【感想・ネタバレ】21世紀の資本のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年03月26日

8年ぶり再読。2024年現在の状況は日経平均最高値更新、なかなか増えない名目賃金とまさにr>gの世界であり、ますます本書の指摘通りとなっている。

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Posted by ブクログ 2021年04月19日

時間が有り余っている学生時代に読めておけて本当に良かった。

r > g の原則を知らずに社会人として社会に放り込まれていた可能性を考えると怖くなる。
中々裕福になれないやるせなさを感じるも原因は分からない。なぜなら資産の大半は上位層がガッツリ確保しており、それを使って芋ずる式に不労所得を蓄えている...続きを読むのだから。

歴史から得られる原則と、信用性の高い数字と向き合う大切さを学べた。
様々な事象や通説が重なりあって経済は動いている。

あとは読解力がかなり増した気がする。本書を読む前後では、他の本を読む時の理解力が断然に違う。

本書に出会えたことに感謝を。

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Posted by ブクログ 2021年03月30日

5年以上、積読だった本。きっと一人じゃ読まないままだ、と思い友人を巻き込みたった二人の読書会を企てました。二週間に一部ずつ読んで、週末2時間zoomで語り合うという方式です。全4部構成を4回で読み終わりました。ものすごい達成感!ノートを取りながら読書したの学生以来か。夜、夕食後に自宅で集えるzoom...続きを読むという仕組みに感謝。いやいやこの試みに付き合ってくれる友人の存在することが最大の幸せ。大昔、パルコのコピーに「本読む馬鹿が、私は好きよ。」というのがありましたが、本を読む馬鹿仲間は宝物です。この読書会と同時に読んでいた「人新世の資本論」でピケティの新刊「資本とイデオロギー」が出ることを知り、次のテキストはそれにするか?その前に、もう一発、別の読むか?そんなやりとりも楽しいです。

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Posted by ブクログ 2021年03月09日

ようやく読み終わった。
めっちゃおもしろかった。
しっかり知識つく系の本はしんどいけどおもしろい。
めっちゃおもしろかった。

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Posted by ブクログ 2020年10月10日

「資本収益率が経済成長率を上回っている状態だと、どんどん格差が拡大していく」ということの問題点と解決方法が提示された本。
私個人的には格差社会などの社会問題が極限の状態にまで行きついたら、暴動や反乱、カリスマ指導者によって現状が打破されるといったイメージがあるが、著者は歴史的事実と彼が考えた合理的な...続きを読む制度の提案で解決方法を述べている。
自分の生活を豊かにするために資本収益に手を伸ばしてもいいが、その一方で貧しくなっていく人もいることになる現在の経済のありかたに疑問を持たなければという視点が生まれる一冊でした。

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Posted by ブクログ 2020年02月08日

世界的ベストセラー本、話題にもなった。
労働生産性と資本収益率について、論じている。
世界的な税制を考えるきっかけとなった本。

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Posted by ブクログ 2020年01月08日

富の分配について、歴史的な観点から分析を行っています。ややこしい数式はさておき、資本所有における格差の大きさがポイント。ピケティ現象が政策に反映されることはあるのだろうか。

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Posted by ブクログ 2019年10月16日

第一次世界大戦から第二次世界大戦にかけて所得や資産の格差が世界各地で劇的に縮小したことを論証した部分が面白い。
19世紀のスウェーデンがアメリカ並みの格差社会だったのは、意外な発見だった。
経済学の本なのに小難しい数式が出てこないので、歴史好きなら面白く読める本だと思う。

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Posted by ブクログ 2018年10月30日

フランス人経済学者による、資本主義について書かれた本。
著者は、r>gという不等式を使って、過去に蓄積された富が、労働賃金の成長より上回ることを問題視している。フランスをはじめ、イギリス、ドイツ、イタリアなどのヨーロッパ諸国、あるいは米国、日本などに関する豊富なデータをもとに、論理を展開しており、...続きを読む論理的で説得力がある。問題解決策として、累進的な資本税の導入を主張している。
マルクスやレスター・サローと資本主義に関する分析は大きく違わないと思うが、不完全にしろデータの裏付けがある分、より学術的アプローチに挑戦していると言えるのではないか。

