表紙の「業績評価が組織をダメにする根本原因を分析」という文句に惹かれて購入.
データを集め,分析し,カイゼン,というループは今では当たり前の行為なのだが,その行き過ぎに警鐘を鳴らす.
我が大学も,まさにそうで,学部別の就職率の順位をつけて予算配分したりする.ただそのリストをよく見てみると,みんな進学
...続きを読む率が95%以上で,学部間に優位な差はない.本書で挙げられる典型的なダメ統計主義(統計執着,というらしい)である.
本書には,測定が有効に機能する例と,その5倍ぐらいの無益,いやむしろ有害な例が挙げられている.
多分に著者の主観(恨みつらみ?)が色濃いのであるが,行き過ぎた統計主義について,事例を豊富に紹介して,その問題点を解説した上で,最終章では「いつどうやって測定基準を用いるべきか −チェックリスト」と結んでいる.経営者や管理職の人は必読.