社会・政治 - 青弓社作品一覧

  • 生活支援の社会運動 「助け合い活動」と福祉政策
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    1巻3,300円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人口の約40%が65歳以上という超高齢社会への危機感のなか、「地域包括ケアシステム」の構築が社会的な課題として浮上している。しかしこのビジョンには、自助(自己責任)の強化を推し進めようとする政策意図も織り込まれている。個人や家族の垣根を超えた介護や生活支援はどのようにして可能なのか。 日中の孤独や強制された施設収容などの「老人問題」に対して地域住民で「たたかう」ために生まれた「助け合い活動」の1970年代から現代までを追い、地域のグループ、有償ボランティア、NPOと移り変わった担い手の変容、苦悩や課題を描き出す。 「助け合い活動」の歴史と展開を地域福祉に回収せず、新しい社会運動と定義することで、政策とは別の「互助」の可能性を展望する。
  • 政治介入されるテレビ 武器としての放送法
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    1巻1,760円 (税込)
    放送局の法的な根拠である放送法は、戦前・戦中の戦意高揚の手段として機能したという過ちを繰り返さないという痛切な反省をもとに、政府の放送番組への介入を防ぐために制定されている。 しかし、「やらせ」や「捏造」という番組の問題に対して政府からの「行政指導」が強まり、放送局の経営陣は外圧への抵抗もしないまま、介入がますます日常化し、情報を統制する姿勢を見せている。 NHKで取材に活躍してBPO(放送倫理・番組向上機構)で放送の自由のために貢献してきた著者が、「番組の問題性と政府の介入は別だ」と、30年間の放送局と行政とのせめぎ合いをわかりやすく解説しながら、憲法と同じように国や政府に「放送の自由を守る」ことを義務付けている放送法を基礎にした「放送の自由」を訴える。
  • 性への自由/性からの自由 ポルノグラフィの歴史社会学
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    1巻2,420円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ポルノグラフィ──受け手を性的主体として産出し構成する、セクシュアリティの装置。その技術・演出の存立と社会的・歴史的変容を緻密な言説分析によって具体的に読み解く。「セクシュアリティの近代」を再考し、脱構築する試み。

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  • 生理休暇の誕生
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 1947年、世界で初めて制度化した生理休暇の成立過程を、明治期以降の月経をめぐる言説をとおして検証し、近代日本で女性はいかにして「身体の医療化」という社会の権力構造に取り込まれ、それに抗してどのように「自己拡張」していったのかを解明する。

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  • 世間学への招待
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    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 私たちが組み込まれている世間とはいったい何か? ムラ的共同体としての世間、近代法と「世間の掟」の二重構造、対人恐怖にみられる世間の影響、作家と世間の関係など、私たちの日常生活と世間とのかかわり方を検証し、〈生活世界〉の構造を解読する論考集。

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  • 「世間」の現象学
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    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 1980年代に入って高度資本主義=高度消費社会化が加速することで社会の近代化が減速し、個人の自律を認めない「世間」が肥大化した。対人恐怖や女児殺害事件など具体的な問題群に即し、このシステムがいかに私たちの日常に暴力的に機能しているかを検証する。

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  • 一九三〇年代のメディアと身体
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    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 転換期の文化・思想には、どのような現代性をもった言説空間が横たわっているのか。「総力戦」「宣伝」「観光」「メディア」「口演」「放送」の6つの視点を切り口に、メディアと身体が重層的にかかわりはじめた時代における社会の深層意識の変容を解読する。

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  • 1970年代文化論
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    〈政治の季節〉として語られる1960年代と、大衆消費社会やバブル文化で特徴づけられる80年代に挟まれた1970年代の文化は、2つの時代の「断絶」に位置して見過ごされ、戦後史での位置づけは不十分だった。 沖縄返還や日中国交正常化などの政治の動き、高度経済成長や第一次石油ショックなどの経済の変容を押さえたうえで、1970年代の映画、テレビ、雑誌、文学、音楽、アート、国家イベント、社会運動を横断的に考察する。その際、「家族・若者・中高年」「政治・性・マイノリティ」「国家・地方・周縁」などに注目しながら予断を排して検証する。 〈政治の季節〉から消費社会への過渡期という1970年代の単線的な歴史理解を退けて、新自由主義、新左翼、ポストモダン、戦後民主主義などが複雑に交錯した70年代の文化の深淵に迫り、「70年代とは何か」という問いに正面から応答する試み。
  • 「戦争孤児」を生きる ライフストーリー/沈黙/語りの歴史社会学
    -
    1巻2,640円 (税込)
    第2次世界大戦で親を失った戦災孤児・戦争孤児は、戦後70年にあたる2015年まで多くを語らず、「沈黙の半世紀」「沈黙の70年」を生きてきた。彼・彼女たちはなぜ沈黙してきたのか。これまでの人生で何を経験してきたのか。なぜいま、自らの足跡を語れるようになったのか。 これまで沈黙してきた戦争孤児の当事者たちにロングインタビューをおこない、浮浪生活、自殺を考えるほどの親戚宅での冷酷な処遇、教育にアクセスできない困難、就職の難しさ、家族をつくることの願いと拒否感など、これまで歩んだ生活実態を明らかにする。 戦争孤児が自らを語り、社会的な承認を求める契機になった東京大空襲集団訴訟などについての思いも聞き書きして、「戦争で親を失った子どもたち」が、抱え続けてきたスティグマとどう向き合い、自らの来歴をどのように語るのかを検証する。
  • 総中流の始まり 団地と生活時間の戦後史
    3.7
    高度経済成長期の前夜――労働力が都市に集中していき、核家族が増えていくなかで、日本は「総中流社会」と言われた。では、総中流の基盤になった「人々の普通の生活」は、どのように成立したのだろうか。 サラリーマンとその家族が住む集合住宅=団地に焦点を当てて、1965年におこなわれた「団地居住者生活実態調査」を現代の技術で復元して再分析する。そして、当時の生活文化や団地という社会空間がもつ意味を実証的に浮き彫りにする。 労働者や母親の生活の実態、子どもの遊びや学習の様子、テレビと一家団欒――「普通の生活」の基準ができあがる一方で、男性の長時間労働や遠距離通勤、性別役割の固定化を生む要因にもなった「総中流の時代」のリアルを照射する。
  • 総力戦と女性兵士
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 女性もさまざまな形態で動員した第二次世界大戦という総力戦。ソ連、アメリカ、日本での女性動員の問題を、女性性=母性、娼婦性=従軍慰安婦、労働力としてだけではなく、兵力としての動員という窓から、軍隊と軍隊を生み出す国家や社会の特性を明らかにする。