「資本主義は自動的に、恣意的で持続不可能な格差を生み出し、それが民主主義社会の基盤となる能力主義的な価値観を大幅に衰退させることになる」p2
「産業革命以来、格差を減らすことができる力というのは世界大戦だけだったことがわかる」p9
「マルクスの主要な結論は、「無限蓄積の原理」とでも呼べるものだ。つまり、資本が蓄積してますます少数者の手に集中してしまうという必然的な傾向だ。これがマルクスによる資本主義の破滅的な終末予測の基盤となる。資本収益率がだんだん下がってくるか(そうなると蓄積の原動力がなくなり、資本家同士の紛争が起こる)、国民所得における資本の比率が無限に上昇するか(そうなると遅かれ早かれ労働者たちが団結して反乱を起こす)。いずれにしても、安定した社会経済的、政治的な均衡はあり得ない」p11
「相続財産を持つ人々は、資本からの所得のごく一部を蓄積するだけで、その資本を経済全体より急速に増やせる。こうした条件下では、相続財産が生涯の労働で得た富より圧倒的に大きなものになる」p29
「過去の成長は、ほぼ常にかなりゆっくりした年率で生じており、通常は年率1~1.5%程度の成長でしかなかったのだ。年率3~4%以上の成長は、他の国に急速に追いつこうとしていた国で起こったものだけだ」p99
「ドイツは20世紀、どの国よりも、インフレで公的債務を埋めてしまった国だったと言える。両世界大戦で二回とも巨額の財政赤字を出したのに、いずれの場合もインフレによって負債はかなり低い水準まで急減した」p149
「1800年、奴隷は米国人口の約20%を占めていた。総人口500万人のうち、奴隷はだいたい100万人。南部では、奴隷が占める比率は40%に達した」p167
「長期にわたる純粋資本収益率の安定(18、19世紀は4~5%、現在は3~4%)は、たいへん重要な意味を持つ」p214
「最初に気づく規則性は、資本の格差が、労働所得の格差よりも常に大きいということだ」p254
「(財産構成)トップ十分位のほとんど全員が持ち家だが、不動産の重要性は富の階層を上がると激減する。トップ百分位では、金融、事業資産が不動産を凌駕する。資産1000万ユーロ以上では、不動産は10%以下で財産の大半は株だ。住宅は中流階級と小黄金持ちに人気の投資だが、本当の富は常に金融、事業資産が主体なのだ」p269
「今日では、資本所得が労働所得を上回るには、社会階層のずっと高いところまで登りつめる必要がある。資本所得が労働所得を超えているのは所得配分の上位0.1%に限られる」p286
「金融危機があっても米国の格差の構造的拡大は止まっていない」p307
「(米国)2000~2010年の所得階層上位の0.1%の大半がトップ重役だと言える。スポーツ選手や役者、さまざまな分野のアーティストは、グループの5%以下でしかない」p313
「長い目で見て賃金を上げ賃金格差を減らす最前の方法は、教育と技術への投資だ」p325
「どんな社会でも、富を蓄積する過程は主に二つある。労働と相続だ」p394
「(世界の富の格差)トップ千分位が世界の富の約20%、百分位が約50%、十分位が80~90%を所有している。下半分が所有しているのは、どう見ても5%未満しかない」p454
「(1990~2010年の資産変化)ビル・ゲイツは、10年以上「フォーブス」ランキングの第一位に君臨したが、その資産は40億ドルから500億ドルに増加している。ロレアルのリリアンヌ・ベタンクールは、20億ドルから250億ドルに増加している。どちらの財産も、1990~2010年の年間成長率は13%超で、インフレ調整後の実質資本収益は10、11%相当だ」p456
「報告されていない巨額の金融資産がタックス・ヘイブンに存在する。ガブリエル・ズックマンの推計によると、世界のGDPのおよそ10%に相当する。これを上回る(最大で2,3倍の)推計を出したNGOもある」p484
「保健医療・教育への国家支出と代替・移転支払い(年金、失業保険)を足すと、社会支出は総額で国民所得の25~35%となる。これは20世紀の富裕国における政府歳入増加のほとんどすべてを占める」p498
「70%以上の税率を試してみた最初の国は米国だった」p528
「(米経済学者)経済的、金融的なエリートたちは、自分の利益を死守するためなら、天井知らずの偽善ぶりを発揮する。かれらは、米国の所得階層の中でうらやむべき地位にいるのだ。自分の私的利益を擁護しつつ、それが一般の利益を守る行動なのだというあり得ない主張を平気でする。どうも米国の政治家たちは、民主党だろうと共和党だろうと、ヨーロッパの政治家たちよりもずっとお金持ちであり、平均的な米国人とは全く違う区分に属しているらしい。これでなぜかれらが、自分の私的な利益と社会全体の利益とを混同しがちなのか説明がつくのではないか」p537
「(中国が資本統制をしていること)この点で中国は明確に有利であり、資本統制で中国を負かすのは困難だろう」p563
「政府が支出をまかなう方法は主に二つ。税金と負債だ」p567
「(巨大な公的債務を減らす方法)手法は三つある。資本税、インフレ、緊縮財政だ」p568
「不安定化をもたらす主要な力は、民間資本収益率rが所得と算出の成長率gを長期にわたって大幅に上回り得るという事実である」p601
「不等式r>gは、過去に蓄積された富が算出や賃金より急成長するということだ」p602

