矢野隆のレビュー一覧

  • 戦神の裔

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    源義経戦の生き様を戦神に例え描いた歴史小説で時を同じくして始まったNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」と同じ時代である事、あまり馴染みの無かった平安→鎌倉時代の話である事から興味深く面白く読めた。

    源頼朝と異母兄弟の義経は、夢の中で義朝、為朝、頼光など源家の父祖を幻視して平氏滅亡を胸に宿し、京の五条大橋で武蔵坊弁慶と出逢い刃を交えた後、主従関係となり、世話になっていた奥州の藤原家(当主:藤原秀衡)に帰省する。義経は痺れを切らし奥州人を蝦夷と蔑ます事に憤りを感じている忠信、継信兄弟と弁慶のみで平氏打倒の旅に出る。その後、頼朝は遠方鎌倉の地で打倒平家に起兵するも遠方の地を離れず実践は、義経に心を寄せる盗賊、猟師、下人などの周縁郎等を中心とした者等で福原の地での坂落しでの勝利、その後の壇の浦の戦いで打倒平家を成し遂げる。しかし義経は、京の公家等からの労いはあれど、遠方の鎌倉に居る頼朝からは、義経を妬む取巻きの声で逆賊として扱われ、挙げ句の果てには義経討伐を受ける身に。。義経は、打倒頼朝に心を入れ替え奥州藤原家を頼る旅の過程で周縁郎等が打たれて行く。奥州に辿り着き年老いた秀衡と打倒頼朝の志を同じくするも秀衡が亡くなり、次当主の裏切りで命を狙われ最後は弁慶が血路を開き主の義経と郎等2人で更なる北の地へ逃げて終える。

    何だか、第一線の現場で優れた仕事をしても上との付き合いによっては日の目を見ない、根は現代においての人付き合いによる出世話に通じるものがあるな。。と思ってしまった。

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    2022年01月20日
  • 朝嵐

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    源頼朝父義朝の異母弟である源為朝の一代記。
    保元の乱で名前だけは知っていたが、どういう人物であったかは初見であった。コンプレックスを持つ男が武士としての才能を努力で広げていく様は現代でも物語になりうる一生と感じた。

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    2022年01月16日
  • 戦百景 長篠の戦い

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    碌章・馬場信春に感涙。

    「長篠の戦い」決戦前夜。武田家宿老の馬場、内藤、山県が酒を酌み交わし、今後について各々誓う場面なのですが、これがいい。
    彼らの決意が報われることがない、というのを知っているだけに胸をうつものがあります。

    やはり、決意と覚悟はいいものです。

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    2021年12月14日
  • 我が名は秀秋

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    東軍勝利の立役者であるが、裏切り者のイメージが根強い小早川秀秋が主人公の作品。
    大河ドラマなどで度々弱気で優柔不断な性格といった描かれ方をされているが、本書はそういった秀秋のイメージを覆す内容で斬新な切り口と解釈による秀秋の物語は新鮮であり大変楽しめました。個人的には関ヶ原後の諸将とのやり取りが読んでてハラハラしてお勧め。

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    2021年10月19日
  • 清正を破った男

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    妻子を伴い島津に故郷を追われるところから物語は始まる。島津が九州を統一する目前関白秀吉が南下して瞬く間に席捲してしまう。肥後の国は一時佐々成政の支配下に入るが国人達が一揆をおこし渾沌とするが新たに小西行長、加藤清正が肥後に入る。主人公の木山弾正は初対面の時から清正とはソリが合わない。清正は少し野心家であり狷介な性格。弾正は最後漢の意地をかけて清正に挑む。

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    2021年10月15日
  • NARUTO―ナルト― シカマル秘伝 闇の黙に浮ぶ雲

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    シカマルが主人公の番外編

    いつの間にか、めんどくせーと言わなくなっていたシカマル。そこそこな人生でいいと思っていたのに、本人の意に反して期待と責任が重くなっていく。有能なだけに、思った通りにならないことってあるんだなと。
    また原作でも公然の仲だったテマリとの、はじめてのデートを取り付けるシーンもあります。ここから正式な交際が始まったんでしょうね。

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    2020年04月11日
  • 凜と咲きて―花の剣士 凜―(新潮文庫nex)

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    華奢な体躯に不釣り合いな斬馬刀を振るう女剣士にイマジネーションを大いに刺激されました。スピード感溢れる戦闘シーンの描写は血の匂いが感じられるほどで胸が高鳴りました。