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  • ソーシャルメディア論・改訂版 つながりを再設計する
    3.0
    1巻1,980円 (税込)
    2015年の刊行以来、5刷を重ねた好評の『ソーシャルメディア論』の改訂版。 フェイクニュース、購入・視聴履歴や位置情報といったビッグデータ、AI、IoT、クラウドファンディング――ソーシャルメディアは人と情報のつながりを変え、社会を大きく変えようとしている。 しかし、学校や企業でソーシャルメディアを体系的に学ぶ機会は少ない。本書は、ソーシャルメディアの歴史や裏側を動かす技術、関連する法律をわかりやすく解説し、ソーシャルメディアの仕組みを理解できる教科書である。すべてをつなげるソーシャルメディアをどのように使いこなすのか、人や社会とのつながりを再設計する新たなメディア・リテラシー獲得のための視点を提示する。 改訂に際しては、特にアメリカ大統領選挙で明らかになったフェイクニュースがもたらす危険性について各章をアップデートして、理解が進むように工夫した。「権利」「メディア」を「コンテンツ」「地域」に変更し、二次創作や関係人口といったトピックを組み込んだ。
  • 族の系譜学 ユース・サブカルチャーズの戦後史
    3.5
    1巻2,860円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 太陽族からみゆき族、暴走族、アンノン族、クリスタル族などの「族」の系譜をたどり、オタク、渋谷系、コギャル、裏原系へという「族から系への転換」を見定めて、若者文化の変容を照らし出す戦後史。

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  • 大麻の社会学
    -
    1巻3,740円 (税込)
    芸能人の逮捕ニュースや使用罪の賛否で耳目を集める大麻。それは、麻薬なのか、医薬品なのか、嗜好に適したハーブなのか、覚醒剤への入り口なのか。摘発して厳罰に処すべきなのか、それとも自由化すればいいのか。 禁酒法と大恐慌後の1930年代に「黒人のドラッグ」として大麻を規制したアメリカでは、戦後のビートニク、ベトナム反戦運動、ヒッピー、摘発を強化した「ドラッグ戦争」などを経て、現在は非罰化・合法化する大都市と州が増えている。同様にヨーロッパも非罰化へと向かっている。 日本では、1930年の麻薬取締規則や48年の大麻取締法で規制を強化して摘発を重ねている。しかし一方で、アメリカの対抗文化に呼応しながらも独自に自由化運動を展開している。具体例として、新宿ビートニクからコミューン運動、レゲエやラスタ思想との関連、スピリチュアリズムへの傾倒、非犯罪化市民運動などの潮流を概観する。 さらに、戦前の帝国時代に各家庭に頒布した神宮大麻も取り上げて、政策の変遷を描く。 大麻を語ることは、摘発と逮捕、規制史と統治性権力、抵抗と社会運動、そして嗜好する人たちの生そのものを論じるということである。 文化社会学と犯罪社会学の立場から大麻所持の厳罰化の100年間を精査して、有害か自由化かを超えた大麻をめぐる論争に一石を投じる。
  • 台湾ジャニーズファン研究
    -
    1巻1,760円 (税込)
    台湾の哈日族などの基礎知識を押さえたうえで、女性ファンへのインタビューからジャニファンの活動やコミュニケーションの具体を明らかにする。ファンがアイドルを介して女性同士の友情や親密圏をどう構築するかをフィールドワークから照らすファン文化論。
  • 他界と遊ぶ子供たち 少年たちの資本主義
    -
    1巻1,815円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 いま子どもたちはどこへ向かっているのか? 遊びの変容、清潔ブーム、おたく族と胎内商品、噂話と死・他界への衝動など、加速する消費資本主義社会のなかで強まる逃走願望と、実際には依存を深める子どもたちの姿を描写する。

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  • 宝塚ファンの社会学 スターは劇場の外で作られる
    3.9
    1巻1,760円 (税込)
    100周年を目前に控え、親子3代のファンをもつ宝塚歌劇団。ファンは劇場前で入り待ち・出待ちをして、ひいきのスター・生徒を見に同じ公演に何度も通い、お茶会にも参加する。ファンクラブの組織形態、チケットの確保と配布、統制がとれた拍手、ガードの実際、会服とグッズなどのファンクラブの実情をわかりやすく解説し、ファンの側がファンクラブの活動をどう捉えているかも丁寧に紹介する。いい席をめぐるファン同士の駆け引きやスター・生徒へのさまざまな距離感も描きながら、非合理に見えるファンの行動がきわめて合理的に成り立っていてある「秩序」を形成していることを明らかにする。ファンがスターを作る過程に迫るファン文化論。

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  • 多文化共生の実験室 大阪から考える
    -
    1巻2,200円 (税込)
    近年、行政を中心に「多文化共生」が叫ばれるが、歴史的にマイノリティ集住地域である大阪の多様な実践は、大阪独自のものとして見過ごされてきた。大阪での先駆的な取り組みや歴史ある営みから、今日的な共生のあり方にどのような示唆を得ることができるだろうか。 民族教室など母語/母文化を重視するとともに進路保障にも力を入れる公教育、同和教育の実践と蓄積、民族的マイノリティの権利保障を目指す運動、外国人住民への支援、ヘイトスピーチ対策――大阪で民族的マイノリティを支える教育や制度、その担い手に光を当て、「反差別」や「人権」という対抗的な理念に基づき共生を目指す実践としてそれらを再評価する。 近年の大阪の諸政策に見る民族的マイノリティへの差別的な側面など、大阪の共生をめぐる現実が抱える問題点も指摘して、「多文化共生の実験室」といえる大阪の様々な営みから、全国レベルで進められる多文化共生を批判的に検証する視点を浮き彫りにする。
  • 多文化社会の〈文化〉を問う 共生/コミュニティ/メディア
    -
    1巻2,200円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「多文化共生」政策推進のかけ声が高まる一方で、文化差異の承認をめぐる問題や多文化社会としての国家構想については十分に論議されていない。地域やコミュニティ現場での他者との邂逅や共生の実践、メディアの表象などを検証して、いま/ここでの「多文化」の内実を改めて照射する。

