議論作品一覧

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  • 言述論(discours) for 説話集論
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    1巻16,500円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 すくっても手からこぼれてしまう物語たち。語り方への問いかけ-本書の議論は「コンタクトの在り方の分析、物語行為の分析」にあり、説話集周辺の諸文化表象、言語テキストにこれを試みることで、説話集テキストの表現位相を論ずる際の足場を組もうとするものである。
  • 日本医療保険制度史(第3版)
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    1巻16,500円 (税込)
    令和時代の日本の医療保険制度を展望するうえで、基本に立ち返り参照するための基本文献 日本の医療保険制度100年の歴史の全貌を、明治、大正の制度成立の前史、昭和の実施・再建・発展の歴史、平成の構造改革に至るまで、制度の創設・改正、時代背景、経済的・社会的諸事情のすべてを克明に描いた医療保険の関係者が必携して参照すべき基本となる文献です。 平成の時代が終わり新たな元号「令和」の時代を迎えた。昭和に入ってすぐに健康保険制度が実施されあと数年で100年となるが、この間、わが国の社会と経済が大きく変化する中、医療保険制度は国民の安心と安全を支える基盤として国民生活の安定に大きな役割を果たしてきた。 平成時代に入っても、医療保険制度に関し、介護保険制度の発足(平成12年)、社会保障と税の一体改革(平成24年)など様々な制度改正が重ねられている。 医療保険制度の持続可能性を確保するために、給付と負担の見直しと併せて、「健康寿命の延伸」や「医療・介護サービスの生産性の向上」等を含めた社会保障改革の全体像についての国民的な議論と改革は不可欠である。 本書がわが国の医療保険制度、医療サービス・医療費問題の歴史的、政策的な展開についての理解を深めていただき、今後の社会経済の変化に対応した医療保険制度の構築と運営を進めていくうえで役に立つことができれば幸いである。
  • ラルフ・ビンスの資金管理大全 ──最適なポジションサイズとリスクでリターンを最大化する方法
    3.0
    トレーディングにおけるマネーマネジメントの世界に多大な貢献をしてきたラルフ・ビンスの考え方は、金融のプロのみならず、ベテラン級の一般投資家たちの心をもとらえて離さない。その彼が前三作(『投資家のためのマネーマネジメント』『マセマティクス・オブ・マネーマネジメント』『ニュー・マネーマネジメント』)の概念を基に新たなモデル(レバレッジスペースモデル)を開発した。これは、彼の理論を実践に応用することを可能にするモデルである。ドローダウンという概念を、従来の枠組みを超えて議論している書籍は本書を除いてほかにはないだろう。リスクの測定にリターンの分散を用いてきた従来モデルから発想を180度転換して、リスクの測定にドローダウンを用いる点がこのモデルの最大の特徴であり、画期的な点でもある。 そしてこれが、彼のモデルがこの業界で半世紀以上にもわたって使われ続けてきた従来モデルをはるかにしのぐモデルであるゆえんでもある。 第1部は理論が中心だが、オプティマルfアプローチによる最適ポジションサイズという観点からポートフォリオ構築を考えるうえで欠かせない理論ばかりである。理論・概念の理解やポートフォリオの構築に欠かせないものが数学である。しかし現実問題として、ポートフォリオを構築するうえで壁となっているのがこの数学である。 ギャンブル理論や統計学などの基本的な理論に始まり、ポートフォリオの構築に必要なケリーの公式、オプティマルfの説明、そして複数の同時ポジションを扱うためのレバレッジスペースモデルへと読者を導いていくなかで、彼が最も重視したのは理論、概念、ポートフォリオ、モデルを読者に数学的にきちんと理解させることである。例えば、次のような複雑な概念を採用する際に壁となる数学的問題にも明確な回答を示している。 ・オプティマルfの枠組みを破産リスクや現実世界でより応用の効くドローダウンリスクと関連づけて適用するにはどうすればよいのか ・リターンの再投資と幾何的成長問題 ・成長の法則、効用、有限流列 ・古典的ポートフォリオ構築 ・大きな成功を収めてきた商品ファンドに共通するポートフォリオやシステムのマ ネージメント手法 本書はトレーディングについてのみ書かれたものではない。基本的な数学法則とコ ントロール不可能なリスクを伴う一連の結果を扱うときに、これらの数学法則がわれ われにどのような影響を及ぼすのかが本書のメーンテーマである。 幸い彼は優れたライターでもある。本書を読み終えるころには、難しい概念も数学 も難なく理解できているあなたがいるはずだ。
  • イスラーム財産法の成立と変容
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 本書の主たる目的は、スンナ派イスラーム実定法(fiqh)、とくに財産法の中で、従来の研究によって満足な説明を与えられてこなかったり、研究者の間で議論の的になっている規定を、ヒジュラ暦二世紀・西暦八世紀から三・九世紀初めの学派成立期あるいはそれ以前に溯って説明することである。 【目次】 序論 第一章 シャリーアとフィクフの概念と学派の成立 第二章 所有権の構造 第一節 アインとマンファア 第二節 果実の概念 第三節 使用価値の法的性質 第四節 補足 第一部 契約の効力 第一章 総論 第一節 効力から見た契約の分類 第二節 契約の取消と解除 第二章 不成立の契約 第一節 定義と法律効果 第二節 マーリク派における無効の概念 第三節 当事者の能力 第四節 目的物の適格性 第五節 引渡が完了していない物の転売 第三章 無効な契約 第一節 総説 第二節 リバー 第三項 メディナ学説 食料の交換 第三節 射倖性 第四節 無効な約款マーリク派を中心として 第五節 強迫 第六節 シャーフィイーにおける無効の概念 第七節 公益に反する契約 第四章 効力未定の契約 第五章 有効だが拘束力のない契約 第一節 詐欺 総説 第二節 売買契約における詐欺による取消と瑕疵選択権 第三節 売買以外の契約における詐欺 第四節 詐欺を含む特別な売買 第二部 民事責任 第一章 総論 第一節 ダマーンの意義 第二節 ダマーンの負担の基準の概要 第二章 加害行為 第一節 直接損害と間接損害の理論 総説 第二節 ハナフィー派の理論 第三節 マーリク派の理論 第三章 責任占有 第一節 総説 第二節 侵奪 第三節 特定物売買における危険負担 第四章 預託占有 第一節 総説 第二節 踰越と懈怠 第三節 各法律行為における責任 第五章 害の法理 第三部 法制度各論 第一章 有償解放契約 第一節 有償解放契約とパラモネー契約 第二節 マーリク派 第三節 ハナフィー派 第四節 シャーフィイー派 第五節 有償解放契約の社会的意義 第二章 遺留分制度 「死の病」 第一節 総説 第二節 死の病制度の起源と展開 第三節 死の病制度における主観的要素 第四節 シャーフィイーの理論 第五節 結論 第三章 信頼売買 第一節 制度の趣旨をめぐる従来の学説 第二節 ムラーバハ売買 第三節 タウリヤ売買 第四章 マーリク派における賃約の解約 第一節 履行不能 第二節 使用価値の移転と賃約の解約と対価の支払 第三節 合意解約に対する制限 基本的語彙の説明 人名一覧 文献目録 柳橋 博之 1958年生まれ。東洋史学者。東京大学大学院人文社会系研究科教授。東京大学文学部卒業、同大学院人文科学研究科修士課程修了、同大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。専門は、法制史、イスラーム法。 著書に、『現代ムスリム家族法』『イスラーム財産法の成立と変容』『イスラーム家族法』『イスラーム財産法』『イスラーム 知の遺産』(編)などがある。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 道学の形成(東洋学叢書)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 道学の創立者は従来周敦いであると語られてきたが、史実に照らせばその淵源は二程、特に程いの学派であり、周程間に思想の授受は存在しなかった。著者は、朱熹の道統観を軸とする伝統的見方を排し、道学内部の思想的自己展開や、仏教・道教また王安石・蘇軾という外部を意識した思想的言説の展開を綿密に辿って道学形成史を再構成する。初期道学系の儒者に共通する万物一体観を「理一」として提示しえた程いの思想こそ、中央と在野両方の士大夫に存在理由と行動原理を与えた宋代思想の始まりであった。道学の基本的性格とそれを生み出した思想的社会的土壌、そして一個の学派として成長し勢力を伸張していく過程を壮大に描く画期的宋代思想史。 【目次より】 引用について 序章 第一節 宋代思想史研究の根本問題 第二節 道學研究の根本問題 第一章 北宋の思想運動 第一節 慶暦前後に至る思想動向 第二節 欧陽脩 中央の動向 第三節 陳襄 地方の状況 第二章 二程の先行者 第一節 胡〓 程頤の師 第二節 周程授受再考 第三節 宋代思想史上に於けるcの位置 第四節 二つの太極図 第三章 程〓の思想の基本構造 第四章 程頤の思想と道學の登場 第一節 程頤の思想に於ける「理一」の性格 第二節 「理気二元論」観の検証 第三節 程頤『易伝』の思想 第五章 道學と佛教・道教 第一節 道學と佛教に於ける議論の場と範疇 第二節 道學と華厳教學 第三節 死の問題から見た道學の佛教批判 第四節 二程の気論と道教 第六章 対立者の思想 第一節 王安石に於ける學の構造 第二節 蘇軾の思想的輪郭 第七章 道學の形成と展開 第一節 晩年の程頤 第二節 楊時の立場 終章 第一節 道學史上に於ける朱窯の位置 第二節 朱熹道統論の性格 注 後記 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 土田 健次郎 1949年生まれ。中国・日本の思想研究。元早稲田大学第一文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学・早稲田大学)。早稲田大学文学部教授。専門は、宋代の中国思想と江戸時代の日本思想。 著書に、『道学の形成』『儒教入門』『江戸の朱子学』『朱熹の思想体系』など、 訳注書に、山鹿素行『聖教要録・配所残筆』朱熹 『論語集注』などがある。
  • マーティン/ショー 素粒子物理学 原著第4版
    値引きあり
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ★理論家も実験家も必読の一冊! 素粒子物理の道を行くすべての人に捧げる、世界的名著★ 素粒子物理の世界的名著を、日本随一の研究者らが翻訳した。ニュートリノ振動、ヒッグス粒子発見など、近年の物理学の飛躍的進歩を反映している。原著はBrian R. MartinおよびGraham Shawの共著“Particle Physics, Fourth Edition”(Wiley社より2017年刊)。 【本書の特徴】 ・ヒッグス粒子の発見、ニュートリノ振動の発見など、近年の飛躍的進歩に対応。 ・CP対称性の破れ、エキゾチックハドロン、標準模型とそれを超える理論、宇宙論との関連など、最新の知見まで網羅。 ・平易な文章と丁寧な議論。全章に練習問題を付し、入門にも最適。 【主な内容】 第1章 基本的な概念 第2章 レプトンと弱い相互作用 第3章 クォークとハドロン 第4章 実験手法 第5章 時空の対称性 第6章 クォーク模型 第7章 QCD、ジェットとグルーオン 第8章 クォークとパートン 第9章 弱い相互作用:クォークとレプトン 第10章 弱い相互作用:電弱統一 第11章 離散的対称性:C、P、CPとCPT 第12章 標準理論を超えて 補章A 相対論的運動学 補章B 振幅と断面積 補章C アイソスピンの定式化 補章D ゲージ理論 補章E 章末問題略解 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • マイスター・エックハルト 生涯と著作
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 本書描くのは、最新の研究成果をもとに書き下ろされた新しいマイスター・エックハルト像である。 20世紀末から21世紀の初頭にかけて、エックハルト研究は劇的に変化した。それは全集がほぼ完結したことを受けて、文献学的に信頼できるテクストの精読と、社会史的な視点からのドイツ神秘思想の定位が可能になったからである。 神秘家の思想形成に大きな役割を担ったエルフト時代についての本書での考察は、修道院長であり、思索家であった初期活動をあますところなく明らかにし、また最も活動的であったシュトラスブルク時代の教会史的考察は、彼を晩年襲った異端疑惑の真相を明らかにした。 さらに、パリ大学でのアリストテレスをめぐる議論や、ケルン高等神学院でのアルベルトゥス主義が神秘思想と綾なすスリリングなコラボレーションは、中世思想の醍醐味を感じさせる。 【目次より】 目次 第一章 序論 研究のための予備考察 一 エックハルト研究の四つのパラダイム 二 ドイツ神秘思想と言語 三 神秘的言語 第二章 故郷タムバッハとエルフルト――就学地ケルンとパリ 一 エックハルトの故郷 二 大学と托鉢 三 ハインリヒ・ゾイゼの幻想神学校 四 マイスター・エックハルトの修行時代 第三章 エルフルトにおける修道院長時代 一 都市エルフルトとマインツ大司教座 二 テューリンゲンのドミニコ会 三 『教導講話』成立の背 四 修道院長エックハルト 五 教育者エックハルト 六 聖餐論争 七 『教導講話』 八 エルフルトのベギン 九 行いと存在 一〇 離脱とハビトゥス 第四章 パリ大学教授時代 一 第一回パリ教授時代 二 『第一討論』 三 サクソニア管区長時代 四 第二回パリ教授時代 第五章 シュトラースブルク 神秘思想家の誕生 一 シュトラースブルクのドミニコ会 二 シュトラースブルクのベギン 三 開かれた説教 第六章 ケルン高等神学院院長時代 一 告発前夜 二 ケルンでの審理 第七章 アヴィニョン――異端者 一 異端者宣告勅書『主の耕地にて』 第八章 エックハルト以後 一 ケルンのエックハルト信奉者 二 エルフルトのエックハルト信奉者 註 年譜(エックハルトの生涯/関連事項) あとがき 資料出典 文献目録 索引(人名/用語) 香田 芳樹 1959年生まれ。ドイツ文学者、慶應義塾大学教授。信州大学人文学部ドイツ文学科卒業、金沢大学文学研究科修士課程ドイツ文学専攻修了、広島大学文学研究科博士課程ドイツ語学文学専攻修了。文学博士(広島大学)、Ph.D.(スイス・フライブルク大学)。 著書に、『魂深き人びと』『マイスター・エックハルト 生涯と著作』 訳書に、マクデブルクのメヒティルト著『神性の流れる光(ドイツ神秘主義叢書1)』などがある。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • ドイツ観念論における超越論的自我論 大文字の〈私〉
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 「私」という考えの有効性を論証することに向けて、この考えの持ち得る深さ、豊かさを、ドイツ観念論でなされた超越論的自我論の再構成を通じて見積もる。〈知る主体〉としての〈私=Ich〉。ドイツ観念論において「超越論的統覚」論、「自我」論として注目すべき展開を見た〈私〉論を、カント・フィヒテ・ヘーゲルらのテキストに即して再構成するとともに、それが現代哲学にとってもいかに有効であるかを示した画期作。 【目次より】 凡例 略記号表 序言 本書の方法、意図、概要 第一章 〈超越論的自我〉概念の提出 第一節 大文字の〈私〉 観念論擁護 第二節 カントにおける心と知 大文字の〈私〉の在処 一 前批判期における〈心〉についての議論 二 批判期における心と知 第二章 〈超越論的自我〉概念の深耕 第一節 ラインホルトの「意識律」とは何だったのか? 第二節 フィヒテ知識学の「事行」概念 第三節 『全知識学の基礎』の体系形式と知識学の要求 第四節 超越論的演繹という視点からの本章総括 第三章 フィヒテとヘーゲル 第一節 ヘーゲル対フィヒテ 第二節 ヘーゲルにおけるフィヒテ批判の諸側面 第三節 ヘーゲルにおけるフィヒテ批判の射程 第四節 ヘーゲルとフィヒテの思想性対照 第四章 〈超越論的自我〉概念の究極的展開 ヘーゲルにおいて 第一節 超越論的論理学としてのヘーゲル「論理学」 第二節 「実体」から「概念」ヘ ヘーゲル「論理学」における「形而上学的演繹」の第一側面 第三節 「絶対的形式」 ヘーゲル「論理学」における「形而上学的演繹」の第二側面 第五章 〈超越論的自我〉概念の究極的展開 フィヒテにおいて 第一節 後期フィヒテの「像」論概観 第二節 超越論的論理学講義(一) 純粋統覚から経験的「注意」へ 一 序論 講義の課題、あるいは超越論的論理学の研究領域について 二 自我形式、あるいは統覚の導出 第三節 超越論的論理学講義(二) 統覚と事実的知 本章の終わりに 第六章 超越論的自我の機能する場所 「表象」という考え方 結語 要旨と総括 初出について あとがき 典拠註 文献一覧 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 松本 正男 1946年生まれ。東京大学文学部卒業、同大学院人文科学研究科哲学専攻博士課程終了。文学博士。元山口大学人文学部教授。
  • 新装版 介護保険制度史―基本構想から法施行まで
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    いかなる理念のもと、どのように構想、創設されたのか。基本構想から法施行まで、当事者たちの手による「全記録」。 介護保険制度は、いかなる理念のもと、どのように構想され、創設されたのか。制度の創設に直接かかわった当事者が、制度創設の検討段階から法案の取りまとめ、実施にいたるまでの経緯等、客観的事実をもとに一冊にまとめた。施行までの動きを年代順に整理し、制度の骨格をめぐる論点を詳細に記述。政党や市民団体の主張も盛り込んで、歴史的な資料も収載。介護保険制度の歴史にとどまらず、これからの社会保障や国と地方のあり方を考える上での道しるべとなり、多くの示唆を与える書。 執筆に当たっては、出来事の年代順配列の正確な整理を試みるとともに、制度骨格の検討経緯・背景・内容を記述しようと心がけた。これにより、制度創設時に直接携わった当事者の考え方を後世に残し、将来にわたって想定される介護保険制度をめぐる議論に資するものとしたいと考えた。(中略)歴史を書くときに決定的なのは、いうまでもなく資料・証拠である。われわれは、できるだけ第一次資料を基に客観的な叙述を行おうと心がけた。とはいえ、本書は、介護保険制度創設に直接かかわった当事者たちの手によるものであり、ある種の偏りは避けがたい。われわれとしては、この通史を基礎にして、いろいろな立場の人が介護保険制度の意義と課題について考えを深めていってもらえればと願っている。歴史とは「現在と過去との絶え間ない対話である」(E・H・カー)からである。(「本書のなりたち」より抜粋)
  • 再生可能エネルギー主力電源化と電力システム改革の政治経済学―欧州電力システム改革からの教訓
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    1巻8,580円 (税込)
    ●「日本の電力システム改革」は今後、どこに向かうべきか? ●「欧州再エネ政策」の教訓と課題は? 欧州の未来は? ●「再エネ支援制度(FIT、FIP等)」は将来どこに落ち着くか? ★日本と欧州の最新事情が1冊でわかる! 電力システム改革設計、再エネ政策、環境価値、揚水発電の運用、原発の廃止措置、VPPの興隆など最新の情報を、欧州と我が国の比較のなかで網羅的、体系的に紹介 ★多くの審議会、検討会での論点をカバー 日本の電力システム改革や再エネ大量導入にかかわる多くの審議会、検討会等(経済産業省・資源エネルギー庁、電力広域的運営推進機関、電力・ガス取引監視等委員会)での議論を最大限把握し、関係付けし、要点をカバー 「再エネ(FIP)」「環境価値」「原発」「揚水」「VPP」「水素」にまつわる 「詳細な解説」&「日本・欧州の最新事情」&「画期的な提言」 その3つ全て1冊でわかる、完全バイブル 電力関係者、研究者必読の1冊、ついに登場!
