松本裕のレビュー一覧

  • 絶望死のアメリカ――資本主義がめざすべきもの

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    良書と聞いていたが期待通り。データも雄弁。しかし暗澹たる内容で、著者は政策も提案しているが、いまのアメリカ政治がそれを実現できるとも思えず、このままアメリカはどこまで壊れていくのだろうと思ってしまう。

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    2025年08月04日
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?

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    評価のための計測が結果的に教育のレベルを下げてしまったりといった、計測の悪い部分をかなり明瞭に説明した本。成功した医療の分野の話にも触れていてバランスも取れているが、一貫して計測を悪とみなす観点に貫かれている。

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    2024年01月09日
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?

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    組織の目標設定を継続的に考えるにあたり、参考にするため読みました。「計測できないものは制御できない」という思想に偏りがちだったことを自覚できました。定量目標がダメなわけではなく、測定執着がダメ。測定はその対象に影響を及ぼすし、利害関係が生じると歪む。測定自体のコストがそのメリットを上回る。本当に達成したいことは何か、そのために必要な手段かを絶えず考え続けようと思いました。

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    2023年01月11日
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?

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    表紙の「業績評価が組織をダメにする根本原因を分析」という文句に惹かれて購入.
    データを集め,分析し,カイゼン,というループは今では当たり前の行為なのだが,その行き過ぎに警鐘を鳴らす.
    我が大学も,まさにそうで,学部別の就職率の順位をつけて予算配分したりする.ただそのリストをよく見てみると,みんな進学率が95%以上で,学部間に優位な差はない.本書で挙げられる典型的なダメ統計主義(統計執着,というらしい)である.
    本書には,測定が有効に機能する例と,その5倍ぐらいの無益,いやむしろ有害な例が挙げられている.
    多分に著者の主観(恨みつらみ?)が色濃いのであるが,行き過ぎた統計主義について,事例を豊富

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    2023年01月09日
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?

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    エビデンス至上主義、計測指標至上主義の弊害をわかりやすくまとめた論考。簡単に短期で測れるものへの歪みや対象者選別などは目に浮かぶ。ただ、この本を頼みに成果計測を忌避するのも違う。問題は「至上主義」や人事評価やインセンティブとの連動にあるということをきちんと読み取る必要がある。NPOにおいて自組織の達成が何を指すのかや、多くの場合抽象的なビジョンに対して近づいているのかという問いを立て、スタッフや受益者をエンパワメントするために成果の定義や計測に向き合うことはやはり大切だと感じる。外部からの評価支援者は必読。

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    2022年12月04日
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?

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    なんでもかんでも分析し管理したくなる。完璧を目指すうちに物足りなくなり、少しでも気になったポイントがあれば、あらゆるデータが欲しくなるし、あらゆる側面から管理したくなる。そうしているうちに、データと管理の沼に足を取られ、本質を見失っていく…

    データ分析は繊細な作業なので、没頭してしまうと、いつの間にか大局的な視点がすっかり抜け落ちた状態でずんずん歩みを進めていってしまう。
    だからこそ、本当に絶対に必要な大事なものは何かを考えることを、意識的に思い出すようにしなければならない。
    また、とりわけパフォーマンス評価(管理はセーフだが、管理し始めるとほぼ間違いなく組織はそれを評価に繋げたくなってしま

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    2022年06月19日
  • VIP――グローバル・パーティーサーキットの社会学

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    諸行無常を感じる。価値交換の考察が非常に面白い。エリートの世界への入り口の狭さ。あらゆる意味で持つ者・持たざる者の差は埋められない。

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    2022年03月15日
  • 絶望死のアメリカ――資本主義がめざすべきもの

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    アメリカと言えば経済超大国、アメリカンドリームの成功への切符のイメージがある。