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    2020年04月05日
  • NARUTO―ナルト― シカマル新伝 舞い散る華を憂う雲

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    五影会談で土影が不可解な動きを見せた。切れ者の土影が見せた行動の真意を探るシカマルが突き止めた真相とは

    うーむ、最終いいとこをもってかれましたが、シカマルの決意とナルトとの信頼関係がグっときました。
    チラっと出てくるサスケの言動に「あー、大人になったなぁ」と感慨深い。猪鹿蝶(先代)もわかりあえてる関係がすごくあったかくてうらやましい。
    家でいつも母ちゃんに叱られてばかりいる父ちゃんがスゴい人だなんて、シカダイには驚きでしかなかったみたい。あら、もうかれこれ20年NARUTOとつきあってる我々読者の方が理解してるじゃないか。
    奈良夫婦にもう少しラブラブしてほしかったですが、甘さ控えめでした。
    ほんとにNARUTOのノベライズはじ~んとしてしまう。
    また、シカマル秘伝読み直そうと思いました。

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    2020年02月06日
  • 源匣記 獲生伝

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    架空の時代&場所で志しを胸に下克上を成し遂げる歴史小説。
    【長文粗筋】
    その昔の真族民族が眼の紅緋眼の地を攻め込み建国をなして帝を立て緋眼民族を果の地に追いやり奴隷として略奪を繰返す時代。真族は帝(力)と共に真天宮(精神)を頂点に持つ国で真天宮から繋がるとされている各自一文字の入ったお守りの様な小匣を持ち緋眼との違いを証す。
    緋眼の木曽捨丸は幼少期に父母を殺され真族への復讐を胸に緋眼の地を捨て真族の地に出て芸団一座の盤海、その娘娘鈴に拾われ真族の地を木曽捨丸→獲生と名を変え盗んだを小匣胸に緋眼を隠して流浪する。
    真族の地は、覇の時代で帝了楓が影で力を持つ輩を殺戮し悪政を成す中、獲生は盤海一座として覇の力の及ばない願港の地に辿り着く。獲生は、願港の頂点である宝李に見出され一座から願港を守る軍隊に一兵卒として配属され、帝了楓の兄で殺戮から脱した転疾と出会う。転疾も緋眼を隠す獲生同様に身分を隠し行末は帝になる志を胸に同じ一兵卒として軍隊で生きる。転疾と獲生は友となり同じ覇を倒す志で武人武來に武術を習い力を付ける。その後、呉尉将軍率いる覇軍の願港への攻めに対して転疾と獲生は共に戦い劣勢になる中、転疾の小匣が放つ奉天と言う神業で覇軍に勝利する。これを勝機と見る獲生と宝李の加護で生きる時期を静観する転疾に確執が生じて獲生は、緋眼の乙清を従者として願港を出る。元上官で同じ勝機とみる蝶尚部下50名も合流して獲生→穫鬼と名を変え民から略奪する族退治を生業とし力を付けてその後、同じ志を持つ蒙雅率いる部隊を覇の戦いから救い合流する。穫鬼軍は、病に倒れている了楓を勝機と捉え呉尉率いる覇の都に攻め込み勝利するも乙清を失う。時を同じく転疾も願港軍を率い都を目指す、その過程で宝李は穫鬼が緋眼とのお触れを出し穫鬼軍の分裂を仕組む。最後、一時友として生きた都に陣を取る穫鬼(獲生)軍と次期帝となるべく攻める転疾軍が交戦。

    真族の帝の地を引く転疾、緋眼として木曽捨丸→獲生→穫鬼名を変え生きる獲生共に娘鈴に憧れを抱き友として生き最後は、2人の戦火を交える内容に心躍らせるて完読する。
    全てが、架空の話だったのがちょっと残念かなぁ。

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    2020年01月04日
  • 我が名は秀秋

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    関ヶ原の戦いで裏切り者、無能な豊臣秀吉の養子と歴史では語られる小早川秀秋が、本作品では有能な姿が描かれている。歴史は勝者が作るものであり、関ヶ原の戦いという天下分け目の戦いを徳川のものとしたい家康は無能な秀秋像を作りあげたのかもしれない。人を見抜く才能のある秀吉がなぜ上の兄達を差し置き五男である秀秋を養子にしたのかとという点も、もしかしたら秀秋には光る才能を秀吉は見抜いたのでは?という疑問を抱かせる。これまでの常識を覆すという意味で面白い作品。