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  • 多様性との対話 ダイバーシティ推進が見えなくするもの
    4.7
    1巻1,760円 (税込)
    多様性の時代だと言われる。多様な背景をもつ人材の活用が革新的な創造性を高めるとして、企業、政府、地方自治体、教育機関、NGO/NPO、市民団体で多様性/ダイバーシティを奨励する動きが活発化している。 多様性/ダイバーシティの推進は女性、LGBT、障害者などの社会的なマイノリティの存在に目を向ける一方で、有用で受け入れやすい差異を選別化することで、いまだ続く差別・不平等を見えなくするとともに、新たな包摂と排除を生み出してもいる。 多様性/ダイバーシティの推進により建設的に取り組むには、構造化・制度化された差別・不平等の複雑な作用を理解して、様々な差異を平等に包含する方途を考え続けること、つまり、多様性と対話することが必要不可欠である。 LGBT、ジェンダー、移民、多文化共生、視覚障害者、貧困、生きづらさ、当事者研究、インターセクショナリティ、教育実践――様々な分野の多様性との対話を通して、それらが抱える問題点を批判的に検証し、差別構造の解消に向けた連帯と実践の可能性を探る。
  • 炭鉱と「日本の奇跡」 石炭の多面性を掘り直す
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 現在も世界のエネルギー源の約30%を占め、東日本大震災後の電力供給の30%を火力発電が支えるように、石炭はいまなお重要な資源であり続けている。 日本では高度経済成長という「日本の奇跡」と対比させて、「危険な重労働」「忘れ去るべき暗闇」「古いエネルギー」「ノスタルジー」とイメージされることが多い炭鉱は、しかし、労働・経営のあり方、技術革新、地域社会への貢献など、日本の産業全体に多大な影響を及ぼした。 戦後日本を作り出した炭鉱の歴史と現在を、企業・自治・家族・女性・産業遺産などの視点から浮き彫りにし、グローバルに展開する世界の炭鉱とも比較して、炭鉱とそこに生きた人々の歴史的意義や炭鉱が秘める現在の可能性を明らかにする。
  • ダイビングのエスノグラフィー 沖縄の観光開発と自然保護
    -
    1巻2,640円 (税込)
    青い空、白い砂浜、古き良きシマンチュたちによる暖かなコミュニティー。沖縄の慶良間海域は、世界中のダイバーにとって一生に一度は行きたい「楽園」であり、2014年には31番目の国立公園に認定された。 しかしその背後では、島の住民「シマンチュ」による本土からの移住者である「ナイチャー」の排除や過疎化、海水温上昇やオニヒトデの食害によるサンゴ礁の減少など、問題が山積している。そして、それらの問題が交錯する地点に、スクーバ・ダイビングという営みがある。 座間味村の海に魅せられてダイビングショップの出店に乗り出すナイチャーに対して、よそ者を排除して既得権益を守りたいシマンチュ。国内に国立公園を増やして自らの手柄にしたい環境省。彼らが出会うことで、次第に環境保全という言葉はよそ者を排除するために利用されるようになる。一方で、「ダイビングで飯が食えたらいい」と個人的な動機で移住してきたナイチャーは本土の文化を持ち込み、島民と結婚して家族を作り、意図せず旧来の島の文化を変容させていく。いまや過疎化が進む島の年中行事にはナイチャーの協力が欠かせない。 自らが沖縄に住むダイバーであり座間味村の海に取り憑かれた著者が、スクーバ・ダイビングをめぐるフィールドワークを積み重ねて、沖縄と本土の間の複雑な経済・文化的諸関係の様相を浮き彫りにし、その本質に迫る。
  • 駄菓子屋・読み物と子どもの近代
    -
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 近代に入って発見され、さまざまに意味づけられてきた「子ども」は、本当に保護されるべき受動的な存在なのか? 駄菓子屋や黎明期の子どもの読み物などから、社会に積極的に参加していた子どもの姿をさぐり、21世紀の子ども観を展望する。

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  • 男性育休の困難 取得を阻む「職場の雰囲気」
    3.7
    1巻2,200円 (税込)
    育児休業制度が整備されているにもかかわらず、育休を取得する男性はほかの社員から冗談やからかい、あるいは仕事を盾に「休むこと」を批判される。なぜ仕事を優先することが正当化され、男性育休は職場の「逸脱」と見なされるのか。 本書に登場するのは、育児休業を取得した男性社員だけでなく、長時間労働の経験をもつ男性社員や女性社員たちである。 男性が育休取得の際に感じる「モヤッとする思い」やなんとなく取得を言い出せない「職場の雰囲気」、育児と仕事を両立することがなぜ困難なのかなど、職場でのリアルな様子を、インタビューの語りをふんだんに用いて描く。 仕事と私生活をめぐる時間意識の観点から「職場の雰囲気」を可視化し、男性の育休取得を困難にしている職場のあり方を照射する本書は、育児と仕事の両立だけにとどまらず、働くすべての人にいまの働き方を問い直すものである。
  • 男性学の新展開
    3.3
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 男性学は何を目指しているのか、今後、どのような展開を見せていくのか-。1980年代後半から、フェミニズムの隆盛をバネにした女性をめぐる議論の成熟を背景として、「男らしさ」「男性性」とはいったい何なのか、それに息苦しさを感じるときどう解消していくのかが議論されはじめた。その議論の内容を簡明にまとめて男性学の基本的な視点を確認したうえで、新たな観点を示したロバート・W・コンネルの議論を詳細に紹介する。そして、男女雇用機会均等法の制定や90年代後半からのフェミニズムに対するバックラッシュの流れのなかで、男性学が何を招来し、今後どう展開していくのかを、仕事、定年退職後の居場所、「オタク」や恋愛・結婚などの具体的な素材から照らし出す格好の男性学入門書。

