新しい挑戦に20%の時間を使う
グーグルの『20%ルール』には裏がある。実質的には20%ではなくて120%だ」。つまり20%の時間でやるはずの特別プロジェクトは、実際は「本来の仕事にプラスして」やっているということだ
「チームで大切なことは何か」「どんなことをしているのか」「どんな助けが必要か」「どんな分野の頭脳を探しているのか」といった質問をするそうだ。 そしてこの会話から、自分が相手を助けられる方法を考える。相手のところにいきなり押しかけて、面白そうなプロジェクトだからこっちに欲しいと要求しても、大失敗に終わるだけだ。そうではなく、自分の目的はあなたの負担を軽くすることだという意図を、明確に伝えなければならない。アダムは言う。 「たとえば相手に向かって、『そのことについては10くらい記事を読んだ。そこから三つの面白い情報を見つけた。あなたたちの今後の展開についても五つ提案がある。もしよければ、週に何時間か使ってお手伝いするよ』ともちかける。ここまで具体的に助けを提案すれば、断られることはめったにない。そして実際に一緒に仕事をしてみて、運良く相性が合ったら、より多くのミーティングに招待されるようになる。内部に入りこむことができ、信頼されるようになる
「〝チャンスが訪れた〟というのは、かなりお上品な表現だね。実際、僕は必死だったよ。『お願いだから、できることがあったらやらせてほしい』と懇願したんだ。移動ツールの未来には、ものすごく興味があった。
全てを賭ける戦略は決して褒められたものではない
イーロンマスクは全て賭けて成功したが、
成功の裏には、全てを失った人がいる
ハイリスクハイリターン
ローリスクローリターン
第3の道
ハートビートインカムを確保した上で、リスクを取る
全ての経験が結果に繋がる訳ではない
どれが結果に繋がるか事前に見分けることも出来ない
スケジュールに余白を作る
忙しさは成功の証ではない。むしろその正反対
①正しいサポートを手に入れる
た。「まずは、とにかく夢を公言してしまいましょう。つらくなると、人は挑戦をあきらめてしまう。ほかの人はいとも簡単に成功しているように見えるからね」とペトラは語る。ペトラによると、つらいときに気持ちをふるい立たせる一番の方法は、信頼できる友人にサポートしてもらうことだ。
②コーチを雇う
③期限を決める
夢に向かって行動したいなら、必要なのは時間ではなく、期限だ
④学び続ける
⑤負けても勝てるようにする
パビリオンの仕事の結果がどうなっても、その仕事で新しいスキルを学び、貴重な人脈を築くことができた。 チャンスが訪れたら、まずそのチャンスで得られる最低限の利益を計算する。たとえ大きな成果につながらなくても、そこに自分にとってプラスになる何かはあるか?「新しい業界を知ることができる」「ある地域での人脈ができる」「新しいソフトウェアの使い方を学べる」「スピーチのような、何か貴重なスキルを磨くことができる」、そういった利益になることだ。 その最低限の利益に魅力を感じるなら、挑戦する価値はあるだろう。仕事のオファーなど、自分でコントロールできない利益は、おまけとして楽しめばいい。
⑥10年単位で考える 昔からよく言われているように、「人間は1日でできることを過大評価し、1年でできることを過小評価する」。
この期間を「10年」にまで広げると、さらにぐっと過小評価が激しくなる。
20%ルールも、ある意味で投資だ。株の投資と同じように、10年たてばかなり大きな複利効果が期待できる。最初は小さな、とるに足らない一歩でも、10年後にはあなたとライバルの間に巨大な距離ができているはずだ。
戦略的に「一点集中」する
成果を最大化するには、
最も大切な一つの目標に全集中
探すモード
集中モード
