矢野隆のレビュー一覧

  • 朝嵐

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     平安最強の武士・源為朝。作者らしい猛々しい武人として彼の数奇な人生が描かれているが、人物造形や戦いの動機がイマイチ。『鬼神』では人間ドラマとバトルのバランスが良かっただけに少し残念。
     例えば、九州で太宰府に乗り込むときさただ力を放出したい駄々っ子でありながら強さだけで統率していたという違和感。その為朝が京に戻った途端、父に従い、上皇や左大臣に従う汐らしさを見せる。その過程が描かれず、ここにも違和感。強い相手(義朝)と戦いたいという彼を貫く軸は変わっていないのだろうが、史実とキャラのギャップが大きく、説明が足りないように感じられた。九州〜京に戻る過程に何かあっても良かったと思う。
     最後の伊

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    2024年11月13日
  • とんちき 蔦重青春譜(新潮文庫)

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    蔦重の店に集まった、若き日の曲亭馬琴、東洲斎写楽、葛飾北斎と十返舎一九。
    それぞれの性格や苦悩と熱情が描かれ、興味深く読ませてもらった。
    特に鉄蔵が、瑣吉を探しに歌麿のところに行ってバカ騒ぎをする場面は、くすくす笑いが止まらなかった。

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    2024年11月09日
  • 歴屍物語集成 畏怖

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    ネタバレ

    【収録作品】
    序章 天野純希
    「有我」矢野 隆
    「死霊の山」天野純希
    「土筆の指」西條奈加
    「肉当て京伝」蝉谷めぐ実
    「ねむり猫」澤田瞳子
    終章 天野純希

    ゾンビテーマの時代小説アンソロジー

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    2024年08月23日
  • 乱

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    天草四朗は授業で習うけど、島原の乱しか知らなかった。その時代背景がわかって興味深かった。幕府側も、四郎側にも、それぞれの人間模様があって、歴史上の出来事も結局は人なんだな。

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    2024年01月30日
  • 戦百景 関ヶ原の戦い

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    戦百景三作目は関ヶ原の戦い。
    石田三成率いる西軍と、徳川家康率いる東軍。いや、西軍総大将は毛利輝元でしょ、と言われそうですが名目上の総大将は置いといて、です。作中も石田三成が主人公の形ですしね。

    政治官僚であって、軍人でなかった石田三成。そういうイメージで描かれがちですが今作の三成は一味違う。
    政略・戦略ともに家康を追い詰め、薄氷の上を歩かせ続けます。最後の最後まで、小早川秀秋が裏切る寸前まで、どちらに転ぶかわからない状況を作り上げることができた、むしろ西軍優勢の状況を作り上げた三成の手腕が際立ちます。

    それでも、大義よりも個人の心情を優先する感覚が理解できないというこれまでの三成のイメー

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    2023年08月14日
  • 読んで旅する鎌倉時代

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    それぞれの作者によって書かれた短編作品なので、色んな視点と手法で新鮮な気持ちで読むことが出来る。歴史的解釈はそれぞれなので、大河ドラマ鎌倉殿の13人とセットで見るための付録的な立ち位置で読むと面白い。

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    2023年07月12日
  • NARUTO―ナルト― シカマル秘伝 闇の黙に浮ぶ雲

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    ティーンエイジャー 向け?なので、大人が読むと気恥ずかしくなるような場面が多々あった。が、自分らしく人生を歩んで行こうとするシカマルに元気をもらえた。

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    2023年07月06日
  • 至誠の残滓

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    もしも生き残っていたらのお話なので、あくまでフィクション。単純に無双するだけの展開とは思いきや、明治に生きるのにも苦悩する、三人。

    左之助、斎藤、山崎も自分のイメージに近い設定で違和感なく読めた。実は表紙買い。
    重い話が進みつつも、まさかの最後のラスボスとの対決は痛快だった。今作の山県有朋は悪役だったけど武芸にも優れていて物語の、締まり方も良かった。

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    2023年05月30日
  • 琉球建国記

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    ネタバレ

    史実を元にした小説で、沖縄好きとしては。けっこう面白かったけど、語り手のキャラが微妙なのと、最後が若干尻すぼみで…ラストは史実がそうだから仕方ないか。

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    2023年03月21日
  • THE LEGEND & BUTTERFLY

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    ネタバレ

    (2023日)
    映画ノベライズ

    信長と濃は夫婦となった。
    しかし、弱味を見せられぬ二人は、お互いの気持ちを誤解したまますれ違っていく。
    同じ目線で物事を捉え、対等に話せる二人は共に歩めたはずなのに…
    素直になれない夫婦が、すれ違いと共に歩む覇道物語。



    (同じ脚本家の)大河ドラマの信長との差別化なのか、こちらの信長はイメージが違って戸惑いました。(むしろ大河ドラマの信長でも良かったような…?)
    信長は、ハイスペックで無敵の魔王であってほしい。

