矢野隆のレビュー一覧
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戦百景七作目は、大坂冬の陣。戦国の終わりを告げる徳川と豊臣の戦いです。
戦国の終わりという言い方でいいのだろうか。室町→安土・桃山→江戸、足利→織豊→徳川のどちらとしても、しっくりこないような気がする。
夏と冬の陣を終えたことで、徳川政権が強固に盤石になり、およそ二百五十年続いた平穏な時代の始まりになったことを考えると、戦乱が続いた戦国時代の終わり、という言い方は通りがいいのだろうな、とは思います。
家康の執念から始まった豊臣を滅ぼすためだけの戦。方広寺の鐘銘問答は、大坂冬の陣扱ったどの作品を読んでも、言いがかりなんだよなぁ、というやれやれの気持ちになります。ただ、その言いがかりを強行する -
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戦百景六作目は山﨑の戦い。前作本能寺の変からの続編。秀吉と光秀の天王山の一戦です。
光秀が燃え尽き症候群になってしまっているのが、至極残念。衝動で信長へ謀反を仕掛けてしまった、というのは数ある光秀像でもなかなかの残念さでは。
そもそも、戦百景の信長自身に天下統一を前に覇気を失ってしまった見窄らしさが伺えるようになってしまい、それを嫌った光秀が己の理想像を押し付けたゆえの謀反だったのですよ。かつての覇気溢れる信長でなくなってゆくことを嫌った光秀自身が、急激に衰えてゆく精神を隠せないというのは、非常に残念。己の理想を追い求めるということが、戦百景の光秀の人生の目標で、その中に天下統一というものは -
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戦百景五作目は本能寺の変。明智光秀が起こした日本史上最大の謀反劇。もちろん、主人公は織田信長と明智光秀。この二人が交互に章を重ねてゆきます。
最も注目されるのは、やはり光秀が謀反に至った理由か。
主君として担いだ信長が、己の理想とする存在から離れていったために背いた、というのが大きな理由となっています。
そこまでの流れで、光秀が武将としての理想を掲げていたかなぁ、というのが違和感として残りました。足利義昭に対しては、武将としての理想ではないと見限った場面はありましたが、それを信長に求め心酔している、というような描写は強くなかったように読後として残るので、やはり謀反の理由としてはしっくりこない -
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戦百景四作目は川中島の戦い。武田信玄と上杉謙信の龍虎の戦いです。一番有名な一騎打ちの場面は四度目です。通算の戦いは第五次までありますが、四度目以外は小競り合い程度なんですね。小学生の頃かな、川中島の戦いを初めて知ったのは。その時は、この有名な場面がある一大決戦を五回もやったの⁉︎という驚きにあふれていました。
まあ、信玄頑駄無と謙信頑駄無の元ネタというとこから入ったのですが。
そもそも信玄じゃなくて晴信、謙信じゃなくて政虎で表記されています。上杉謙信の名前変わり過ぎ問題なんとかしてくれないものか。作劇の都合上で、謙信で統一とかいうものもあるかと思いますが、読みやすさをとるか史実準拠なのかのせめ -
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ネタバレ 購入済み
沖縄にも豊臣秀吉がいた。血脈、後楯もない底辺の民が自らの力と強運で頂点を極めた物語だ。概ね史実に基づいているようで驚くばかりだ。金丸の表裏を描きだしているが、民のために自ら王を目指すあたりはいささか理解がついていかない。今一度読み返してみたい。
いずれにせよ彼の王朝は明治維新まで続く。金丸は弟を大事にしたのに対し、秀吉は病で弟を失い後継の甥を殺し結果豊臣家は短命に終わった。境遇が同じでも金丸の方が一枚上手ということか。 -
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平安最強の武士・源為朝。作者らしい猛々しい武人として彼の数奇な人生が描かれているが、人物造形や戦いの動機がイマイチ。『鬼神』では人間ドラマとバトルのバランスが良かっただけに少し残念。
例えば、九州で太宰府に乗り込むときさただ力を放出したい駄々っ子でありながら強さだけで統率していたという違和感。その為朝が京に戻った途端、父に従い、上皇や左大臣に従う汐らしさを見せる。その過程が描かれず、ここにも違和感。強い相手(義朝)と戦いたいという彼を貫く軸は変わっていないのだろうが、史実とキャラのギャップが大きく、説明が足りないように感じられた。九州〜京に戻る過程に何かあっても良かったと思う。
最後の伊 -
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戦百景三作目は関ヶ原の戦い。
石田三成率いる西軍と、徳川家康率いる東軍。いや、西軍総大将は毛利輝元でしょ、と言われそうですが名目上の総大将は置いといて、です。作中も石田三成が主人公の形ですしね。
政治官僚であって、軍人でなかった石田三成。そういうイメージで描かれがちですが今作の三成は一味違う。
政略・戦略ともに家康を追い詰め、薄氷の上を歩かせ続けます。最後の最後まで、小早川秀秋が裏切る寸前まで、どちらに転ぶかわからない状況を作り上げることができた、むしろ西軍優勢の状況を作り上げた三成の手腕が際立ちます。
それでも、大義よりも個人の心情を優先する感覚が理解できないというこれまでの三成のイメー -
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ネタバレ(2023日)
映画ノベライズ
信長と濃は夫婦となった。
しかし、弱味を見せられぬ二人は、お互いの気持ちを誤解したまますれ違っていく。
同じ目線で物事を捉え、対等に話せる二人は共に歩めたはずなのに…
素直になれない夫婦が、すれ違いと共に歩む覇道物語。
(同じ脚本家の)大河ドラマの信長との差別化なのか、こちらの信長はイメージが違って戸惑いました。(むしろ大河ドラマの信長でも良かったような…?)
信長は、ハイスペックで無敵の魔王であってほしい。
逆に、女子であることを悔しく思う程に気の強い濃姫に惹かれました。
気が強くないと、きっと魔王の妻なんてできない。
でも、私が今まで見た小説やド