  • トレードシステムの法則
    完結
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    トレーダブルな戦略とは自分のリスク・リワード目標に一致し、リアルタイムでもバックテストと同様のパフォーマンスが得られる戦略のことを言う。しかし、カーブフィッティングから貪欲まで、さまざまな落とし穴が待ち受けているため、トレーダブルな戦略を開発するのは容易なことではない。しかし、正しい方法で行えば、トレーダブルな戦略を開発することは可能である。 このことをだれよりも理解しているのは、トレードシステム開発の第一人者であるキース・フィッチェンだ。彼が開発した不動の人気を誇るアベレイションシステムは、『フューチャーズ・トゥルース』誌の「史上最高のトレードシステムトップ10」の常連だ。25年以上にわたり実績のあるシステムを開発し、彼自身それらのシステムを使って活発にトレードしてきたフィッチェンは、トレードの豊富な経験を読者のみなさんと共有したいという思いで本書を執筆した。 本書は、トレード戦略によってどういったことが達成可能かという現実的な話から始まる。世界の最も優れたマネーマネジャーたちの過去5年にわたるパフォーマンスに始まり、トレード戦略のパフォーマンスを最もよく特徴づける統計量、個人的なリスク許容量に合った「トレーダブルな戦略」を構成するものは何かを定義するうえで手助けとなる一連の質問のほか、戦略開発における最大の問題の1つであるカーブフィッティングについても議論する。さらに、「Build,Rebuild,andCompare」(構築、再構築、比較)、またの名をBRACテストとも言う独特の手法も紹介する。BRACテストは戦略開発におけるカーブフィッティングの度合いを知るための方法だ。 本書の後半では2つのトレーダブルなシステムを開発する。1つは株式用の短期スキャルピングシステム、もう1つは商品用の中期トレンドフォローシステムだ。これらのシステムを開発しながら、仕掛け、手仕舞い、トレードフィルターについても議論する。これら2つのシステムは両方とも現状のままでも「トレーダブル」だが、株式や商品の大口口座から小口口座まで、さまざまなリスク・リワード特性に合わせて調整するためにはあるテクニックが必要になる。それがマネーマネジメントテクニックだ。また、株式戦略や商品戦略を単独でトレードするよりも一緒にトレードしたほうが効果的であるため、両方の戦略を一緒にトレードするためのマネーマネジメントも開発する。本書の戦略についてもっと詳しく知りたい人は、両方のシステムのトレードをウェブサイトで閲覧できる。 真剣なトレーダー向けに書かれた本書は、BRACテストからバースコアリングまで、ほかでは入手不可能な情報が満載だ。本書を読めば優れたリターンを達成するうえで優位な立場に立つことができるはずだ。
  • ルドルフ・オットー『聖なるもの』と世紀転換期ドイツ――信仰と近代学問の相克――
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 世紀転換期ドイツにおいて、信仰と近代学問は相互に緊張をはらんだ関係にあった。そのダイナミクスを体現する著作であるR・オットー『聖なるもの』を軸として、当時の学的議論に内在しつつ、これを深く規定していた宗教的・精神的情況を浮き彫りにする。
  • ガバナンス貨幣論 理念・歴史・制度設計
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    1巻8,140円 (税込)
    ビットコイン等の新たな通貨の登場、IT技術による金融の革新、財政支出による通貨量の拡大……。貨幣を巡る状況が大きく変貌するなか、そのあり方をめぐる思考の刷新が求められている。「ガバナンス」という視点から過去と現在の膨大な事象・政策・議論をクリアに読み解き、貨幣の変貌と不変の本質を明らかにする。

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  • 天保改革の法と政策
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 触を詳細に調査、内政面における諸政策を総合的に分析して、三年で失敗した改革の全体像と老中・水野忠邦の真の意図を明らかにする。 【目次より】 序章 研究史の整理と本書の課題 第一篇 天保改革と「触」 第一章 都市の「触」より見た天保改革の特質 第一節 京都と江戸の触の比較 第二節 天保十三年五月の書付とその実効性 第三節 諸大名に対する触と天保改革の都市政策 第二章 天保改革における都市政策の展開と「触」 第一節 借金銀利息引下げ令について 第二節 質物利息引下げ令について 第三節 相対済令について 補論一 天保期以降の江戸の「惣触」と「町触」について 第一節 惣触と町触の区別への経緯 第二節 惣触と町触の区別の実態 第二篇 風俗取締り政策と身分制の再編 第三章 無宿野非人旧里帰郷令とその廃止 第一節 無宿野非人旧里帰郷令の内容と実施状況 第二節 追放刑の改正議論 第三節 無宿野非人旧里帰郷令の廃止 第四章 人別改令の改正と風俗取締り政策の展開 第一節 人別改令の改正とその施行細則 第二節 風俗取締り政策と人別改令 第三節 遊女の吉原への移住と人別改令の改正 第五章 近世後期の江戸における宗教者の統制 第一節 近世中・後期の江戸における宗教者統制 第二節 天保改革における宗教者統制策 補論二 江戸の人足寄場の性格とその変化をめぐって 第一節 先行研究と問題の所在 第二節 設立当初の人足寄場と文政三年の被追放刑者の収容 第三節 天保期の人足寄場と油絞作業の開始 第四節 天保期以降の人足寄場と「油絞」 第五節 結び [補説] 第三篇 天保改革の経済政策の特色 第六章 天保十三年の地代店賃引下げ令の成立過程について 第一節 地代店賃引下げ令の成立 第二節 地代、店賃引き下げの調査結果 第三節 天保改革以後の地代店賃引下げ令の展開 第七章 天保十四年十二月の無利息年賦返済令の成立とその意義 第一節 旗本、御家人への貸金と札差 第二節 半高棄捐・半高無利息令と札差改革の展開 第三節 無利息年賦返済令の成立 第八章 天保改革における経済政策の一側面 借金銀利息引下げ令、金公事改革、相対済令の再検討を中心に はじめに 第一節 三氏の説の検討 第二節 借金銀利息引下げ令の成立と金公事改革 第三節 相対済令の成立とその意義 第四節 天保改革の経済政策の一側面 むすびにかえて 終章 天保改革の特質とその評価 あとがき ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 坂本 忠久 1959年生まれ。法制史学者。東北大学大学院法学研究科教授。早稲田大学法学部卒、金沢大学大学院修士課程修了、大阪大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。法学博士(東北大学)。専門は、日本近世の法制史。 著書に、『天保改革の法と政策』『近世後期都市政策の研究』『近世都市社会の「訴訟」と行政』『近世江戸の都市法とその構造』『藩法史料叢書 1 佐野藩』(編)などがある。
  • 新日本両生爬虫類図鑑
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 2011年の日本爬虫両棲類学会年次大会で、創設50周年記念事業として、基本は1963年発行の「原色日本両生爬虫類図鑑」におき、その内容を補充した、新たな書物を作成することになり、本書刊行に至った。   本書では、最近までに日本から記載された爬虫両棲類全種を網羅し、分類・形態の詳細と生態・生活史の概観を示すことを目指した。図版のうち、全体図は生時に撮影された写真を準備したが、有鱗類の線画の一部は、「原色日本両生爬虫類図鑑」内の故松井孝爾氏のものをも転用させて頂き、不足分を新たに準備した。こうして本書に収録された日本産の爬虫両棲類は、両生類99種・亜種、爬虫類108種・亜種の総合計207種・亜種となった。「原色日本両生爬虫類図鑑」におけるこれらの数値は51、80、131種・亜種であったから、それぞれ1.94倍、1.21倍、 1.58倍になった。 文体や単語はできるだけ中村・上野版に準拠したが、最後まで問題となったのが、有鱗類の頭部の鱗、骨格の名称の統一の検討であった。なお、本書における分類は両生類についてはAmphibian Species of the World、爬虫類についてはReptile Databaseを基本に、問題点は会員間で議論した結果に従った。紙面の制限から多くの事項を省かざるを得なかったが、例えば保全関係については、環境省・国際自然保護連合のウエブページなどを参照されたい。
  • ケンブリッジ・プラトン主義 神学と政治の連関
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 政治的・宗教的内乱期にあった17世紀イングランド、ローマとジュネーヴの狭間で、霊権と俗権、信仰と社会性、宗教と科学との間の中庸を探り、君主制と国教会を近代社会に適応させていく、大陸とは異なる独自の近代の姿を示した思想家たちがいた。本書はそうしたケンブリッジ・プラトン主義者――ベンジャミン・ウィチカット、ヘンリー・モア、ラルフ・カドワース、ジョン・スミス――の思想世界とその政治的含意を、神学と政治の連関という視座から、内在的に理解し再構成する政治思想史研究。ケンブリッジ・プラトニストを非活動的な観想主義者とする古典的イメージを排して、各思想家の思想的・政治的プロフィールを概観、中心的テーゼと議論の枠組を示した上で、彼らの枢要概念である「神的理性」と「参与」、「自由意志」、「神愛」、「自然法」という神学的・哲学的主題を順次分析する。次いで、それら理論的考察において示唆された社会的・政治的実践性を踏まえ、彼らの「教会理念」、「黙示録解釈」、「政治世界像」について検討。全体を通じ、理論から実践にいたる架橋が図られていく思惟を再構成し、ケンブリッジ・プラトン主義において神学がいかに来世を導く道徳的準備としての現世統治を要求するのかを解明する。従来の政治思想史研究におけるケンブリッジ・プラトニズムの決定的不在を突き、今ここにある近代の再考を促す。わが国のイギリス政治思想史研究に着実な一歩をもたらす画期作。 【目次より】 凡例 序論 本研究の背景 第一部 神学から道徳ヘ 第一章 思想的来歴 理論と実践におけるヴィア・メディア(中道) 第二章 神的理性と「神への参与」 哲学的神学の基礎 第三章 自由意志と倫理 神への自由と完成 第四章 神愛の概念 善・参与・愛の法 第二部 道徳から国家・教会へ 第五章 神学的主知主義の自然法道徳 第六章 包容教会理念 第七章 黙示録解釈と千年王国論 アングリカン国制の擁護と革新 第八章 政治世界像 善・参与・主知的システム 結論 あとがき 注 参考文献 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 原田 健二朗 南山大学准教授。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(法学)。専門は、イギリス研究、政治思想史。著書に、『ケンブリッジ・プラトン主義』など、訳書にジョナサン・ウルフ『「正しい選択」がないならどうすべきか』(共訳)などがある。
  • ロケット工学投資法 ──サイエンスがマーケットを打ち破る
    2.0
    著者ジョン・F・エーラースは本書を、「真実と科学は、無知と迷信に対して再び勝利を収める」という見事なまでに完璧な言葉で要約している。本書は物理科学におけるデジタル信号処理技術をトレーディング分野に適応化したものだ。本書で開発した独特のインディケーターは、マーケットをまったく新しい視点でとらえることを可能にするばかりでなく、従来のインディケーターを発展させることで、より正確な計算をも可能にする。 デジタル信号処理技術をマーケットに応用した第一人者の一人であるエーラースは、本書で、この手法にかかわる専門技術、知識や将来的展望を、独自の方法で紹介する。まず、デジタル信号処理入門に続いて、2つの主なマーケット“モード”―――トレンド・モードとサイクル・モード―――とこれらのマーケット・モードに対応するツールを説明した後、トレーダーに最もよく使われる移動平均、モメンタム関数の性質、デジタル信号処理をトレーディングに使ううえで必要となるほかの重要な基本的概念を紹介する。 以上の準備段階を経たあと、本書はいよいよテクニカル分析の核心へと進む。ここでは、SN比や正弦波インディケーターなどの独特のインディケーターを議論するとともに、有限インパルス応答(FIR)フィルタや無限インパルス応答(IIR)フィルタについて述べる。また、予測フィルタの作成方法と最大限の効果を得るためにこれらのフィルタをいつ使うべきかについても説明する。 本書の目的は、近代デジタル信号処理を導入することで、効率的かつ斬新なトレーディング・ツールを開発して、一種のアートともいえるトレーディングに革命を起こすことである。トレーディングをすぐに開始するための“手引書”となるコンピューター・コードを必要とする人にとっても、サイクル周期測定ツールであるホモダイン・ディスクリミネータや瞬時トレンドラインといった新しい分析ツールを求めている人にとっても、マーケットをまったく新しい視点でとらえることを可能にする画期的な内容の本書は、極めて有益な結果をもたらすものになるだろう。
  • 確率ロボティクス
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「確率ロボティクス」は、環境やシステムが持つ「不確実さ」(予測不可能な事象)に確率・統計を駆使して対処するのを特徴とする分野です。人の作業空間により近い位置への進出を期待される次世代のロボットでは、この分野のアルゴリズム設計は有力な枠組みの1つとして注目を集めています。また、ロボットのみでなく、自動車の自動走行などへも応用可能な分野です。 本書は学生、研究者、エンジニアなど、ロボットの実装を行う全ての人に向けて書かれています。「確率ロボティクス」の主要なアルゴリズムを、ベイズ則とその拡張を数学的背景に、擬似コードによる実装例や実験結果を交えて詳細に解説・議論しています。確率の基本的な法則などの基礎的な解説もされており、また、高度な数学の使用は極力避けられているため、技術的背景の異なる人にとっても理解しやすい内容になっています。 確率ロボティクスを学ぶには必須の1冊。 Sebastian Thrun,Wolfram Burgard,Dieter Foxらによる「Probabilistic Robotics」の日本語版、待望の復刊です。
  • プリンシピア 自然哲学の数学的原理
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【本電子書籍は1977年発行の『プリンシピア〈自然哲学の原理〉』の紙面をそのまま電子化しています。2019年より配信されている新書版(全3巻)もございます。】今日の物理学の原点ともいうべき「ニュートン力学」の根幹をなすもので、多くの物理学者、数学者、天文学者を魅了した真に独創的な著作とされる。第1、第2編では、諸物体の運動の形態が詳細に論じられ、第3編では、前2編で述べられた理論の応用例が議論されている。第3版の英訳をもとに原書を可能な限り正確かつ、今日の用語に置き換えて訳出。そのため巻末にはていねいな訳注がついている。現代人が読んでもその発想の素晴らしさと、ニュートンの天才ぶりに改めて驚嘆させられる。今だからこそ読んでほしい古典の中の古典。1977年に出版された『プリンシピア 自然哲学の数学的原理』を電子書籍で“復刊”。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • ガンのヘンリクスの哲学
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 本書は、ガンのヘンリクス(d.1293)の思想をはじめてわが国に紹介し、同時に、哲学史上にこれまでほとんど看過されてきた一時期に光を当てつつ、1980年代以降欧米で急速に進展してきたこの分野の先行研究を踏まえながら、ヘンリクスにおける「照明の形而上学」の構造を、認識論と存在論の統一的視点から解釈しようとするものである。 【目次】 まえがき 序章 ガンのヘンリクスとは、誰なのか 第一節 序論 第二節 ヘンリクスの経歴と著作 第三節 ヘンリクスの思想傾向 第四節 結論 第一章 認識論における照明の位置 第一節 序論 第二節 認識のメカニズム 第三節 知の構造と照明の位置 第四節 初期認識論の意図 第五節 結論 第二章 知の確実性と照明 第一節 序論 第二節 ヘンリクスの議論 第三節 スコトゥスの照明説批判 第四節 結論 第三章 照明説の思想発展 第一節 序論  第二節 初期の説明方式 『定期討論のスンマ』第一項 第三節 後期の説明方式 『任意討論集』第九巻第一五問 第四節 ヘンリクスの照明説の根本にある思想 第五節 結論 第四章 本質・存在・〈もの〉 第一節 序論 第二節 〈存在〉をあらわす語彙の曖昧さ 第三節 なぜ、ガンのヘンリクスの存在論なのか 第四節 本質・存在・〈もの〉 第五節 結論 第五章 本質と存在の志向的区別 第一節 序論 第二節 実在的区別 エギディウス・ロマヌス 第三節 志向的区別 ガンのヘンリクス 第四節 同一性 フォンテーヌのゴドフロワ 第五節 結論 第六章 照明の形而上学 第一節 序論 第二節 照明説の思想発展とその問題点 第三節 ア・プリオリな神認識 第四節 〈本質〉のリアリズム的解釈 第五節 結論 註 文献表 加藤 雅人 1955年生まれ。 哲学者。関西大学外国語学部教授。京都大学文学部哲学科卒業、同大学大学院修士課程修了、同博士後期課程修了。専門は、西洋中世の言語哲学。 著書に、『ガンのヘンリクスの哲学』『意味を生み出す記号システム 情報哲学試論』『哲学すること 存在の真理への覚醒』(共著)『中世哲学を学ぶ人のために』(共編著)など、 訳書に、『後期中世の哲学 1150-1350 ジョン・マレンボン』などがある。
  • 現代の租税理論 最適課税理論の展開
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 最適課税理論の展開 望ましい租税制度の要請が強い今日、所得税と消費税に亙る最適課税理論を、最新の研究を踏まえて体系的に考察。 【目次より】 はしがき 序 第I部 最適課税理論:展望 第1章 展望 I:最適消費税理論 線形最適課税 1 最適消費税理論の展開 2 最適消費税問題の構造 3 最適消費税体系の構造 4 租税改革の理論 第2章 展望 II:最適所得税理論 非線形最適課税 1 最適所得税理論の展開 2 最適所得税問題の構造 3 非線形最適所得税 4 最適線形所得税 第II部 基礎理論の検討 第3章 最適消費税体系の存在問題 1 はじめに 2 モデル 3 再分配的な最適消費税体系 4 一般の場合の最適消費税体系 5 利潤が存在する場合の最適消費税体系の特徴 6 反例:最適消費税体系が存在しない場合 第4章 最適消費税ルールの一般化 生産者価格の可変性,利潤と最適課税ルール 1 はじめに 2 可変的生産者価格と最適消費税ルール 3 利潤の存在と最適課税ルール 付論1 不変生産者価格が意味する生産関数 付論2 最適消費税理論と租税改革理論 付論3 政府の徴税方式と課税ルール 補論 最適課税と効率的生産 1 はじめに 2 最適消費課税と非効率生産:反例 3 モデルと準備的議論 4 最適消費税経済における効率的または非効率的生産 5 要約 参照文献 第III部 最適課税のシミュレーション分析 第5章 わが国の最適線形所得税制 1 はじめに 2 分析の枠組み 3 計算の方法 4 わが国の最適線形所得税:結果と解釈 5 結語 第6章 わが国の最適消費税制 1 はじめに 2 分析の枠組みとモデル設定 3 計算の方法 4 わが国の最適消費税体系:結果とその検討 5 要約と展望 第IV部 最適課税理論の展開 第7章 貯蓄と最適課税 1 はじめに 2 モデル 3 貯蓄と最適課税:結果と検討 4 貯蓄課税の是非 第8章 脱税と最適課税 1 脱税と最適課税 2 経済の枠組み 3 脱税がない場合の最適課税体系 4 脱税と最適課税制度 5 最適な税務調査および罰則制度 6 結語:他の税の場合 第9章 最適課税理論の課題:新展開にむけて 1 税の包括化と総合的最適課税体系の考察 2 理論の枠組みの拡大 3 応用的数量分析の展開 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 山田 雅俊 1948年生まれ。大阪大学教授。神戸大学経済学部卒業、大阪大学大学院経済学研究科修士課程修了、同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。博士(経済学)。専門は、財政学、公共経済学。 著書に、『現代の経済政策』(共著)『ゼミナール現代財政入門』(共著)『現代の租税理論』『公共政策論』(共著)『財政学』(共著)『APECの経済と税制』(共著)『公共経済学』などがある。
  • ドイツ その起源と前史
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 前著『ドイツ史の始まり――中世ローマ帝国とドイツ人のエトノス生成』で割愛した、第一部と二部の間に位置する歴史的・言語史的考察。deutschという語の起源をめぐるグリム以来の学説史の整理、「ドイツ(語)」の前段階の「フォルクの言葉」という普通名詞に留まっていた初期の語法の網羅的検討を通じて、「三つの神聖言語」を頂点とする多言語国家としての大フランク帝国の実相に迫る。 【目次より】 はじめに 第一章 ドイツ(deutsch)の起源 研究の現況と課題 一 問題の所在 二 語源、語義 三 語形成 四 theudisk / theodiscus / diutisk 語形成をめぐる言語史的・歴史学的議論 五 「起源の偶像」 第二章 ドイツ(deutsch)の前史 七八六年~九二〇年 一 問題の所在 二 theodiscus:七八六~八七六年(1):アルプス以北の語法 三 theodiscus:七八六~八七六年(2):イタリアの語法 四 theodiscusからteutonicusへ:八七六年 五 theodiscusとteutonicus:八七六~九二〇年(1):西フランクとアングロ=サクソン 六 theodiscusとteutonicus:八七六~九二〇年(2):東フランク 七 ドイツ(deutsch)の前史 第三章 『ザルツブルク大編年誌』九二〇年の項の「ドイツ人の王国」 中世盛期における「ドイツ王国成立論争」の始まり 一 政治史の経過と各種史料の証言 二 問題の所在 三 研究史の批判的検証と同時代性の否定 四 オットー『年代記』、『ザルツブルク大編年誌』、「オーストリア編年誌」(AGS) 五 「アルヌルフの国王計画」と「ドイツ人の王国」 あとがき 付録(図表、地図、系図) 注 主要参考文献一覧 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 三佐川 亮宏 1961年生まれ。西洋史学者。東海大学文学部歴史学科西洋史専攻教授。専門は、ドイツ中世史。北海道大学文学部史学科西洋史専攻卒業、同大学院文学研究科西洋史学専攻修士課程修了、同大学院文学研究科西洋史学専攻博士課程中途退学。文学博士。 著書に、『ドイツ史の始まり』(日本学士院賞)『ドイツ その起源と前史』『紀元千年の皇帝―オットー三世とその時代』など、 訳書に、コルヴァイのヴィドゥキント『ザクセン人の事績』などがある。