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Posted by ブクログ 2016年07月09日

21世紀の資本の感想

r:資本の収益率
g:労働収益の成長率

歴史的にr>gが成り立っていることが著者の研究によって明らかになった。
格差はr-gの増加関数となる。
ヨーロッパは戦前に格差のピークを迎え、現在は米国が格差大国なのに比較してヨーロッパはそれほどではない。
しかしヨーロッパ諸国...続きを読むもいずれ米国並みの格差社会にならない保証はない。
現在の日本は(米国と比較すれば)ヨーロッパと同様にそれほど格差はない。

資本課税は格差縮小の非常に有望な手段だ。(資本課税はrを直接引き下げる)
資本所得や労働所得のシェアをみれば格差の推移がよくわかる。
資本所得トップ十分位や百分位は自身の富をタックスヘイブンに移動させ、課税を逃れる。
国際的な枠組みが必要だ。

ピケティはリーズナブルな格差を否定しているわけではない。ただ、r>gという状況が続けば論理的に富は一部の集団に集中してしまい、いずれ非合理的な水準に達するというのだ。
この本には書かれていないが、「格差社会の衝撃(リチャード・ウィルキンソン著)」には格差は人々の健康に直接害を与えることが指摘されている。
人間に対する格差の影響は研究途上であり、ピケティの研究はその土台となるものだ。

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Posted by ブクログ 2022年10月10日

この本の3分の1は、「21世紀の資本」という本の代名詞のようになっている r > g(資本利益は経済利益を上まわる)という式の解説である。残りの3分の2は、格差と資本集中の解消に資本に対する累進課税と、相続税への課税の有効性、政治と経済の関係についての考察である。とくに終わりにちかい50ページ...続きを読むについては、EUの抱える問題点に言及がある。経済というと、様々な数式や、理論があるが、現実はどうだったのか。資料を集め精査し、経済理論の様々な色眼鏡を外してみると、事実が見えてきた。というかんじなのだ。いくつか、象徴的だと感じる瞬間が読んでいてある。たとえば、累進課税方式が格差をなくすための知恵の産物かと思いきや、大戦の戦費の穴埋めの目的で導入された事実などは、そう考えるとその結果は、偶然に近いものなのではないか。中間層があるのは、なにも、社会が進歩したというわけではない。放っておけば、いつかはもとの格差にもどるということなのか。考えることは、たくさんある。この本は、あまりに厚い。ここに書ききれないほどたくさん興味深いことが書かれているし、それぞれについて考えるとおもしろそうだ。私は、一回に読む量を小項目2こまでとし、一冊よみあげるまでに、ガイド本を2冊読んだ。途中で読んだ内容が、書かれている内容を読み取れているか、不安になったからだ。今、ウクライナとロシアの戦争は、経済に打撃と影響を与えているけれども、ピケテイは、どんなふうに考えるのだろう。

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Posted by ブクログ 2022年03月26日

トマピケティの代表的な名著
資本主義はいずれ資本の均等化、貧富の差は縮まるとするクズネッツ仮説を否定して、富めるものはより富み、貧するものは永久に貧する事を膨大なデータにより(r>g)証明せしめた、いわば現代の黙示録である。

