松本裕のレビュー一覧
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KPIの設定について議論すると、経営者の経営センスや部門運営者の運営センスが如実に表れるが、本書はその言語化が難しい「センスの善し悪し」を具体的事例を多数研究して「数値目標」という切り口から見事にあぶり出している。
みんな一様に可視化、見える化、KPIと叫ぶが、現場感覚なくダッシュボードを眺めたり、偉そうに論評して、仕事をした気になっている人はいくらでもいる。それだけならまだしも、なんちゃって経営のために膨大な労力と時間を使って可視化に携わる人達がいるのが残念でならない。
そもそも何を可視化するのか、何故可視化するのか、あなたやあなたの組織の目的はなんなのか?
そんな当たり前の話が理解できない -
給料によるモチベーション
測定に力を入れすぎる、見かけ上の目標達成を目指してしまうと、本質を見失い、損失がうまれるという内容。
ビジネス以外の事例が豊富。
測定可能な数値による外的動機付け(給料)は、内的動機付け(仕事内容からくるモチベーション)を損なわせる。そして、特に学校、病院といった非営利組織において、組織としての目標を達成する上で、給料によるモチベーションアップは逆効果であるといった内容が印象に残った。 -
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ネタバレ証拠ベースの政策決定。アカウンタビリティ(説明責任)。PDCAサイクル。それらのためにはまずは測定することが第一歩。ということで何でもかんでもまずは数値化という昨今。
本書は、測る仕事ばかりが無意味に増えて頭にきた大学教授が専門外の文献を読んでまとめた論文の形になっている。
測ること自体が問題だと批判しているわけではない。測ることが万能だと思うのが間違いである。数値化して可視化すれば何でも上手く行くわけではないのだ。
測ろうとしている対象、例えば、学校の教師の能力だとか、会社組織のパフォーマンスなどのうち、実際に数値化できることはそのほんの一部分限られているし、測るのは数値化しやすい部分 -
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データをもとに国の政策や企業経営、従業員の報酬体系がが決められていくというのは、当然のことだし、科学的で良いことと思われている。しかし筆者は、測定に執着しすぎることには多くの悪い側面があるという。本書では、「測りすぎた結果かえって悪くなった」例がいくつか紹介されているが、ここではアメリカの学校の事例を取りあげたい。
2001年にアメリカで、通称「落ちこぼれ防止法」が施行された。これは、成績に関して民族間の根強い格差が存在していたため、その解消を狙って作られた法律だ。
この法律ものとで、毎年3年生〜8年生に算数、読解、科学のテストが受けさせられた。テストの結果、特定の生徒のグループの進歩が見ら -
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元マイクロソフトのエンジニアである著者は、インドでの教育・開発支援にかかわった経験から、ソリューションの援助よりも先に、心(意図)、知性(判断力)、意志(自制心)を備える受け手がまず必要だと説き、テクノロジーを投入さえすれば、自発的に活用されて生活が改善するという考えに批判を加えている。
ここで批判されているプロジェクトは、
ワン・ラップトップ・パー・チャイルド(One Laptop Per Child)
ホール・イン・ザ・ウォール(Hole in the Wall)
グラミン銀行
など。
将来的に収入の増加が見込めるとしても、勉強したりビジネスを立ち上げて成功するという事例を見聞きしたり -
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学生時代に輪読したカステルを思い出した。「情報技術と社会の相互作用」という訳を多用した記憶があるが、その表現だとなんだか抽象的でピンと来ないが、本書を読めば、「あ、そういうことね」と合点がいく。学生時代の自分に読ませてやりたい。本書の主張は、社会問題のみならずビジネスシーンでも思い当たる節がある。情報技術がどれだけ進んでも、それを導入する側に度量がなければ、成功しないとの感覚をもっており、同意見である。
ツイッターの使い方は誰でも覚えられる。だがどのような媒体を使うにしろ、説得力のある議論を構築して展開するには思考力と文章力、そしてコミュニケーション力が必要だ。これらの能力は携帯メールや -
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マイクロソフト・リサーチでキャリアを重ね、今ではミシガン大学の准教授になっている方による、貧困を救うためにはテクノロジー一本槍じゃダメなんだ、という主張。
読み始めた時は、もっとテクノロジーよりの細かい話で、「こういうところを改善すれば…」的な提言でもあるのかしら、と思っていたのですがさにあらず。前半は優れたテクノロジーがあっても上手く行かなかった例、後半は、援助において(あるいは物事全般において)人を動かすためには何が必要なのかを語っています。
個人的には、少し視野が広がった感覚があり、タイトルだけから想像していた内容よりも良い意味で意外な展開でした。
例えば、スラム街の学校にパソコンを導 -
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書きたいこと、いっぱいあるな。
まずはやたらICT導入とか言っちゃって、人の予算削ってまで機械にお金注ぎ込む能無し自治体へ、爆弾のように投げてやりたい。
といっても、そんな能無し野郎どもはこれを読むだけの能力もないかも、だけど。
翻訳文で、かなり厚いよ。
とはいえ、4分の1は参考文献と原注と索引だけどね(笑)
とにかく自治体の物事を見通す力のなさを呪いたくなる1冊でありましょう。
テクノロジーの作用というのは人間の生活を良くする効能があるのではなく、今ある現象を増幅させる(レバレッジを効かせる)作用があるということ。
昔の人は偉かった、こういう事象をちゃんとすでにことわざにしてる。
「馬鹿と -
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近年の貧困研究についての状況が丁寧に書かれている。
解決策が明確になってるわけでなく、考える切っ掛けとなる本。
第一部 生と死、死亡率や病気、身長といったモノがどう変わってきたのか
第二部 お金、所得格差の状況や変化について
第三部 助け 様々な格差にどう立ち向かうのか
様々なデータを紹介しつつ著者の考えが述べられている。
世界がどう変わってきたのかを多くのデータから推考しながら今後どうあるべきかを考えさせられる。
よくある国際比較や貧しい国といったことだけでなく、死や病気などからの「大脱出」は先進国でも起きているといった話や、貧困にあえぐ人の中には「知識」が広まると解決するであろう事が -
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コンゴ共和国をリサという女性が行った話。
財布を落としても届けてくれる人がいる。ご飯を満足に食べられる。不満があるとしたら朝の満員電車。
平和ボケと自らなじるほど「平和」な国の私達からしてみれば、テレビの向こうに広がる世界はニュースの一片にしか感じられない世界。
私達の立場からしてみれば、陳腐な言葉でいうと
「映画の中だけの話だと思っていた」と言われてしまいそう。
個人的には、電車内広告でよく見る「何歳で結婚。何歳で出産。恋愛は皆無」みたいな某NPO法人系の広告を思い出した。
広告でも映画でも伝わってこない、否、伝えきれない現状が(重要なのはこれが過去ではなく”現状”であること)あるというこ -
Posted by ブクログ
ネタバレ目をそむけたくなるくらいの現実を見てしまった時
知ってしまった時
ーどーせ 私ひとりが何かをしても世界は変わらない
そんな想いを抱くのは 逃げられる場所があるからだと思った
~救いたい人たちがいる
たとえ世界が目を背けても~
そんな想いを抱えて リサは走る
どうにもならない現実
自分だけではどうにもならない現実
紛争地コンゴで見た現実
壊れかけた心を抱え 制御不能になりそうになる
しばしの休養をとろうとやってきたナイロビ空港のカフェで
隣の席から聞こえてきた
「一番ショッキングな出来事について」の会話
「あんた、何寝ぼけてんの?アフリカで遭遇した1番ショックキングな
出来事が -