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≪資本収益率が産出と所得の成長率を上回るとき、資本主義は自動的に、恣意的で持続不可能な格差を生み出す≫ 経済的格差は長期的にどのように変化してきたのか? 資本の蓄積と分配は何によって決定づけられているのか? 所得の分配と経済成長は、今後どうなるのか?
決定的に重要なこれらの諸問題を、18世紀にまでさかのぼる詳細なデータと、明晰な理論によって解き明かす。格差についての議論に大変革をもたらしつつある、世界的ベストセラー。
「本年で、いや、この10年で、最も重要な経済学書になると言っても過言ではない」ポール・クルーグマン(プリンストン大学教授)、「地球規模の経済的、社会的変化を扱った画期的著作だ」エマニュエル・トッド(フランス国立人口統計学研究所)、「時宜にかなった重要書だ」ジョセフ・スティグリッツ(コロンビア大学教授)、「かれの解決策に賛成するにせよ、しないにせよ、資本主義を資本主義から救おうとする人たちにとって正真正銘の課題だ」ダニ・ロドリック(プリンストン高等研究所教授)、「この事実の確立は、政治的議論を変化させる、ノーベル賞級の貢献だ」ローレンス・サマーズ(ハーヴァード大学教授)、「かれの研究が、スマートな人たちを富と所得格差の研究に惹きつけることを望む」ビル・ゲイツ、「情報の豊かさがすばらしい」ロバート・シラー(イェール大学教授)
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Posted by ブクログ
本書は、経済学を再び「政治経済学」の座へと引き戻した記念碑的な著作です。著者は、18世紀以来の富と所得がどのように推移してきたかについて膨大な統計に基づいた客観的な考察を行い、そこから驚くべき教訓を導き出しました。議論の柱となるのは、格差拡大の根本的な力である「r > g」という不等式。これは、投資や相続から得られる資本収益率 (r)が、賃金上昇の源泉となる経済成長率 (g) を常に上回り続けるという構造を示しています。つまり、労働によって豊かになる速度よりも、資産が資産を生む速度の方が速いということです。歴史的に見れば、この不平等の拡大を止める力となったのは、良識ある政策ではなく、皮肉にも「2度の世界大戦」による物理的な資本の破壊と、戦後の異常に高い成長率のみであったことが明らかにされます。現代が直面している最大の問題は、世界が再び歴史的な低成長化へと向かっている点です。低成長下では、過去に蓄積された資産の影響力が相対的に強まり、個人の才能や努力よりも、相続や「出自そのもの」が人生の成否を決定してしまう。これは、近代民主主義が掲げてきた「実力主義(メリトクラシー)」という理想?の崩壊を意味します。著者はこの暗い未来を回避するため、資本所得に対する世界規模での累進税が有効であると提唱します。富の極端な集中を抑制し、再分配機能を回復させるための現実的な処方箋です。しかし、そこには巨大な壁が。タックスヘイブン等の存在により、富裕層の資本は容易に国境を越えて逃避できるため、一国のみでの実現は難しいでしょう。本書を読み終えて痛感するのは、格差は経済の自然法則によって解決されることはなく、政治的な介入なしには拡大の一途をたどるという事実です。私たちが「出自」に縛られない自由な社会を望むのであれば、この 「r > g」という呪縛にいかに政治が立ち向かうべきか、真剣に議論を始めなければならないでしょう。
「これから社会に出る若者へ」
r>gに立ち竦まないでください。絶望しないでください。何も持たない者にとっては労働での収入が現実的な武器になります。資本成長率を上回る成長を達成している組織に所属してください(その中で労働分配率の高い組織に所属してください)。稼げる間に可能な限り稼ぎ、節約に努め、余剰を収益性の資産に投資してください。道は必ず開けます。
Posted by ブクログ
時間が有り余っている学生時代に読めておけて本当に良かった。
r > g の原則を知らずに社会人として社会に放り込まれていた可能性を考えると怖くなる。
中々裕福になれないやるせなさを感じるも原因は分からない。なぜなら資産の大半は上位層がガッツリ確保しており、それを使って芋ずる式に不労所得を蓄えているのだから。
歴史から得られる原則と、信用性の高い数字と向き合う大切さを学べた。
様々な事象や通説が重なりあって経済は動いている。
あとは読解力がかなり増した気がする。本書を読む前後では、他の本を読む時の理解力が断然に違う。
本書に出会えたことに感謝を。
Posted by ブクログ
5年以上、積読だった本。きっと一人じゃ読まないままだ、と思い友人を巻き込みたった二人の読書会を企てました。二週間に一部ずつ読んで、週末2時間zoomで語り合うという方式です。全4部構成を4回で読み終わりました。ものすごい達成感!ノートを取りながら読書したの学生以来か。夜、夕食後に自宅で集えるzoomという仕組みに感謝。いやいやこの試みに付き合ってくれる友人の存在することが最大の幸せ。大昔、パルコのコピーに「本読む馬鹿が、私は好きよ。」というのがありましたが、本を読む馬鹿仲間は宝物です。この読書会と同時に読んでいた「人新世の資本論」でピケティの新刊「資本とイデオロギー」が出ることを知り、次のテキストはそれにするか?その前に、もう一発、別の読むか?そんなやりとりも楽しいです。
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