松本裕のレビュー一覧

  • 測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
    徹底して可視化や透明性など、昨今の大学に求められる測定主義の落とし穴について批判的に論じている。本書を書くきっかけも、著者が大学の執行部にいる時にアクレディテーションに疑義を感じたことであるとのこと。色々考えさせられた。
  • 大脱出――健康、お金、格差の起原
     世界全体では貧困や健康は改善している。生活水準や健康状態はこの100年で劇的に改善してきた。お金については富裕国はますます豊かになり、一方、貧困国は、中国とインド以外は目立った改善が見られず、富裕国との差が広がっている。しかし、富裕国でさえ発展の速度が停滞している。
     富裕国の貧困国に対する支援は...続きを読む
  • カミングアウト――LGBTの社員とその同僚に贈るメッセージ
    著者は英国の石油大手のトップにまで登りつめた超エリート。もっと早くカミングアウトしていれば、と振り返りが何度もあるが、世代的には、していなかったからこそトップになれたような気もするし…。この本ではゲイの間では売春まがいの関係、一夜限りの関係が当たり前のように思ってしまうが、そんなことはないと思いたい...続きを読む
  • テクノロジーは貧困を救わない
    元マイクロソフトのエンジニアである著者は、インドでの教育・開発支援にかかわった経験から、ソリューションの援助よりも先に、心(意図)、知性(判断力)、意志(自制心)を備える受け手がまず必要だと説き、テクノロジーを投入さえすれば、自発的に活用されて生活が改善するという考えに批判を加えている。

    ここで批...続きを読む
  • テクノロジーは貧困を救わない
     学生時代に輪読したカステルを思い出した。「情報技術と社会の相互作用」という訳を多用した記憶があるが、その表現だとなんだか抽象的でピンと来ないが、本書を読めば、「あ、そういうことね」と合点がいく。学生時代の自分に読ませてやりたい。本書の主張は、社会問題のみならずビジネスシーンでも思い当たる節がある。...続きを読む
  • テクノロジーは貧困を救わない
    最初のほうは教育との関連を強く出していたが、だんだん、道徳律の話になってきて、最後の方はインドの話を中心とした開発援助のあり方の話になっていった。
     情報教育の参考文献とするにはすこし外れてしまったような気がする。
  • テクノロジーは貧困を救わない
    マイクロソフト・リサーチでキャリアを重ね、今ではミシガン大学の准教授になっている方による、貧困を救うためにはテクノロジー一本槍じゃダメなんだ、という主張。
    読み始めた時は、もっとテクノロジーよりの細かい話で、「こういうところを改善すれば…」的な提言でもあるのかしら、と思っていたのですがさにあらず。前...続きを読む
  • テクノロジーは貧困を救わない
    日本語タイトルはいかがなものかと思うが,内容はしっかり
    した本だ。
    技術だけでは何もできない人が重要なのだ,というのはその昔の村おこし,町おこしのときから変わってない。
  • テクノロジーは貧困を救わない
    書きたいこと、いっぱいあるな。
    まずはやたらICT導入とか言っちゃって、人の予算削ってまで機械にお金注ぎ込む能無し自治体へ、爆弾のように投げてやりたい。
    といっても、そんな能無し野郎どもはこれを読むだけの能力もないかも、だけど。
    翻訳文で、かなり厚いよ。
    とはいえ、4分の1は参考文献と原注と索引だけ...続きを読む
  • 大脱出――健康、お金、格差の起原
    近年の貧困研究についての状況が丁寧に書かれている。
    解決策が明確になってるわけでなく、考える切っ掛けとなる本。

    第一部 生と死、死亡率や病気、身長といったモノがどう変わってきたのか
    第二部 お金、所得格差の状況や変化について
    第三部 助け 様々な格差にどう立ち向かうのか

