました。
知らない土地でも、学会活動を通じて仲良くなれるのはありがたいことでした。
基本的に、いい人が多いので、引っ越しても安心ではありました。
けれど、結婚し、子育てをするようになって、母に子育ての相談をしたりする中で、違和感を感じるようになっていきました。
もともと生きづらさがありましたが、自分はアダルトチルドレンなのかもと思うようになり、最近ようやく、宗教を強いられたことも原因なのかなと思うようになりました。
そうはっきり思ったから、というわけではありませんが、少しずつ活動から距離を置くようになりました。
母も母でいろいろな思いから活動から距離を置くようになったようですが、それは、私には意外で、この本の中でもどなたかの体験にあったように、母は活動から離れないでほしかった、とも思います。
だって、私が創価学会から離れようと思ったのに、だって、母が信じていた学会活動で私が傷ついたのに、、、うまく言えませんが、ずるいというか、裏切られたというか、そんな気持ちがあります。
結局、母も流されていたのかな、と思うこともあります。
一方、父は生涯を学会活動に捧げたと言ってもいいほど、熱心な活動家でした。
父の大切な居場所であり、生き甲斐だったのだと思います。
欠点もある人だったとは思いますが、私は父のことが大好きで、だから、父が亡くなって、学会活動から離れた母のことが許せないのかもしれません。
父のことは二言もなく好きだと言える一方、母には複雑な思いがあり、ただ、宗教活動という面で言えば、父が母に与える影響も大きかったと思うので、私の思いは複雑です。
まだまだ抑圧していることがたくさんあるんだろうと思います。
でも、このような本のおかげで、少しずつ、私の中に閉じ込めたものも解放されるかもしれません。
そんな影響力のある本だと思います。 -
Posted by ブクログ
プラトン 人間の本質は人間のイデア=「存在」
アリストテレス イデア=物質に内在するもの
存在の原因となる「不動の動者」=イスラムでは アッラー (ギリシャ:多神教)
教会:世界最古のかつ最大の官僚機構 皇帝/国家と教皇/教会の権力闘争
イギリス 経験論 憲法がない 社会契約=人権
西洋支配の二分法 キリスト教/異教徒
→三分法へ 西洋文明国/半文明国(オスマン/中/日)/植民地
イスラーム 国家という法人概念はない 義務はあるが権利はない
神=イラーフ 崇拝されるもの 人間は必ず何かに隷属、自由人は欲望の奴隷
無神論のマルクス(共産)主義 ↔ 資本主義
唯物論 精神も物の産物
イスラームとの共通点 1.偶像を否定 虚偽 国家と貨幣 2.終末論
イスラム経済の原理 アドル(正義) 疑わしいのもを受け取らない
利子の禁止 相互満足
イスラーム法
人間の内面に干渉しない フロイトのエロス 性から生へ
有益=善、有害=悪 相対主義、功利主義
スンナ派 神は全てを命じることがっできるが 神は善しか命じない
シーア派 哲学者 善悪は事物の客観的な本姓、神は善しか命じない
服従か不服従かが重要 善悪は二義的なもの
近代科学=アラビア科学の実験+ギリシャ科学の論証
-
Posted by ブクログ
イスラーム思想の歴史的推移を追いながら、西欧哲学思想を対置して紹介してゆくエッセイ。
もともとこちらにイスラーム思想自体の知識が少ないので、西欧哲学を対置してもそういうものなのか、という理解しかできないのだが、筆者のアピール(アジテーション?)によれば西欧的な人権・自由思想の究極として現れるニヒリズムを克服するのがイスラームであると説く。ニヒリズムの議論についても終章で足早に通り過ぎるのみであり、ニヒリズムに対してイスラームの優越性(超越性?)があるという議論についても十分な議論には到らず。また、たとえばタリバンに対する積極的評価もあるが、イスラーム原理主義などの位置づけについては言及されていない。まさかそれまですべて無価値であると断ずるものではなかろう。
企画と紙数の都合もあるだろうが、基礎的なイスラーム思想のアウトラインや哲学者・著作の紹介を行うか、後半における現代世界におけるイスラーム思想の価値を論じるかのいずれかに絞るか、あるいはそれぞれ独立した著作として読みたいものである。
以下気になるポイント
・イスラーム法哲学とケルゼンなどの近代法哲学の比較。p.194
・ロダンソン「イスラームと資本主義」(岩波書店)p.126
・バーキル・サドル「イスラーム経済論」(未知谷)p.143