  • 人権の哲学
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    1巻6,820円 (税込)
    ★講評・宇野重規(東京大学教授) 「人権の哲学」とはあまりに大きなテーマと思われるかもしれない。言うまでもなく、人権に関して、その普遍性や歴史をめぐって数多くの議論が積み重ねられてきた。さらに、憲法学や法哲学、政治学や倫理学などの分野において、個別の思想家や理論家、あるいは学派についての研究も数多くなされてきた。 しかしながら、本書が注目するのは、人が人であるがゆえに持つ権利である人権についての哲学的な根拠である。特に近年の英米圏の政治哲学における、人権の正当化根拠をめぐる「政治的構想」と「自然本性的構想」の対立に焦点を定めている点に最大の特徴がある。選考にあたっては、膨大な先行研究を丹念に整理し、自らの立場を明確に示していることが高く評価された。(中略) 人権を根拠に「人道的干渉」が行われる現在、人権をめぐる議論がますますグローバルな文脈で展開されるようになっている。本書の理論的示唆はもちろん、実践的示唆もきわめて大きい。多くの方に読んでいただけることを期待したい。
  • 中欧の模索 ドイツ・ナショナリズムの一系譜
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 「中欧」とは、単なる地理的な名称ではなく、歴史的・政治的に構成された概念である。冷戦の終焉とともに歴史の表舞台に回帰したこの概念は、多文化・多民族が共存するユートピアを想起させる一方、ドイツ帝国主義やナチスの「生存圏」を正当化するイデオロギーとして忌避されてもきた。本書は、この「中欧」という概念に着目し、それを近代ドイツの自己意識の根源に関わる問題として捉えることによって、従来の研究とは異なるドイツ・ナショナリズム像を提示する。1848年革命期の中欧連邦構想から、第一次世界大戦時の「中欧」をめぐる国際的な論争、そしてヴァイマル共和国期の「ヨーロッパ合衆国」構想とナチス時代の「広域秩序」論。これら「中欧」をめぐる議論の多角的・実証的検討を通して見えてくるのは、国民国家中心的な視座を超えた、重層的なドイツ・ナショナリズム像である。近代ドイツにおけるナショナリズムと「中欧」の関係を問いながら、地域主義とナショナリズムが絡み合う現代世界にも歴史的洞察を与える試み。 【目次より】 凡例 序章 問題の所在 ドイツ近現代史と「中欧」 第一章 「中欧」という視座 ドイツ・ナショナリズム論の再検討 第一節 ドイツ・ナショナリズム再考 第二節 対象と分析視角 第二章 「国民国家」か「中欧」か ドイツ問題とコンスタンティン・フランツの中欧連邦構想 第一節 一八四八年革命以降のドイツ問題 第二節 フランツとは誰か 第三節 フランツの中欧連邦構想 第四節 二〇世紀のなかのフランツ 第五節 フランツの遺産 第三章 「中欧」の夢と現実 フリードリヒ・ナウマンの『中欧論』とその反響 第一節 ナウマンと「中欧」 第二節 「中欧論』の検討 第三節 『中欧論』の反響 第四節 ナウマンの遺産 第四章 「ヨーロッパ合衆国」から「広域秩序」まで ヴァイマル共和国期・ナチス期における「中欧」の分岐……… 第一節 戦間期における「中欧」の位相 第二節 「中欧」から「ヨーロッパ合衆国」へ ヴィルヘルム・ハイレの欧州統合思想 第三節 第三帝国下の「中欧」の運命 カール・シュミットの広域秩序論 終章 「中欧」から「ヨーロッパ」へ? 結論と展望 あとがき 註 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 板橋 拓己 1978年生まれ。政治学者。成蹊大学法学部教授。 北海道大学法学部卒業、同大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(法学)。専門は、国際政治史、ヨーロッパ政治史。 著書に、『中欧の模索』『アデナウアー 現代ドイツを創った政治家』『黒いヨーロッパ』『現代ドイツ政治』(共著)『歴史のなかの国際秩序観』(共著)『国際政治史』(共著)など、 訳書に、ジャック・ル・リデー『中欧論 帝国からEUへ』(共訳)アンネッテ・ヴァインケ著『ニュルンベルク裁判』ヤン=ヴェルナー・ミュラー『ポピュリズムとは何か』アンドレアス・レダー『ドイツ統一』などがある。
  • 近代日本の国際関係認識 朝永三十郎と「カントの平和論」
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 この世界とは何か、を説明しようとする時、意識するとしないとにかかわらず、思い浮かべ、考えざるを得ない問いがある。それは、「人間とは何か」「国家とは何か」「国際関係とは何か」という3つの問いである。これらの問いが織りなす「世界のできあがり方」の構造を、本書は<自我・国家・国際関係>と呼ぶ。現在も世界の人々を拘束し続ける、この認識論的機制の近代日本における形成過程を、明治末から昭和前半期に活躍した哲学史家、朝永三十郎の「文脈設定者」としての思想的苦闘から描き出す。「国際関係とは何か」という、国際関係研究の根源への問いを問うには、世界国家の可能性を封じ込めた瞬間を把捉しなければならない。カントの『永遠平和のために』の単なる解説書とされてきた朝永の『カントの平和論』における、「国際」と「国家」の矛盾、という議論に、その瞬間は埋蔵されていたのである。学問領域を横断し、理論と歴史、思想と実証を交錯させて根源への問いへ挑み、21世紀の世界の見方、考え方を広く問いかける。 【目次より】 はじめに 第一部 背景と枠組 第一章 国際関係認識とはなにか 第二章 国際関係認識の研究枠組 第三章 カントと近代国際関係認識 第二部 朝永三十郎と『カントの平和論』 第一章 近代日本と朝永三十郎 第二章 『カントの平和論』の成立過程 第三章 自己申告上の契機 第四章 初期の朝氷 一九〇二~〇九年 第五章 留学とその後一九〇九~一六年 第六章「カントの平和論』前後及び晩年 一九一七~五一年 第三部 近代国際関係認識の原的形成 第一章 朝永三十郎の意味 第二章 カント解釈の系譜学 朝永以後 第三章 自我・国家・国際関係 あとがき 注 参考文献 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 芝崎 厚士 1970年生まれ。国際関係研究者、国際政治学者。駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部教授。東京大学教養学部教養学科卒業、同大学院総合文化研究科国際社会科学専攻、学術博士。専門は、国際文化論、国際関係思想。 著書に、『近代日本と国際文化交流 国際文化振興会の創設と展開 1934-45年』『近代日本の国際関係認識』『国際関係の思想史』などがある。
  • 地理的表示保護制度の生成と展開
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    1巻6,600円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 八丁味噌や夕張メロンの例に見られるように、国内の名産品を地理的表示の登録によりブランド化して世界の市場で売り出そうとする取組みは、近年、経済活性化の面からも重視されています。 一方、地理的表示をめぐる法制度は、様々な国際条約や国内法が錯綜しており、全体像を掴むことが至難の状況です。 本書では、国内外の議論状況、制度の相互関係を丁寧に読み解き、今後の制度設計を考えるための見取り図を描きます。
  • ジョゼフ・ド・メーストルの思想世界 革命・戦争・主権に対するメタポリティークの実践の軌跡
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 「人間が革命を導いたのではない。革命が人間を操ったのだ」。フランス革命期の反革命思想家として知られるジョゼフ・ド・メーストルの思想の根幹にあるのは、人間は主体的に行動するのではなく、神の道具としてみずからの意志とは異なる方向へと導かれていくという、一見してきわめて非政治的な秩序観である。本書は、この秩序観の背景にあるキリスト教神学の伝統的議論、とりわけ〈神義論〉と〈摂理〉をめぐる諸問題が、メーストルにどのように受容され、〈メタポリティーク〉という彼の理論枠組みにおいてどのように政治と関連づけられたかを、ライプニッツ以来の先行理論や同時代のヴォルテール、ルソー、コンスタン、トクヴィルらとの比較を通して解明。革命や戦争に荒れる時代の中で、故郷を追われたメーストルが摂理概念を用いてそうした政治状況をいかに論じたかを辿る。そのうえで、ルソーの人民主権論への批判として展開されたメーストルの主権論すなわち君主政擁護論の特徴を明らかにするとともに、その後のナポレオン統治および王政復古という歴史的状況に伴い、メーストルが最終的には摂理主義から離れ、教皇の不可謬性を要請する教皇主義へと変遷してゆく姿を仔細に追究し、その思想の揺らぎを克明に描く。わが国において先行研究の乏しいメーストルの著作と行動の意味を読み解き、その思想の全体像を示した、政治思想史研究の優れた業績。 【目次より】 凡例 序論 第一節 問題の所在 第二節 前史 『考察』の成立まで 第I部 革命と戦争に対するメタポリティーク 第一章 摂理概念 第一節 神義論と政治 最善説とその批判 第二節 メーストルにおける神義論と政治 付論 摂理をめぐるメーストルとトクヴィル 第二章 反革命論 第一節 総裁政府期における共和政擁護論 第二節 反革命と摂理 第三章 戦争と犠牲 啓蒙的戦争観への批判として 第一節 啓蒙の戦争観への批判 第二節 戦争論における政治と宗教 第II部 主権論の展開 第四章 主権と君主政 第一節 伝統的主権論の枠組 第二節 メーストルの主権論 第五章 「正統な纂奪」 第一節 『政治的国制論』の背景と主張 第二節 バークとメーストルの国制論 第六章 摂理から教皇ヘ 『教皇論』における抵抗と叛乱 第一節 革命期の主権論 第二節 摂理から教皇へ 結論 あとがき 注 参考文献 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 川上 洋平 1979年生まれ。専修大学准教授。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。専門は、政治思想史。 著書に、『ジョゼフ・ド・メーストルの思想世界』『ヨーロッパ政治思想史と精神史の交差』(共著)『ポスト・ウォー・シティズンシップの思想的基盤』(共著)など、 訳書に、ヘレナ・ローゼンブラット『リベラリズム 失われた歴史と現在』(共訳)などがある。
  • 現代民主主義の憲法思想 フランス憲法および憲法学を素材として
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 フランスの歴史と事例を元に、憲法が現代の民主主義において、どのような役割を果たしているかを丹念に探究し、その変遷を辿る労作。 【目次】 はしがき 第一章 戦後フランス憲法思想における転換 はじめに 1 フランス近代憲法思想の主流的見解――議会中心主義 2 議会中心主義からの転換(その一)――行政権の優位への転換、および、主権者=国民の優位への転換 3 議会中心主義からの転換(その二)――遠憲審査制の強化の方向、および、憲法の優位の観念の登場 4 議会中心主義からの二方向への転換――その共存と矛盾 第二章 フランス立憲主義の伝統的思考における「憲法」の観念と人権 1 問題の所在――第三共和制における「憲法」と人権 2 一七八九年宣言の憲法に対する優越性 3 一七八九年宣言の憲法優越性の性質 第三章 第五共和制フランスにおける違憲審査制の最近の展開――憲法院判決における「憲法」観念の拡大傾向―― はじめに 1 一九五八年憲法前文、および、「共和国の諸法律によって承認された基本的諸原理」の憲法規範性――一九七一年七月一六日判決 2 一七八九年人権宣言の憲法規範性――一九七三年一二月二七日判決 3 一九四六年憲法前文の憲法規範性――一九七五年一月一五日判決 4 一九七四年の制度改革による申立権者の範囲の拡大 5 フランスにおける違憲審査制論議の特徴 第四章 「憲法慣習」の観念 はじめに 1 最近フランスにおける憲法慣習論 2 実効的憲法の変遷と憲法法源の変遷 3 ケルゼンと憲法変遷論 第五章 フランスにおける「憲法」のありかたとdirigismeの観念――フランス現代憲法学の検討のための予備的一考察―― 1 前提――フランス立憲主義の伝統における「憲法」の観念 2 ≪dirigisme≫の観念 3 ≪dirigisme≫の観念と「憲法」 第六章 「議会までの民主主義」と「行政権までの民主主義」――フランス憲法史における点検―― はじめに 1 「議会までの民主主義」 2 「行政権までの民主主義」 おわりに 第七章 「共同政府綱領」と議会制民主主義 はじめに 1 網領の憲法論的意義 2 一九七三年総選挙以後の展開 第八章 ルネ・カピタン先生の違法論 はじめに 1 法の効力論における直接民主主義の観念 2 統治機構論における直接民主主義の観念 3 経済・社会機構論における直接民主主義の観念 おわりに 樋口 陽一 1934年生まれ。法学者(憲法学・比較憲法学)。東北大学名誉教授、東京大学名誉教授。、東北大学法学部法学科卒業、同大学院博士修了。法学博士。、パリ大学名誉博士。 著書に、『近代立憲主義と現代国家』『議会制の構造と動態』『比較憲法』『現代民主主義の憲法思想』『司法の積極性と消極性』『比較のなかの日本国憲法』『権力・個人・憲法学 フランス憲法研究』『憲法概論』『自由と国家』『ほんとうの自由社会とは 憲法にてらして』『もういちど憲法を読む』『憲法』『憲法入門』『近代国民国家の憲法構造』『近代憲法学にとっての論理と価値』『「普通の国」を超える憲法と「普通の国」すら断念する改憲論』『転換期の憲法?』『人権(一語の辞典)』『憲法と国家』『先人たちの「憲法」観』『個人と国家』『憲法 近代知の復権へ』『国法学 人権原論』『日本国憲法 まっとうに議論するために』『「共和国」フランスと私』『憲法という作為』『いま、「憲法改正」をどう考えるか』『加藤周一と丸山眞男』など、 訳書に、M・デュヴェルジェ『社会科学の諸方法』カール・シュミット『現代議会主義の精神史的状況 他一篇』などがある。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • プライスアクションとローソク足の法則
    完結
    3.0
    成功するトレーダーになるための鍵は、機能するシステムを見つけて、それに従うことである。フューチャーズ誌にテクニカル分析についての記事を寄稿し、25年にわたってトレーダーとして活躍してきたアル・ブルックスは、まさに機能するシステムを見つけて、それに従い続けた人である。彼はトレーダーとしてのキャリアのなかで、マーケットの方向性や経済情勢に左右されずに常に利益を上げる方法を見つけだした。本書はプライスアクションの基本とトレンドに焦点を当て、そのプライスアクションを利用してマーケットでトレードする具体的方法を示し、そのすべてのプロセスについて段階を追って詳しく説明している。 プライスアクションを理解し、価格チャートを1本の足ごとに読むことで、隠れていたパターンが見えてくる。パターンというものは機関投資家が動いて初めて形成されるものだ。そういったパターンを発見したら、機関投資家に倣って、きつめにストップを置いていち早く仕掛けて、利益を手にする。真剣なトレーダーにとってはたまらない刺激だ。本書で議論する主なテーマは以下のとおりである。 トレンド、トレーディングレンジ、ブレイクアウト、反転のトレード方法 トレンドラインおよびトレンドチャネルといった基本的なツール(これらのツールはトレンドとトレーディングレンジの発見に役立つ) さまざまなタイプのローソク足とトレードを仕掛けるときに知っておくべき数学について 本書を通じて、基本原理を説明するのにブルックスが特に重視したのがローソク足の5分足チャート(これらはすべてトレードステーションで作成)だが、日足チャートや週足チャートについても言及している。また、本書で紹介されるプライスアクションは、株価指数ミニ先物だけでなく、株式、FX、Tノート先物やオプションのトレードにも利用できる。なお、本書に掲載されているチャートはすべてウェブサイトで見ることができる。 トレードは多くの報酬が期待できる仕事だが、勤勉さと絶対的な規律が求められる厳しい世界である。成功を手にするためには、自分のルールに従い、感情を排除し、最高のトレードだけを待ち続ける忍耐力が必要だ。この目標を達成するための第1ステップが本書である。本書を読み終えるころには、健全なシステムに従う忍耐力と規律が身につき、莫大な富を手にすることも夢ではないだろう。 アル・ブルックス(AlBrooks) 1950年生まれ。医学博士で、フルタイムの個人トレーダーとして約20数年の経験を持つ。独立したデイトレーダーとしても活躍し、ウェブサイト(http://www.brookspriceaction.com/)では、ライブで市場の実況解説をするだけでなく、チャート分析も毎日更新している。足ごとに価格チャートを読むという独特の手法を開発し、トレーダーのなかのトレーダーとして熱心なファンが多い。著書に『プライスアクショントレード入門』(パンローリング)
  • キリスト教修道制の成立
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 今日世界各地に見られるキリスト教の修道院の源流は、3-4世紀の地中海世界、特にエジプトなどに求めることができる。本来人間が生きられない場所である砂漠への隠遁を敢行した「修道者の父」アントニオス、さらにその先駆者たちの試みがキリスト教修道制の端緒を成しているのである。その後の歴史に鑑みて、修道制の成立はキリスト教史上巨大な意義を有すると言うことができる。では、修道制はどのようにして成立したのか。これまでに提出された様々な学説を批判的に検討し、さらに修道生活とはそもそもどのようなものだったかを提示しつつ、修道制の成立という、古代キリスト教史研究上最もよく議論されてきた問題の一つに対して、新たな光を当てるのが本書の狙いである。 【目次より】 序言 凡例 第一部 修道制の成立をめぐる諸論点 第一章 「最初の隠遁者テーバイのパウルス」は実在したか? 第二章 『アントニオス伝』の史料価値をめぐって 第三章 無学な修道者アントニオス? 初期修道制研究の 動向 第四章 キリスト教修道制の成立とマニ教 エジプトとシリアの場合 第五章 エジプトにおけるキリスト教修道制の成宜をめぐる覚書 第六章 ローマ期エジプトにおけるキリスト教の普及をめぐって 第二部 キリスト教修道制の成立 第一章 『師父たちの金言』とポントスのエウアグリオス 第二章 古代末期におけるキリスト教修道制の成立 第三章 キリスト教修道制の成立をめぐる諸論点の詳論 補論 初期修道制と「主知主義」 第一章 グノーシス主義と修道制 第二章 なぜエウアグリオスは秘教的だったか? 註 文献略号表 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 戸田 聡 北海道大学大学院文学研究院准教授。 東京大学経済学部卒。一橋大学大学院中退。ベルギー・ルーヴァンカトリック大学特別学士課程修了。オランダ・ライデン大学文学部博士課程。文学博士。専門は、古代キリスト教史、東方キリスト教文学。
  • ハイデガー 存在と行為 『存在と時間』の解釈と展開
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 ハイデガーの『存在と時間』は存在論の書物である。では、『存在と時間』のよく知られた、〈大工職人がハンマーをふるう仕方や、人が生きていく上で下す選択のようなものを分析すること〉が、なぜ存在論をやっていることになるのか? 本書は読者を悩ませ続けながらもこれまで明確な答えの出ていないこの問いに、『存在と時間』における「存在と行為」の内的連関を解き明かすことで正面から答える。 【目次より】 序論 1 存在と行為 問題設定 2 「ハイデガーに実践哲学・倫理学なし」という批判について 3 「ハイデガーの実践哲学」研究の台頭について 4 研究方法 第一章 道具・事物・世界 実在問題の解体 1 実在問題と存在論的差異 2 道具の「自体存在」 3 道具的存在性と事物的存在性 4 世界の閃きと不安 実在問題の無意味さ 5 存在観念論説との最終対決 ハイデガーのフッサール批判 第二章 行為と自己理解 行為者性に対する実存論的アプローチ 1 行為とは何か 議論状況の概観 2 行為能力の理解 理解の存在者的意味 3 目的であるもの・有意味性・世界内存在 理解の存在論的意味 4 行為の共同性と自己理解 世人論の射程 5 動物でもなく主観でもなく 不安再説 第三章 道徳性の実存論的‐存在論的基礎 『存在と時間』におけるエートスの学 1 善悪に基づく責任概念に対する存在論的批判 2 自己統制と道徳的懐疑 3 責めある存在 道徳性の実存論的基礎 4 良心と決意性 5 他者の問題 道徳性の基礎付けの帰趨 6 『存在と時間』の行為概念 制作と実践の無差別化、その政治哲学的含意 第四章 幸福・死・時間性 ハイデガーとアリストテレス 1 ハイデガーによるアリストテレス幸福論の批判 2 完了存在としてのテロス 3 カイロス論的な時間 4 全体存在への問い 死の実存論的分析 5 本来性とフロネーシス 行為の時間性 6 行為者性と可死性 結論 1 本書の要約 2 今後の課題と展望 注 あとがき 文献表 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 池田 喬 1977年、東京都生まれ。東京大学文学部卒、同大大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は、現代哲学・倫理学。著書『ハイデガー 存在と行為 『存在と時間』の解釈と展開』、『ハイデガー 『存在と時間』を読み解く』『生きることに責任はあるのか 現象学的倫理学への試み』、『始まりのハイデガー』(共編著)『映画で考える生命環境倫理学』などがある。
  • ジャイナ教聖典選