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  • 男装論
    -
    1巻2,420円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 女たちはなぜ男装してきたのか? 先住民から女優にいたるまで、男装を選んだ女たちの生に、人類学、フェミニズム、レズビアニズムなどの知見から多彩な光をあて、そこに顕現する「女性性/男性性」の社会的意味とその変遷をとらえる。

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  • 「地方」と性的マイノリティ 東北6県のインタビューから
    5.0
    「進んでいる東京/遅れている地方」は本当なのだろうか。 日本の性的マイノリティと「地方」を研究テーマとする初の書籍。 全国でおこなわれている「同性婚」訴訟や自治体のパートナーシップ認定制度、差別禁止を目的とした法整備に関する議論など、性的マイノリティをめぐる社会的な動きは近年ますます活性化している。 活性化した背景には、当事者が中心になり立ち上げた勉強会や交流会、セミナーやシンポジウム、政策提言、プライドパレードなど、 さまざまな団体が長年おこなってきた市民運動がある。そうした活動は東京などの大都市が中心と見られ、「地方は遅れている」という一面的な見方をされる場合も多いが、はたして本当にそうだろうか。実際に地方で活動する性的マイノリティ団体のスタッフたちは、地域性や自分たちの活動をどのように考えているのだろうか。 東北6県の19団体・23人のインタビューからは、「都市」/「地方」という単純な二項対立では捉えられない多様な実態が見えてきた。地域の実情に応じた活動手法、自分が生まれ育った「地元」で活動することへの思いと葛藤。「露出」することやメディアに対する柔軟な考え方。2011年の東日本大震災以前から続く、厚い活動の蓄積。そして震災が東北の団体の活動に与えた影響……。 いままでのセクシュアリティ研究で見過ごされてきた「地方」の実態を、当事者・団体スタッフたちの豊富な語りから考察し、性的マイノリティをめぐる政治と地域性についての新たな見取り図を提示する。
  • 「中国残留孤児」の社会学 日本と中国を生きる三世代のライフストーリー
    -
    1巻5,060円 (税込)
    第二次世界大戦後、日本に引き揚げられず中国に残留し、肉親と離れて孤児になった日本人子女-中国残留孤児。日本に帰国できた人々もいるが、中国での生活を余儀なくされた人々も多い。時代の証人である彼らが日中の狭間でどう生きてきたのかを一世・二世・中国人養父母へのインタビューからすくい取り、戦争と日中関係を考える。

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  • 中国の一人娘は出産とどう向き合うのか 一人っ子政策/結婚/世代間交渉
    -
    1巻3,300円 (税込)
    中国では1979年に一人っ子政策が導入され、2015年に撤廃されたが、一人っ子世代の女性たちは、結婚や出産とどう向き合ってきたのか。 両家からの結納金や住宅の贈与と後継者獲得の力学、夫側との婚前協定、結婚と父系をめぐる規範、子どもにつける姓の選択、第一子・第二子の出産と親世代との交渉――。中国の一人っ子政策の概要や家族観を押さえたうえで、40人の「一人娘」へのインタビューから中国の女性たちの結婚や出産のリアルを描き出す。 一人娘家庭が多くなったことで、女性に「嫁」と「跡取り」の両方の役割が求められるようになり、また両家から第二子の出産を要請されることも踏まえて、女性たちが抱く葛藤や子どもをめぐる戦略を照らし出す。世代間交渉の実態を浮き彫りにして、現代中国の家族観にも迫る。
  • 中流の力 すべては〈立っち〉に始まった
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    1巻2,200円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 環境問題や経済格差は悪化をたどり、いまや地球は危機に瀕している。この状況の原因を人類の直立二足歩行に求め、ギリシャ神話や中世日本の歴史にかつて存在した真の「中流階級」の痕跡を探り出し、危機的時代への処方箋を提示する。