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Posted by ブクログ 2021年09月10日

トマ・ピケティ(1971年~)は、フランスの経済学者。2002年にフランス最優秀若手経済学者賞を受賞。パリ経済学院設立の中心人物、教授。社会科学高等研究院の研究部門代表者。
本書は、2013年にフランス語で発表され、2014年4月に英語版が発売されるやベストセラーとなり、同年12月には日本語版が出版...続きを読むされブームとなった。30ヶ国以上で翻訳され、経済学書では異例の300万部以上を売り上げている。また、2019年には、ピケティ本人が出演するドキュメンタリー映画が公開された。
私は従前より、世界中で格差を広げる資本主義に問題意識を持っており、これまでも、ジョセフ・スティグリッツ、水野和夫、広井良典(社会学者)らの本を読んできたが、近年の斎藤幸平のベストセラー『人新世の「資本論」』を読むに至り、あまりの大部であるがために敬遠していた本書を手に取ってみた。実際には、予めネットで本書のポイントを押さえ、その部分を中心に飛ばし読みをしたが、著者の言いたいことは極めて明確なので十分だったように思う。
論旨は概ね以下である。
◆長期的なデータによると、資本収益率(r)は概ね4~5%、先進国の国民所得の成長率(g)は1.5%程度であり、r>gである。これは、資本(不動産や金融商品)の増加率は所得の増加率を上回っている、即ち、資本で稼ぐ人と所得で稼ぐ人の格差は広がっていることを示し、これが資本主義の根本的矛盾である。また、<資本主義の第1基本法則>資本分配率(α)=r×資本ストック(β)なので、先進国のβを概ね国民所得の6倍程度であり、r=5%とすると、α=30%となり、国民所得の分配は、労働による所得:資本による所得=70%:30%となる。
◆また、<資本主義の第2基本法則>β=貯蓄率(s)/gなので、国民所得の成長率(g)が低くなるほど資本ストック(β)は増え、資本分配率が上がり、格差が拡大する。
◆格差の拡大という矛盾を解消するためには、(ユートピア的提案ではあるが)保有資産の透明化や、巨額の資産への世界共通の累進資本課税が必要である。

本書の特徴は、著者が15年をかけて収集した20ヶ国/300年分のビッグデータ(このデータだけでノーベル賞の価値があるという研究者すらいる)に基づく分析にある。理論的ではないとの批判もあるようだが、著者は、経済学者の多くが数理的な理論の研究に偏りがちであることに疑問を呈し、「(歴史的に)実際の数値はどうだったのか」を知ることに立ち戻るべきと語っており、まさにその点が本書の狙いだったのだ。
また、『資本論』を想起させる題名にもかかわらず、マルクスの主張とは大きく異なる(資本主義には不平等が内在しているという点のみ共通している)ものであるし、資本主義システム自体を否定してもいない。しかし、格差の拡大という資本主義の抱える最大の問題のひとつをデータで明らかにしており、ジョセフ・スティグリッツ、ポール・クルーグマンらニューケインジアン左派の経済学者の主張に近く(実際に本書は彼らからも称賛されている)、延いては『人新世の「資本論」』とも親和性があると言えるだろう。
資本主義の矛盾・限界と、修正のアプローチの一つとして、概要だけでも知っておく意味はある。

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Posted by ブクログ 2021年07月31日

才能ある人に大きな報酬を与えて才能を開花してもらえば、社会の生産性が高まり経済が発展して、結果として最下層の人々にも恩恵がある(クズネッツ)というわけではない。80年代以降、先進国の経済成長率は低下している。賃金は経済成長率と同じくらいしか増加しない。一方、金融や不動産など、資産を投資して得られる収...続きを読む益率は増大している。経済成長率が、資産からの収益率よりも低ければ、収入格差は広がっていく。労働者が経済成長によって得る所得の増加幅よりも、資本家土地や株式で得る利益の方が常に大きいので、不平等が拡大した。資本の格差は相続によって固定されている。所得(フローへの課税だけでなく、資本(ストック)への課税を増やすべき。トマス・ピケティ『21世紀の資本』2013