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    古代インドで仏教と同時期に同地域で誕生し、いまなおインドで続くジャイナ教。初期仏典にも多くの記録が残り、祖師マハーヴィーラは六師外道のひとりニガンタ・ナータプッタとされ、主な教義と死亡記事も伝わる。しかも、ジャイナ教聖典と同一の詩句が仏典中に多く見られ、仏教の教えとして伝わっている。  ジャイナ教徒はインド総人口のわずか0.4%ではあるが、19世紀にはインド民族資本の大部分を占めていたといわれ、マハートマ・ガーンディーの非暴力・菜食主義に影響を与え、南方熊楠はその徹底した不殺生を仏教よりも高く評価した。  本書には、ジャイナ教の二大分派である白衣派の聖典から、【第Ⅰ篇】には古層文献を、【第Ⅱ篇】には出家者と在家者との戒律文献を、【第Ⅲ篇】には初期仏典と共通する伝承から作られたパエーシ王の物語を、【第Ⅳ篇】にはジャイナ教の祖師マハーヴィーラの伝記を収めた。  【第1章】『アーヤーランガ』第一篇は、出家修行者が解脱を達成するために遵守すべき禁欲的な修行生活全般を主題とする。なかでも第九章は、マハーヴィーラ出家後の厳しい苦行生活を古風な韻文で描いた、最古の祖師伝である。  【第2章】には、『スーヤガダンガ』第一篇第四章と第五章第一節を収めた。前者は男性出家者が女性との接触を避けるべきことを教示しており、最初期ジャイナ教のジェンダー観に有意な資料を提供する。後者は最初期ジャイナ教の地獄観を表す資料であり、『スッタニパータ』などの初期仏典、ヒンドゥー教の大叙事詩『マハーバーラタ』や法典『マヌ法典』にも類似した観念が見出され、当時の地獄観の共通認識を知るうえで欠かすことができない。  【第3章】には『ウッタラッジャーヤー』から古層に属する第一章から第二〇章、そして第二五章を収めた。出家者の生活への心構え、説話、伝説、対話篇、修行論、解脱論や業論といった教学的議論など、さまざまな内容で構成され、仏典にも並行する詩句が見出される。  【第4章】『ダサヴェーヤーリヤ』(十夜経)は、基本的な教義や出家生活上の規定をまとめた白衣派の古層をなす聖典であり、現在でも出家の儀式を終えた者が最初に学習する派もある。  【第5章】『ウヴァーサガダサーオー』第一章は、白衣派聖典中、もっともまとまって在家信者の宗教生活を説く章であるとともに、後に数多く著された在家信者向けの行動規範マニュアルの祖型ともなり、ジャイナ教の在家信者観をうかがう上で欠かすことのできない資料である。  【第6章】には、来世を信じず霊魂と身体が同一であると主張するパエーシ王と、ジャイナ教僧ケーシの対話である「パエーシ王物語」(『ラーヤパセーニヤ経』後半部)を収めた。訳注には、これに並行するパーリ仏典と3本の漢訳仏典との対応箇所を記した。  【第7章】には、白衣派ジャイナ教在家者にもっともよく知られる『ジナチャリヤ』(ジナたちの伝記)からマハーヴィーラ伝を収録した。  【第8章】『ヴィヤーハパンナッティ』第九篇第三三章「クンダッガーマ」を収めた。前章においてマハーヴィーラは最初にバラモン族の夫人の胎に宿り、胎児のままクシャトリア族の夫人の胎に移った。本章前半では、最初の母であるバラモン族の夫人と夫がマハーヴィーラと再会し、出家して解脱するまでが描かれる。後半部では、最初の教団分裂を引き起こしたジャマーリの出家から死までが記され、仏典におけるデーヴァダッタの破僧事件を彷彿とさせる。  アルダマーガディー語原典から訳出された本書により、マハーヴィーラ在世時の姿が、ここに蘇る。

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  • 投票方法と個人主義 フランス革命にみる「投票の秘密」の本質
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 なにゆえ「投票の秘密」は厳格に要請されるのだろうか? 秘密投票制は、「近代選挙法の公理」とみなされてきた。まさにそれ故に関心をよせられることのなかったこの問いは、近代における個と共同体、個人と民主政治のあり方を考える絶好の素材を提供する。秘密投票制をいちはやく憲法原則として規定したフランス革命を舞台に、固定観念にとらわれることなく、「投票の秘密」という憲法原理が、どのように、なぜ定着していったかをダイナミックに描いた本書は、憲法学、歴史学の双方に新たな視座を提示し、近代個人主義また近代そのものを改めて問いなおす。 【目次より】 はしがき 序章 「投票方法」が描きだすもの 本書の課題 第一節 「投票方法」と個人主義 問題の所在 第二節 「投票方法」研究の意義 「投票の秘密」が描きだすもの 第四節 学説状況 学説の空白 第五節 個別課題 学説の批判的検討をとおして 第一章 喝采による投票 vote par acclamation 全員一致主義と多数決の導入 第一節 喝采による意思決定・批判 アントレグ 第二節 マルエの議員資格審査 第三節 喝采による投票の存続 第四節 時間短縮の手段としての喝采による投票 第五節 喝采による全員一致から筆記による多数決ヘ 教会法をめぐる議論を参考に 第二章 秘密投票 scrutin secret 発声投票の自覚的排除 第一節 筆記投票による「投票の秘密」と現実 第二節 最初の憲法委員会案 旧体制の実践の継承? 第三節 筆記投票による「投票の秘密」の確立 第四節 「投票の秘密」制度化の試み 「集会」における「秘密」投票とその限界 第三章 発声投票vote a haute voix  「自由人の投票方法」 第一節 国民公会議員選挙 第二節 パリ市長選挙 第三節 ジロンド憲法草案 第四節 一七九三年憲法 第五節 発声投票の意義と性格 第四章 「投票の秘密」の憲法への定着 一七九五年憲法と「投票の秘密」 第一節 「投票の秘密」の憲法原則化 一七九五年憲法第三一条 第二節 一七九五年憲法における市民=個人像の現実と理想 第三節 国民公会における「秘密投票」採用の意味 終章 投票方法と個人主義 まとめにかえて 第一節 投票方法と個人 第二節 「投票の秘密」の本質 投票方法と主権原理の「ねじれ」 第三節 投票方法とフランス革命の構造 フランス革命期諸憲法と展望 註(序章─終章) 史料・文献一覧 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 田村 理 1965年生まれ。憲法学者。明治大学教授。一橋大学大学院法学研究科博士後期課程修了。法学博士。専門は、憲法学、フランス憲法史。 著書に、『投票方法と個人主義』『フランス革命と財産権』『国家は僕らをまもらない』『僕らの憲法学』などがある。
  • DEOS 変化しつづけるシステムのためのディペンダビリティ工学
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 変化し、長期運用するシステムの信頼性を確保する! 本書は、現代社会において、変化しつつ長期的に運用される巨大で複雑な複合システムに対し、いかにしてその不具合を減らし、重大事故を防ぎ、信頼性を保ちつつ運用を継続していくかについて体系的に議論した初めての技術書である。機能や構造、その境界が変化するシステムは通常「オープンシステム」と呼ばれる。我々はこのための技術体系を「オープンシステムのためのディペンダビリティ工学」、英文で“Dependability Engineering for Open Systems”、その略称をDEOS(デオス)と呼んでいる。システム開発・保守・運用に従事する技術者、研究者に必携の書である。
  • 雇用と物価の経済理論
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 雇用と物価はどのような関係にあるのか? ケインズ理論を中心に、インフレーション、国民所得、経済成長、産業連関分析などから分析する。マクロ経済学の必読書。 【目次より】 はしがき 序章 予備的考察 1 国民所得の循環的構造 ~ 3 問題の所在と本書での展開 第 I 部 雇用・分配・インフレーション 第1章 ケインズ理論と企業者の供給態度 1 問題の所在 ~ 4 企業者の供給態度と貯蓄・投資均等との関連 5 ケインズの「古典派」批判と『一般理論』の課題 第2章 ケインズ的分配論の展開 1 問題の所在 2 ケインズ体系における分配率決定 ~ 4 二部門モデル 生産物の相対価格の役割 第3章 不完全雇用均衡の成立と価格メカニズム 1 硬直的貨幣賃金率のケース 2 伸縮的貨幣賃金率のケース 「準均衡」の存在と安定性 第4章 ケインズ理論とコスト・インフレーション 失業とインフレーション 1 問題の所在 2 第二次大戦後の世界のインフレ体質 3 完全雇用と物価上昇のジレンマ 貨幣賃金変動の三段階 ~ 6 所得政策の理論的基礎 第5章 インフレーションに関する三つの補論 1 生産性上昇率格差インフレ説と輸入インフレ論 2 フィリプス曲線とフリードマンの議論 3 1960~71年の日本の物価動向とその背景 第6章 ハロッド、新古典派、カルドアの経済成長理論 完全雇用均衡成長の可能性をめぐって 1 ハロッドとドーマーの成長理論 ~ 3 カルドア成長理論 4 結び 第7章 フィリプス曲線を含む不均衡成長モデル 1 問題の所在 2 技術進歩のない場合 3 技術進歩の存在する場合 4 結びに代えて 第 II 部 産業連関と外国貿易 第8章 国民所得循環の産業連関分析 1 問題の所在 2 前提 ~ 4 家計部門の内生化と乗数的波及過程 5 結び 第9章 産業連関分析による外国貿易乗数論の展開 1 問題の所在 2 貿易乗数論における原材料輸入の取り扱い方の欠陥 3 前提とモデ ~ 5 国民所得に関する産業統合条件の経済的意味 6 競争輸入の存在する場合 第10章 国民所得分析と産業統合の条件 1 問題の所在 2 ケインズの立場 ~ 4 産業連関分析における統合条件との関係 5 結び 第11章 産業連関分析における輸入の取り扱い 1 問題の所在 2 輸入の取り扱いに関する私見の要約 3 わが国の連関表における輸入の取り扱い方法の変遷とその意義 残された課題 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 多粒子系の量子論
    5.0
    1巻5,720円 (税込)
    ※この電子書籍は固定レイアウト型で配信されております。固定レイアウト型は文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 本書では、多粒子系のさまざまな現代的な応用や計算法を広く述べることよりも、粒子対称性、多体波動関数、第2量子化の方法といった多粒子系の量子力学の基本的な考え方を詳しく説明すること、それから、ハートリー‐フォック近似、乱雑位相近似、摂動法、といった基本的な計算法の考え方について説明することに重点をおいた。各部分においては、実際的な例を、できるだけさまざまな領域──クォーク模型、核物質、電子ガス模型、ボース‐アインシュタイン凝縮など──からとった。これらの例は、各分野の研究内容とその発展を紹介するということよりも、多粒子系の量子力学の考え方の例として議論した。
  • 世界経済危機下の経済政策
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    1巻5,544円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「世界金融・債務危機の最大の教訓は何かと問われれば、それは、これまで個別に扱われる傾向があった金融政策、金融市場の規制・監督、財政政策、構造改革を相互に密接に関連した一体不可分のものとして捉える必要があるということであろう。とりわけ政策分野間の相互連関に注意が必要な分野は三つある。第一は、金融政策と金融規制・監督の連携である。第二は、金融・財政政策と構造改革の相互連関である。第三は、国内と海外の政策の連関である。」……「はじめに」より  2007年以降の世界金融危機とそれに続くユーロ圏の政府債務危機は、これまでの経済政策運営のあり方に大きな疑問を投げかけるものであった。欧米の経済学者たちや、OECD、IMFなどの国際機関のエコノミストたちは、今後、このような危機を起こさないためには、どのような政策をとるべきかについて、さかんに議論を繰り広げてきた。  本書は、グローバル金融・財政危機以降、欧米の経済学者たちがどのような議論を行ってきたかを展望し、理論的な整理を行う。一つの政策分野に偏ることなく、金融監督政策(第1章)、マクロ経済政策(第2章)、財政政策(第3章)、構造改革(第4章)について、包括的に論じる。  経済政策について論じる際に読んでおくべき専門文献が、あますところなく取り上げられ、内容が詳しく紹介されている。専門家にとっては、文献ガイドとして非常に有益な一冊である。 【主な内容】 はじめに 第1章 資産価格及び信用変動、及び国際資本移動への対応 第2章 危機時のマクロ経済政策の対応 第3章 財政の持続可能性 第4章 構造改革の役割と課題 参考文献 おわりに
  • 協働型都市開発 国際比較による新たな潮流と展望
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    著者らは、ドイツの都市計画契約や、日本の都市再生特別地区の運用等の仕組みについて、20年以上前から調査研究を継続してきました。その後、米国、英国についても調査を追加し、最終的に4か国の国際比較研究として議論を重ねてきた成果をとりまとめました。 本書は、現代の都市開発が多様な主体間の協働によって進められている点に注目して、都市開発の現代的課題や特色を、日本、米国、ドイツ、英国の国際比較の中で考えることを大きな目的としています。
  • エゴイストの共存(現代自由学芸叢書) 人間・倫理・政治
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 あらゆる人間は、エゴイストである。では、エゴイストたちは如何にして社会的共同生活を成り立たしめることが出来るのか? 本書は、人間の本性という根源的レベルから出発し、功利性原理の立場から人間・倫理・政治の統一理論を構築しようとする、現代自由学芸の騎士による挑戦の書である。人間存在そのものの自己矛盾から生ずる、社会規範の最大の難問――「エゴイストは、そのエゴイズムのためにエゴイズムを抑制しなければならない」に挑み、明快な議論と大胆な推理によって幸福主義の新しい政治哲学を展開する。 【目次より】 まえがき 目次 第一章 心理的幸福主義の妥当性 序言 第一節 幸福の概念 (一) 思想史的省察 (二) 言語的事実 (三) 導出 第二節 心理的幸福主義 (一) 必然的帰結 (二) 弁証 (三) 心理的幸福主義者 第二章 政治の本質と人間 序言 第一節 政治の全体像 第二節 ホンネとタテマ工 第三節 政治と倫理 結語 第三章 超倫理的政治論の倫理性 序言 第一節 「全体の幸福」の二類型 (一) ラスコーリニコフの思想 (二) 善の分化 第二節 政治的アモラリズムの正当根拠 (一) 「日常倫理」と「非常倫理」 (二) マキアヴェリ (三) ホッブズ (四) 政治的アモラリズムの倫理性 第三節 「非常倫理」の問題性 第四章 集団的行為の倫理的パラドクス 序言 第一節 単に集団なるが故の倫理性 第二節 「倫理的パラドクス」の発生 第三節 二つの形態 第四節 「自我の拡大」との結合 第五節 人類にとっての意味 第五章 平和の政治倫理学 序言 第一節 従来の平和論の根本的欠陥 (一) 価値論の欠如 (二) 権力論の欠如 第二節 平和の理論的基礎 (一) 平和論の前提と課題 (二) 反戦行動の倫理的正当性 (三) 反戦行動の実践的可能性 第三節 平和の究極的制度 第四節 若干の参考意見 結語 註 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 平尾 透 1948年生まれ。元奈良産業大学教授。京都大学法学部卒業。同大学院法学研究科に学ぶ。専門は、倫理学。 著書に、『統合史観 自由の歴史哲学』『エゴイストの共存』『功利性原理』などがある。
  • 病院マネジメントの教科書 病院経営28のソリューション
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    1巻5,500円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 新型コロナウイルス感染症により病院、特に急性期病院の経営が厳しさを増しています。新型コロナウイルス患者を受け入れた病院の多くは急性期病院で、その対応のためにコロナ専用病棟が各地でつくられ、そこにスタッフが配置されています。そもそもコロナ前から急性期病院は赤字基調にあったのに対して、療養病棟や回復期リハビリテーション病棟などは医業利益でプラスという状況に、コロナウイルスが襲来したわけです。国も第二次補正予算で病床確保料など様々な補助金対応をしてくれているわけですが、病院によって受け取る金額の多寡は異なりますし、それで十分というわけにもいかないようです。 そんな中でも「ちば医経塾」はオンラインと会場のハイブリッド方式で開催し、あるべき病院経営を求めて全国から受講生が集まり、皆で意見交換をしながら学んでいます。 企業経営についてはビジネス・スクールなど学ぶ場が多数存在し、組織のマネジメントという意味では共通する点も多くあります。ただ、ちば医経塾では、医療の特殊性を踏まえた構成にしており、病院経営を中心としながらも、医療倫理、医療安全、健康経営など広い範囲を体系的に学び、経営者として視野を拡げる機会を提供しています。また、大学病院だけでなく、公的、民間中小病院などでも役に立つ実践的な内容です。座学の学びに加え、演習を通じて自ら手を動かしデータ分析スキルを身に着け戦略の立案や各種提案ができる人材を育成しています。さらに受講生や講師とのネットワークを拡げ、同窓会など交流の場も提供していきます。 受講生は20 代前半から60 代後半まで熱意と多様なバックグラウンドを持つ同志が集う場です。北は北海道から南は沖縄まで全国から受講生が集まり、異なる医療環境を理解しながら、学びを深めています。職種も多岐にわたり、現役病院長、副病院長等の管理者や若手の医師や経営を担う事務職員、看護管理者、コメディカルスタッフなど医療機関に勤務する多職種がそれぞれの視点から議論を行います。さらに弁護士や市議会議員、製薬会社等の企業に勤務する方も医療をより深く学ぶために参加しています。 本書は第一線で活躍される講師陣のエッセンスの一部を共有し、明日の病院経営に役立ててもらうために講義録をまとめたものです。この学びを活かし、病院経営の司令塔が一人でも多く育ち、持続可能な医療が各地域で展開されることを願っています。
  • 金融政策の全論点―日銀審議委員5年間の記録
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    1巻5,500円 (税込)
    異例の金融緩和政策の正常化は今、金融市場の最大の注目点だ。 日本銀行の国債買い入れペースの決定権は2016年9月、政策委員会から日銀の現場へと移っており、 事実上、金融政策の正常化を進める環境は準備されてきた。 今後、正常化策はどのように講じられていくのか。 一方、2%の物価安定目標はどのように「柔軟化」されていくのか。 著者は2012年7月~17年7月の5年間、日銀審議委員を務めた。 その間、金融緩和の拡大策に対して「副作用が大きい」として反対票を投じ続けた。 日銀は何を議論し、どのように決定してきたのか。 圧倒的なリアリティをもって、日銀や世界の金融当局の議論を振り返る。 本書は3部で構成され、非伝統的金融政策の本質を追究するとともに、1998年に施行された日本銀行法が持つ意味を改めて考察、 また急拡大中のフィンテックへの中央銀行の対応を論じている。 【主要目次】 第I部 非伝統的金融政策の評価 第1章 限界に直面した非伝統的金融政策 第2章 最近の非伝統的手段の検証 第3章 非伝統的金融政策の系譜 第4章 金融政策の新潮流 第II部 日本銀行の役割  第5章 日本銀行法改正20年の軌跡と評価 第6章 日本銀行の中核的政策の現状 第7章 日本銀行のフロンティア 第III部 フィンテックをどうとらえるか 第8章 AIの金融市場、中央銀行業務への浸透 第9章 デジタル通貨の可能性
  • 次世代ポリオレフィン総合研究 (Vol.8)
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    ポリエチレンの発見、合成に始まったポリオレフィン産業は数百兆円の産業規模に発展した。 日本が世界との競争に打ち勝つために技術の改良、発展、統合した研究開発が必要であり、各分野の研究者、技術者が集結して議論する場が必要となる。2006年に創設された研究会の講演報告と論文をまとめて発刊した。

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  • 次世代ポリオレフィン総合研究 (Vol.9)
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    ポリエチレンの発見、合成に始まったポリオレフィン産業は数百兆円の産業規模に発展した。 日本が世界との競争に打ち勝つために技術の改良、発展、統合した研究開発が必要であり、各分野の研究者、技術者が集結して議論する場が必要となる。2006年に創設された研究会の講演報告と論文をまとめて発刊した。

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  • テオフラストスの形而上学
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 テオフラストスの未検討テキスト『形而上学』を、序論・本文訳・詳細な註解を施して、初期アカデメイアの哲学的議論を解明する。 【目次より】 まえがき 目次 序論 1 テオフラストスの生涯 2 『形而上学』の構成 3 アポリアとしての哲学 4 著作時期について 5 テクストの歴史(伝承・写本・刊本) 本文訳 註解 文献 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 丸野 稔 1943年生まれ。早稲田大学大学院修了。専攻は古代ギリシア哲学・宗教。国立アテネ大学大学院に留学、古代宗教史を研究。早稲田大学文学学術院教授。著書に、『大隈重信『東西文明之調和』を読む』(共著)など、訳書に、『ギリシア宗教史』(共訳)などがある。
  • 犠牲の森で 大江健三郎の死生観
    4.5
    1巻5,280円 (税込)