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  • 〈つながり〉の戦後史 尺別炭砿閉山とその後のドキュメント
    -
    炭鉱から生まれた「縁」は、ヤマの誕生から閉山、そして現在まで、人々をどう支え続けてきたのか。 1970年に閉山した北海道・尺別炭砿のコミュニティの生活実態を、職場・家族・学校・地域の「縁」をキーワードに掘り起こす。そのうえで、閉山、地域社会の消滅、約4,000人の半強制的な移動という衝撃的なプロセスを活写する。 そして、全国に散った人々が各地に定着していったありよう、同郷団体を結成していまも交流する様子、当時子どもだった者が抱える「故郷喪失」の思いなど、いまに続く「つながり」も照らし出す。 生活者の視点から炭鉱の閉山とその後を捉え直し、戦後史に位置づける社会学の成果。
  • テレビが見世物だったころ 初期テレビジョンの考古学
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    1巻2,640円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 テレビ離れが叫ばれる一方で、スマホやパソコンから屋外に遍在するスクリーンまで、多様な形式で映像コンテンツは受容されている。ニコニコ生放送やパブリック・ビューイングなどの集団的な映像視聴は「戦後の街頭テレビ」の熱狂に例えられ、新しい映像文化はテレビ放送の原点に回帰しているとも言われる。 しかし、都市でテレビにふれるという経験は、戦前からテレビジョンの公開実験というかたちで人々の日常にあった――。 戦前のテレビジョン技術に対するアマチュアの熱狂、博覧会や展覧会での展示とその人気、逓信省のテレビジョン電話への欲望、幻の東京オリンピックと国策宣伝も含んだ実験放送……。「ラジオの時代」「映画の時代」とイメージされがちな戦前・戦中の日本で、アマチュア・興行師・技術者・政治家などの多様なアクターがテレビジョンという技術に魅了され、社会的な承認を獲得しようとしながら技術革新を目指していた事実を掘り起こす。 「戦後・街頭テレビ・力道山」という放送史の神話によって忘却されたテレビジョンの近代を丹念に跡づける技術社会史。
  • ディズニーランドの社会学 脱ディズニー化するTDR
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    いま、東京ディズニーリゾート(TDR)はどんどん「脱ディズニー化」している――「徹底的に統一したテーマ」「家族みんなで夢を見る」というウォルト・ディズニーの理想を体現していた時代は過ぎ去って、「テーマなき萌え要素のごった煮」のなかを「お一人様がそれぞれの目的のために突っ走る」空間になっているのだ。 これは、実は歌舞伎からAKB48まで脈々と続く、「全体像よりもピンポイントの趣向」を重視する日本の文化、そして社会の傾向とつながっている。 顧客(ゲスト)のニーズに最先端で応えて変わり続けるTDRは、まさに現代社会の縮図。TDRの変容の過程を分析することで、日本社会の「いま」と「あした」を描き出す画期的なメディア社会論。
  • 東京オリンピック1964の遺産 成功神話と記憶のはざま
    -
    1964年の東京オリンピックは、戦後日本の復興を象徴し、高度経済成長と一体となった「世紀の祭典」として語られてきた。その語りは、日中戦争によって返上された1940年「幻の東京大会」の悲劇性との対比で、国民に感動と誇りと活力を与えた成功譚として記憶されてきた。 東京が三度招致した東京2020オリンピックは、新型コロナウイルスによって延期になり、国民的な批判を浴びながら、史上初、無観客で開催された。悲劇性を抱えた2つの東京大会のはざまで、1964年の東京オリンピックは、唯一、正常に開催されたオリンピックになった。 本書は、1964年の東京オリンピックの遺産の正負両面を具体的な事実にもとづいて掘り下げ、脱神話化を試みる。開催に反対する世論、オリンピックをめぐる政治家の思惑、文学者たちによる批判、地方都市での受け止め方、学校での関連教材の配布や観戦動員、パイロット選手の記憶、音楽や踊りなど身体を通したオリンピックの経験に光を当てる。 そして、1964年の東京オリンピックの遺産を通して、東京2020オリンピックの意義をあらためて検証する。 中京大学スポーツミュージアムとも連携して、当時の資料が閲覧可能に。スマートフォンやパソコンを通して、1964年を追体験できるスポーツ・デジタルアーカイブの新たな試み。
  • 東京ディズニーランドの神話学
    -
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「富士山信仰」「ユートピア思想」「アメリカニズム」「郊外のポリティクス」などを手がかりに、東京ディズニーランドという現象、日常生活の虚構を読み解く渾身の日本文化論。ディズニーランドはなぜ海の近くにあるのか? 日本人はそこに何を求めているのか?

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  • 都市への/からの視線
    -
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人々が生きる社会的空間をたえず再編制・構造化しつづけ、無限に意味を生成するメディアである「都市」の性質を、社会学、都市論、メディア論、記号論、構造論を横断して、思考のハイブリッドとパラドキシカルな論証方法から究明する論考集。

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  • 図書館の政治学
    -
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 戦前・戦中期の図書館界は、文部省などの行政組織の意向を受け、検閲や思想善導、選書を積極的におこないながら、天皇制を利用して全国に図書館を設置しようと試みていた──。図書館界発展の欲望の高揚と挫折の歴史から、彼らの戦争責任・戦後責任を問う。

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  • トランスジェンダーQ&A 素朴な疑問が浮かんだら
    NEW
    -
    トランスジェンダーの人たちは生活上の困難を抱え、様々な不合理や社会からの排除に直面しています。また、SNSを中心にトランス差別・ヘイトが急速に拡大して、トランスジェンダーの人たちの生存を脅かしています。 様々な「議論」をする前に、トランスジェンダーの人たちの「生きる現実」を知ることがなにより必要です。 「なぜ性別が社会で重視されるのか?」「トランスジェンダーとは?」「性別を変えるために何が必要?」「トランスジェンダーの人たちが直面している困難は?」「トランス差別・ヘイトがなぜ跋扈しているのか?」――。 本書は、性別を重視するいまの社会のありようを押さえたうえで、トランスジェンダーをめぐる大きなクエスチョンを21個、そこから派生するクエスチョンを64個設けています。それらの基礎的な質問から性別分けスペースにまつわる疑問、「トランス差別はいけないけれど気になる」疑問まで、語りかける文体でわかりやすく答えています。 いまの社会がどうなっていて、そこでトランスジェンダーの人たちがどんな困りごとを経験していて、それを解決するには何が必要なのか――Q&A形式でそれらを具体的に知ることができる一冊です。
  • 動物園というメディア
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日本人にとっての動物園とは何か? 「輸入」されて一世紀をへたいま、その存在意義の再考を促す論考集。イデオロギー装置としての動物園の機能を明らかにしながら、人と動物の関係を、見る/見せる/所有するという行為の次元でとらえなおす。