『Entrepreneurial You』
「シャイニー・オブジェクト・シンドローム」(キラキラ光るもの症候群:最先端のものにすぐに飛びついて振り回される傾向のこと)について語った。多くの起業家は、どうしても「次の大物」に飛びついてしまう傾向がある。そして、それは一般の私たちも変わらない。
これは究極の「短期思考」だ。興味の対象が次から次へと変わっていては、一つのアイデアをじっくり育てることはできない。どんなに優れたアイデアでも、形になることはないだろう。「今の自分にとって一番重要なものを選び、それだけに集中するのはとても難しい。なぜなら、一番重要なものは、あとから振り返って初めてわかるからだ」
現在のプロジェクトでは、それなりに成功しているかもしれない。「しかし、本当にそれが自分にとって一番大切なものか?」とジャレドは疑問を投げかける。このまま続けてそれを見きわめるべきなのか、それともほかのものを試してみるべきなのか。ほかのものを試すのは恥ずかしいことでもなんでもない。ジャレドはこうも言った。
「ただし、『探すモード』になっていることが条件だ。『集中モード』に入っていて、自分のやるべきことがわかっているなら、それをそのまま続けるべきだ」
それぞれのモードにはふさわしいタイミングがあり、自分が今どちらのモードにいるべきかを知るのが重要だという。顔を上げて新しいチャンスを『探すモード』なのか、下を向いて目の前のことに『集中するモード』なのか。この二つを混同してはいけない。目の前のうまくいっていること、まだ完全に可能性を引き出せていないことに全集中すべきなのに、顔を上げてキョロキョロしながら新しいチャンスも探していると、上を向いたり下を向いたりして首が痛くなるだけだ。
数年前にジャレドのこの「モードの切り替え」戦略を採用させてもらって以来、私は「探すモード」と「集中モード」のそれぞれに、ある一定の期間を割り当てるようにしている。たいていは3カ月から半年だ。「探すモード」のときは、ディナーや会議にたくさん出て人脈を広げる。ポッドキャストの出演やインタビューもどんどん引き受ける。しかし、「集中モード」に入ったらすべてが変わる。よほど緊急の場合を除き、誘いはすべて断る。新しいオンラインコースの構築や、本の執筆など、大きなプロジェクトに没頭する。
このやり方のおかげで、私は必要なときに集中力を高めることができるようになった。さらに、同じような仕事を一つにまとめれば、マルチタスクによる認知力への負荷を軽減できる。モードの切り替えで、いつでも新鮮な気分を保つことも可能になった。筋トレも同じだ。毎日ウェイトを上げるのは間違っている。筋肉を大きくするには、休ませて回復させることが必要だ。
毎日同じことを繰り返し、だらだら進むよりは、定期的にモードを切り替えたほうが生産性も向上する。
探すモードと集中モードで人生にメリハリをつけると、集中力を有効に活用することができる。さらに視点を広げれば、この考え方は、私が提唱する「キャリアを波で考える」というコンセプトの根拠にもなっている。
第5章で学んだこと
「探すモード」と「集中モード」を適切に使い分け、さらに大きな成果を上げる。
「探すモード」のときは顔を上げ、新しい人脈や新しいチャンスを積極的に探す。
「集中モード」のときは下を向き、目の前のことに全集中する。
すべてをやることはできない少なくとも一度にすべてをやるのは不可能だ。ここではキャリアを「波で考える」ことが役に立つ。
①学ぶ
1目指す分野について学んで知識を身につける
②創造する!自分のアイデアを創造して世の中に伝える
③つながる
同じ分野の人たちと積極的につながる。彼らから学び、自分もコミュニティの一員として貢献する
④収穫する!