    【第12回東京大学南原繁記念出版賞受賞作】 「死生観」という切り口から、作家の全体像に迫る 大江健三郎という作家の全体を、「犠牲」のテーマから一貫して解釈しえた画期的研究。イメージ分析を主軸として、様々な領域のテクストからの影響、同時代的な社会状況、故郷の歴史・空間性などを踏まえて、大江作品における死生観を詳細に描き出す。 【阿部公彦(東京大学教授)東京大学南原繁記念出版賞授賞時講評より】 「おもしろいのは、菊間さんのアプローチが大江作品に内在する具体性と抽象性の独特な拮抗を半ば模倣するようにして展開することである。[…]言葉やイメージに徹底的に接近し寄り添うことで、犠牲となった獣の血なまぐささに追い立てられた人物たちの空間感覚を論考中にいわば写し取るのである。そうやって土台のところで論の具体性を確保した上で、より大きな総論へと進む。そこではちょうど大江の人物たちが「総体」との一体化を目指すのと同じように、大江健三郎という作家の全体を視野におさめた議論が展開する。」 【主要目次】 序論 「死生観」から大江を読む 第I部 「壊す人」の多面性――『同時代ゲーム』 第一章 『同時代ゲーム』の背景 第二章 「犬ほどの大きさのもの」 第三章 「暗い巨人」への帰依 第四章 「森」という神秘のトポス 第II部 犠牲獣の亡霊 第一章 皮を剥がれた獣たち 第二章 「御霊」を生むまなざし 第三章 隠された「生首」 第四章 「後期の仕事(レイト・ワーク)」における亡霊との対話 第III部 「総体」をめぐる想像力 第一章 自己犠牲と救済 第二章 救済を担う大樹 第三章 聖なる窪地と亡霊たち 補論 テン窪を探して 第四章 「神」なき「祈り」の場 結論 「犠牲の森」の変容
  • クオンツトレーディング入門
    完結
    4.0
    クオンツトレーディング戦略はまたの名を「ブラックボックス」ともいい、説明が難しく、理解しづらいというのが世間一般の見方だ。確かにこのアプローチにはある程度の複雑さはある。しかし、正しいガイダンスに従えば、障害を乗り越え、この分野で秀でることも不可能ではない。  プロのファンドマネジャーであるリシ・ナランが本書を書いたのはまさにそのためだ。難しい数式などは一切使わず、実例や役立つエピソードをふんだんに織り込んだ本書は、普通の人にも理解しやすい。読み終えるころには、ブラックボックスの中身が細部まで理解できていることだろう。「クオンツ」が何をしているのかを明確にすることで、クオンツトレーディングを取り囲む謎のベールをはがし、クオンツトレーディングに興味を持つ人々のクオンツとクオンツ戦略に対する理解を深めた本書の意義は大きい。  本書は3部からなる。まず第1部ではクオンツトレーディングとは何かを説明することで全体像をつかんでもらう。そして第2部では、ブラックボックスの中身を詳しく説明することで、ブラックボックスと呼ばれているものは実は理解しやすいクリアボックスであることを示す。そして第3部を読み終えるころには、クオンツ戦略がなぜそれほど重要なのか、それをあなたのポートフォリオに組み込むにはどうすればよいのかが分かってくるはずだ。  機関投資家か富裕な個人投資家かとは関係なく、本書から学んだ教訓は移り変わりの激しい今日の市場で自分のエッジ(優位性)を見つけるのに役立つはずだ。本書では、次に示すような、知りたいと思いながらもなかなか解を得られない難しい質問にも答えている。 ●クオンツはどのようにしてアルファを獲得するのか ●理論駆動型システムとデータマイニング戦略の違い ●クオンツはリスクをどのようにモデル化するのか ●クオンツトレーディングから投資全般について何を学ぶことができるのか  この数年における厳しい市場環境と、ヘッジファンドやクオンツファンドを取り巻く否定的な見方を考えると、クオンツトレーディングの実態を理解することが今ほど必要とされているときはない。本書で提供した枠組みは、クオンツ戦略への理解を高め、成功するクオンツ戦略を見分け、自分のポートフォリオにクオンツ戦略をどのように組み込むべきかを理解する一助となり、投資プロセスのパフォーマンスを向上させるための良き水先案内人となるだろう。 リシ・K・ナラン(RishiKNarang) 短期クオンツアルファ戦略を専門とする代替投資運用会社であるテレシス・キャピタルLLCの創設者兼社長。サンタ・バーバラ・アルファ・ストラテジーズ社では役員および共同ポートフォリオマネジャーを務め、1999年から2002年まではクオンツヘッジファンド、トレードワークス社の共同創設者兼社長を務めた。カリフォルニア大学バークレー校・経済学部卒。ギター、エッセーや詩、鉛筆デッサン、人との議論、テニス、ハイキングと多趣味でもある。現在、妻のキャロリン・ウォンとロサンゼルスに在住。
  • こころの出会い 精神分析家としての専門的技能を習得する
    -
    本書は,まず第一に関係精神分析の包括的な入門書であり,さらに現代精神分析思想の諸潮流(対象関係論,対人関係論,自我心理学,自己心理学,間主観的アプローチ,等)を概観し精神分析をめぐる最新の議論を展開した優れた理論書である。また読者は本書を読むことによって,“相互性”という観点から,投影同一化,転移・逆転移,エナクトメント,共感と解釈,関係論モデル,間主観性,といった重要な諸概念の意味と臨床における技法を理解することができるであろう。 現代精神分析の古典とも言うべき名高い本書“A Meeting of Minds”の翻訳刊行によって,ルイス・アロン(Lewis Aron)の傑出した学究的成果を読者に提供するものである。冒頭にガリト・アトラス(Galit Atlas)による“関係理論概説”ともいうべき詳細な序文を付す。

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  • 近代日本の文学と宗教
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日本の近代文学において、宗教の影響を探る。特に、明治維新以降解禁されたキリスト教は、文学にどのような影響を与えたのか? また、仏教や神道と文学の関係にも迫る。 【目次】 第一部 石川啄木と現代 一 ロマンティシズムからニヒリズムへ 二 社会主義的ヒューマニズムの側面 三 超人思想とその挫折 四 神と議論した夢 五 啄木の残した問題 夏目漱石における近代化と伝統 一 外発的近代化の苦悩 二 自己本位の立場 三 創作活動のモチーフ 四 近代的自我の崩壊過程(一) 五 近代的自我の崩壊過程(二) 六 伝統的思想への志向 太宰治におけるデカダンスとモラル 一 モラルとデカダンス 二 太宰治のデカダンスの生成過程 三 虚無と信仰 四 道化の理論 堀辰雄の世界 一 心の白絹 二 死の味わいのする生 三 孤独な者の灯す明り 四 堀辰雄と芥川龍之介 志賀直哉と椎名麟三 一 対蹠的な問題意識 二 肯定的人生態度の共通性 a 椎名麟三の思想形成 b 志賀直哉の思想形成 三 東洋的立場とキリスト教的立場 椎名麟三の『美しい女』について 一 椎名麟三の基礎体験 二 『美しい女』の主人公の性格 三人のキリスト者の肖像 一 植村正久 正統的キリスト教の育成 二 内村鑑三 福音の主体的把握と現実との対決 三 賀川豊彦 捨身の実践 第二部 日本の近代化と伝統 一 近代化と伝統の並存 二 近代化のふくむ伝統否定 a 功利主義による伝統の破壊 b 自然主義による伝統の破壊 c マルクス主義による伝統の破壊 d プラグマティズムによる伝統の破壊 三 近代化のなかの伝統への復帰 四 知識階級の民衆よりの遊離 大正の知識人の形成 一 一般的動向 二 白樺派の人道主義 三 新カント派哲学、文化主義、人格主義 四 教養思想 五 宗教の動向 現代日本人の精神構造 一 天下泰平とモラル 二 近代日本の宗教的空白と天皇制 三 天皇制とコンミュニズムの権威喪失と私生活中心の到来 四 死の衝動と伝統への還帰 日本精神史におけるキリスト教の位置 一 太宰治の「反キリスト的なものへの戦ひ」 二 近代精神の媒介者としてのキリスト教 三 キリスト教蔑視とその原因 四 近代精神の克服者としてのキリスト教 あとがき ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 明治革命・性・文明 政治思想史の冒険
    4.7
    1巻4,950円 (税込)
    「革命」とセクシュアリティの政治思想史へ 奇跡のように安定していた徳川体制――なぜ僅か4隻の米国船渡来をきっかけに、それが崩壊し、政治・社会・文化の大激動が起こったのか。当時を生きた人々の政治や人生にかかわる考えや思い、さらにジェンダーとセクシュアリティの変動を探る。驚きに満ちた知的冒険の書。東京大学出版会創立70周年記念出版。 【本書「はしがき」より】 本書は、広い意味での政治に関する、「日本」における思想の歴史を論ずる。時期は、徳川の世から、(従来、多くの人によって「明治維新」と呼ばれてきた)大革命を経て、おおむね「明治」の年号が終わる頃までである。主題は、その間の、特に重要で、しかも現代にも示唆的だ、と筆者の考えたものである。但し、その議論の方法と主題の選定は、(筆者の主観では)往々、かなり冒険的である。 方法として特に努めたのは、日本を日本だけを見て論じない、ということである。「日本史」を、西洋や東アジアの異なる歴史をたどっている人々の側からも眺め、双方を比較し、双方に対話させようとしたのである。無論、それは、西洋や中国を基準として日本の「特殊性」をあげつらうということではない。それぞれの個性と、それにもかかわらず実在する共通性の両面を見ようというのである。日本史も、東アジア史の中で眺めるべきだとよく言われる。当然である。しかし、常にそこにとどまっている必要はない。日本史も人類史の一部である。 【主要目次】 はしがき I 「明治維新」とはいかなる革命か 第一章 「明治維新」論と福沢諭吉 第一節 「明治維新」とは? 第二節 「尊王攘夷」 第三節 ナショナリズム 第四節 割り込み 第五節 「自由」 第二章 アレクシ・ド・トクヴィルと3つの革命――フランス(1789年~)・日本(1867年~)・中国(1911年~) はじめに 第一節 「一人の王に服従するデモクラティックな人民」 《 Un peuple démocratique soumis à un roi 》 第二節 中国――デモクラティックな社会 第三節 デモクラティックな社会の特徴 第四節 中国の革命(1911年~) 第五節 日本の革命(1867年~) おわりに II 外交と道理 第三章 思想問題としての「開国」――日本の場合 はじめに 第一節 「文明人」の悩み 第二節 「日本人」の悩み 第四章 「華夷」と「武威」――「朝鮮国」と「日本国」の相互認識 はじめに 第一節 通信使の目的と「誠信」 第二節 「蛮夷」と軽蔑――朝鮮側の認識 第三節 「慕華」と「属国」――日本側の認識 第四節 破綻の要因 おわりに III 「性」と権力 第五章 「夫婦有別」と「夫婦相和シ」 第一節 「中能」(なかよく) 第二節 「入込」(いれこみ・いれごみ・いりこみ・いりごみ) 第三節 「不熟」(ふじゅく) 第四節 「相談」(さうだん) 第五節 「護国」(ごこく) おわりに 第六章 どんな「男」になるべきか――江戸と明治の「男性」理想像 はじめに 第一節 徳川体制 第二節 維新革命へ 第三節 明治の社会と国家 第七章 どんな「女」になれっていうの――江戸と明治の「女性」理想像 はじめに 第一節 徳川体制と「女」 第二節 「文明開化」と「女」 おわりに IV 儒教と「文明」 第八章 「教」と陰謀――「国体」の一起源 第一節 「機軸」 第二節 「道」 第三節 「だましの手」 第四節 「文明」と「仮面」 第五節 「国民道徳」 第九章 競争と「文明」――日本の場合 第一節 「競争原理」 第二節 徳川の世 第三節 明治の代 第十章 儒教と福沢諭吉 はじめに 第一節 福沢諭吉の儒教批判 第二節 天性・天理・天道 V 対話の試み 第十一章 「聖人」は幸福か――善と幸福の関係について 第一節 問題設定への疑問 第二節 回答の必要 第三節 応報の類型 第四節 隠遁と方便 第五節 「独立自尊」 おわりに 第十二章 対話 徂徠とルソー
  • 日本経済の長期停滞 実証分析が明らかにするメカニズム
    -
    ○バブル崩壊後の日本経済について精力的に研究を積み重ねてきた実証分析で定評のある著者が、アベノミクスの下でも低空飛行を続け、コロナショックにより一層深刻度を増す日本経済の長期停滞のメカニズムを徹底分析します。需給両面の分析を通じて停滞の根本要因が消費低迷にあることを明らかにし、成長軌道を取り戻すためには消費を抑え込んでいる将来不安の解消、信頼できる社会保障制度の構築、非正規雇用抑制・正規雇用拡大への政策が重要であることを説きます。 ○これまでも日本経済の長期停滞についてはさまざまに議論されてきましたが、分析の多くが供給再度=企業行動の解明にとどまり、需要サイド=家計消費に関する本格的な分析は少ないまま。本書は両サイドの分析を行い、なぜ、アベノミクスが期待されるような効果を発揮しなかったのか、どこに政策面での課題があるのかを明らかにします。
  • 誤解だらけのアセットアロケーション―実務家のためのガイド
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 資産運用(アセットアロケーション)の理論の世界には、誰からも疑われることのなかった考え方、疑ってはいけないとされてきた考え方があります。 〇アセットアロケーションを決めれば、資産運用のリターンはほぼ決まる 〇長期で投資するほど、リスクを小さくできる 〇複雑な工夫をせず、単純に様々な資産クラスを等ウェイトで保有するほうがリターンは高い ……実は、これらは、頑なな誤解です。 こうしたアセットアロケーションをめぐる様々な誤解に対して、本書では、理論と実務の橋渡しの実現をはかります。 原著者による「序文」では、本書の目的は以下であるとしています。 「1952年にハリー・マーコヴィッツが”ポートフォリオ選択”の理論を発表して以後、この実践への適用は、長足の進歩を遂げてきた。しかし同時に、アセットアロケーションに関するある種の頑なな誤解も生まれた。 本書の2つのゴールは、アセットアロケーションの実務において誰しもが直面する課題と疑問に対処する方法を示すこと、そしてアセットアロケーションに関する様々な誤解を払拭することである。」 アセットアロケーションの理論を切り開いたハリー・マーコビッツ(1990年ノーベル経済学賞)は「本書の紹介」にて次のように推薦をしています。 「アセットアロケーション(資産配分)の世界において、実務上は重要だが議論のあるトピックについて、習熟した学者達が自身の明確な見解を表しながら、数学に明るくない実務家を意識して書かれた優れた書籍はほとんど存在しない。本書は、その空白を埋めるものである。」 世界有数の金融グループであるステート・ストリートに所属する著者たちが、アセットアロケーションをめぐるファイナンス理論に関する誤解に対して、基礎理論を正しく理解し(第Ⅰ部)、誤解を解きほぐし(第Ⅱ部)、最新のイノベーションを解説することを通して(第Ⅲ部)、理論と実務の世界の橋渡しを実現した実務家のためのガイドブックです。
  • Adaptive Markets 適応的市場仮説―危機の時代の金融常識
    4.2
    「効率的市場仮説」に代わる新理論 心理学・神経科学・進化論・人工知能など最先端科学の成果を取り入れたバイブル、ついに刊行! 提唱者による決定版 「金融市場は経済法則では動かない。 金融市場は人間の進化の産物であり、むしろ生物学の法則で動く」 「フィナンシャルタイムズ」ベスト経済書 【本書への賛辞】 「ロー氏は説得力ある議論を展開し、同時に、この本を使って面白いアイディアをいくつも披露している。巨大で分散投資の利いたファンドを作り、ガンのさまざまな治療法の開発に投資する、なんかがそうだ」 ―エコノミスト誌 「アンドリュー・ローの『適応的市場仮説』は合理性に基づく正統派のアプローチと、心理学や神経科学、進化論、それにコンピュータ・シミュレーションや人工知能などの手法に基づく新しいアプローチを、見事に統合している」 ―ダイアン・コイル[ケンブリッジ大学教授] 「私たちが創り出した金融市場も、同じように進化の原理を映している。つまり、競争、革新、再現、適応だ。この重要な著作で、MITのローは、この洞察から得られる過激な意味合いをあからさまにしている」 ―マーティン・ウルフ[『フィナンシャル・タイムズ』紙] 「これは素晴らしい文献だ。アンドリュー・ローは、自分が経済学における効率性を再検討し、効率的市場仮説から自分が創った適応劇市場仮説へと、心理学や神経科学、生物学、そして金融技術革新や金融危機の研究を通じてたどり着く旅路を辿って見せている。この本は価値ある発見を多数示しており、同時に、感情――熱意、悦び、憤懣、痛み――であふれている。そのこと自体が、重要な発見を高らかに宣言していると言える。合理的思考と感情は切り離せないものなのだ」 ―清滝信宏[プリンストン大学教授]
  • 日本の財政と社会保障―給付と負担の将来ビジョン
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    1巻4,950円 (税込)
    【本書のポイント】 「中福祉・低負担」から「中福祉・中負担」への財政・社会保障改革は実現可能なのか? 日本の財政のマクロ・データに加えて、「国民生活意識調査」(厚生労働省、統計法第33条にもとづく申請による)の個票データ、著者独自の「税・社会保障についての意識調査」などのマイクロ・データを取り入れて分析が行われていることにある。 すなわち、日本における財政政策の影響や社会保障の持続可能性について、マクロからミクロを包含して、財政・社会保障政策から納税者・受給者の意識に至るまで踏み込んで分析し、具体的に実現可能な道筋を問うたことに本書の最大の成果がある。 日本の財政は、長引く低成長とデフレの後遺症とも言うべき政府債務残高の塊と格闘している。 なぜ日本の財政は最悪の状態になったのだろうか。経済成長によって財政は健全化するのだろうか。給付の重点化や税・社会保険料の引き上げの議論では納税者の視点はどう扱われるべきなのだろうか。少子高齢化、家族及び労働市場の変容を踏まえた社会保障の将来像とは何だろうか。こうした問に答えるべく、日本財政の診断と処方箋を提示することが本書の目的である。 本書では分析に際して、日本の財政に関するマクロ・データだけでなく、「国民生活基礎調査」(厚生労働省)の個票データ、および著者独自の「税・社会保障についての意識調査」などのマイクロ・データまで取り入れた。これによって、納税者の深層心理や税・社会保険料負担の実態が判明した。 この分析に基づき本書では、財政と社会保障の課題に対して、具体的に実現可能な改革のための将来ビジョンと道筋・時間軸の提言を行っている。
  • 自由の論法(自由学芸叢書) ポパー・ミーゼス・ハイエク
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 科学的自由主義者たち(ポパー、ミーゼス、ハイエク)は、社会主義批判を核として、強力な論理構造を配備した。新しい時代の社会科学は、彼らの議論を批判的に乗り超えていかねばならない。本書は、20世紀における社会科学方法論を、思想闘争に対する問題解決という観点から問い直し、新たな自由の論じ方を豊かに提示する現代自由学芸の騎士による挑戦の書である。方法論が思想の機能を担う「方法の思想負荷およびその「脱思想化過程」という分析手法を用いて、資本主義と社会主義のシステム選択という経済思想の大論争に、斬新なメスを入れる。 【目次より】 まえがき 序章 科学の時代 一 問題精神としての科学 二 科学的自由主義の成立 三 体制問題をめぐる知性史をどう捉えるか 四 社会科学の転換点 五 以下の議論の構成について 第一部 方法の思想負荷性 第一章 方法論の理論 一 問題としての方法 二 方法論とは何か 三 方法論の機能分析 a 第一類型 正当化 b 第二類型 発見法 c 第三類型 領域設定 d 第四類型 自己了解 e 第五類型 限界論 f 第六類型 価値操作 四 方法の思想負荷性 第二章 思想負荷性の解釈 一 ポパー 二 ミーゼス 三 ハイエク 第三章 社会主義経済計算論争における方法の思想負荷性 一 論争の標準的解釈とD・ラボアの再解釈 二 論争の代替的整理 三 方法論との関係 第四章 反《歴史主義》方法論の内在的批判 一 ポパー批判 二 ミーゼス批判 三 ハイエク批判 第五章 方法から思想へ 第二部 負荷される思想の分析 第六章 個人主義の位相 一 方法論 二 社会論 三 思想 第七章 合理主義と功利主義 一 批判的合理主義 二 実践的合理主義と功利主義 三 反合理主義 第八章 政治経済の政策認識 一 部分社会工学 二 社会工学批判 三 介入主義 第九章 自由主義 一 自由の意味 二 ハイエクの自由論 三 自由の成長論 注 あとがき 残された課題 参考文献 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 橋本 努 1967年生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。東京大学大学院総合文化研究科課程単位取得退学。博士(学術)。北海道大学大学院経済学研究科教授。シノドス国際社会動向研究所所長。専攻は社会経済学、社会哲学。 主な著書に、『解読 ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』』『経済倫理=あなたは、なに主義?』『自由の論法 ポパー・ミーゼス・ハイエク』『帝国の条件 自由を育む秩序の原理』『自由に生きるとはどういうことか 戦後日本社会論』『学問の技法』など多数ある。
