中田考のレビュー一覧
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VUCA感がめちゃ高まっている現在
今、そしてこれからの世界をどのように生きていけばよいのか。
それを自分のために、そして若い人達のために知りたい。
そのような気持ちで本書を読みました。
執筆者は、内田樹先生セレクトというバイアスはあるので、ものすごい多種多様な意見という感じではないですが、それでも幅広い年代と専門分野にわたっています。
そしてみなさん暗くなりがちな話題にも関わらず、暖かで柔らかい前向きな文章を書かれており、こちらも穏やかな気持ちでページをめくり続けることが出来ました。
全体を通してある程度共通だと感じたメッセージは
•現在や過去(大人、制度、システム)を信じすぎないでね
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Posted by ブクログ
ネタバレ「なぜ人を殺してはいけないのですか?」
こう訊かれたらなんと答えますか?
深く考えるまでもなく、それは絶対駄目でしょう!と思いますよね。
ところが中田先生、「人を殺してはいけない理由なんて、どこにもありません。」
いやはや度肝を抜かれます。
勿論、だからといって人を殺してもいいと言っているわけではありません。
もしそんなことをしたら大変なことになってしまうことぐらい大抵の人は想像出来ますからね。
他にも
「お金より大事なものなんてあるのでしょうか?」
「人間は本当に平等なのでしょうか?」
「勉強して将来役に立つことって何でしょうか?」
「いじめられていますが、逃げないで問題を解決する -
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Posted by ブクログ
大学は勉強するところではない。大学とは、知識を商品のように学生に売るところではありません。知とはデジタルデータではなく、身体と感情を持った人間一人一人が身につけ、実践し、対話し、試行錯誤する中でしか役立たない。
あらかじめ用意された正解をたくさん覚えることが優秀だというのは、いわば知識ベースの勉強です。しかし、非常事態に対処するには、そんな勉強だけでは限界があります。そこで力を発揮するのが、物事をいろいろな角度から観察し、今までに知った事実と組み合わせて、全体の構造を考えるという知性ベースの学びです。
まだ答えがない問題への対処については、先生と生徒の立場は対等です。 -
Posted by ブクログ
ラノベというには少々破天荒な作品。はたして一般的ラノベ読者が読むのだろうか?という疑問自身が先入観に毒されているということかな。メインストーリーはともかく?じっくり読めばイスラームについての理解は進むのかも(たぶん)。まあしかしこんな面倒な教えが良く世界に広まったものというのが初読の印象。もちろん仏教やキリスト教も教学的には面倒か。神とか仏ってそんな面倒なことを考えなければいけないのかな。たぶんそれも人間の考えに過ぎないのではなかろうか。
ちょっと面白いと思ったのは、解説中で著者(のひとり)である)中田考氏の母方の家系が神職であったということが書かれていること。もともと宗教的素養はあったのか。 -
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この書籍は、教師をしている友人から紹介してもらった。
十代の学生から生きてくうえで浮かんだ素朴な疑問や、目の前にある貧困やいじめなどについての悩みに中田考先生が答えている。
読んでいて常に違和感を感じる本だった。
いじめられていて学校に行くのが嫌だ、という質問に対して、学校に行く必要はない。と問題の根本を見直す切り口を説いてくれるのは良かったが、
最悪刑務所にお世話になればいいといった極論・暴論に振り切ってしまう中田先生の言葉を、うまく飲み込めない時もあった。
僕だったら、なぜ勉強をするのかという問いに、学ぶ事の面白さや、大学に行くことでいろんな職業にアプローチできる可能性を高めるみた -
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レヴィナスを中心にユダヤ思想を主な研究領域としてきた内田樹が、イスラーム学者の中田考を招きイスラーム思想の現代的可能性について対話をおこなっています。
ユダヤ教とイスラム教というバックボーンのちがいだけでなく、さらに国民国家が破滅的なクラッシュを起こしてしまうことの危機を訴える内田に対して、中田は「カリフ道」の復興を説くという点でも、両者の立場にはかなり大きなちがいがあるのですが、本書ではアメリカを中心とするグローバリズムへの対抗思想という点で両者の議論は一致点を見いだしています。もっとも、だからといって刺激に欠けるということはなく、まったく異なるバックボーンからともにグローバリズムへの批判 -
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読み終わった感想は「…よくわからん」でした。
とてもとても噛み砕いて書いているのはわかるんですが、それでも前提から「???」となってしまいました(自分自身の理解力の問題とは思うのですが)。
「西欧的な考え方とは土台からして異なる文化なんだろうな」と、少し踏み込んで実感できたのは大きな収穫でした。
あと、最近見たイスラームの人々のドキュメンタリーで、2人の人物が言い争いをしているシーンがあったのですが、片方が「神の名の下に」と言った途端、もう片方が相手の話を神妙に聞く…といった場面がありました。
この言葉の背後にある意味を考えるとそりゃ黙るな、と思い、少しでも理解できたのかなと感じています