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Posted by ブクログ 2021年06月14日

データを集めること。そのためにも各国各企業が透明性のあるようにすること。そして、稼いだお金でなく所有するお金に累進課税をかけるべきだということ。恐慌、大戦のショックで経済に多くの影響を与えたこと。そして持ち直ししたが、19世紀とは比べられないくらいに複雑になったこと。インフレは20世紀に発明されたも...続きを読むのであること。数字に細かくならないこと。民主的に解決すべきであること。経済学は歴史学、政治学、人類学、文学などと共に立ち上がらなければならないこと。

以上、頭に残っていること。

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Posted by ブクログ 2021年05月23日

長い上に難解で、理解できなかった部分があった。要するにピケティが言いたいことは「過去から現在までr(資本収益率)はg(国民所得成長率)を上回ってきたから、このまま何の手も打たなければ格差はどんどん開いていくよね」ということだと理解した。この「何らかの手」とは、「教育」と「(累進的)資本課税」だとピケ...続きを読むティは主張する。しかしこの実現には高度な国際政治的協調が必要で、難しい。それでもこれを目指していくことが大事だという。

データが豊富で、非常に説得力がある。経済学や金融財政学の知識をもっと増やして、もう一度戻ってきたいと思える一冊。

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Posted by ブクログ 2020年09月09日

ようやく読み終わりました・・・注釈含めると700Pの大作・・・読破するには覚悟が要ります・・・
自由な資本主義の行きすぎにより留まるところを知らず拡大した格差。ピケティの主義主張は一貫して、「累進課税」。資本税の導入だという。不労所得にも税をかけること。確かに。寝かせられるだけのお金をたくさん持って...続きを読むいればいるほど、その人は働かなくても食っていける。そうすると富めるものはより富み、持たないものはより細る。ただし、資本税が有効に働くのは、すべての国の銀行口座情報がガラス張りになっていること、これがないと、今横行している税金逃れが続いてしまう。
コロナで世界中で景気が停滞し、失業者が出る一方で、今までの生活を続けられるものがいる。コロナ中に本著を読むと、同意する点が多い。NHKでたまに報道する資本や経済の特集でいろんな学者が登場するけど概ね同じようなこと言ってるように思う。
また、気づいたことの一つとして、ピケティはかなりの文学の読書家でもあるということだ。経済学者だから経済の本ばかり読んでいるのかという先入観は持ってはならない。この本にはゴリオ爺さんや、pride and prejudicsといった文学作品が多々登場し、その生活ぶりから当時の貧富の差、貴族の所得等が説明されている。こういう人は多くの間口から学ぶし、実際に「終わりに」では、経済学者は計算ばっかりしてないで、社会や政治にも関わって考えるべきということを述べている。
結局私はこの本の600pで経済のことはちょっとしか学習できなかったかもしれないが、少しは見識が広まったかな。そうであれば良いな。

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Posted by ブクログ 2020年07月12日

「資本収益>経済成長」という経済格差問題を超超超絶長い紙幅で論じた本
リーマンショック後の影響もありこれでピケティが世界的に有名な学者になった
補足として、『21世紀の資本論』は解説本が魍魎跋扈しているが、
あまり読む意味のない本が多いのでネットにある訳者解説を見るべき

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Posted by ブクログ 2017年01月31日

足掛け2年、正味2ヶ月もかかってしまった。データを用いた歴史的な経済格差の動学は、目の先のレベルを超えてしまうが、実感として納得できるものだと、思いました。

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Posted by ブクログ 2016年08月27日

正直途中の数値を羅列してあるような部分は速読に頼ったところもある。
予めトマ・ピケティ解説本を数冊読んでいたので理解に役だったが、本書を最初に読んでいたら途中で飽きて飛ばしまくったろうと思う。
要点は解説本がまとめてくれていることとほとんど同じだったが、具体的な事象については興味深いものも多々あった...続きを読む
ただ要点についてはやはり解説本を読んだほうがよくまとめられていていいと思う。
より深い内容が学びたければ本書の数値を活用し、そして著者がいうように内容が議論の的となるように自分なりに調べていけばいい。
ピケティの要点が知りたかったのであれば解説本を、資本主義について掘り下げたいのであれば本書を読んで色々なデータを参考にご自身の主張をされてみるのがいいと思います。
このような学術書にもなりそうな良書を一般人が評価するのが非常に憚られるくらいの力作なのですが、経済の素人の読みやすさという意味では正直量の問題もあり星3が妥当かなと思います。
格差の問題を世界中に広めたという意味では星なんかでは評価しきれない位の評価を得るべきでしょう。とある学者は経済学賞を受賞スべきという人もいます。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年01月19日