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  • 仲人の近代 見合い結婚の歴史社会学
    -
    1巻1,760円 (税込)
    1990年代まで「結婚」や「家」と密接な関わりがあった仲人は、どのように広まり定着したのか。また、なぜ衰退して現在では見られなくなったのか。 明治時代以前の村落共同体では見合いが浸透していなかったが、教育勅語や家制度によって仲人が急速に普及する。明治期の家族主義と個人主義、大正期以降に登場する恋愛などとのせめぎ合いのなかで、見合い結婚が「正しい結婚」として位置づけられ、強固に維持されたことを史料を渉猟して明らかにする。 また、明治期に民間の結婚相談所が設立されたが、戦時下の人口政策に組み込まれ厚生省が結婚媒介を統制するに至って、優生思想とも接続しながら全国に結婚斡旋網が形成されたことも掘り起こす。 そして、戦後の民主化や高度経済成長によって見合い結婚は封建的と見なされるようになりながらも、仲人は恋愛結婚や職場結婚と折衷して1990年代まで存続し、2000年代に消滅するプロセスを跡づける。 村落共同体、家、国家、企業と、時代ごとに個々人の帰属先と密接に結び付いてきた仲人の近・現代史から、近代日本の家族や結婚をめぐる価値観の変容を照射する。
  • なぜ女性管理職は少ないのか 女性の昇進を妨げる要因を考える
    3.8
    人口減少社会のなかで女性の労働参加は不可欠であり、職場では人材不足によって女性に対する期待はますます大きくなっている。しかし、女性管理職の割合は低く、同時に、女性自身が管理職に就くことに消極的だとも指摘されている。 何がその障壁になっているのか――その要因を、男性中心のリーダーシップ像や女性が抱える心理的な葛藤、職場に根強い待遇面・役割面での差別、セクハラなど、具体的な事例や各種の統計から明らかにする。 男性・女性が平等に活躍できる場を作って公平な評価制度を確立する必要性を指摘して、性別や正規・非正規に基づく格差を解消し多様性を活かすために、新たなリーダーシップ像の確立を訴える。
  • なぜ女性は仕事を辞めるのか 5155人の軌跡から読み解く
    4.0
    「結婚・出産を契機に仕事を辞め、子育て後に復職する」ことを示すと考えられてきたM字カーブ。しかし女性が仕事を辞めるのは「仕事のやりがい」「労働環境」が原因だった――働く/働きたい/働き続けたい女性の就業実態を5,000人以上のデータから照らす。
  • にっぽん野球の系譜学
    -
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 明治から現代までの歴史的な文脈のもとで野球小僧たちの言説を読み解き、「ダイナミックな文化形態」としての側面を浮き彫りにすることで、日本の野球史を生き生きとしたドラマと力に満ちたものとしてよみがえらせる「べーすぼーる精神史」。

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  • 「日本」国家と女
    -
    1巻3,960円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ジェンダー再編を近代国家構築のために利用した日本。その渦中で女性たち自身は近代日本とどのように対峙してきたのか。国民国家幻想の成立過程を省察し、ジェンダーの共同幻想解体の可能性を問い返す、気鋭の論客9人の力のこもった論考集。

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  • 日本資本主義の生命力
    -
    1巻2,200円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 必需消費を上回る選択消費から「ハイパーキャピタリズム」を、昭和天皇の死から「象徴天皇制」を、ソ連共産党の解体から「社会主義未来の可能性」を、湾岸戦争から「世界新秩序」を解析。次々に襲いくる時代の臨界点の抽出・検証を通し、いま、ポスト90年代の座標軸を明らかにする。