    しかし現在には後ろ暗い苛烈な人生が横たわっている。
    本書はそのような現象に目を向けた本。

    おそらく経済学の学術書として書かれたものだと思うが、帯に書かれているように「ありとあらゆる市民が読み、議論すべきものだ」だと思う。

    これはアメリカで起きていることだが、資本主義を採用している国々でも起きるかもしれない。。

    本書で議論される内容は以下だ。

    年月を経ると普通、死亡率は低下し平均年齢は上がっていくものだが、大卒未満の白人に関しては死亡率が増えている。
    それもアルコール中毒、薬物過剰摂取、自殺という本書で絶望

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    2022年01月20日
  • テクノロジーは貧困を救わない

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    Microsoftで働いて、その後インドのms研究所を立ち上げ多くのプロジェクトを行った著者による開発経済学寄りのエピソードを交えた学書。
    翻訳ではないのでスラスラと読めた。
    テクノロジーやシステムを与えただけでは問題の根本が解決しない難しさを具体のエピソードを基に記述しているので説得力があって分かりやすい。
    ITに限らず常に頭の片隅に置いておくべきもの。

    70/100

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    2021年07月31日
  • 絶望死のアメリカ――資本主義がめざすべきもの

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    世界的に見ても死亡率が低下する中で、中年白人の死亡率が上がっている。
    医療やその他の生活環境が改善されているはずなのに、何が起きているのか。
    トランプ支持の基盤理解もできる。

    アメリカの低学歴労働者を取り巻く問題の原因を検証しながら絞り込んでいく過程もとてもよい。
    日本でも同じことにならないようにと思うが、すでに始まっているはず。
    企業内で最低賃金と最高の役員報酬の倍率制限など(20倍以内とか)法整備で対応してほしい。

    労働分配率がおかしいこと、社会の富を奪っている社会コストは医療費であること(医療サービスが高額料金を設定して、莫大な利益をあげたり、不当な薬で製薬会社が利益をあげていること

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    2021年05月02日
  • 絶望死のアメリカ――資本主義がめざすべきもの

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    「アメリカがグレイトであった」と感じる特定の層が確実に存在し、それが懐古幻想でも何でもなく統計的に「実際にグレイトであった」ことを証明し、かつ、そうではない層にとっては同じく統計的に「実際にグレイトでなかった」ことを同時に証明し、アメリカの中に異なる2つの別世界が在ることを論じる一冊。本書と「ジョナサン・ハイト / 社会はなぜ左と右にわかれるのか」の二冊でアメリカの分断については概ね個人的に納得できたので、この問題について読むのはしばらくこれで終わりにしようと思う。大変な良書。

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    2021年04月07日
  • 絶望死のアメリカ――資本主義がめざすべきもの

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    自分の浅はかな理解では、米国では、労働者階級の白人中高年の死亡率が高くなっている統計データを元に、白人の下流階級がいかに悲惨で、彼らが収入だけでなく自己評価も苛まれている状況を映し出す。
    彼らは自殺率が高いだけでなく、薬物依存、アルコール中毒のような緩慢な死亡も多い。
    つまり、自殺に至るまでの絶望感を麻薬やアルコールで紛らわしている状況らしい。
    さらには、肉体労働に関係する人達が多いので、死亡に至らなくても、中高年になると心身的な痛みも感じているらしい。
    トランプへの熱狂を生み出したのは彼らなわけだ。

    今まで疑問に思っていたことは、日本人で米国留学したり、MBAを取得したり、TOEICの高得

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    2021年03月19日
  • テクノロジーは貧困を救わない

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    ネタバレ

    テクノロジーは貧困層の生活を豊かにする万能策なのだろうか?
    これがこの本の大きな問いである。そして著者はこの問いに対して「No」と言い、結局のところ、テクノロジーを利用する人そのものをアップグレードすることが必要であると主張している。

    この本の大きな意義は、テクノロジーの役割を再定義したことにある。著者は「増幅の法則」という理論を提唱しており、テクノロジーの本来の役割は「人の能力や意志を増幅することにある」としている。

    この本から得られた「増幅の法則」という着想は、家父長社会におけるICTの役割や意味を研究する自身にとって非常に有益なものであった。男性が支配的なバングラデシュ社会において、

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    2019年12月15日
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?