  • 市場の経済思想(現代経済学選書)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 市場活動をルールの下での競争というゲームとして統一的に考察。古代以来の反市場思想を歴史的・批判的に分析した問題作。各務賞受賞。 【目次より】 まえがき 1 経済と市場 1 稀少性の出現 2 余分なものとしての経済 3 稀少性への挑戦 4 稀少性に対処するための社会システム 5 競争 6 市場 7 市場をめぐる経済思想 2 交換・貨幣・市場ゲーム 1 交換 2 交易と市場の起源 3 交換ゲーム 4 交換に先立つもの 5 交換の正義 6 貨幣 機能主義的アプローチ 7 貨幣 経済人類学的アプローチ 8 貨幣 情報システム論的アプローチ  9 貨幣と市場ゲーム 3 反市場思想および経済的自由主義のプロトタイプ 1 アリストテレスの正義論 2 利得は不正であるという説 3 マネー・ゲームは不自然であるという説 4 利子の否定 5 司馬遷の経済的自由主義 6 国家独占をめぐる問題 4 市場ゲームと正義 1 トマス・アクイナスの正義論 2 「交換の正義」再論  3 「公正価格」 4 中世の商業 5 商業利潤の根拠 6 利子をめぐる議論 7 「分配の正義」 8 ゲームの 「公正」 と初期条件の問題 5 「搾取」と「剰余」 1 市場ゲーム と利得 2 マルクス的「搾取」の概念 3 「剰余」の概念 4 「剰余」としての人間 5 交換システムにおける「剰余」 6 マネー・ゲームと「利潤」 6 「見えざる手」 の世界と 「ユートピア」 1 『蜂の寓話』 のパラドックス 2 自生的な社会的秩序  3 「見えざる手」 4 自然的秩序形成のメカニズムと「共感」 5 「見えざる手」の失敗 6 「市場の失敗」 7 反市場社会としての「ユートピア」 7 市場と国家 1 国家とその経済的役割  2 プラトンの「国家」 3 市場ゲームの抑制者としての国家 4「富国強兵ゲーム」 のプレーヤーとしての国家 5 経済的自由主義と国家 6 再分配ゲームの仲介者としての国家 7  国家による市場の制御 8 資本主義というゲーム 1 「マネー・ゲーム」としての「資本主義」 2 「資本主義」は不公正なゲームか 3 「搾取」についての再論  4 「反資本主義」のモデル 5 「社会主義」という名の「国家独占資本主義」 6 資本主義の否定がもたらす「国家の失敗」 7 非資本主義的市場経済としての「市場社会主義」の可能性 8 資本主義の「精神」 9 経済思想のドラマ 1 古代・中世の反市場の思想 2 「重商主義革命」と「アダム・スミス革命」 3 正統・異端・無神論 4 「ケインズ革命」以後 5 主要なパラダイムの比較 6 市場の擁護と資本主義の擁護 参考文献 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 竹内 靖雄 1935~ 2011年。経済学者。成蹊大学名誉教授。東京大学経済学部卒業、同大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。専門は、経済思想史、経済倫理学。 著書に、『マルクスの経済学』『経済学の認識』『経済学とイデオロギー』『競争はなぜ必要か』『日本型市場社会の知恵』『父性なき国家・日本の活路』『経済倫理学のすすめ』『市場の経済思想』(東京海上各務記念財団最優秀図書賞受賞)『正義と嫉妬の経済学』(山本七平賞受賞)『迷信の見えざる手』『国家と神の資本論』『イソップ寓話の経済倫理学』『世界名作の経済倫理学』『ミステリの経済倫理学』『経済思想の巨人たち』『「日本」の終わり』『諺で解く日本人の行動学』『「脱」宗教のすすめ』『チームの研究』『国家という迷信』『得する生き方 損する生き方』『衰亡の経済学』『法と正義の経済学』『あなたも「リーダー」になりなさい』『戦争とゲーム理論の戦略思考』など、 訳書に、D・ジョナス、D・クライン『幼稚化の時代1・2』G・ハーディン『サバイバル・ストラテジー』などがある。
  • 21世紀の資本
    3.9
    ≪資本収益率が産出と所得の成長率を上回るとき、資本主義は自動的に、恣意的で持続不可能な格差を生み出す≫ 経済的格差は長期的にどのように変化してきたのか? 資本の蓄積と分配は何によって決定づけられているのか? 所得の分配と経済成長は、今後どうなるのか? 決定的に重要なこれらの諸問題を、18世紀にまでさかのぼる詳細なデータと、明晰な理論によって解き明かす。格差についての議論に大変革をもたらしつつある、世界的ベストセラー。 「本年で、いや、この10年で、最も重要な経済学書になると言っても過言ではない」ポール・クルーグマン(プリンストン大学教授)、「地球規模の経済的、社会的変化を扱った画期的著作だ」エマニュエル・トッド(フランス国立人口統計学研究所)、「時宜にかなった重要書だ」ジョセフ・スティグリッツ(コロンビア大学教授)、「かれの解決策に賛成するにせよ、しないにせよ、資本主義を資本主義から救おうとする人たちにとって正真正銘の課題だ」ダニ・ロドリック(プリンストン高等研究所教授)、「この事実の確立は、政治的議論を変化させる、ノーベル賞級の貢献だ」ローレンス・サマーズ(ハーヴァード大学教授)、「かれの研究が、スマートな人たちを富と所得格差の研究に惹きつけることを望む」ビル・ゲイツ、「情報の豊かさがすばらしい」ロバート・シラー(イェール大学教授)
  • デーン手術 3次元トポロジーへのとびら
    4.0
    ※この電子書籍は固定レイアウト型で配信されております。固定レイアウト型は文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 本書はデーン手術を主要なテーマとして3次元トポロジーを展開する初の本格的な教科書である。デーン手術誕生から最新の話題まで、デーン手術に関する研究テーマがほぼ網羅されており、3次元トポロジーで重要なザイフェルト多様体と双曲多様体、さらにトーラス分解をデーン手術と関連させることでより明確に理解できるよう構成されている。三角形分割問題、基本予想、平滑化問題などTOP圏、PL圏、DIFF圏における多様体の間の関係については独立した章を設け、通常あまり触れられることのない話題についても解説を試みた。 読者対象は学部上級生から研究者までを想定しており、基本的な内容から最先端の内容まで学ぶことができる。証明や細かな議論を飛ばして読めば、デーン手術を中心とした3次元トポロジーの大まかな流れをつかむこともできる。 なお、カラー図版を豊富に用いることで、より理解しやすくなるよう心掛けた。本書で3次元トポロジーの世界を楽しんでほしい。 ※本文フルカラー
  • 物語の〈皇女〉 もうひとつの王朝物語史
    -
    1巻4,620円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 王権論や天皇制論の議論のなかで見過ごされてきた皇女・女院という女性たちに注目し、改めて物語研究の側から、「天皇家」の問題などを考えていく。平安から数百年続く物語の歴史を相手に、歴史とは違う物語独自の意識を探り、王朝物語生成の意味を考える書。
  • 多様体上の最適化理論
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※この電子書籍は紙版書籍のページデザインで制作した固定レイアウトです。 多様体上の最適化理論の数理を、詳しく丁寧に解説! 本書は、多様体上の最適化理論について、基礎となる数理から応用例までを解説するものです。 多様体上の最適化理論を学ぶ、あるいは研究する読者は、 ・ユークリッド空間上の連続最適化を一通り学んでおり、その抽象化の仕方の一つとして多様体上への拡張について学ぶ ・多様体論をはじめとした幾何学に慣れ親しんでおり、そうした理論の応用の一つとして幾何学的な最適化を学ぶ ・最適化と多様体に馴染みがあり、両者の融合について学ぶ ・最適化と多様体のいずれにも馴染みがなくとも、具体的な応用問題に興味をもったことをきっかけに、多様体上の最適化理論を学ぶ などのように、背景知識が様々であることを想定し、本書の執筆に際しては丁寧な論理展開による数学的記述を行うことを心がけました。 また、位相空間や多様体およびその周辺の様々な概念については、最適化において必要なもの(ないと困るもの)を挙げながら議論を進めていくスタイルで記述しました。多様体や、多様体上の関数の微分や勾配など種々の概念を定義する際には、最適化において何が必要となるかを随所で強調し、常に多様体上の最適化を目標として読み進められるよう注意しました。 本書の通読の前提とする知識は線形代数および解析学(特に微分法)の基礎的な事柄のみにとどめるとともに、読者の利便性に資するよう、付録で本書の通読に必要な知識をまとめています。また、各種アルゴリズムの数学的背景となる定理や命題の多くについて、その証明を本文や付録(一部は演習問題)で論じています。 第I部 最適化理論からの準備 第1章 多様体上の最適化の概論 第2章 ユークリッド空間上の最適化の基礎と無制約最適化 第3章 ユークリッド空間上の制約付き最適化 第II部 多様体からの準備 第4章 位相空間 第5章 多様体 第6章 リーマン多様体 第III部 多様体上の最適化 第7章 多様体上の最適化の基礎と無制約最適化の理論 第8章 リーマン多様体上の無制約最適化手法 第9章 多様体上の無制約最適化の応用 第10章 多様体上の制約付き最適化の理論と応用 付録A 集合と写像・線形代数・微分法・群論の基礎 付録B 定理と命題の証明
  • メディア論の冒険者たち
    -
    1巻4,620円 (税込)
    メディアについての議論百出諸説紛紛。ベンヤミン、マクルーハン、ボードリヤール、エーコ、マクロビー、キットラー、マノヴィッチ、ラマール、ホイ……。彼ら/彼女らがメディアに関して紡いだ思考の核心を浮かび上がらせる。第一線で活躍するメディア研究者が執筆するメディア論を知り学ぶための最強テキスト。 【主要目次】 はじめに(伊藤 守) Ⅰ メディア論の目覚め ガブリエル・タルド:モナド論からメディア論へ(伊藤 守) ヴァルター・ベンヤミン:媒質から複製技術メディアへ(竹峰義和) テオドール・W・アドルノ:同一化と抵抗の弁証法(竹峰義和) レイモンド・ウィリアムズ:テレビのフォームとフォーメーション(山田雄三) マーシャル・マクルーハン:メディア論の発見者(門林岳史) Ⅱ メディア論の展開 ジャン・ボードリヤール:モノの記号論からメディアのシミュラークル論へ(塚原 史) ウンベルト・エーコ:偶然からのメディア論!?(西 兼志) スチュアート・ホール:イデオロギー分析としてのメディア論へ(有元 健) アンジェラ・マクロビー:フェミニスト・カルチュラル・スタディーズの広がる領野(河野真太郎) レイ・チョウ:眼差す力とメディア(本橋哲也) フェリックス・ガタリ:Machine=「機械」の思想(伊藤 守) フランコ・ベラルディ(ビフォ):アウトノミア運動と自由ラジオ(毛利嘉孝) ポール・ヴィリリオ:メディア技術の速度(今関裕太) Ⅲ デジタルのメディア論 フリードリヒ・キットラー:メディアの系譜学と技術への問い(大宮勘一郎) ベルナール・スティグレール:〈アテンション〉からのメディア哲学(西 兼志) マーク・B・N・ハンセン:テクノロジーと身体の媒介者(増田展大) レフ・マノヴィッチ:デジタル文化のメディア論(堀 潤之) アレクサンダー・ギャロウェイ:脱中心化以後のコントロールはいかに作動するのか(松谷容作) マシュー・フラー:ソフトウェア・スタディーズを組織するメディア実践者(毛利嘉孝) Ⅳ メディア論の最前線 トーマス・ラマール:アニメを通して思考するメディアの理論化(藤木秀朗) ヘンリー・ジェンキンズ:媒介(メディエイト)される文化(渡部宏樹) ロザリンド・ギル:変容し続けるメディア・ランドスケープと女性性(飯田麻結) サラ・バネット=ワイザー:メディア文化と両義性の政治(田中東子) ジョディ・ディーン:メディア論と左翼政治の交点に立つコミュニスト政治学者(水嶋一憲) エルキ・フータモ/ユッシ・パリッカ:メディア考古学はどこへ向かうか(大久保 遼) ブライアン・マッスミ:〈不安/怖れ〉とテクノロジー(伊藤 守) ユク・ホイ:宇宙技芸の多様性(原島大輔) おわりに(伊藤 守)
  • 未完のプロジェクトとコミュニケーション──アーレント,バトラー,ハーバーマス,カントを参照して──
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 モデルネという未完のプロジェクト――遂行するカギはコミュニケーション。コミュニケーションは、モデルネという未完のプロジェクト――規範の普遍主義的な基盤の実現を成し遂げることができるのか。アーレント、バトラー、ハーバーマス、カントの議論を手がかりとして、コミュニケーションの持つ可能性とプロジェクト遂行の道を探る。
  • アーバン・ベア となりのヒグマと向き合う
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    1巻4,400円 (税込)
    都市に現れたヒグマたち アイヌの人々に神と敬われ、豊かな自然の象徴とされながらも、しばしば駆除の対象ともなっているヒグマ。かれらはなぜ市街地に出没するようになったのか? 野生動物と人間の関係になにが起こっているのか? ヒグマの生態からその謎に迫る。 【主要目次】 序章 晩夏のヒグマの多様な素顔 第1章 北の森に暮らすヒグマの素顔 第2章 歴史的視点から見た人とヒグマの対立 第3章 農地への出没 第4章 市街地への出没 終章 これからのヒグマ管理 あとがき/引用文献 【序章より】 このところ、ヒグマの話題がつねに身近にある。私の身のまわりだけというのではなく、北海道全体でそうなのだ。毎年春になれば人身被害、初夏には市街地への出没や駆除の多発、晩夏には畑作物や果樹への食害、秋には果実類の凶作による餌不足と出没の関係が取り沙汰される。いったいヒグマになにが起きているのだろう。なぜ市街地に出没するのか、ほんとうに人とヒグマは共生できるのか、そのために私たちはどう対処すればよいのか。その答えはどれもそう単純ではない。地域によって、季節によって、年によって、ヒグマを取り巻く環境は変化し、人間社会も当然変化する。10年前と現在とでは人とヒグマの関係もまた違っている。 人とヒグマの関係についての答えは、絶滅か共存かの二項対立のなかにはない。人もヒグマも大切な地球の構成要素の一つとして50年後も100年後もともにこの地に暮らしていること、そのために一部の人が不安や負担を強いられない関係をめざす必要がある。いつの時代にも、どの地域にもあてはまるような一般的な解決策は存在しない。今起きていることを冷静に分析し、とりうる選択肢の最適な組み合わせはなにか、問題を抱えたそれぞれの地域がその時々に応じて考え決めていくべき問題だ。 冷静で効果的な判断のためには、ヒグマのこと、その他の野生動物や自然環境のこと、地域の人々の暮らしのこと、さらには地域以外の人々の考え方などをよく知り、地域の実情に応じていく必要がある。ヒグマについて、生息環境について、そしてそれを取り巻く地域について詳しく知れば、さまざまな場面で発生するヒグマに関わる問題を、他人事ではなく身近な関心事、自分事として共感を持ってとらえることができるようになるだろう。本書を手にとった方は少なくとも身近になったヒグマを知ろうと思ってくださったに違いない。本書が、さまざまな形で報道されるヒグマに関わる問題の背景にある、ヒグマという動物とそれを取り巻く環境、人との関わりのことを知っていただき、身近な動物として理解や共感を持っていただいたうえで、現在起きている問題の実態とその対処法について考えていただくきっかけになれば幸いである。 この本では、野生動物としてのヒグマの素顔と自然環境や人間の暮らしなどヒグマに関係する要素を取り上げ、生態学的視点から今なにが起きているのかを考察する。そして社会学的な視点も取り入れながら、今後の北海道におけるヒグマ管理について、そのあり方を議論したい。そのために、私のヒグマとの出会いから始まる約30年の足取りをたどりながら、ヒグマをめぐる旅におつきあいいただくことにしよう。
  • 異国情緒としての堀口大學 翻訳と詩歌に現れる異国性の行方
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    1巻4,400円 (税込)
    明治から昭和まで歌人・詩人・フランス文学者として活躍して、多くの翻訳をなした堀口大學。10年以上にわたる海外生活や翻訳の業績がこれまで注目され、堀口の翻訳が日本近代文学に与えた影響という側面から主に議論されてきた。 だが、堀口自身が精力的に展開した文学実践や、彼の活動が日本文壇に与えた「異国情緒/エキゾチシズム」のインパクトは注目されてこなかった。 堀口大學の文学者としての経歴を、創作詩作『月光とピエロ』や訳詩集『月下の一群』などを中心に理解する。そのうえで、原文と翻訳テクストの比較などをとおして、堀口によるポール・モラン作品の翻訳とモダニズムの関係性、「新しさ」への志向、堀口自身の詩歌・随筆の射程を明らかにする。 堀口大學が日本文壇で異国情緒というイメージをまとい、それが解体・展開していくプロセスを比較文学的な視点から追い、堀口の詩歌や随筆が日本の翻訳――文体・語句・テーマ性――に与えた影響に光を当てる。
  • 妖怪の誕生 超自然と怪奇的自然の存在論的歴史人類学
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    カッパ、カマイタチ、くねくね……私たちはなぜ、それらを妖怪と呼ぶことができるのか。私たちにとっては実在しない・超自然的である・俗信だから、だろうか。だが、ある時代や別の社会にとってみれば、妖怪はそのようなものではなかった。この食い違いは、どうすれば和らげられるだろうか。妖怪の概念をどのように書き換えていけばいいのだろうか。 妖怪を超自然的で実在しないものだとしてきた妖怪研究の存在論的前提を問い直すために、主に18世紀末から現代までの自然/超自然、宗教、近代/非近代をめぐる議論、日本の知識人の言説や思想、学知を渉猟して、それらと絡み合うなかで現代の妖怪概念が生成してきた過程を丁寧に分析する。 さらに、主要な妖怪を題材に、自然と文化、科学と俗信などの区分の構築とその限界を検証し、現代の私たちが想像してきた「非近代的存在論」に収まらない妖怪の記述の仕方を模索する。 妖怪と妖怪研究の関係性を存在論的転回の人類学の視点から批判的に検証する。そして、妖怪を超自然や非実在なものに還元せず、状況に応じて適切な概念でそのつど捉えていくことの重要性を指摘する。妖怪研究の再構築を試みる野心的な研究成果。
  • デジタルプラットフォームと労働法
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    “ウーバー配達員は「労働者」か?” ギグワーカー問題の根底に迫る ウ―バーイーツなどデジタルプラットフォーム・ビジネスの台頭は、単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」の登場など従来とは異なる社会現象を生み出し、労働法の世界にも新たな課題を投げ掛けている。この近時の大きな変化のなか、これらを近視眼的に捉え法技術的な議論を展開するだけでは、問題の本質に迫ることは難しい。そもそも労働法はどのような社会状況のなかで生成し、展開され、今日に至っているのか。プラットフォーム・ビジネスの出現と成長が、労働法の基盤や構造にどのような課題を投げ掛けているのか。そのなかで各国はどのような法制度の改革を行おうとしているのか。問題の解決に向け、本書は労働法の基底にある「労働者」概念にまで遡り、日本・ドイツ・フランス・イギリス・アメリカを対象に、歴史的・比較法的な視点からプラットフォーム・ビジネスがもたらす課題と展望を明らかにする。 【主要目次】 第1章 問題の所在と日本法の状況(水町勇一郎) 1 問題の所在 2 日本法の状況 3 本書の課題と構成 第2章 ドイツ法(橋本陽子) 1 はじめに 2 労働者概念の生成 3 具体的な労働者性の判断基準(判断要素) 4 社会保険法上の「就業」概念 5 最近の動き 6 自営業者のための特別法 7 むすび 第3章 フランス法(水町勇一郎) 1 はじめに 2 歴史――「労働契約」概念の生成と展開 3 動揺――「プラットフォーム」型就業と「労働契約」概念 4 現在の「労働契約」概念――その解釈枠組みと判断要素 5 むすび 第4章 イギリス法(石田信平) 1 はじめに 2 Employeeの概念 3 Workerの概念 4 ギグワークの労働者性とWorker概念改革案の動向 5 むすび 第5章 アメリカ法(竹内(奥野)寿) 1 はじめに 2 被用者概念及び判断基準の歴史的展開――2つの潮流 3 主要な労働・社会保障立法における被用者概念及び判断基準 4 プラットフォームエコノミーの進展と就労者保護をめぐる動向 5 むすび 第6章 各国の要約と比較法的考察(水町勇一郎) 1 分析の視点 2 要約 3 比較分析 4 むすび――日本への示唆と課題 【著者】 石田信平(いしだ・しんぺい):専修大学法科大学院教授 竹内(奥野)寿(たけうち(おくの)ひさし):早稲田大学法学学術院教授 橋本陽子(はしもと・ようこ):学習院大学法学部教授 水町勇一郎(みずまち・ゆういちろう):東京大学社会科学研究所教授
  • 反緊縮の経済学
    5.0
    1巻4,400円 (税込)
    「よくわかる」「入門」では飽き足らない読者向けに、経済論壇および経済政策の現場で活躍する硬派エコノミストが、世界経済の現状を解説し、世界の経済論戦を展望する経済評論書。  世界経済の回復は遅々として進まず、近年はコロナ禍がそれに追い打ちをかけている。多くの国は財政赤字の拡大をおそれ、「不況下の財政引き締め」が世界的に蔓延している。他方で、世界の多くの経済学者たちは、このような深刻な不況下では「超拡張的な金融政策とマイルドな財政政策のポリシー・ミックス」を主張してきた。この流れをより大きな経済学説史の視点から見ると、これまで繰り返されてきた「緊縮派と反緊縮派の終わりなき闘い」のバリエーションとみることもできる。MMTの台頭も、その文脈でとらえることが可能だ。  本書は、2000年代からコロナ禍にいたる世界経済の状況と、世界の経済論戦を展望し、なぜ停滞が長引いているのか、これから世界経済はどこへ向かうのか、この間、世界の経済学者たちは何を議論してきたのかを明らかにし、世界経済の本格回復のために必要な政策を提言する本である。
  • 陸上植物の形態と進化
    -
    1巻4,400円 (税込)
    陸上植物の代表的な群でのゲノム解析が進展し、それらの比較から、陸上植物の四群(種子植物、シダ植物、小葉植物、コケ植物)では、それぞれ発生様式とその遺伝子制御ネットワークが大きく異なっていることがわかってきた。 本書ではこれらの成果をもとに、植物進化の新しい体系の構築を試みた。現生植物のゲノム生物学、細胞生物学、発生学、形態学の知見に古生物学の知見を融合し、陸上植物全体について包括的に形態と進化を議論した、世界に類を見ない教科書と言える。
  • 発見・検証 日本の古代 全3巻 合本版
    -
    2015年に福岡・大阪・東京で3回にわたって行われたシンポジウム「徹底討論 発見・検証 日本の古代」[主催:角川文化振興財団/共催:朝日新聞社]は、白石太一郎(大阪府立近つ飛鳥博物館長)をはじめとする国内外最前線の歴史学者、考古学者が結集し、古代史の謎をめぐって白熱の議論を展開、画期的な成果をもたらしました。 そのシンポジウムの成果を余すところなく収録し、さらに新論考を加えた、新たなる古代史研究のスタンダードとなる単行本シリーズの電子版(全3巻)をスッキリと1冊にまとめたお求めやすい合本版です。 発見・検証 日本の古代 第I巻『纒向発見と邪馬台国の全貌-卑弥呼と三角縁神獣鏡』 第II巻『騎馬文化と古代のイノベーション』 第III巻『前方後円墳の出現と日本国家の起源』 編者:古代史シンポジウム「発見・検証 日本の古代」編集委員会    白石太一郎/鈴木靖民/寺澤 薫/森 公章/上野 誠 発行:角川文化振興財団/発売:KADOKAWA
  • 母性の抑圧と抵抗
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    1巻4,290円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 産み育てが自己責任化する社会の潮流のなかで、自己責任化した母性は、母親たち・女性たちにどのように作用し、抑圧としてあらわれてきたのか。それに対して、子どもを育てる母親たちはどう抗ってきたのか。 ケア・フェミニズムにおける母性や母親の捉え方の議論を丁寧に整理し、母親業の実践に政治的な価値を見出しエンパワメントとして用いる対抗のあり方を戦略的母性主義という視座から明らかにする。