    逆に、女子であることを悔しく思う程に気の強い濃姫に惹かれました。
    気が強くないと、きっと魔王の妻なんてできない。

    でも、私が今まで見た小説やド

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    2023年02月10日
  • 愚か者の城

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    墨俣築城後から浅井家滅亡までの織田家が最大の危機だった時期の秀吉を主人公にした作品。秀吉のサクセスストーリーを描く作品は数あれど臆病で弱い秀吉を描いた作品は無かったので新しい秀吉像としては面白い。

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    2022年12月15日
  • 蛇衆

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    登場人物が多く、読み終わった時に全体を理解した。もう少し説明があっても良かったかも。人物と獲物と得意技の区別が付きませんでした。ごめんなさい。

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    2022年11月11日
  • 決戦!賤ヶ岳

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    とても好きなシリーズだ。
    今回は登場人物が限定されていて各作家の描き方が違い過ぎて、本全体としては何となくしっくりとこなかった。
    でも歴史物に長けている作家の面々で個別としては面白い。

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    2022年11月05日
  • 読んで旅する鎌倉時代

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    大河ドラマに合わせて書かれた短編小説
    ドラマも終盤になった今、逸話の違いが面白い。歴史上の事実だけは変えず、具体的な物語にするなら同じ逸話も印象が真逆な話にもなる。大河ドラマと小説とのコラボ、面白かったです

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    2022年10月19日
  • 戦百景 桶狭間の戦い

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    戦百景2作目は桶狭間の戦い。日本三大奇襲の一つ。他の二つは厳島と河越だったかな。他の二つよりも圧倒的な知名度の桶狭間。日本史上でも屈指の知名度を誇るのではないでしょうか。教科書にも必ず載っていますしね。

    桶狭間といえば、豪雨の中の急襲が名場面。最初にこれを知った時には、いくらなんでも雨の中とはいえ、気づくもんじゃなかろうかと持ったものです。いや、台風の中ならまだしも、梅雨時の一時的な豪雨で?と。局所的に降ることもないだろう、という疑問も大いにありました。
    その思いが覆ったのは最近のゲリラ豪雨。雨の接近遭遇の恐ろしさを知ることとなりました。夕立ぐらいしか知らなかった自分には、想像ができていなか

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    2022年08月24日
  • 朝嵐

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    鎮西八郎と呼ばれた源為朝。
    武士であることにこだわり、戦いに明け暮れた男の生涯。

    長兄に話を聞かない者は武士になれぬと言われてるのに、何故だ、弓ができないからか?出自のせいか!?となっている。
    そういう独りよがりな所がそこかしこにあふれ出て、どうにも魅力を感じられなかった。
    ただの戦闘狂にしか見えなかった。
    小説としては面白かった。

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    2022年06月25日
  • 琉球建国記

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    勝連按司加那(阿麻和利)が物語の主人公。悪政に苦しんでいた勝連を救い按司になるが、琉球王国を建国した尚巴志の5男で第6代国王となった尚泰久の命で中城按司であった護佐丸(尚巴志の三山統一に功あり)の乱を鎮圧し、阿麻和利の乱で敗死するまで(尚泰久の腹心金丸の策謀)が描かれている。尚、金丸は後にクーデターにより第一尚氏王朝を倒し、尚円王として第二尚氏王朝を樹立する人物。

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    2022年06月08日
  • 読んで旅する鎌倉時代

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    大河ドラマと合わせて読みました。
    歴史は勝者が作るとはよく聞く話ですが、正史はそうなのだろうなとつくづく思います。そして、それだけではなく、歴史とは解釈なのだなと深く思います。特に歴史小説を読んだ後には。そして、このようなアンソロジーを読むと、一編ごとに少しずつ変わっていく(あるいは観点を変えていく、ずれていく)解釈が実に面白いものです。
    一冊の長編を読み通すのも面白いのですが、これはある観点からの物語を深くしていくことだと思います。アンソロジーには多観点から読み解いていく、そして、一編ずつを積み重ねて一冊の流れを読み解いていく楽しみがあります。
    私は背表紙に「高田崇文ほか」とあったので購入し

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    2022年05月01日
  • 決戦!桶狭間

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    歴史小説はまったく未知の分野で、初めて読んだ。
    自分好みで選ぶならまず選ぶことがない。本棚左から読んでいるから、順番で手にしたのだ。

    興味が薄いから、尚更恥ずかしいくらい歴史がわからない。桶狭間の戦いは、織田信長が今川義元の首をとった戦いだとわかった。こんな感想を言っていることが、とにかく恥ずかしくなる。
    途中で、誰が誰だか、味方が敵かわからなくなった。
    読んだというか、目を通したに近い。最後の花村さんの文章は、知識の乏しいわたしには読みにくさも加わり、スルー。
    機会があれば、再読したい。1度目よりはわかってくるだろうと思うから。

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    2021年09月15日
  • NARUTO―ナルト― シカマル新伝 舞い散る華を憂う雲

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    終始シカマルらしかったー。
    『めんどくせー』にあんな重みがあっとは!!
    テマリもかっこいいなぁ。
    また漫画読み返したくなるわ。
    ボルトも読みたくなる。

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    2021年04月18日