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  • 日本社会は自衛隊をどうみているか 「自衛隊に関する意識調査」報告書
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 現代日本の市民は、自衛隊にどういう意識をもっているのか?――平和・安全保障問題に関する討議の前提になる客観的・学術的なデータを得ることを目的にして2021年1月―2月に実施した全国規模の無作為抽出による意識調査の結果を報告する。 平和・安全保障問題をめぐる社会情勢は現在、大きな変動の時期を迎えている。それは2015年の安全保障関連法の成立を端緒とし、それらと憲法との関係、日本の防衛計画・防衛体制のあり方、海外派遣を含む近年の自衛隊の役割と活動をめぐる一連の議論、そして現在の東アジアでの安全保障上の脅威の増大などに至っている。 また、米中対立の先鋭化のなかで、日米軍事同盟やアメリカ軍基地のあり方があらためて問い直されている。 一方で、戦後日本の平和主義の重大な転換点に直面しながらも、「戦争」や「軍事」のリアリティに冷静に向き合った論議は未成熟で深化していない。 そこで、全国規模の意識調査の結果を公開して軍事・安全保障問題の議論の前提や基礎データを幅広い読者に提示する。
  • 日本の初期テレビドキュメンタリー史
    -
    1巻4,400円 (税込)
    1957年からNHKで放送されたテレビドキュメンタリー・シリーズ『日本の素顔』は、戦後社会で映画とは異なる新たな表現を切り開いた。初期テレビ制作現場に集った人々はどのようにテレビドキュメンタリーを創造し、どのように『日本の素顔』を作り上げていたのか。 本書では、放送アーカイブを活用して現存する『日本の素顔』を視聴し、当時の資料を渉猟し、関係者へのインタビューを積み重ね、当時の制作現場での試行錯誤や模索、様々な実践に光を当てて、テレビドキュメンタリーという表現形式の独自性を明らかにする。 具体的には、大阪中央放送局の番組制作の実態、制作現場で立ち上がる規範や葛藤、『日本の素顔』唯一の女性プロデューサーの実践などから、東京中心の初期テレビドキュメンタリー史に東京/大阪、男性/女性、エリート/アシスタントという視点を挿入して、『日本の素顔』の複数性と重層性を浮き彫りにする。 これまでの初期テレビドキュメンタリー史では十分に記されてこなかった番組制作の営みや、ドキュメンタリーという表現が内包するグラデーションを可視化する労作。
  • 日本の人種主義 トランスナショナルな視点からの入門書
    4.5
    1巻1,980円 (税込)
    アメリカでの黒人への暴力事件と抗議運動、ヨーロッパでの移民排斥、コロナ禍におけるアジア人への差別などがクローズアップされ、海外の問題と思われがちな人種主義や人種差別だが、日本でも歴史的に、そして現在でも深刻な問題であり続けている。 欧米の人種概念と人種主義の歴史的・社会的な背景、基本的な知識を押さえたうえで、日本の人種概念を捉え直し、近代から現代まで、日本で人種主義が展開してきた足跡をたどりながら、トランスナショナルな視点から日本の人種主義の特徴を整理する。そして、アジア地域の植民地支配をはじめとする日本の歴史的背景や「日本人とは誰か」という問いと結び付きながら、日本社会に意識的・無意識的に根づいている人種主義の現状を具体的な事例をもとに明らかにする。差別、偏見とステレオタイプ、アイデンティティなどの視点から、個人の日常的な意識や振る舞いに人種主義が否応なく結び付いていることも浮き彫りにする。 国際的・領域横断的に蓄積されてきた人種主義に関する議論をまとめ、「私たちの問題」として日本の人種主義を考える視点を提供する入門書。
  • 日本ローカル放送史 「放送のローカリティ」の理念と現実
    -
    1巻3,300円 (税込)
    地域性や各地の文化・風土を重視するテレビやラジオのあり方を指す「放送のローカリティ」は、放送と民主主義の関係を支える重要な理念として参照されてきた。 一方で、戦前から通底する行政手法、地方紙や自治体を中心にした戦後の運営主体、中央集権的な(キー局中心的な)放送ネットワークなどにより、放送と地域の関係は常にきしみも見せてきた。 戦前のラジオ放送から戦後のテレビの登場、ローカルテレビ局の開局と系列化、BSデジタル放送の開始、地上デジタル放送の移行という歴史をローカル放送の制度・組織・番組という視点から検証して、放送のローカリティの理念と実態が乖離してきた実情を明らかにする。 多くの史料を渉猟し関係者にインタビューをして、放送と地域の近・現代史を実証的に描き、今後のローカル放送のあり方を指し示す。
  • ニュータウンの社会史
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    高度経済成長期に誕生したニュータウンは、新しいライフスタイルとして「あこがれ」の的になった。丘陵を切り開いて建設した東京・多摩ニュータウンや大阪・千里ニュータウンが代表する集合住宅は、都会で就職した地方出身者には誇らしい住空間だった。それとともに、私鉄は都心と直結することで交通網を整備した。2DK・3DKという間取りを生んだ住宅政策の原点でもある。 しかし、現在、日本各地のニュータウンで深刻な問題になっているのが、居住者の高齢化である。これは、同時期に同年代層が大量に入居し、また定住志向が強かったため、居住人口の中心年齢が固定化されたまま一気に押し上げられたためだ。 さらに、少子化に伴う学校の統廃合問題、建物の老朽化と建て替え問題、商店街の衰退など、現在のニュータウンではさまざまな問題が同時並行的に発生している。 もてはやされた時期から少子・高齢化が急速に進んでその対応策に苦慮している現在までの50年間をたどって、日本の縮図であるニュータウンを通じて社会の変貌を描き出す。
  • ネット右派の歴史社会学 アンダーグラウンド平成史1990-2000年代
    5.0
    1巻3,300円 (税込)
    保守的・愛国的な信条を背景に、その言動でしばしば他者を排撃する「ネット右派」。彼らはどのように生まれ、いかに日本社会を侵食していったのか。その真の意図とは何だったのか。 前史にあたる1990年代の雑誌論壇と草創期のネット論壇、55年体制の崩壊から現政権の成立までの政治状況、マンガ・アニメや「2ちゃんねる」などの文化状況、歴史教科書問題や外国人労働者問題、日本会議・在特会・極右組織などの団体の動向――。 日本社会に全面展開するネット右派の2000年代までを、嫌韓・反リベラル市民・歴史修正主義・排外主義・反マスメディアという5つのアジェンダ(論題)と、サブカル保守・バックラッシュ保守・ネオナチ極右・ビジネス保守という4つのクラスタ(担い手)からあざやかに分析する。 圧巻の情報量で「ネット右派の現代史」と「平成のアンダーグラウンド」を描き出す「ネット/右翼」研究の決定版。
  • ネット右翼とは何か
    4.0
    愛国的・排外的な思考をもち、差別的な言説を流布させるネット右翼。その書き込みを目にするのは日常生活の一部になった。しかし、ネット右翼の実態はわかっておらず、断片的な情報やイメージに基づく議論も多い。 ネット右翼とは何か、誰がネット右翼的な活動家を支持しているのか――80,000人規模の世論調査、「Facebook」、botの仕組みなどを実証的に分析し、インターネット文化の変容と右翼的言説の関係もあぶり出す。 ネット右翼の実態を多角的に解明して、手触り感があるネット右翼像を浮かび上がらせる。
  • 〈ハイブリッドな親子〉の社会学 血縁・家族へのこだわりを解きほぐす
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 映画『そして父になる』が描いたように、私たちは血縁の有無や「こうあるべき」という規範によって「家族」を自明視し、それに強くこだわりもしている。憲法24条の改正をめぐる議論もこの延長線上にあるといえるだろう。 だが、生みの親と育ての親が異なったり、「他人」同士が生活をともにしたりと、親子関係の実態は多様であり、「育児の社会化」も近年盛んに議論されている。 代理出産、特別養子制度、里親、児童養護施設といった事例から、多様化し複雑化する昨今の〈親子〉事情を丁寧に腑分けして紹介し、それぞれの現状と問題点を指摘する。血縁や実親子だけを軸に家族を考えていくことの弊害を明らかにして、ハイブリッドな親子関係がもつ可能性を描き出す。
  • 博物館の政治学
    -
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 1940年代に、皇国史観とナショナリズム、大東亜共栄圏を体現するものとして計画された国史館と大東亜博物館を中心に、権力のモニュメントとしての博物館の本質的な性格を〈科学〉と〈精神〉という対立軸をもとに解明し、社会との関係性のなかで検証する。

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  • 派遣労働は自由な働き方なのか 転換期のなかの課題と展望
    -
    1巻3,080円 (税込)
    労働人口の減少などを背景に、職務を軸にした雇用が広まりつつある現在、派遣労働者はジョブ型雇用の代表格である。「自由な働き方」というイメージもある彼/彼女たちは、どのような思いで働き、自身のキャリアと向き合い、ライフコースを歩んでいるのか。派遣労働を取り巻く困難や課題はどこにあるのか。 大きな転換点になった2015年の労働者派遣法の改正で掲げられた派遣期間の制限見直しやキャリアアップ措置、待遇の改善などの実態を、派遣労働者40人や派遣元事業主などへのインタビュー、1,650人へのウェブ調査を組み合わせて明らかにする。 そして、雇用の安定やキャリアの向上が必ずしも実現しておらず、給与や雇用形態で不安を抱えながら働くことを余儀なくされている現状をあぶり出す。同時に、男女間の格差やハラスメントの実態、コロナ禍での「被害」も浮き彫りにする。 5年に及ぶ調査から派遣労働の実情を照らし出し、それを通して正社員の労働実態や多様な働き方の可能性も検証する。
  • 働く/働かない/フェミニズム 家事労働と賃労働の呪縛?!
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 家事労働と賃労働とのダブルバインドのなかで、フェミニズムは「働くこと」それ自体がはらむ問題を見据える地平に立った。資本と男たちとによる搾取からの解放の道をめぐっての論争、対論、働く女たちの現場からの発言の集成。

