松本裕のレビュー一覧

  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    評価のための計測が結果的に教育のレベルを下げてしまったりといった、計測の悪い部分をかなり明瞭に説明した本。成功した医療の分野の話にも触れていてバランスも取れているが、一貫して計測を悪とみなす観点に貫かれている。
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    組織の目標設定を継続的に考えるにあたり、参考にするため読みました。「計測できないものは制御できない」という思想に偏りがちだったことを自覚できました。定量目標がダメなわけではなく、測定執着がダメ。測定はその対象に影響を及ぼすし、利害関係が生じると歪む。測定自体のコストがそのメリットを上回る。本当に達成...続きを読む
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    表紙の「業績評価が組織をダメにする根本原因を分析」という文句に惹かれて購入.
    データを集め,分析し,カイゼン,というループは今では当たり前の行為なのだが,その行き過ぎに警鐘を鳴らす.
    我が大学も,まさにそうで,学部別の就職率の順位をつけて予算配分したりする.ただそのリストをよく見てみると,みんな進学...続きを読む
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    エビデンス至上主義、計測指標至上主義の弊害をわかりやすくまとめた論考。簡単に短期で測れるものへの歪みや対象者選別などは目に浮かぶ。ただ、この本を頼みに成果計測を忌避するのも違う。問題は「至上主義」や人事評価やインセンティブとの連動にあるということをきちんと読み取る必要がある。NPOにおいて自組織の達...続きを読む
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    なんでもかんでも分析し管理したくなる。完璧を目指すうちに物足りなくなり、少しでも気になったポイントがあれば、あらゆるデータが欲しくなるし、あらゆる側面から管理したくなる。そうしているうちに、データと管理の沼に足を取られ、本質を見失っていく…

    データ分析は繊細な作業なので、没頭してしまうと、いつの間...続きを読む
  • VIP――グローバル・パーティーサーキットの社会学
    諸行無常を感じる。価値交換の考察が非常に面白い。エリートの世界への入り口の狭さ。あらゆる意味で持つ者・持たざる者の差は埋められない。
  • 絶望死のアメリカ――資本主義がめざすべきもの
    アメリカと言えば経済超大国、アメリカンドリームの成功への切符のイメージがある。

    しかし現在には後ろ暗い苛烈な人生が横たわっている。
    本書はそのような現象に目を向けた本。

    おそらく経済学の学術書として書かれたものだと思うが、帯に書かれているように「ありとあらゆる市民が読み、議論すべきものだ」だと思...続きを読む
  • テクノロジーは貧困を救わない
    Microsoftで働いて、その後インドのms研究所を立ち上げ多くのプロジェクトを行った著者による開発経済学寄りのエピソードを交えた学書。
    翻訳ではないのでスラスラと読めた。
    テクノロジーやシステムを与えただけでは問題の根本が解決しない難しさを具体のエピソードを基に記述しているので説得力があって分か...続きを読む
  • 絶望死のアメリカ――資本主義がめざすべきもの
    世界的に見ても死亡率が低下する中で、中年白人の死亡率が上がっている。
    医療やその他の生活環境が改善されているはずなのに、何が起きているのか。
    トランプ支持の基盤理解もできる。

    アメリカの低学歴労働者を取り巻く問題の原因を検証しながら絞り込んでいく過程もとてもよい。
    日本でも同じことにならないように...続きを読む
  • 絶望死のアメリカ――資本主義がめざすべきもの
    「アメリカがグレイトであった」と感じる特定の層が確実に存在し、それが懐古幻想でも何でもなく統計的に「実際にグレイトであった」ことを証明し、かつ、そうではない層にとっては同じく統計的に「実際にグレイトでなかった」ことを同時に証明し、アメリカの中に異なる2つの別世界が在ることを論じる一冊。本書と「ジョナ...続きを読む
  • 絶望死のアメリカ――資本主義がめざすべきもの
    自分の浅はかな理解では、米国では、労働者階級の白人中高年の死亡率が高くなっている統計データを元に、白人の下流階級がいかに悲惨で、彼らが収入だけでなく自己評価も苛まれている状況を映し出す。
    彼らは自殺率が高いだけでなく、薬物依存、アルコール中毒のような緩慢な死亡も多い。
    つまり、自殺に至るまでの絶望感...続きを読む
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    成果主義の名の下に成果の測定を求められることが、営利企業はもとより役所や学校・病院など非営利組織でも一般的になっている。しかし、測定するという行為は組織が本来やるべき業務を妨げ、意図せざる副作用をもたらしてしまうことがある。例えば、医師の成績を手術の成功率で測ると、難病の患者は手術してもらえなくなり...続きを読む
  • テクノロジーは貧困を救わない
    テクノロジーは貧困層の生活を豊かにする万能策なのだろうか?
    これがこの本の大きな問いである。そして著者はこの問いに対して「No」と言い、結局のところ、テクノロジーを利用する人そのものをアップグレードすることが必要であると主張している。

    この本の大きな意義は、テクノロジーの役割を再定義したことにある...続きを読む
  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    世界中の経営者、管理者の必読本にすべき名著。「測れるものは改竄できる」といった原理原則が、昨今の不祥事につながっていることをもっと危惧すべきだ。
  • アフリカ 希望の大陸 ― 11億人のエネルギーと創造性
    アフリカのテクノロジー、ワクワクするわ。固定電話をすっ飛ばして携帯電話って話はよく聞くわけだけど、正直日本のような先進国じゃない環境で現在のテクノロジーを使うと何が生まれるのか、想像することは難しい。最近、欧米のスタートアップが知りたくてForbes 英語版を読んでたけど、アフリカスタートアップ情報...続きを読む
  • 社会的インパクトとは何か ― 社会変革のための投資・評価・事業戦略ガイド
    アウトプット前提で読むことで名著と化す一冊

    掲題に本書の本質を書いた。
    当たり前のことが書いてあるー!と叫んでいる読者は、
    果たしてその当たり前のことをここまで言語化できるのだろうか。

    本書の価値、それは成功(持続のサイクルを確立)しているソーシャルビジネスや
    非営利組織の暗黙知をビジュアル化・...続きを読む
  • 大脱出――健康、お金、格差の起原
    「銃・病原菌・鉄」という本が面白かったので、この本も似たような本かなと思って読みました。面白かったです。
    「銃・病原菌・鉄」で残った疑問がこの本に書いてあったように思います。私は疑問が解けて少しすっきりしました。

    (疑問というのは、どうして50代の私が子供の頃から発展してないような国があるのかな、...続きを読む
  • 私は、走ろうと決めた。 ― 「世界最悪の地」の女性たちとの挑戦
    【地上最悪の地】と呼ばれるコンゴ民主共和国の為に、
    奔走する女性の物語。

    自分の想像を超えた、世界がそこにはあった。
    目の前で母親の足が切られて、それを食べるように
    強制される子ども。「食べなければ殺す。」と銃を突付けられる。
    それにも屈しない子どもが言った言葉「お母さんを食べるなんて出来ない、殺...続きを読む
  • アフリカ 動きだす9億人市場
    アフリカ市場がどのような市場であるか、様々な起業家・経営者の話を書き綴っている本です。

    ☆5にしたのは自分がアフリカ経済について余り知らなかった為、私にとっては非常に有用だったからです。内容自体に関しては、知っている人からすれば大したことはないのかも知れません。実際は☆4.5程度の評価だったと思い...続きを読む
  • アフリカ 動きだす9億人市場
    いつも接しないアフリカに対する考え方が深くなる良い本。 アフリカの中流階級、9億人と見なすと規模がある、EU/中国との関係、などしれば知るほど面白い。