本編608頁 索引98頁 内容も難しく、読書時間15時間以上で文字通り悪戦苦闘 価格は5500+税と高額 しかし得るものは多いので、手元に置きたい1冊
付箋の数も多い 18世紀末と19世紀初頭にイギリスとフランスで古典派政治経済学が生まれた時点で、すでに分配は重要な問題の一つになっていた 最終的には...続きを読む国民所得に占める農業比率が下がるにつれて、農地の価値は他の富に較べて着実に下がっていった 富もまた所得を生み出すので、所得側にとっても富は重要なのだ 所得=労働からの所得+資本からの所得(賃料、配当、利子、利潤、キャピタルゲイン、ロイヤルティ)国民所得=国内産出+外国からの純収支 国富=民間財産+公的財産 国富=国民資本+純外国資本 地方社会における土地の収益率は4~5%位 世界人口は2012年には70億人近いし、世界の産出は70兆ユーロをちょっと上回るくらいなので、一人当たり産出はほぼ1万ユーロ 産出の成長を二つの部分に分解することが重要だ。人口増加と一人当たりの産出の成長とに別けるのだ 世界人口は1700年から2012年まで平均でたった0.8%しか増えていない。それが3世紀にわたり続くと、これは世界人口が10倍以上増えたということになる。1700年に6億人の人口が2012年には70億人以上になっている。この勢いが今後3世紀にわたり続けば世界人口は2300年には700億を超える 年率1%の経済成長は大規模な社会変革をもたらす 突き詰めれば国債とは、国民のある一部が別の一部に対して持つ請求権にすぎない 国民資本=農地+住宅+他の国の資本+純外国資本 フランスもイギリスも、民間財産の規模を根本的に変えるほどの巨額の公的債務を抱え込んだことはない 資本の内、農地はだんだん工業・金融資本と都市部の不動産に変わっていった 資本主義の第一基本法則 α=r×β(資本/所得比率) 資本主義の第二基本法則 β(資本/所得比率)=s/g  貯蓄率s、成長率g βから資本と労働の分配へ 所得は常に労働所得と資本所得の和 資本ー常に労働よりも分配が不平等 長い目で見て賃金格差を減らす最善の方法は、教育と技能への投資だ トマス・ジェファーソン「地球は生きている人々のためになる」 特に低成長で、資本収益率が成長率よりも明らかに高い時は、富が集中し、資本所得トップが労働所得トップよりもはるかに優勢になるのはほぼ避けがたい 巨大格差が生じるのに、巨額の財産の資本収益がすべて10%になる必要はない。小さな差からでも、巨大で不平等なショックが発生するのだ もっと簡単な解決策は、税金を所得ではなく富を基準に計算することだ 移民による再分配は問題を先送りにするが、新しい規制の必要性を無くすわけではない 政府が支出をまかなう方法は主に二つ。税金と負債だ。一般に公正と効率の観点からして、税金の方が負債よりもはるかに望ましい。負債の問題は返済が必要ということだ 巨大な公的債務を大幅に減らすにはどうすればいいだろう?手法は三つあり、それを各種の比率で組み合わせることができる。資本税、インフレ、緊縮財政だ。…… 歴史的には、ほとんどの巨大公的債務はインフレで解決されてきた

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Posted by ブクログ 2021年02月08日

はじめに
第1部 所得と資本
  第1章  所得と算出
  第2章  経済成長―幻想と現実
第2部 資本/所得比率の動学
  第3章  資本の変化
  第4章  古いヨーロッパから新世界へ
  第5章  長期的に見た資本/所得比率
  第6章  21世紀における資本と労働の分配
第3部 格差の構造
...続きを読む  第7章  格差と集中―予備的な見通し  
  第8章  二つの世界
  第9章  労働所得の格差
  第10章 資本所有の格差
  第11章 長期的に見た能力と相続
  第12章 21世紀における世界的な富の格差
第4部 21世紀の資本規制
  第13章 21世紀の社会国家
  第14章 累進所得税再考
  第15章 世界的な資本税
  第16章 公的債務の問題
おわりに
凡例
図表一覧
原注
索引

