あらすじ
齢十七で九州を平定。
島流し先を支配して叛逆。
弓矢だけで軍船を撃沈。
名を源鎮西八郎為朝。
この男こそ日本史上最強。
「こやつは武士として使い物にならぬ」。その一言が男を怪物へと変貌させた。源八郎為朝。異常な弓の鍛錬を続けたこの男は、父に送りこまれた九州を齢十七で平定し、「鎮西八郎」と呼ばれ日ノ本を震撼させた。やがて巻き起こる天下を二分する保元の乱。為朝の前に立ちはだかるのは平清盛、そして唯一彼が恐れた兄・源義朝であった。
源平の時代を駆け抜けた最強の武士の生涯を描く、驚愕の弓豪歴史小説!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
鎮西八郎こと源為朝を主人公とした小説。
己の出自から来る劣等感を払拭するために誰よりも強い武士を目指す為朝は豪快かつ直向きで、潔く終わる結末であり、最初から最後まで退屈させない起伏の多い内容だった。琉球とも関わりがあったとは知らなかった。
Posted by ブクログ
源頼朝父義朝の異母弟である源為朝の一代記。
保元の乱で名前だけは知っていたが、どういう人物であったかは初見であった。コンプレックスを持つ男が武士としての才能を努力で広げていく様は現代でも物語になりうる一生と感じた。
Posted by ブクログ
平安最強の武士・源為朝。作者らしい猛々しい武人として彼の数奇な人生が描かれているが、人物造形や戦いの動機がイマイチ。『鬼神』では人間ドラマとバトルのバランスが良かっただけに少し残念。
例えば、九州で太宰府に乗り込むときさただ力を放出したい駄々っ子でありながら強さだけで統率していたという違和感。その為朝が京に戻った途端、父に従い、上皇や左大臣に従う汐らしさを見せる。その過程が描かれず、ここにも違和感。強い相手(義朝)と戦いたいという彼を貫く軸は変わっていないのだろうが、史実とキャラのギャップが大きく、説明が足りないように感じられた。九州〜京に戻る過程に何かあっても良かったと思う。
最後の伊豆大島編は良かった。九州とは逆に力だけで集めた兵はいつか去ってしまうという皮肉な結末。家季の友情の果ての裏切り。あまり感情移入できなかったものこ、欠点だらけの武人という点に同時と悲哀を感じられたのは良かったと思う。
余談だが、タイトルは「ちょうらん」ではなく、「あさあらし」。知らなかった…