矢野隆のレビュー一覧

  • 戦百景 長篠の戦い

    ネタバレ 購入済み

    歴史の醍醐味

    歴史を語る時人は自分の視点で見てしまうが、多くの登場人物がめいめいに、あるいは阿吽の呼吸で動き、そして歴史が紡ぎ出されていく。
     長篠城址、鳶ケ巣山砦なと何度か足を運び現地の空気を呼吸した我が身には、短編集の形をとったがゆえにこの本の臨場感はすごいと感じた。特に織田、徳川連合軍が籠城戦だという評価には思わずうなった。納得! 
     長篠の戦い以前の出来事があって、この長篠の戦いあり、そして長篠の戦い以降の出来事へと続く。引き続き登場する人、去る人、そして新たに登場する人、その人々の深層心理まで思うと歴史は例えようもなく面白い。

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    2021年07月23日
  • 決戦!関ヶ原

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    『決戦!関ヶ原』

    誰もが知る関ヶ原の戦い。
    4時間で決着がつき、そして最後の西軍 島津が退陣するまでが8時間。

    ●読みどころ
    1.関ヶ原
    家康と三成。
    戦い前に密談あり。
    互いの狙いは何か?

    2.戦終えての三成
    「勝者はいない。
     徳川も豊臣もそして毛利も、さらに私三成も全員   
     敗者なり。」
    その意図とは?

    3.織田信長弟 長益。兄に囚われた人生
     武勲無しの武将。
     最初で最後に近い戦いは家康方で。
     千利休の弟子であった長益。
     戦場で何を思えたか?

    4.島津義弘
     66歳。西軍の敗北が決まり、1500の兵で家康の   
     本陣3万人に向かう。
    「己の魂と引きかえに敵をうつ

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    2020年11月03日
  • NARUTO―ナルト― イタチ真伝 暗夜篇

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    イタチの物語の後編。
    暗部入隊からあの恐ろしい夜までが描かれている。
    彼の気持ちを思えば思うほど胸が苦しくなる。
    本当に優しい人間が損をしてしまう、そんな様子が描かれている。
    これは現代の社会にも言えることな気がする。
    いくら正当な考えを持っていようが、いくら里屈指の天才であろうが、集団心理に話し合いでは太刀打ちできない。
    結局一族で、里で1番心の優しい火影のような存在が犠牲となり、大犯罪者の道を選んでしまう世の中の不条理さ。
    弟への愛だけは譲れないこのイタチの物語は、ナルトを好きな人なら絶対楽しめるはず。

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    2020年09月10日
  • NARUTO―ナルト― イタチ真伝 光明篇

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    幼き頃から火影の意思を持った天才忍者であるイタチはそのストイックさゆえに努力の天才でもあった。
    一族というしがらみの中に立ち、子供ながらに里全体を見渡す力のあるイタチは現実世界の子供達も見習うべきところしかない人物だと思う。
    アニメや漫画では描かれていない彼の意思に触れることができるので、ナルトを深掘りしたいという方にはオススメ。
    うちはイタチという人物をもっと好きになっていく作品だ。

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    2020年09月10日
  • NARUTO―ナルト― イタチ真伝 暗夜篇

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    ネタバレ

    うちは一族の滅亡の詳細に触れられている。
    断片的にダンゾウやうちはオビトが介入していたことは示唆されていたが、これを12歳の少年に実行させたことが我々との倫理観の違い、ひいては年寄りたちの愚かさを感じさせる。
    ダンゾウは里のためという言葉を盾に自分の言うがままの里を作ろうと動き、ヒルゼンは煮え切らず責任を持った判断を下すことができず、残り二人はダンゾウの腰巾着レベル・・・
    オビトによる殲滅の分担に彼本来の配慮がうっすらと見られる中、すべてを成し遂げ、いつか来る弟に殺される日を待ち望む彼が火影になる世界があったら・・・そう思ってやまない。
    ただ、本編で彼は弟に胸中を語って去れたことと、同じ夢を持

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    2020年05月16日
  • 決戦!本能寺

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    いやぁー、面白かった!
    お勧めは伊東潤先生、天野純希先生、木下昌輝先生ですね。
    「麒麟が来る」が更に面白くなる1冊です。

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    2020年02月22日
  • 鬼神

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    ネタバレ

    矢野隆らしい疾走感と躍動感あふれる戦闘描写はさることながら、古代日本の一種の排外思想を鮮明に映し出している超大作。

    舞台は平安後期、金太郎で有名な坂田公時の鬼退治を描く。当時の京においては、帝の支配下にある者が「人」であり、その範疇にない者は全て人に非ずとされてきた。文化的に言うとナショナリズムが最も高まった時期と言えるのだろうか。その中で元は都の外で「鬼」として育った公時は人間であるはずの大江山の鬼退治に苦悩する。その悩みを彼らしく破天荒に霧消・昇華していく表現が実に魅力的である。

    人に非ざる者は「鬼」「土蜘蛛」「蝦夷」「熊襲」と呼ばれ、彼らを見ると、どうしても私の好きな高橋克彦氏の作品

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    2019年08月15日
  • 決戦!本能寺

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    本能寺といえば明智光秀。時代小説を読んでいて様々な説に出会ってきましたが更に濃い物語集でした。光秀の後ろからどれだけ沢山の糸が引かれていたのか。千利休黒幕説が面白かったです。信長はあれね、もう少し人の心をね・・・と言っても詮無いことですね。

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    2019年04月25日
  • NARUTO―ナルト― シカマル新伝 舞い散る華を憂う雲

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    久々に熱くなった。ナルトの小説の中ではかなり面白い!ナルトの世界感と緊迫したやり取りを感じた。シカマルが出てくると面白い。ただ単にキャラが強いとかじゃなくていい味出すんですよ。ナルトとシカマルのやり取りには熱くなる。そして、初めて見た?短いサスケとシカマルのやり取りにシビれた。
    「めんどくせー」は出てくるが、物凄くカッコいい言葉!この本を読み終わるのが寂しく思った。ナルトが好きな方は絶対に読むべきで個人的には映画でも良い!