自分の分野である程度の地位を築いたら、努力の成果をゆっくり楽しむ
第四の波「収穫する」には賞味期限がある。期限がきたら、また新しいことに挑戦し、新しい何かを創造しなければならない。
第6章 戦略的レバレッジ
互換性のない二つの仕事を同時に行うときだ。たとえば、「電話会議に参加しながらメールを書く」のは悪いマルチタスクだ。複数人の会話を聞きながら意味のある文章を書くことはできない。
しかし、私が直感的に実施していたマルチタスク(ここではあえて「いいマルチタスク」と呼ぶ)は、同時に行う二つの仕事に互換性がある。たとえば、「オーディオブックを聴きながら運動する」「夕食の支度をしながら母と電話で話す」「ビジネスのクライアントと舞台を観にいく」などだ。どちらのタスクも効果的に行えるなら、これは二つの仕事とカウントしてもいいだろう。
30分間で「母親と電話」と「夕食の支度」の両方を片づけたことになる。この「いいマルチタスク」で、1週間で使える時間が29%増える計算だ。
日常業務をこうして効率化することに加え、私は休息時間にも注目した。
以前、ロシアのサンクトペテルブルクへ行った経験がきっかけだ。サンクトペテルブルク初日はかなりひどい時差ボケだったので、私は街を歩き回り、弱々しい太陽の光をできるだけ浴びようとした。概日リズムを正常に戻すためだ。私は空腹で、眠く、集中力が散漫になっていた。頭や集中力を使うような仕事ができる状態ではない。メールの返信でさえハードルが高い。だが、カフェに入って紅茶を飲んでいると、急にひらめき、ウェートレスに紙とくンを持ってきてもらった。
ここに来るまでの飛行機内ではずっと本を読んでいた。ピーター・ドラッカーのエッセイだ。ドラッカーは言わずと知れた経営の神様と呼ばれる人物で、マーシャル・ゴールドスミスのメンターでもある。私の頭の中でぼんやりと漂っていたアイデアが一つになった。ドラッカーは戦略的思考の達人であり、彼のエッセイを読んで触発された私は、紙に次の質問を書いた。「自分の時間を何に使うべきか?」「自分の行動のうち、どの20%が80%の結果をもたらしているか?」「やめられることはあるか?」「制約を自分の利益になるように利用するにはどうするか?」「自分の未来にどんな仮説を立てているか?その仮説から今日の行動を決めるにはどうするか?」。それから
1時間ほどかけて、私は質問の答えをノートに書いていった。
あのとき書いた答えが、次の1年の戦略的な指針になった。どうやら時差ボケでぼんやりした私の頭は、機内で読んだドラッカーのエッセイの内容を無意識のうちに処理していたようだ。オランダの研究者アプ・ダイクステルホイスによると、メリットとデメリットを「意識的に検討する」よりも、「無意識の思考にまかせる」ほうが、いい結果につながるという。サンクトペテルブルクの街を歩いていた私も、まさにそれを行っていたようだ。
「無意識は異なる事柄を並行して処理し、大量の情報を統合する力がある」とダイクステルホイスは言う。それに「異なる属性の相対的な重要性を判断する」ことにおいては、意識的な思考よりも優れた能力を発揮する(1。
まさか時差ボケの頭が、戦略的年間計画の作成に適しているとは思いもよらなかった。しかしそれに気づいてからは、ほかの人にとっては無駄のようにみえる時間を活用するように心がけている。これも、時間にレバレッジを効かせるということだ。
自分の時間を戦略的に使うために自分にすべき第二の質問は、「何かを一度だけして、10回したのと同じ効果を出すにはどうすればいいか?」だ。具体的には、たとえばブログにアップした一つの記事を、SNSも活用して拡散するといったことだ。フェイスブックの投稿にブログのURLを貼る。ツイッターでブログからの短い引用を投稿する。インスタグラムにブログ記事と関連ある画像を投稿する。リンクトインにブログ記事の要約を書く。これらの作業に必要な労力は、ブログ記事を書く労力のほんの10%くらいだろう。
そのわずかな手間で、ブログ記事の拡散ポテンシャルを最大化し、より多くの人に読んでもらうことができる。なのに私たちは、「あと一手間」を惜しんでいるのだ。