  • 裁判官と弁護士で考える 保険裁判実務の重要論点
    -
    現在の保険裁判実務について、当該分野に精通する裁判官と弁護士が解説。実際の保険裁判例をベースに、系統的に整理した項目と設例を作成し、そこにあらわれる重要論点について、現在の判例法理や議論状況を客観的に明示する。

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  • 人工地獄 現代アートと観客の政治学
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    今日のアートにおいて「参加」、すなわち社会的関与を重視したプラクティスは、非常に重要な位置を占めている。日本国内でもすでに芸術祭やアートプロジェクトが百花繚乱の様相を呈しているが、国際的にも、社会的・政治的側面を重視したプロジェクト型アートの規模と影響力はもはや現代アートのメインストリームを占めているといってよいだろう。 一方で、倫理を逸脱した(とみなされる)アートは、ときに衝突と論争を巻き起こしている。こうした状況において議論される「アートの社会的関与はどの時点で達成といえるのか?」「アートにおける<参加>をいかに評価するか?」「芸術と倫理の衝突をいかに考えるか?」といった根源的な問いについて、いまだ確固たる答えは出ていない。 本書は、このようなアートと社会の関係性について考察を行なうものである。20世紀以降の芸術史から同時代のアートへと至る構成は緻密かつ類例のない大胆さをもつ。各章には著者クレア・ビショップが世界各国のプロジェクト型アートの実例に触れ、膨大な人物へのインタビューを行なってきた蓄積が存分に生かされており、彼女自身のアートに対する洞察の深化がうかがえる。 ビショップは「アートには社会から独立した役割がある」と確信するが、それはむろん「芸術が倫理を重んじなくともよい」という意味ではない。むしろ彼女は作者性と観客性、能動と受動、加害と被害、これらが本質として対立的にはとらえがたいものであることを強調し、複雑に転じていく位相をひもとくことで、より慎重かつ正確な理解を求めようとする。 「敵対」と「否定」に価値を見出しつつ、それらを多層的にとらえ直すビショップの鋭く豊かな思考は、「関係性の美学」以後のアートの構造を理解するうえで必ず踏まえるべきものといえるだろう。

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  • VEの魂
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    今日の仕事に使える。明日からの仕事が変わる。 レジェンドが説く、ものづくりの原理原則 チーム310――。本書の著者6人は、VE(バリュー・エンジニアリング)界では誰もが知る伝説のエンジニアたちだ。発起人の佐藤嘉彦氏は、いすゞ自動車に在籍して原価技術推進部長や技監などを歴任し、90年代前半には倒産しかけた同社をVEのアプローチによって見事に再建させた。本書では、佐藤氏を含めたメンバー6人が、今の日本のものづくりを、今のマネジメントの考え方を、そして今の管理技術の在り方を徹底的に議論し、あえて「間違い」という逆説的な視点から今の日本の製造業に活力を与えようと試みた。とりわけVEに関しては、経験を軽んじる現行の資格制度に一石を投じながら、経験豊富なレジェンドならではの実践的な視点が随所に光る内容となっている。 佐藤氏はスキーの指導員でもあり、「管理技術はスポーツと同じ」と語る。例えば、スキーのジャンプ競技では、選手は滑走姿勢や空中姿勢を保つ筋力、着地の衝撃に耐える脚力などの基礎体力を備えた上で、加速力を増す姿勢、踏み切りのタイミングや角度、雪質に合わせたワックスのチューニングといった技術を磨く。しかしどんなに技術を身に付けたとしても、肝心の基礎体力がなければ決してメダルには手が届かない。ものづくりにおけるVEをはじめとした管理技術は、まさに基礎体力そのもの。ものづくりのレジェンドたちの目にはその基礎体力が落ちてきているのではと映っているのだ。 チーム310の思いはただ一つ。それは、日本のものづくりが世界で再び輝きを取り戻すこと。本書には、そのためのヒントが満載されている。
  • 宇宙・動物・資本主義
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    人間とはいかなる存在か? 動物やAIは? そして社会はどこへ向かうのか? 初出6本を含む白熱の対論12本、全608頁! 哲学、倫理学、社会学、経済学、宇宙開発、ロボット工学、文芸批評、文化研究、SF、ファンタジー、コミック、アニメーション──現代日本が誇る不世出の社会哲学者・稲葉振一郎の膨大な仕事、広大な関心領域を一望のもとに収めた初の対談集。大屋雄裕、吉川浩満、岸政彦、田上孝一、飛浩隆、八代嘉美、小山田和仁、大澤博隆、柴田勝家、松崎有理、長谷敏司、三浦俊彦、河野真太郎、金子良事、梶谷懐、荒木優太、矢野利裕と第一線で活躍する作家、批評家、研究者を迎えて縦横無尽に語り尽くす。 【目次】 お先まっくらのだれも歩いたことのない未来を肯定する──まえがきにかえて 第1部 人間像・社会像の転換 01 新世紀の社会像とは?(×大屋雄裕)※本書初出 02 〈人間〉の未来/未来の〈人間〉(×吉川浩満) 03 社会学はどこまで行くのか?(×岸政彦) 第2部 動物・ロボット・AIの倫理 04 動物倫理学はいま何を考えるべきか?(×田上孝一) 05 AI「が」創る倫理──SFが幻視するもの(×飛浩隆×八代嘉美×小山田和仁) 第3部 SF的想像力の可能性 06 学問をSFする――新たな知の可能性?(×大澤博隆×柴田勝家×松崎有理×大庭弘継)※本書初出 07 SFと倫理(×長谷敏司×八代嘉美)※本書初出 08 思想は宇宙を目指せるか(×三浦俊彦) 第4部 文化・政治・資本主義 09 ポップカルチャーを社会的に読解する──ジェンダー、資本主義、労働(×河野真太郎)※本書初出 10 「新自由主義」議論の先を見据えて(×金子良事) 11 中国・村上春樹・『進撃の巨人』(×梶谷懐)※本書初出 12 どうしてわれわれはなんでもかんでも「新自由主義」のせいにしてしまうのか?(×荒木優太×矢野利裕)※本書初出 あとがき
  • 組織変革のレバレッジ 困難が跳躍に変わるメカニズム
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    組織変革に取り組む組織は引きも切らず、またその研究も以前からなされ続け、知見の蓄積も豊富であるが、変革の成功確率は高まっていない。 本書は、知見が活用できないほど環境の変化が激しい、というような、これまでにも議論に上がっていた要因だけでは不十分とし、組織変革の定義・必要性というそもそも論に遡り検討する。 そして「(変わらなければいけないという)危機意識はあるのに、動けない」「明確な(変革への)ビジョンはあるのに、組織内に混乱や分裂が起こる」など、これまでほとんど考えられてこなかった変革の際に起きがちな4つの困難について、事例にあたり追究した上で変革のレバレッジ(テコ)となる「切り替えスイッチ」の存在を指摘、その見つけ方を示唆する。 高度な研究書ながら収録された事例は当事者たちの執筆によるものであるため、特に生き生きとした記述がなされており、実務家も共感を持って読めるだろう。

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  • Python3ではじめるシステムトレード【第2版】 ――環境構築と売買戦略
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    読者待望の第2版! より理解しやすく実践的にパワーアップ ネットワーク上にあるデータソースから金融経済関連のデータをダウンロードし、そのデータの特徴を理解し、投資・取引戦略を構築する。その際にPythonというプログラミング言語と統計的手法を用いてデータを客観的に分析し、安定した収益を実現する取引戦略を構築する。また、学習に用いたソースコードを公開することで、だれでも卓上で分析結果を再現できるようにする。これらが本書の特徴であり、目的である。 データ分析に用いるPythonでの最大の特徴は人びとの思考能力を鍛えるということに尽きる。人まねではない独自の戦略のみが利益を上げる。 日足のデータを用いてデータ分析の基礎を統計学を通して学ぶ。トレンドの発生を客観的に理解する力を統計学から得る。そのつぎにあゆみ値を用いたデータ分析と取引戦略の構築方法について理解する。トレンドの発生のメカニズムとリスク管理の重要性を実感するためである。 第2版となる本書では、Pythonの特徴がさらに生かされている。特定のソースコードでは初版の20倍近いスピードを達成している。 さらに初版で読者から寄せられた質問に説明を加えた。また、意見や勉強会でのやりとりは余すことなく第2版に生かされている。また、マーケットメイクの仕組みを基にした取引戦略のバックテストを2つ追加した。 今回新しく追加した第17章でランダムウォークと機械学習について、深層学習、主成分分析、大偏差原理を比較した。特に大偏差原理の議論を明確にするために初版では用いなかったmove1とmove2という表現を本書では導入した。これはトレンドの発生を理解するのに役にたつ。ソースコードはGitHubに公開している。 本書で学べること! ● Jupyter Notebookの導入からPythonの利用方法 ● 株価・為替・経済などのデータの入手方法と分析手法 ● 時系列分析の処理と統計的手法(自己回帰モデル、モンテカルロ手法など) ● あゆみ値の本質と価格形成のメカニズム ● 高頻度取引の世界におけるマーケットメイクの仕組み 詳しくは16ページ「1.2 本書の構成」を参照
  • 〈原爆〉を読む文化事典
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 20世紀半ばに登場した核・原爆は世界のありようを一変させた。広島・長崎への原爆投下、今日も続く各国の核実験、原子力の「平和利用」と原発事故……。それらは生活だけではなく社会制度や文化に大きな影響を及ぼした。 社会的・政治的には様々な問題や議論を引き起こし、文化的には物語として表象され人々に受容されてきた核のイメージや言説の全体像をとらえるために、70項目をピックアップして、基本情報から論点・要点までを項目ごとにまとめる。 〈原爆〉から「戦後70年」を見通すだけでなく、「いま」と「これから」を考える有用な知の資源として活用できる、最新の知見と視点を盛り込んだ充実の「読む事典」。
  • 戦後日本の教員採用
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    1巻4,180円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 教員免許更新制度の見直しなど、教員採用制度改革の議論のためにも必読の書! 教員採用は、法制度上では「競争試験」(志願者間の相対的判定)ではなく「選考」(志願者個人が一定の基準に適合しているかを判定)により行われると定められているが、その運用実態は、試験成績の相対的判定に基づく合否決定という「選考試験」による量的統制が行われている。このような法規定と運用実態のずれはなぜ生じてきたのか。戦後日本における教員採用制度の形成過程について、選考試験導入の先行自治体(東京都・富山県)と後続自治体(鹿児島県・兵庫県・島根県・青森県)を事例にした実証研究をもとに解明を試みる。
  • スティグリッツ マクロ経済学(第4版)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 マクロ経済学のスタンダード・テキストの改訂版です。最新の金融政策のアプローチを取り込み、さらに「現実の政策」を読み解く教科書です。 ◆各国中央銀行によって採用されている最新の考え方 第4版ではさらに現代のマクロ経済学を理解するうえで重要な、近年の各国中央銀行によって採用されている最新のアプローチを前提として議論を展開しています。 ◆マクロ経済学への現代的なアプローチ 新版では、マクロ経済学への現代的なアプローチが採用されています。マネーサプライのコントロールではなく、利子率操作による金融政策の運営方法についても言及されています。 ◆「トピックス」も充実 高度な内容については「トピックス」を扱う章で、簡潔に説明されています。現実に即した形で扱うことによって、新聞等で読むさまざまな政策行動を理解し、議論できるように配慮されています。 マクロ経済学を身につけ、現実経済を考えるうえで、基礎から応用まで学べるテキストブックです。
  • アセモグル/レイブソン/リスト ミクロ経済学
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 経済学の考え方はシンプルなものでありながら、世界の出来事を説明し、予測し、改善するうえでとても役に立つ。 ミクロ経済学では、個人、家計、企業、そして政府がどのように選択を行うか、その選択が価格、資源配分、そして別の主体の幸福にどう影響を及ぼすかを学びます。 本書は、ミクロ経済学の基盤から、最新の実験経済学と行動経済学の知見まで拡張された理論まで幅広く学ぶことができる、「新しく」て「やさしい」入門テキストになっています。 ●新しい世代のための経済学への入口となる入門テキスト ●経済学の核心を3つの原理「最適化」「均衡」「経験主義」で表す ●現実社会を3つのコラム(「根拠に基づく経済学」「データは語る」「選択の結果」)を通して直観的に理解することができる ●経済学の理論と現実のデータとのマッチングに重点が置かれている 経済学の考え方はシンプルなものでありながら、世界の出来事を説明し、予測し、改善するうえでとても役に立つ。 それを知ってもらおうと思い、私たちは本書を執筆した。 ――原著者「まえがき」 本書の特徴は、「新しい」と「やさしい」である。 経済学の最先端で議論されているような最新のトピックが、教科書の中核に取り入れられている。 本書の最も優れた特徴は、実験経済学と行動経済学の知見を前面に出して、活用していることである。これらの内容が、教科書を読み進む過程で経済学の中に根付いた概念として身につくように解説されている。 ――「監訳者まえがき」
  • エクソダス――移民は世界をどう変えつつあるか
    3.0
    「本書は、もっとも貧しい社会、「最底辺の10億人」に関する私の研究の一環である…欧米諸国の移民政策は不用意で見過ごされがちな影響を彼らにおよぼす…[また]本書はリベラルな人々の主流見解を批判するものでもある…国をまたぐ移住が一般的になり国民的アイデンティティがなくなれば、社会は脱国家的になる。それに問題があるだろうか? 私は大きな問題があると考える…本書の中核を成すメッセージは、「移住が良いか悪か」という質問が間違っているということだ…緩やかな移住は利益をもたらし、大量移住は損失をもたらす。したがって重要なのは「どのくらいが最適か」だ…恥ずべきなのは移住制限の内容が不適切なことだ。転じて、これは真剣な議論を妨げてきたタブーを反映するものでもある。本書は、そのタブーを打ち破ろうとする試みなのだ」(本文より)〈移民自身〉〈受入国の住民〉〈送出国に残された人々〉という三つの立場にバランスよく目配りしつつ、移住のグローバルな経済的、社会的、文化的影響を分析する。
  • スピンと軌道の電子論
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 本書のメインテーマは固体中の電子が織りなす電磁気的な物性であるので、第1章では、物質中の電磁気学の簡単な復習と第2量子化、線形応答などの理論的手法の導入を行う。 第2章では、孤立原子に局在した電子自由度の取り扱いや電子相関の起源となる電子間のCoulomb 相互作用について議論する。 第3章では、結晶の周期ポテンシャル中を運動するいわゆるBloch 電子に関する話題と電子状態を扱う際に便利な道具である(相互作用のない) Green関数や感受率の導入を行う。また、軌道運動に対する磁場効果についても議論する。 第4章では、さまざまな秩序を生み出す相互作用の起源について整理し、局在系と遍歴系の平均場近似による取り扱いと秩序下での励起について取り扱う。平均場近似は、多体効果を本格的に議論する際の出発点となるので、あまり軽視してはいけない。 第5章では、局在と遍歴の相互関係、両者のはざまで生じる物性について概観する。この章では多体問題に踏み込まざるを得ないが、あまり深入りはせず考え方の筋道を述べるようにした。 第6章では、電子のもつ自由度を統一的かつ包括的に取り扱う際に有用な概念である微視的多極子について議論する。特に、近年の重要な話題である反転対称性のない系におけるスピン軌道相互作用に関連する物性を取り扱う際に威力を発揮する拡張多極子の考え方についても紹介する。 第7章では、空間反転対称性の破れに関する話題を取り扱う。本編では触れられなかった補足事項については、付録でまとめて取り扱った。 基礎編 第1章 基礎事項 第2章 局在電子系 第3章 遍歴電子系 第4章 磁気秩序 応用編 第5章 遍歴と局在 第6章 微視的多極子 第7章 空間反転対称性の破れ 付録A 補足事項 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • ナガサキ――核戦争後の人生
    5.0
    「人類の歴史において核兵器の攻撃とその後の惨状を生き抜いてきた唯一の人々である被爆者。人生の終わりの時期に差しかかっている彼らの記憶のなかには私たちの心を奮い立たせるような、核戦争による長期の破滅的影響についての明白な事実が刻まれている」郵便局の配達員、路面電車の運転士あるいは軍需工場に駆り出されるごくふつうの10代の若者だった「語り部」たちのあの日――1945年8月9日、原子雲下の「同日同刻」から苦難とともに生きのびた「長い戦後」まで。「赤い背中の少年」ほか5人の主要登場人物とその家族、関係者への聞き書きにくわえ、他の多くの被爆者や治療に携わった医師たちが残した証言、アメリカ軍兵士・司令官の手記、戦略爆撃調査団報告をはじめ占領軍検閲政策、原爆傷害調査委員会をめぐる公文書資料などにあたりながら、12年の歳月をかけ書きあげられたノンフィクション。被爆者の側に徹底的に寄り添った本書の姿勢は、2015年に刊行されるや「原爆投下不可避」論の根強いアメリカ国内で議論を呼び起こした。「スーザン・サザードはジョン・ハーシーが広島のためにした以上のことを長崎でおこなった。本書は綿密で情熱的、思いやりに満ちたこのうえない歴史書だ」(ジョン・ダワー)
  • ウォール街のモメンタムウォーカー 〔個別銘柄編〕
    4.5
    モメンタム投資の初めての教科書!  バリュー投資家とモメンタム投資家は、一見、正反対の考え方を持っているように思える。バリュー投資家は人気のなくなった安い銘柄を買う一方で、モメンタム投資家は強い価格トレンドのある銘柄を買う。しかし、バリュー投資家をして期待超過リターンの取得へと駆り立てる行動バイアスとキャリアに対する不安は、モメンタムの長期的な持続性を推進する鍵となるメカニズムでもあるのだ。本書は、システマティックなモメンタム投資がなぜ強力な戦略なのかについて分析したものである。そして、モメンタム投資はおそらくはバリュー投資よりも優れている。こういうことについても議論している。  ウォール街のヘッジファンドや行動経済学をよく知る投資家たちが、口には出さないけれど思っていることは、モメンタム投資は「成長」戦略ではないということである。モメンタム投資とは、成長の見通しがどうであれ、強いものを買う、という歴史的に成功してきたやり方なのである。厳密で教育的なセンスのあるウェスリー・グレイは、システマティックなバリュー投資のバイブルともいえる『クオンティタティブバリュー』の著者でもある。彼が今回読者に贈る本書は、モメンタムに基づいて銘柄を選択するプラットフォームを構築したいと思っている個人投資家にとって、今までに類を見ないガイドブックになるだろう。特に、モメンタムアプローチは、バリューのポートフォリオと併用するのに理想的な戦略であり、バリュー投資とモメンタム投資を単独で用いたときの相対アンダーパフォーマンスの期間を短縮するのに役立つものだ。また、本書のウェブサイトでは、本書で紹介したモメンタム株を見つけるためのツール、さらなるリサーチ、クオンティタティブ投資の発展を促すダイナミックなコミュニティーへのアクセスなど、盛りだくさんの情報を提供している。  実践的な本書は、行き届いたレッスンと多くの実例を含んだガイダンスで、読者の理解の速度も速いだろう。あなたのポートフォリオに、高度なリサーチとテクニックを取り入れるには、本書1冊があれば十分だ。  本書の内容は以下のとおり。 ●モメンタム戦略は将来的にはうまくいくかもしれないし、うまくいかないかもしれない。それはなぜなのかを理解する。 ●証拠に基づいたモメンタム株の選択シグナルを基に株式ポートフォリオを構築する。 ●大きな投資ポートフォリオという文脈のなかで、モメンタム株ポートフォリオを戦術的に使う。
  • 会計の力
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ソシュールの言語理論をベースとして会計現象の言語論的解釈を試みた前著『会計言語論の基礎』の続編。本書ではフーコーの権力論を参照しながら、さらに議論を深化させる。

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  • アセモグル/レイブソン/リスト マクロ経済学
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 経済学の考え方はシンプルなものでありながら、世界の出来事を説明し、予測し、改善するうえでとても役に立つ。 現実のデータからスタートして、3つの原理と3種類のコラムから経済社会を読み解く「新しく」て「やさしい」経済学シリーズがローンチ。 ●新しい世代のための経済学への入口となる入門テキスト ●経済学の核心を3つの原理「最適化」「均衡」「経験主義」で表す ●現実社会を3つのコラム(「根拠に基づく経済学」「データは語る」「選択の結果」)を通して直観的に理解することができる ●豊富な補助教材が完備され、先生の授業を強力にサポート ●現実の実証的な質問を最初に提示し、データを使って理論を学ぶ ●経済学の理論とエビデンスのマッチングに重点が置かれている ●経済学の理論と現実のデータとのマッチングに重点が置かれている 経済学の考え方はシンプルなものでありながら、世界の出来事を説明し、予測し、改善するうえでとても役に立つ。 それを知ってもらおうと思い、私たちは本書を執筆した。 ――原著者「まえがき」 本書の特徴は、「新しい」と「やさしい」である。 経済学の最先端で議論されているような最新のトピックが、教科書の中核に取り入れられている「新しい」教科書である。 課題の多くは、経済に起こった現象の原因と結果の関係の解明である。その内容を読者に「やさしく」伝えるために、身近な事例が多数取り上げられている。 ――「監訳者まえがき」
