矢野隆のレビュー一覧
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先に「決戦!関ケ原2」を読んでしまったので、こちらも。
今回は徳川家康(伊東潤)、可児才蔵(吉川永青)、織田有楽斎(天野純希)、宇喜多秀家(上田秀人)、島津義弘(矢野隆)、小早川秀秋(沖方丁)、石田三成(葉室麟)。
2を読んだ時も感じたが、この戦いほど様々な思惑が交錯した戦いもないように思える。裏切りや傍観や致したかなく、という気持ちで参戦する者、戦いが終わった途端に保身や論功行賞に走る者、純粋に戦うことを突き詰める者、自分自身でなく自分の国をどう守るかに徹する者…。
この戦いでの勝者と敗者ははっきりとあるものの、その後の人生や評価、あるいは自分自身が顧みての勝者と敗者はそれぞれで、何が勝ちで何が負けかは分からない。
それらを七人の作家人が七様に描いてくれたのでどれも面白かった。
個人的には安国寺恵瓊も面白そうな人物で、その後に別の人物像で描いてもらえないだろうかとも思った。
この中では織田有楽斎や宇喜多秀家、小早川秀秋は面白かった。 -
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ネタバレ小説だから描くことができたであろう、イタチの真実。
里の平和への願い。
うちは一族への想い。
サスケへの想い。
シスイとの約束。
父と邂逅することのできなかった最後。
父とイタチの関係性、「もっと早くに向き合っていれば・・・」とイタチがサスケに思っていたことを、同じように父フガクも思っていたに違いない。
どうして、もっと早くに解りあうための何かができなかったのか、悔やまれる。
一人の忍びとして、イタチへの嫉妬があったのも、やはり人間の感情ゆえとは思っていても・・・。
父と子でなく、忍び同士として解りあおうとしていたら・・・この結末には至らなかったかもしれない。
13歳という幼い子どもにとって、こんなにも胸を痛めながらも決断せざるを得なかった一族というしがらみ。
うちは一族に生まれたがゆえの悲しい結末。うちは一族に生まれなかったら違う未来を描くことができたかもしれない。イタチは本当に優しくてそして悲しい子どもだったということが響いてきた。
自分のことよりも里のことを、サスケのことを想って生き、そして死んでいったイタチ。
来世でイズミと穏やかな一生を過ごすことを願い、この物語を閉じたいと思う。 -
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戦場での殺しを生業とし、国を渡り歩く「蛇衆」が、リーダーの出生の秘密と、ある国の兄弟間の諍いと戦にまきこまれ、知らず危機に巻き込まれていく、というストーリー。
最初は面白そうだったのに、最後はリーダーや仲間の敵打ちで死地につっこみ、結局一番下っ端しか生き残らず「おれが一人で頑張るぜ」みたいなラストになり、なんだかよくあるようなパターンに終わっちゃったなぁという印象。
よく言えば人間臭い、悪く言えば良くも悪くもプロがこんなんでいいのか?という感じ。
プロも人ってことなのか、なんだかんだで蛇衆も未熟だったのか。
あるいは、「蛇衆」が大切だからこその弱さだったのか。
まぁでも思っていたより楽しめたので☆4つ。
ラストが気にいらないのは多分好みの問題。 -
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ネタバレ最も短期間で読み終えた小説!!(これは悪い意味ではなく、あまりに読みやすく、そして面白かったが故に早く読み終えた。)
この小説を一言で例えるなら、『ゲーム世代の時代小説』と言ったところだろう。おそらく、若い世代で、時代小説を好んで読む人間は、『歴女』か『時代もの好き』以外では、少ないだろう。
”何か面白い文庫ないかな?”と言って、まず時代小説を手にする人は少ないはず。でもこれは例外。
初めて時代小説を読むなら、まずこの『蛇衆』を勧める。
まず、主人公たちは、最強に強い戦場の殺戮集団6人。それぞれが、得意の武器を持ち敵をなぎ倒していく様は、戦国無双を彷彿させる。そして、それぞれが、異なった過去を持ち、その集団に入った経緯など、映画やゲームにピッタリの設定。そういった意味で『ゲーム世代の時代小説』と言えると思う。
しかし、それだけではなく、ストーリーもしっかりしていて、”父と子の運命””それぞれの過去””仲間の裏切り””葛藤と苦悩””家督争い”このキーワードが全て伏線で繋がり最後の”ドンデン返し”に繋がる。
最後は、気になって仕方がなく、読むことを止めることができないほど、目まぐるしい展開!!
その後の『蛇衆』など、作品化して欲しいほど、面白かった作品 -
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ネタバレ大河ドラマ「べらぼう」が始まる頃、本屋さんでフェアになってて購入。
十返舎一九、曲亭馬琴、写楽、葛飾北斎たちがまだ有名になる前の若い頃の物語。ある日4人は長屋で女性が首を吊っている死んでいるところを発見してしまう。
という設定なんですが、前半はほとんど事件の話は絡んでこないし、最後2話くらいでやっと本格的にかかわってくる感じでした。
事件に関係なく、それぞれが創作することに対してどう向き合ってるいるのか詳しく書いてあって、その心理描写が面白かったなと思いました。
鉄蔵(葛飾北斎)が事件をきっかけに少し思慮深くなるのが不謹慎ですが愉快でした。