イベントで、沢山の知り合いを作る、狙っていた相手と確実に繋がるだけではなく、
記事を書き、SNSでシェア
記事にするという理由で設立者の1人にインタビュー
会議で学んだ事を自分の中で整理し、キャリアに生かすこともでき、権威あるイベントに出席したという実績でキャリアに箔がついた
①コンテンツを創造する
②社会的承認
③ネットワーク
第6章で学んだこと
回レバレッジを効かせるために自分に次の質問をする。
「自分の時間を何に使うべきか?」
「自分の行動のうち、80%の成果を出す20%の行動は何か?」「何をやめることができるか?」
「制約を自分の利益になるように利用するにはどうするか?」
「自分はどんな未来を想定しているか?その未来から逆算して、今日はどんな行動を取るべきか?」
「1回の行動で10回の行動と同じ成果を出すにはどうするか?」
「私はどこに住み、どんな生活を送りたいか?その夢の実現のために行動を起こしたらどうなるか?」「『ワーク』と『ライフ』を融合させ、どちらもより楽しむにはどうするか?」
「自分は今の時点でどんな「通貨』(人脈、一流雑誌への執筆、ポッドキャスト、クラブの会員権など)を持っているか?その通貨にレバレッジを効かせてほかの通貨を手に入れるにはどうするか?」
一つは、ある特定の目的のために行うネットワークづくり(「あのベンチャーキャピタリストと知り合いになって、自分の会社に出資してもらいたい」)だ。これは、ただ親しくなりたいという理由からのネットワークづくりよりも汚く感じるという。もう一つは、ベテランよりも若手のほうが、ネットワークづくりを汚いと感じる傾向があるようだ。
考えられる理由は二つある。一つは、ベテランたちが今の地位に到達できたのは、ネットワークづくりを楽しんだから、あるいは少なくとも嫌ではなかったからだということ。そしてもう一つの理由は、ベテランになるとネットワークづくりにそれほどプレッシャーを感じないということだ。彼らには地位も人脈もあるので、ただ相手を利用するのではなく、お互いにとって利益になる関係が築けるとわかっている。
ジーノの洞察はとても重要な意味をもつ。人々がネットワークづくりにストレスを感じるのは、ネットワークづくりそのものではない。問題は、「他人を利用する」ということだ。実際、ネットワークづくりには三種類がある。
「長期」「短期」そして「無期限」だ。人々が嫌うのは、「短期」で、「他人を利用する」ことを目的とするネットワークづくりだ。これはどんなことがあっても避けたほうがいい。
59%
本真のネットワークづくりとは、欲しいものをできるだけ早く手に入れることではない。それは悪いネットワークづくりの典型だ。なのになぜか多くの人は、この悪いネットワークづくりを理由に、ネットワークづくりそのものを避けようとする。「長期」あるいは「無期限」の関係を求めている、本物の人間関係を築くことを目指しているのなら、ネットワークづくりの印象もまったく違ってくる。ネットワークづくりに大切なのは、ジーノの研究に登場する若手のように、「相手のために何ができるか」を考えることだ。
相手がもっていないもので、自分に提供できるものは何だろう?すぐに答えは見つからないかもしれない。だが、自分が提供できる価値を見つける
第7章で学んだこと
図ネットワークづくりには三つの種類がある
①短期のネットワークづくり:仕事やクライアントなど、すぐに手に入れたいものがあるときに行う。最も他人を利用しがちになるのがこれだ。頻繁に行わないように気をつけるとともに、相手との間にすでに強いつながりを築いている場合に限ること。
②長期のネットワークづくり:尊敬する人、面白そうな人とつながりたいときに行う。彼らは将来、力になってくれる可能性はあるが直接的な形ではないだろう。
③無期限のネットワークづくり:それぞれ分野ですでに活躍している人たちと幅広くつながりたいときに行う。相手に助けてもらうことは期待しない。ただ純粋に相手に興味があるからつながるという姿勢を大切にする。しかし長い目で見れば、思ってもみなかった形で彼らと自分の人生が交わることもあるかもしれない。