    様々なデータを紹介しつつ...続きを読む
  • 大脱出――健康、お金、格差の起原
    主に健康の観点から世界の貧困を観察した本で、本書での分析や既にある政策はとても説得的で、新たな重要な観点の提供はとても価値あるものであり、全体を通じて良書であると言える。唯一玉に瑕なのが、貧困から大脱出するための具体的な案がほとんど書かれていないことだ。なので星4つの評価となった。
  • 私は、走ろうと決めた。 ― 「世界最悪の地」の女性たちとの挑戦
    コンゴ共和国をリサという女性が行った話。
    財布を落としても届けてくれる人がいる。ご飯を満足に食べられる。不満があるとしたら朝の満員電車。
    平和ボケと自らなじるほど「平和」な国の私達からしてみれば、テレビの向こうに広がる世界はニュースの一片にしか感じられない世界。
    私達の立場からしてみれば、陳腐な言葉...続きを読む
  • 私は、走ろうと決めた。 ― 「世界最悪の地」の女性たちとの挑戦
    目をそむけたくなるくらいの現実を見てしまった時
    知ってしまった時

    ーどーせ 私ひとりが何かをしても世界は変わらない

    そんな想いを抱くのは 逃げられる場所があるからだと思った

    ~救いたい人たちがいる
    たとえ世界が目を背けても~

    そんな想いを抱えて リサは走る

    どうにもならない現実
    自分だけで...続きを読む
  • アフリカ 動きだす9億人市場
    アフリカは施しの対象ではなく、希望に満ちた有望な市場である。
    本書にはそんなことを感じさせてくれる事例がこれでもかというぐらい紹介されています。

    アフリカは起業家精神と援助双方への投資を必要としている。そして、その投資は教育、健康、食料に賢く振り向けなければならない。

    これまでのネガティブなアフ...続きを読む
  • アフリカ 動きだす9億人市場
    本書は、アフリカの可能性を説いた一冊である。
    アフリカはAIDSやマラリアが横行し、政治は腐敗している。例えばジンバブエのインフレ率は2006年に1,000%に達し、借入利率は400~500%とされている。

    しかしこれは、アフリカの一側面を切り取っただけに過ぎないと著者は主張する。アフリカは今まで...続きを読む
  • アフリカ 動きだす9億人市場
    ●内容
    ・「アフリカ」を俯瞰した感じのマーケ本。「中流」層に向かいつつある「アフリカ2」のセグメントに注目。
    ・インド出身の経営学者による「アフリカ」マーケットの分析
    ・インド市場や中国市場とアフリカ市場の成長プロセスが似ていることに注目し、成長分野を語る。

    ●感想
    ・「アフリカン・ドリーム」への...続きを読む
  • アフリカ 動きだす9億人市場
    仕事の関係でざっと読破。よんだBOP/アフリカに関する資料てきな書籍の中では、一番興味をそそられる内容だった。援助の罪悪、各国の事情に合わせて、何よりも商魂たくましいお国柄が印象的だった。
    ビジネスにおいてのポジションと、起業マインドを併せ持つ国民性は、今後すごいパワーを秘めているんだろう…と素直に...続きを読む
  • アフリカ 動きだす9億人市場
    知っていることと、知らないこと。
    知っていると思っていても、実は知らないこと。
    正しいこと、正しくないこと。ルールがあるもの、ないもの。
    結局は、自分を信じるしかないけど、知らないことがあることも知ろう。
  • アフリカ 動きだす9億人市場
    ゼミ選考課題の所感文のために読んだ本
    以下その時に書いた所感文

     本書では序文で、貧困、紛争、政治腐敗などの悪いニュースに表象される「施しの対象」という世界中の多くの人々がアフリカに対して持っているイメージがアフリカの成長を阻害している最大の原因であるとして大きく否定し、大陸全体で9億人という人口...続きを読む
  • アフリカ 動きだす9億人市場
     9億人が生きるアフリカ大陸53ヵ国のうち、2006年の国民総所得の一人あたり平均で12ヵ国は中国より高く、20ヵ国がインドを上回っている。大陸全体の平均ではインドのそれを上回っている。アフリカは意外に豊かな市場なのだ。
     むろん、世界の最貧国もアフリカには存在し、問題が山積していることも事実だ。だ...続きを読む