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Posted by ブクログ 2020年05月28日

過去最も難儀した本の一冊。
長いし難しいし。
でもたまには苦労しつつもこういう難解な本を読むべきだとも思う。
なんとなく5年後、10年後ふと効果が出てくるんじゃないかと思わせる一冊。

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Posted by ブクログ 2018年08月01日

r>g 「資本収益率が産出と所得の成長率を上回るとき、資本主義は自動的に、恣意的で持続不可能な格差を生み出す。」
いろんな国の税制データを駆使しながら、歴史を紐解きながら、上述の文章を証明していく本。
当たり前のことを当たり前に忠実に細かく記述していく作業。。 トマピケティは大変だっただろう...続きを読むが、読む方もめっちゃ大変な1冊。

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Posted by ブクログ 2016年11月24日

飛ばし読みで70%を読んだ感じ。ただ頑張って読んだにも関わらず内容を理解できたのは半分もないのかな?とにかくタックスヘイブンが著しい昨今の世界情勢の中、格差社会を解決するためには年次累進税の導入が有効だということがわかった。

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Posted by ブクログ 2016年05月15日

読破に1年以上経過。途中他の本に何度と浮気しましたが、何とかあきらめず。歴史的な視点で経済の歴史を語っているので、別途読んでいた歴史関係の本との接点が見えてよかった。次はタックスヘイブン関係の理解を深めたくなる。

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Posted by ブクログ 2016年05月08日

一年くらいかけて読み終えました。(苦笑)
そこまて興味のないヨーロッパ各国の状況とデータの多さに何度もツンドクになりかけましたが、時々読み直してみると面白い。基本は、
r>g 民間資本収益率(r)が所得と産出の成長率(g)を長期的に見れば上回る。すなわち富の格差は広がっていく。
→解決には累進資本税...続きを読むが効果的ではないかというベース。
そこまでに、アメリカのスーパーエリートの貰ってる高額の給与には各国比較で効果はでていないとか。戦争によって格差は一時的に縮まって勘違いしているとか。長年の莫大なデータから俯瞰的に述べてるのは興味深かった。経済学知らない人間的には様々勉強なりました。 でも長すぎてお勧めは出来ません。(苦笑)

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Posted by ブクログ 2022年03月06日

やっと読み終わったが、行きつ戻りつしながら半年近くかかってしまった。
もうブームは去ってしまったのか・・・
富と所得の分配について再度考えさせられるきっかけになったこと、関連する日本経済構造のベースはアメリカではなくヨーロッパに近いことが再認識できたことは大いにメリットであったが、正直それ以外いまい...続きを読むち得たものがなかった。
私の意識が低すぎるのかも知れないが。

2回目
発刊当時は上記の様に感じたが、今になって書かれていることがようやく理解できるようになった気がする。
ピケティ少し先を行き過ぎていたのかも知れない。これから再評価されるのではという気がする。

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Posted by ブクログ 2015年05月10日

やっと読み終わった。長い。長いよー。
さんざん言われてるように、r > g(資本収益率 > 経済成長率)が議論の出発点。そしてそれが資本の集中と大きな経済格差につながること、その格差を是正するための政策を議論する。話としてはとてもシンプル。
それがこんな大著になるのは、世界中の膨大なデー...続きを読むタを収集し、詳細に実証して見せているからで、そうして構築された議論はやはり力強いし説得力がある。
ただ、あまりに長く込み入っているので、通読するのはやはりしんどい。かといっていろいろ出てるピケティ本も玉石混淆ぽいし。とりあえず手っ取り早くおさえるには、山形浩生(訳者)の解説PDFがいちばんいいと思う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年01月01日

資本収益率が産出と所得の成長率を上回るとき(19世紀はそうだったし、また今世紀でもそうなる見込がかなり高い)、資本主義は自動的に、恣意的で持続不可能な格差を生み出し、それが民主主義社会の基盤となる能力主義的な価値観を大幅に衰退させることになるのだ。p2

【格差拡大の根本的な力―r>g】p27

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