  • 唐宋の文学(中国学芸叢書)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 中国文学のピークをなす唐宋の文学。その文学空間に飛翔した多彩な表現。定型的な見方から自由になって、真実・魔力・快楽という新たな視点から中国文学の魅力に迫る。著者は中唐から宋代への文学意識の転換を踏まえ、文学作品の枠にとらわれずに文学者の逸話など幅広い素材を、日本や西洋の作品をも視野に入れて、自在に語る。「空の空なるもの」に過ぎない文学が、いかに大切であるかを明らかにして、格好の文学案内となった。 【目次より】 まえがき 目次 第一章 詩と真実 第一節 華山遭難 第二節 半夜鐘 第二章 文学の魔力 第一節 栄光と受難 文学作品の効用 一 栄光 二 受難 第二節 文学創作の説話 一 夢と詩才 二 作詩の指導 三 推敲 第三節 詩識 ことばの魔力 一 六朝時代の詩識 二 唐代の詩識 三 宋代の詩識 四 詩識をめぐる議論 第四節 作家と作品 第五節 恐ろしい文学 第三章 快楽としての文学 第一節 古文の修辞学 一 象徴としての登山 「始得西山宴遊記」 二 数字の魔術 「捕蛇者説」 三 愚者の美学 「愚渓詩序」 四 文体と認識 第二節 怪奇の文学 韓愈 一 独創性の追求 二 暴力と破壊 三 醜悪の美 四 唐から宋へ 第三節 娯楽の文法 一 暗号 二 脱出 三 対決 四 時の旅 五 トリック 六 試練 第四節 詩学の発見 一 不尽の意 二 換骨奪胎と点鉄成金 三 興趣 四 景と情 五 読みの快楽 六 知の冒険 王安石の集句について 第五節 快楽の思想 蘇軾を中心に 一 快楽の思想 二 快楽の思想を支えるもの 三 快楽の思想の源流 四 もうひとつの桃源郷 相対化への志向 注 あとがき ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 松本 肇 1946年生まれ。東京教育大学大学院博士課程。元筑波大学大学院教授。 著書に、『柳宗元研究』『唐宋の文学』『春秋戦国の処世術』『唐代文学の視点』などがある。
  • 日銀の政策形成―「議事録」等にみる、政策判断の動機と整合性
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    1巻4,048円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 1998年分から公開が始まった、金融政策決定会合の「議事録」等を基に、日本銀行の金融政策策定過程を分析した研究書。 ゼロ金利政策の導入と解除、量的緩和政策の導入と解除、非伝統的な政策手段の採用等、異例の金融政策をとりつづけてきた日本銀行の意思決定の背後では、どのような議論がなされてきたのか。10年後公開ルールに基づいて公表された金融政策決定会合の「議事録」「執行部提出資料」を詳細に読み込んで、当時の日本銀行の金融政策策定がいかに行われたのかというプロセスを詳細に分析する。 量的緩和政策の効果分析ではなく、その決定過程を分析し、今後の金融政策運営へのインプリケーションも提示する。
  • ベーシックインカムを実現する 問題意識から導入ステップ、運動論まで─選挙争点化された韓国で進む議論
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    『隷属なき道』がベストセラーになるなど、近年ベーシックインカムが注目を集めている。 ウーバーイーツやアマゾンなどの配達のような、請負関係に基づいたギグワークが増えてくる中で、雇用関係に紐付いた社会保障の責任を回避できるようになり、十分な保障を受けられない層の拡大が社会的な課題となっている。そして、年齢や収入、保有資産を問わず一定額を定期的に給付するベーシックインカムの関心が高まってきた。さらにコロナ禍による一時的な収入減に対し無条件の給付を行った国は日本以外にも多く、その必要性は広く意識されているが、未だ継続的に実施している国はない。 本書は、韓国におけるベーシックインカムの議論をリードする研究者たちの成果の集大成である。韓国は、2017年大統領選における候補者たちの公約にベーシックインカムが上がり、昨年の国会議員選挙ではベーシックインカム党から国会議員も出るなど、具体的な導入に向けた動きが見られる。 韓国そして全世界の、これまでのベーシックインカムに関する議論・事例をまとめつつ、日本と似た社会保障制度を持つ韓国において、どのように既存の制度との整合を取りながらベーシックインカムを導入していくべきかを検討、さらに実現のためにどのような運動が必要なのかも追究している。 加えて本版で収録した金成垣氏の解説は、韓国、そして日本の社会保障制度における共通の欠陥と、制度発展の違いを指摘しながら、ベーシックインカムが抱える理論的な困難にも触れる。 日本においてベーシックインカムの議論をする際の必携書となろう。

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  • 恥と自己愛の精神分析 : 対人恐怖から差別論まで
    5.0
    精神分析における恥の議論とは,多くの関心の流れが交錯して次々と網目を作るところです。恥に関する議論は,恥の文化(辱めの文化)と言われる日本においてもともと盛んでした。ただし,その発生論は,恥に対して過剰反応する日本文化の外に出た方が民俗の神経症として見えやすいのでしょう。そこには臨床体験と異文化体験という出会いが欠かせないのです。本書で引用される臨床体験は米国のものですが,それでも著者が米国にいながら,日本の読者に向けて語ることができるのは,恥が,彼の議論を通して日本と米国が出会う場所であるからなのです。本書の中に入れば,誰もが目を奪われるのが,縦横無尽に広がる著者の守備範囲の広さです。理想自己と恥ずべき自己,自己と他者,恥と罪,過敏と無関心,積極性と受け身性……これらを縦糸と横糸に,議論を編み上げる機織りの大きな回転運動を続けるのです。おそらく巡り続ける意志もまた,恥に悩まされてしまうことのない解決を示すのだという主張も,その書き方に見て取れるのです。  岡野氏は世界を股にかける軌跡を描かれ,さまざまな出会いの中で「人にやさしい精神分析」という独特の境地を見つけられたようです。もちろんこの本は,岡野理論に出会うだけではなく,彼の思考運動の力を得て,恥をめぐる現代精神分析理論への程よい入門書にもなっています。彼にとっても,日本の臨床家にとっても,良い時期に,まとまった形で出版されることになったと思います。 北山修(「序文」より抜粋)

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  • 見えない未来を変える「いま」――〈長期主義〉倫理学のフレームワーク
    3.0
    「タイムトラベルの物語では、過去の小さな行動が現在の極端な変化につながることが多い。しかし、今日の小さな行動が、未来に劇的な影響を及ぼす可能性について考えることはめったにない」(本文より)本書の主眼は、こんな可能性を真剣に捉えるべき理由を提示することだ。そしてさらに、いまを生きる一人ひとりが「いますぐ」行動するよう説得することにある。気候変動、高度なAIや全面核戦争がもたらす脅威・リスクについて、できるだけ正確なデータ、〈長期主義〉的フレームワーク、そして数学的ツールで詳細に検討し、数世紀から100万年先までの不確実な未来の形をできるだけ正確に描き出していく。そのうえで、「そもそも人類の絶滅は悪いことなのか?」「幸福とは何なのか?」といった根源的な問いにまで踏み込むことで、議論は深みを増している。科学をはじめ、歴史、哲学と使える知見は何でも使い、熱意にあふれた筆致で読者を巻き込んでいく若き哲学者、マッカスキルの説く、未来のための思想。
  • 【合本版】5W1H思考+5W1Hマネジメント
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    ※本書はすばる舎より刊行の『シンプルに結果を出す人の 5W1H思考』および『シンプルに人を動かす 5W1Hマネジメント』の合本版です。 【シンプルに結果を出す人の 5W1H思考】 せっかくたくさんのフレームワークを学んでも、うまく使いこなせい、成果に結びつかないと感じたときにこそ重宝するのが5W1H。 When(いつ?)、Where(どこで?)、Who(誰が?)、What(何を?)、Why(なぜ?)、How(どんなふうに?)。 課題提起、問題発見・問題解決、創造的アイデア発想、説得力のあるコミュニケーションなど、日々の業務のさまざまな場面で、あなたのパフォーマンスを高めてくれる最強の武器となる、シンプル最強の「考具」、それが5W1Hです。 人気ビジネススクール講師が、本当に使えるシンプル最強の思考法を、多くのビジネス事例を交えて丁寧に解説。 ビギナーからベテランまで、今すぐ役立つ実践的な内容になっています。 業種や職種を問わず、仕事の生産性を高めたいと考えている、すべての方におすすめの1冊です。 【シンプルに人を動かす 5W1Hマネジメント】 VUCA時代、働き方改革、そしてWithコロナの今、それでも組織全体の仕事時間を減らしながら、業績を上げる。 まさにマネジャー苦難の時代です。 そんなマネジャーの悩み解決のカギとなるのが、5W1Hを使った、シンプル、パワフル、ポジティブな「問い(言葉)」なのです。 本書では、大手の美容健康食品メーカー、美健社(架空)の日常風景を例に、「5W1Hの問いかけ」を具体的に紹介。 全6章それぞれに、部下やチームのマネジメント、会議のリードなどで四苦八苦するマネジャー(課長)が1人ずつ登場します。 それぞれのケースで、ぜひ皆さんも「課長」になりきって、「自分だったら、どんな問い・指示・指導・進め方(議論の作り方)をするか」を考えながら読み進めてみてください。 そして、本書を読み終わる頃には、きっと以前とは比べ物にならないマネジメント力を身につけているはずです。
  • 第三の支柱――コミュニティ再生の経済学
    3.0
    『フィナンシャル・タイムズ』紙ベストブック。「コミュニティのきわめて重要な役割を軽視し、市場と国家の表面的な効率性ばかりに集中してきたことによる弊害を分析した、すばらしい洞察だ。ラジャンは大胆かつ明晰に、なぜこの不均衡をすぐに修正する必要があるのかを明らかにしている」アマルティア・セン(1998年ノーベル経済学賞受賞者)「私の両親は大恐慌、ファシズムの台頭、第二次世界大戦を生きた。私はそれとは根本的に異なる仕方で組織された世界で生きていると考えてきた。しかし私は間違っていた。私たちはみな、この問題について今すぐに考え始める必要があるのだ。本書はその思考の出発点だ」ジェームズ・ロビンソン(シカゴ大学教授、『国家はなぜ衰退するのか』)「『第三の支柱』はいま最も差し迫った課題について、洞察に満ちた見通しを与えてくれる。本書が提示するのは、私たちすべてが進むべき道だ。経済がどう機能でき、どう機能すべきかに関心のあるあらゆる人の必読書だ」リンダ・ユー(『アダム・スミスはブレグジットを支持するか?』)「政策の世界と学問界を、これほど見事に結びつける経済学者はほとんどいない。世界経済の間違った方向を指摘して、一貫して正しい経済学者はさらに少ない。ラジャンによる大胆かつ独創的な提案によって、今日の民主主義の病弊についての議論は大きく前進し、新たな領域に入るだろう」ダニ・ロドリック(ハーヴァード大学教授、『グローバリゼーション・パラドクス』)「ラジャンがまたやってくれた。新鮮で、洞察に満ち、魅力的な本書は、今日最も重要で、壊滅的になりうる課題について明晰な考察を与えてくれる」モハメド・エラリアン(ケンブリッジ大学クイーンズカレッジ・プレジデント)「私たちが知っている民主主義を守る道を探し求めている、あらゆる人の必読書だ」ジャネット・イエレン(第15代連邦準備制度理事会議長)グローバリゼーションと、その社会的、政治的影響を俯瞰し、《国家》《市場》《コミュニティ》という三者が、その中でどのように相互作用し、バランスを失い、現在の危機につながっているのかを、壮大なスケールで描き、今後歩むべき道を「コミュニティの再生」に見出す、いま最も注目される経済学者のひとりによる提言の書。経済学者は自らの領域を市場と国家の関係と考えるが、それは近視眼的だけではなく、危険ですらあると、ラジャンは主張する。あらゆる経済学は現実の政治経済であり、あらゆる市場は人間関係、価値観、規範の網目に埋め込まれているからだ。著者は市場と市民社会の関係を再考し、社会に満ちつつある現場への絶望への処方箋として、包摂的ローカリズムを訴える。市場と国家からコミュニティへという大転換を、冷静な分析と温かい筆致で語った、もはや古典とも言えるベストセラー。
  • 資本主義だけ残った――世界を制するシステムの未来
    4.3
    二つの資本主義が世界を覆っている。米国に代表されるリベラル能力資本主義と、中国に代表される政治的資本主義だ。この両者がはらむ、不平等の拡大と腐敗の進行という病弊の根本原因を喝破し、欧米の社会科学界を震撼させたベストセラー。「われわれの未来についての、重要な問題をすべて提示している」ゴードン・ブラウン(元英首相)「経済統計の第一人者[による]豊かな議論だ」ジェームズ・K・ガルブレイス(テキサス大学オースティン校教授)「北京に住むのか、ニューヨークに住むのか、決断のときは近づいている」エドワード・ルース(『フィナンシャル・タイムズ』紙)「この二つの資本主義が世界情勢を支配している。両者の共進化が今後数十年の歴史を形成することになるだろう」『エコノミスト』誌「データの収集、評価において、類まれな最高の経済学者だ」ロバート・カトナー(『ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス』誌)「現存する(おそらく)唯一の社会経済システムへの理解を刷新しようとする、あらゆる読者、研究者にお薦めする」ロバート・ラコノ(LSEレビュー・オブ・ブックス)
  • 心理療法統合ハンドブック
    -
    2019年に設立された日本心理療法統合学会の主立ったメンバーによる書き下ろし。400を超える心理療法が併存するなか、多様なクライエントに対し、効果的な方法による実証された支援法を選択するのは至難である。本書は、特定の学派に依拠せず、その存在を否定せず、心理療法統合について議論を交わし研鑽の深まりを望む気鋭の研究者・実践家が、日本におけるこれからの心理療法の統合のあり方を示す決定版。有効性の確立された6つの統合療法や、臨床家育成のトレーニングにも言及。また、重要な最新理論もトピックスにて提示している。
  • 自己責任の時代――その先に構想する、支えあう福祉国家
    4.0
    貧困、病気、さらには紛争地に赴いた記者の行為に至るまで、あらゆることに言われるようになった自己責任。人々の直感に訴え正論のようにも響くため、根拠が曖昧なまま濫用されてきた。本書はこのような自己責任論について、社会の構築と運営という広範で現実的な目的に即して、それが何を誤り、損なっているのかを精緻な分析によって示した、おそらく初めての本である。自己責任の流行は欧米でも同じだ。それは哲学や社会学における静かな変容とともに始まり、1980年代初頭の保守革命の主要素となった。自己責任論が広く有権者の支持を得ると、意外にも左派政党がこれに追随する。本書はまず、政治における自己責任論の興隆を跡づけ、それが社会保障制度に弱者のあら探しを強いてきた過程を検討する。次に「責任」「選択」「運」をめぐる哲学者の議論をふまえて、被害者に鞭打つ行為をやめさせたい善意の責任否定論が、皮肉にも自己責任論と同じ論理を前提にしていると指摘する。じつはこの前提には、信じられているほどの根拠はない。そしてどちらの議論も的を外していることを明らかにしていく。責任とは懲罰的なものではなく、肯定的なものでありうるのだ。福祉国家の本来の目的とは何だったか。自己責任論が覆い隠してきたこの原点への顧慮を喚起し、自己責任の時代から離脱するための基盤となる一冊。
  • アメリカ経済 成長の終焉 上
    4.0
    2012年に発表した「成長の終焉」論文で、アメリカ経済の成長率の鈍化と長期停滞入りを予言したロバート・ゴードンによる画期的なアメリカ経済史。 上巻は、南北戦争後の1870年から第二次世界大戦中の1940年までを扱う。 下巻には齊藤誠一橋大学教授の解説を収録。 ロバート・ゴードンは本書で、富について――アメリカ人が過去にどのように富を創造し、享受してきたかを論じている。今後縮小するパイをどう分け合うかを議論するのではなく、さらに富を創出しようと思うのであれば、本書を読み、理解しなくてはならない。 ――ピーター・ティール、起業家、投資家、『ゼロ・トゥ・ワン』の著者 アメリカの歴史を知るうえで欠かせない「生活水準」が余すところなく語られている本書は、興味が尽きない。ゴードンは、生き生きとした描写と印象的な統計で生活様式の変遷を浮き彫りにし、われわれは今後も引き続き満足な生活ができるのかを問いかける。 その答えは意外なもので、将来の経済成長についての常識的な見方を覆す。比類ない画期的な書と言えよう。 ――ロバート・ソロー、ノーベル経済学者 本書はきわめて重要な結論をもつ力作である。具体的な事実と深い洞察が満載で、ページをめくる手が止まらない。読者はわくわくしながら、新たな発見をすることになるだろう。奥深い内容でありながらも、じつに読みやすい。 ――ジョージ・アカロフ、ノーベル経済学者
  • ECB 欧州中央銀行―組織、戦略から銀行監督まで
    5.0
    1巻3,960円 (税込)
    欧州経済の命運を握る「司令塔」のすべてがわかる 日本No.1のECBウォッチャーによる本格的解説書 本書の主たる狙いは欧州中央銀行(European Central Bank)に関するあらゆる論点を網羅的に整理し、一冊の本にまとめることであり、一言で言えば「ECBを学ぶための教科書」を意識した。 今回、こうした書籍を執筆するに至った理由はほかならぬ筆者自身がその必要性を感じていたからという個人的な思いも大きい。金融市場において経済・金融分析を生業とする筆者が日頃感じることは「欧州の経済・金融に関する日本語情報はそのニーズの大きさの割に十分ではない」という事実である。金融政策という分野に限定した場合、その情報量はさらに限定される。 中央銀行であると同時に国際機関としての性格も持ち合わせ、多数の各国中央銀行(National Central Bank)の支えにより政策を運営するECBは明らかに特殊な存在である。この特殊な存在を理解するためには、相応に客観的で精緻な情報整理が必要となるし、そうした情報整理の上に初めて正しい理解が付いてくることは言うまでもない。そして、その結果としてようやく金融政策の現状や展望を適切に議論することができるようになると筆者は考えている。 類書で言えば、日銀やFRBに関しては、それらの政策や組織(もしくは時の総裁や議長)を単体で丁寧に掘り下げようとするものが見られるものの、ECBに関してはそのような拡がりがまだ見られない。本書が、今後のECBの金融政策運営を研究する向きにとって一石を投じる一冊になればと思う。 (「はじめに」より抜粋)
  • みんなに知ってほしいヤングケアラー ヤングケアラーってなんだろう?
    5.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 厚労省の調査では、小6の15 人に1人、中2の17 人に1人がヤングケアラー。具体的にはどんな世話をしている?どんなことに困っている?など理解されにくいヤングケアラーの問題を当事者の声を交えて解説する。ヤングケアラー研究の第一人者やスクールソーシャルワーカーと議論を重ね、当事者だけでなく、周りの子どもたちに配慮を重ねたシリーズです。
  • 国家の債務を擁護する 公的債務の世界史
    4.0
    巨大債務にどう対処すべきか? ヒントは歴史の中にある。 2000年にわたる歴史から見えてくる公的債務と経済発展との関わり、債務危機対応への道。 世界史的にみてもきわめて高い水準の巨大債務をかかえる日本は、どのようにして経済成長を実現しつつ、債務問題を管理していけばよいのか。日本経済最大の問題を考察するうえでも役立つ本格的な債務論。 古代ギリシャから中世のローマ教皇、ヴェネツィア、英仏などの絶対王政、ジョン・ロー、近代国家の成立と財政、アメリカ南北戦争、南米への投資ブーム、オスマントルコ帝国、中国・清および明治日本の資金調達、中央銀行の創設、第一次・第二次世界大戦、福祉国家の登場と戦争財政、戦後の国際金融、石油マネー、途上国債務問題、ルービン財政、リーマン危機などごく最近に至るまでの歴史を取り上げる。最後に、新型コロナのパンデミックを乗り切るために公的債務の果たした役割を取り上げ、重い債務を負担する世界各国の政府が危機から立ち上がり、前に進むためのヒントを示す。 バリー・アイケングリーンら世界的に著名な研究者が執筆。増大する公的債務の背景事情、債務削減に成功するための条件を明らかにし、国家の債務問題に関するバランスのとれた議論を展開する。オリビエ・ブランシャール、アラン・ブラインダー、ニーアル・ファーガソンなどの世界的に高名な経済学者、歴史研究者が高く評価している。
  • バブルの世界史 ブーム・アンド・バストの法則と教訓
    3.0
    ■なぜ、ブームとバストは何度も繰り返し生じるのか? なぜ、あるバブルは経済的にも社会的にも政治的にも壊滅的な結果をもたらし、なぜ、あるバブルは社会に恩恵をもたらすのか? バブルを生み出す必要十分条件とは何か? ■この答えを見つけ出すために、本書は魅惑的なバブルの旅へと読者を誘う。1720年代のパリとロンドン、1820年代のラテンアメリカ、1880年代のメルボルン、1920年代のニューヨーク、1980年代の東京、1990年代のシリコンバレー、2000年代の欧米、上海・深センへの旅だ。   ■金融史・経済史の研究者が、「合理性」「不合理性」という従来の議論にとらわれず、バブルの規模、経済全体への影響の度合いを基準に、世界史上の巨大バブルの原因と帰結を明らかにし、教訓を指し示す。そしてバブルには、イノベーションを促し、企業や組織、経営者を淘汰し、社会に恩恵をもたらす「良いバブル」もあると説く。 ■さらに、バブルは投資家、投機家が新しい技術や政治的なイニシアティブに反応することから始まるとし、将来のバブルを予測できることも示す。実証的なアプローチでバブルのメカニズム解明に迫る魅力的なバブル論。

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