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    2018年07月20日
  • 決戦!関ヶ原

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     怪僧恵瓊(木下昌輝著)は文庫版でのみ参戦。対するは毛利元就や、毛利の両川に比べて智謀に劣る毛利隆元が率いる毛利本家を案ずる、吉川広家。徳川家康に弓引かないことで、本領安堵を狙ったが…。敗戦後囚われても何故か余裕を見せる恵瓊。この一作も快作、買って損無し!

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    2017年07月25日
  • 覇王の贄

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    なかなかよかった。
    それぞれの武将の性格もうまく表してて、面白かった。
    ほんと矢野隆の時代小説、面白い!

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    2017年07月04日
  • NARUTO―ナルト― イタチ真伝 暗夜篇

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    ナルト&イタチ好きなら必ず読むべし!!
    あまり語らないイタチ...この本は泣けます...だけど泣かさしてくれません。それはイタチの覚悟がそうしたのだと思います。漫画以上な小説でした。

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    2016年07月16日
  • NARUTO―ナルト― イタチ真伝 光明篇

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    NARUTO好きで、イタチ好きには堪らない!!
    イタチの生い立ちが読めますよ!
    光明編でstopです。本当に楽しみになったので
    暗夜編は、あたためる事に決定!お楽しみは後で。
    ...イタチも目指したのかー...と、思うと、なんか感動しました。

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    2016年04月29日
  • NARUTO―ナルト― イタチ真伝 暗夜篇

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    何故イタチが同胞を殺めるに至ったのか。
    本編でも真相には触れられていますが,心理描写が深くなされている本です。
    読むほどに悲しく,重い気持ちになります。

    それにしてもこれ,12歳の少年が主人公なんですよね。それを忘れさせられます(苦笑)

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    2015年10月14日
  • NARUTO―ナルト― イタチ真伝 光明篇

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    本編で謎の多かったイタチについて色々描かれています。
    予想以上に盛りだくさんで読み応えアリ。
    「希望の物語」とあるけど,そうはあまり思えない物語。その後の話を抜きにしても。
    イタチ好きは読むべき作品だと思います。

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    2015年10月12日
  • NARUTO―ナルト― シカマル秘伝 闇の黙に浮ぶ雲

    購入済み

    一気に読み終えました

    シカマルの「めんどくせー」って言うお決まりのセリフとゆるい性格、実は頭が良くて賢いのに、目立ちたいとも思わなければ偉くなりたいという意思も持たない、「まあそれなりに生きれたらいいか」…そんな考えを持つ彼がとても好きです。

    この本はそんな彼が迷い葛藤するお話でした。
    めんどくせーと言いながらなんだかんだ上手く仕事をやっているのかと思いきや、彼も周りの人間と同じように日々の仕事に追われ余裕を失いつつも目の前の出来事に向き合う描写がとても良かったです。

    久しぶりにNARUTOを読み返していたらこのようなキャラ小説が販売されており、期待もせずに読んでみたら想像以上に面白く一気に読み終えて

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    2015年08月09日
  • とんちき 蔦重青春譜(新潮文庫)

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    蔦重が面倒を見ていた4人を知らずに完読。ホントびっくり、知らない分だけ、よりワクワク読めました。
    創作なのかリアルなのか、でも芸術家になるヒトとなりを感じました。どんな人生でも職業でも、明るく情熱的な志がないと続かないですね。

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    2025年07月14日
  • 琉球建国記

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    15世紀の琉球王国の歴史を元にしたフィクション小説。

    沖縄に住んでいた頃、勝連の高校生たちの現代版組曲「肝高の阿真和利」を観に行ったのが、阿真和利を知った最初でした。
    この小説でより理解が深くなった。

    阿真和利はもちろん、そのまわりの仲間がとにかくかっこよくて気持ち良い!!
    だからこそラストは悔しいし悲しいし切ない。
    歴史は必ずしも善人が勝つわけではないという残酷さを感じつつ、でも敗者だとしても己の魂の輝きを後世に残す者は、最終的には勝者なのではないかと思ったり。

    面白かった!

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    2025年05月31日
  • 戦百景 大坂夏の陣

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    歴史好きにはたまらない戦百景シリーズ!豊臣VS徳川遂に決着の「大阪夏の陣」今作では大野治長が意外とカッコよく描かれていてビックリしました……真田信繁、幸昌親子の別離のシーンでは不覚にも涙が……

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    2025年04月05日
  • 琉球建国記 尚円伝

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    琉球王国の統一後、王族でもないのに王となり礎を築いた金丸の一代記。琉球の歴史は全く詳しくなく、どこまでが史実か分からないが本当に庶民から王に成り上がったのなら実力や運は相当な人物だったのだろう。
    本書では最初に村人から受けた理不尽な仕打ちに復讐することをエネルギーにして出世していく…という展開が途中からは忘れたかのように(一応、綺麗事だけでは回らないことを知ってるとか、その辺りに設定は生きているものの)別の話になっていって、衝撃的な導入部分が霞んでいったのがもったいないとは思った。とはいえ、知略謀略で成り上がっていく様はダークヒーロー感があり面白かった。

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    2025年03月23日