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    2020年01月04日
  • 決戦!本能寺

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    周辺人物の話が面白い

    書きつくされたテーマであるだけに、主役の信長.光秀以外の周辺人物の話が面白い。
    特に意外な視点から描かれた宮本昌孝の作品が気に入った。

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    2019年11月16日
  • 決戦!川中島

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    数ある合戦の中でも知名度が高く、上杉謙信と武田信玄がしのぎを削った川中島。複数の作家のオムニバスで、上杉方と武田方の視点を入れ替えての作品を楽しめた。謙信、信玄が本人であったのか影武者であったのか、史実を同定することは難しいが故の各作家の視点。それぞれの作家が史料に基づき展開するフィクション。時代小説を堪能する真髄があるように感じた。

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    2019年10月18日
  • 決戦!本能寺

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    7人の作家が異なる主人公と視点、解釈で本能寺の変の顛末を描くアンソロジー。なので黒幕も作品毎に異なり、面白い。個人的には冒頭の織田信房編と5編目の細川幽斎編が良かった。特に織田信房編は君誰やねん???から終始定説の外を突っ走る展開でこんな本能寺があるのかと驚いた。
    結びの明智光秀編は光秀と彼を歴史の表舞台へ引っ張り出してきた信長の最後の対話が実に悲しい。

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    2019年09月23日
  • 決戦!桶狭間

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    決戦!シリーズ

    木下昌輝さんの岡部元信の本当の忠義、宮本昌孝さんの今川氏真は、特に、面白かった。
    氏真に関しては、最近色々な作家さんが書き始めていて、評価も様々出されるようになり、興味深い。

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    2019年08月25日
  • 決戦!桶狭間

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    桶狭間の戦いをテーマにしたアンソロジー。前回読んだ関ヶ原に比べて戦の経緯が複雑で理解に苦しむ部分もあったが、一方で各話のバラエティも豊富で、それぞれの物語のレベルが高い。

    砂原浩太郎『いのちがけ』、富樫倫太郎『わが気をつがんや』、宮本昌孝『非足の人』がお気に入り。特に『非足の人』は桶狭間での今川氏真をピックアップするという非常に珍しいテーマの中、放蕩息子を無能の人と描きながらも彼の内面の覚悟の一片を光らせる演出が面白いと感じた。

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    2019年08月03日
  • 決戦!桶狭間

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    好きな「決戦 ! 」シリーズである。
    桶狭間については織田信長が奇襲戦で今川義元を討ち取ったと言う事は知っているが細かい事には知識が無かった。
    多少は作られている部分はあるとしても、細部を知りこの歴史を転換させる戦に思いを馳せる事が出来た。
    特に「いのちがけ」、「わが気をつがんや」、「義元の首」は秀作だと思う。

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    2019年05月07日
  • 大ぼら吹きの城

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    秀吉が百姓、寺仕えから針売りとなり高みを目指して信長に仕え小者→小者頭→足軽→足軽頭と登り詰めるまでの出来事を描く。小者時代に弓衆頭の浅野又右衛門の娘おねに惚れて高みを目指す事で結婚し、おねの長屋付き合いから騎馬衆頭の犬千代事前田利家と付き合い、針売り時代の付き合いのある川筋衆の頭小六、長康、大炊介ならびに、弟の小一郎らと美濃攻略の拠点となる墨俣に城を建てる。禿鼠と信長に取立てられながら、勝家、長秀らと相対しながらも大ぼらを吹いて自分を鼓舞し高みを目指す姿が面白く読めた。

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    2018年09月16日
  • 決戦!川中島

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    決戦シリーズも段々と地味になっていくかと思いきや、小説としてはやはり面白い。
    武田・上杉の雌雄を決する川中島の戦いがあった事は知っているが、その仔細については知識不足だった。
    その戦いを知り、それぞれの違う人物から戦いを捉えていく事が出来るこのシリーズは好きだ。

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    2018年08月11日
  • 決戦!関ヶ原

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    歴史小説は好きでこれは面白いと思って読んだが期待通りであった。7人の上手い書き手による人物ごとの短編である。それぞれが書き込まれているので、短編集にありがちな薄さ物足らなさはなかった。
    書き手の取り上げ方によって史実の見方を変えている所も興味深い。一番は「怪僧恵瓊」だった。
    このシリーズは追っかけたい。

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    2018年05月03日
  • 決戦!関ヶ原

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    関ヶ原の戦いを7人の武将の視点から、7人の小説家が描いたオムニバス短編。一つの事件でも、異なる立場から見たら別々の物語になる。ということを感じさせてくれる。

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    2018年03月11日