新しく知り合った人に対しては、最低でも「最初の1年は何も頼まない」。そうすれば互いに関係を築き、相手を利用するつもりはないという意思を伝えることができる。グループに加わるならフルコミットする。深くかかわれるようなグループを見つけ、メンバーの力になり、強いつながりを築く。相手も同じグループの仲間なので、あなたの貢献を好意的に受け取ってくれるだろう。図すべての関係は互恵的でなければならない。相手のほうが地位や権力が上の場合、自分にできることは何もないと思ってしまいがちだ。そこは創意工夫で乗りきろう。相手からしてもらうことばかり考えているなら、それがまさに相手を利用しているということだ。自分に何が貢献できるか、よく考えてみよう。それが見つかるまで探すのをやめてはいけない。
結果ははっきり出ない。膨大な時間を費やすことにもなる。すぐにあきらめる人、そもそも挑戦もしない人が多いのもしかたないことだ。
しかしここで努力できれば、あなたは競争で優位に立てる。
このときに必要となるのが「戦略的忍耐」だ。これは、「いいこと」が魔法のように起こるのを待つことではない。必要な努力を理解し、その努力を続けることで、自分の力で「いいこと」を起こす。
うまくいかないときはどうするか
拒絶されても、あるいはまったく反応がなくても前に進む。これは言うのは簡単だが、行うのはとてつもなく難しい。そんなときに欠かせないのが、次の三つの質問だ。
「なぜ私はこれをしているのか?」「ほかの人はどうやって成功したのか?」
「なぜ私はこれをしているのか?」
自分の状態を間違った基準で評価してしまうのはよくあることだ。ここで大切なのは、自分の「核となる原則」を明確にしておくこと。ロン・カルッチは言う。
「紙に書かなければならない。『私はこれを大切にしている。これが私にとっての真実だ。私はこういう人になりたい」ということを」
第8章で学んだこと
図自分の分野で名の知れた存在になるには、たいてい2、3年はかかる。それまでは、結果が出ない状態でも努力を続けなければならない。やがて努力が実を結び、「雨粒」が落ちてくる、つまり小さな結果が断続的に現れるのを実感できるだろう。
国一流のエキスパートと認められるまでには、たいてい最低でも5年は努力
結果が出なくて意気消沈したときは、自分に次の三つの質問を
して最初の目的と戦略を思い出す。
「なぜ私はこれをしているのか?」「ほかの人はどうやって成功したのか?」「信頼できる人は何と言っているか?」
第9章で学んだこと
図自分の分野で卓越した能力を身につけることは大切だ。しかしそれと同時に、打席に立つ必要もある。どんなに卓越した能力をもつ人でも打率10割は不可能。とにかくバットを振らなければ話にならない。本当に実力がある人が何度も挑戦すれば、いつかかならず成功できる
新しいアイデアやコンセプトに最初からフルコミットするのではなく、まずは小さく試す。そうすれば、何かうまくいかないことがあっても、失敗にはならない。実験をして、貴重なことを学んだだけだ。
回つねに広い視野で考え、目標に到達する複数の道を想定する。
一つの道がうまくいかなくても、ほかの道に乗り換える。
回うまくいかなかった計画を別の計画に生かす。その計画で培った人間関係、費やした時間、完成させた仕事などを、ほかの方法で活用することを考える。
成功の確率を上げるには、「開始日を決める」「まわりを巻き込む」という二つの方法がある。本気で取り組む原動力になるだろう。
成功し、自分の分野で認められたエキスパートになるまでには、長い時間がかかる。ここまで本書で見てきたように、かなりの時間と労力を注がなければならない。さらには逆境に負けない強い心も必要だ。ただそうやってじっと耐えながら進むだけでは、誰でも途中で心が折れてしまうだろう。
来た道を振り返り、自分が達成したことを祝福しなければならない。そうすれば、さらに旅を続ける気力がわいてくる。