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    世界中の経営者、管理者の必読本にすべき名著。「測れるものは改竄できる」といった原理原則が、昨今の不祥事につながっていることをもっと危惧すべきだ。

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    2019年11月13日
  • アフリカ 希望の大陸 ― 11億人のエネルギーと創造性

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    アフリカのテクノロジー、ワクワクするわ。固定電話をすっ飛ばして携帯電話って話はよく聞くわけだけど、正直日本のような先進国じゃない環境で現在のテクノロジーを使うと何が生まれるのか、想像することは難しい。最近、欧米のスタートアップが知りたくてForbes 英語版を読んでたけど、アフリカスタートアップ情報を仕入れたくなってきた。

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    2019年05月31日
  • 社会的インパクトとは何か ― 社会変革のための投資・評価・事業戦略ガイド

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    アウトプット前提で読むことで名著と化す一冊

    掲題に本書の本質を書いた。
    当たり前のことが書いてあるー!と叫んでいる読者は、
    果たしてその当たり前のことをここまで言語化できるのだろうか。

    本書の価値、それは成功(持続のサイクルを確立)しているソーシャルビジネスや
    非営利組織の暗黙知をビジュアル化・言語化できていることに意味がある。

    ドラッカーの『非営利組織の経営』と併せて読めば、それだけで何十年もの間
    暗黙知化されていた理論を追体験することが出来る。
    “熱意・やる気・自己犠牲”にうんざりした全ソーシャルワーカーに捧げたい一冊。

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    2018年07月12日
  • 大脱出――健康、お金、格差の起原

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    「銃・病原菌・鉄」という本が面白かったので、この本も似たような本かなと思って読みました。面白かったです。
    「銃・病原菌・鉄」で残った疑問がこの本に書いてあったように思います。私は疑問が解けて少しすっきりしました。

    (疑問というのは、どうして50代の私が子供の頃から発展してないような国があるのかな、ということです。50年もたったら教育とかインフラとかすごく進んでるはずだと思うのに、何だか50年前とそんなに変わってないと思える国が結構あって不思議だなーと思っていたのです。)

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    2016年02月21日
  • 私は、走ろうと決めた。 ― 「世界最悪の地」の女性たちとの挑戦

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    【地上最悪の地】と呼ばれるコンゴ民主共和国の為に、
    奔走する女性の物語。

    自分の想像を超えた、世界がそこにはあった。
    目の前で母親の足が切られて、それを食べるように
    強制される子ども。「食べなければ殺す。」と銃を突付けられる。
    それにも屈しない子どもが言った言葉「お母さんを食べるなんて出来ない、殺せ。」

    そんな言葉を言わなければならない世界ってどんなんだろう。

    分からない、でも分からないでは済ましたくない。

    「こんな世界があるんだ、かわいそう。」
    「僕たちは恵まれているんだ。」って終わらせたくない。

    この本から学んだこと、
    それは、【コンゴ民主共和国の危険性】、
    そして、【コンゴ民主

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    2013年03月08日
  • アフリカ 動きだす9億人市場

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    アフリカ市場がどのような市場であるか、様々な起業家・経営者の話を書き綴っている本です。

    ☆5にしたのは自分がアフリカ経済について余り知らなかった為、私にとっては非常に有用だったからです。内容自体に関しては、知っている人からすれば大したことはないのかも知れません。実際は☆4.5程度の評価だったと思います。何度も読み返すものでもないですが、知識として確実に仕入れておく必要がある内容でしょう。

    簡潔に纏めると。

    アフリカ市場は世界10位の規模を持つ経済圏であり、現在急成長中、中国やインドの企業、欧米の企業も続々と参戦している。海外からの投資も順調に増え続け、人々の富は確実に増えている。電話線が

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    2011年06月05日
  • アフリカ 動きだす9億人市場

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    いつも接しないアフリカに対する考え方が深くなる良い本。 アフリカの中流階級、9億人と見なすと規模がある、EU/中国との関係、などしれば知るほど面白い。

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    2011年02月16日