第10章で学んだこと
長期の思考を身につける方法
区小さく始めること。どんな目標でも、最初からゴールを見ていると不可能だと思ってしまう。目標を小さく分割して成功体験を積み重ねていけば、前に進む勢いをつけることができる。
図目際を達成するために必要な適切な時間を知ること。期待した
ほど早く結果が出ないという理由であきらめてしまう人は多い。それはただ単に、必要な時間を正確に見積もっていなかったからだ。ほかの人の成功体験などを調べ、現実的な目標を立てる。
仕事に使う時間を制限する。そのほうが結果的に効率が上がり、より多くの仕事を達成できるようになる。時間を制限すると、よりよいシステムを確立せざるをえない。
口ほかの人よりも長い時間軸で計画を立てる。その間の浮き沈みを耐え抜く覚悟をもつ。そうすれば、ほかの人が想像もできないほど、あるいは自分でさえ想像していなかったほど遠くまで到達することができる
ロングゲームで1番大切なのはメンタル
自分だけの道を歩くとき、ほかの人と同じことをしているという安心感は手に入らない。だからそれができるのは勇気のある人だけだ。強い心で失敗を受け入れ、不遇の時期が長く続いても耐えなければならない。結果が出るまでには時間がかかるからだ。
最初からゴールは見えない。その状態で努力を続けるには粘り強さが必要
だ。
ロングゲームに必要な資質は大きく三つに分けられる。
1独立心
ロングゲームとは根本的に、自分自身と自分のビジョンに忠実であることだ。現代社会に生きる私たちは、周囲の目というプレッシャーにつねにさらされている。何かを頼まれたら断れない。本当はやりたくなくても、人からすごいと思われそうな仕事のオファーは受けてしまう。
長期の戦略で動いていると、結果が出るのはずっと先のことだ。そのため、他人からの承認を評価の基準にしている人は、その待ち時間に耐えられない。
強い心でロングゲームをプレイするには、自分の中に自分の評価基準をもつことが大切だ。
「ほかの人からどう見られようと関係ない。自分はこれに賭けることに決めた。そのために必要な努力をする」と言えるようにならなければならない。
2 好奇心
他人が敷いたレールの上を進むだけで満足できる人もいる。何の疑問ももたず、ほかの選択肢のことも考えない。しかし私たちの多くは、そんな人生には満足できない。特に、社会の価値観と自分の興味が合致しない場合は不満が大きくなる。
自分にとっての正しい道はまだわからないかもしれないが(そもそも最初からわかっている人などいるだろうか?、その道を見つけるのに必要な資質が好奇心だ。自分は自由な時間を使ってどんなことをしているか、どんな人やものに惹きつけられるのかを理解すれば、自分が本当にやりたいことのヒントが見つかるだろう。そして最終的に、その分野で大きな貢献ができるようになる。
3 立ち直る力(レジリエンス)
何か新しいこと、独自なことをするのは、ある意味で実験と同じだ。うまくいくかどうかは、やってみなければわからない。そしてしばしば失敗に終わる。あまりにも多くの人が、一度の拒絶や失敗ですっかり意欲をそがれてしまう。
自分の原稿をボツにした編集者こそが唯一絶対の基準だと思い込んだり、大学に落ちただけで自分はもうおしまいだと絶望したりする。しかし、それは事実ではない。偶然や運、個人の好みなどが状況を左右する力は、あなたが思っているよりもはるかに大きいのだ。
100人に自分の仕事を拒絶されたのなら、そこになんらかの事実を見るべきだろう。しかし、一人か二人、あるいは10人だったら?その程度なら、偶然や運もある。
ロングゲームをプレイするには、確固としたレジリエンスが必要だ。最初の挑戦でうまくいったり、完璧に思ったとおりの結果になったりすることなどめったにない。プランB(あるいはプランC、D、E、F)を用意しなければならない。そのうえで、うまくいかなかったときは「これはダメだったけれど、ほかの方法を試してみよう」と言える強さが必要だ。成功するかどうかは、打席に立つ回数で決まるといっても過言ではない。