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  • 発表会文化論 アマチュアの表現活動を問う
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日本の発表会の起源を江戸から現在までたどり、習い事や合唱、ライブハウス、公募展、学校制度、教育行政、公共ホール、アメリカとの比較といった事例を検証して、アマチュアによる表現活動の多様性と魅力、それを支える仕組み、問題点を浮かび上がらせる。
  • 犯罪の世間学 なぜ日本では略奪も暴動もおきないのか
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    ときに海外メディアから称賛される治安のよさ、略奪や暴動を起こさず、起きたとしてもそれに厳しい目を向ける日本人――その感性を作り出す独特の秩序であり、法のルール以前に私たちを縛る「世間」。 歴史学者・阿部謹也が提唱した世間論の骨子を、「空気を読む」「既読スルー」「ママカースト」などを例に紹介し、「個人の消去」「贈与・互酬の関係」「高い同調圧力」「排他性」「呪術性」といった「世間」の特徴をまず解説する。 そのうえで、犯罪をケガレとしてソトに排除しながらも、反省と謝罪でゆるしてウチに包摂もするという相反する性質をもつ「世間」で排他性が強化されていることを、1990年代末以降に台頭する犯罪の厳罰化を導きの糸として明らかにする。また、イスラム国人質殺害事件の被害者家族の謝罪やさまざまなバッシング、ネットでの炎上などの具体例から、排他性を下支えする同調圧力が日本で近年、とくに高まっていることを指摘する。 そして、排除志向を強めた「世間」が、人々の息苦しさや閉塞感を加速させて犯罪を生み出す仕組みを、2008年の秋葉原無差別殺傷事件、12年の『黒子のバスケ』脅迫事件、14年の佐世保高一女子同級生殺害事件の3つの事件を具体例にして精緻に読み解いていく。 ニッポン礼賛がテレビやネットにあふれファシズムにも似た「空気」が覆う日本の現状に、「世間」という視点から鋭く迫る時代診断の書。
  • バウマン社会理論の射程 ポストモダニティと倫理
    -
    1巻3,300円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 個人化や私化が加速度的に進み、流動性・不確実性が高まった時代=ポストモダニティ・リキッドモダニティとして現代を把捉するバウマン社会理論の核心とは何か-。バウマンが道徳や倫理などの概念を見つめ直して連帯の新たな可能性を探っており、公共哲学としての社会学を構想していることを、著作をたんねんに読み込んで論証する。

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  • 東アジア歴史認識論争のメタヒストリー 「韓日、連帯21」の試み
    -
    1巻3,080円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「従軍慰安婦」問題や靖国問題、竹島(独島)問題、教科書問題など、東アジア、とりわけて韓日の歴史認識をめぐる対立はますます激化している。この局面を打開して真の和解をめざすために、韓日の有志が4年間、真摯な討論を重ねてきたシンポジウムの成果をまとめる。

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  • ひきこもりの〈ゴール〉 「就労」でもなく「対人関係」でもなく
    3.8
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「仲間をつくれ」「働け」。的はずれを含めた多くの批判にさらされ、「回復」へと駆り立てられるひきこもりの“当事者”たち。対人関係の獲得や就労の達成という「社会参加」とそうすることの意味のはざまで、「なぜ働くのか/なぜ生きるのか」と彼/彼女らが抱いている不安や焦燥を、聞き取り調査をとおして描き出す。そして、「自己防衛戦略」や「存在論的不安」などの視点から、“当事者”たちにとって「ひきこもる」とはどのような経験なのかを浮き彫りにする。必要なのは“当事者”に共感することではなく、むやみに「回復」をめざさせるのでもなく、彼/彼女たちを理解することだと主張・提言する社会学の成果。

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  • ひとはなぜ乳房を求めるのか 危機の時代のジェンダー表象
    -
    ときに人々を魅惑し、ときに宗教的・倫理的な観点から可視化を規制される乳房は、隠蔽されながらも性的な消費の対象になり、時代や社会によって「エロス」「卑猥」「母性」などのさまざまな価値観と結び付けられてきた。社会状況の変革や価値観の揺らぎなどの「時代の危機」に乳房イメージが生産・消費される契機を読み取り、ヨーロッパ中世、近世イタリア、戦中・戦後の日本映画、ピンクリボンキャンペーンなど、古今東西の乳房イメージと社会との関係を明らかにする。それらを通じて、女性の身体そのものから乖離している乳房イメージと、それに密接に絡み合うジェンダーの力学を解明する乳房文化論。

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  • 美術館の政治学
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 国立新美術館をはじめとする美術館の建設ラッシュは、何を意味しているのか。明治期以降の美術館の歴史的展開をひもときながら、思想としての日本民藝館、ミュージアムパーク=上野公園の記憶と美術、近代史の矛盾を抱える遊就館、80年代文化の象徴であるセゾン美術館、地方都市の地域文化と美術館の関係性、指定管理者制度をはじめとする美術館経営などの具体的な問題群を取り上げて、文化装置としての美術館をめぐるさまざまな政治的力学を解明する。美術館という“場”を批評的に読み解き、マルチカルチュラリズムやグローバリゼーションをも議論の俎上に載せてその可能性に光を当てて、縦横無尽に美術館を語り思考するミュージアム・スタディーズの成果。

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  • ビデオのメディア論
    -
    1980年代以降、テレビ番組を録画・再生できるビデオデッキが普及したことでタイムシフト視聴が可能になり、ビデオは私たちの映像経験に大きな変容をもたらした。ビデオはどう受容され、メディアとしてどのような射程をもっていたのか。 放送技術であるビデオがニューメディアとして注目されるプロセス、教育現場での受容から家庭への普及、音楽ファンのエアチェック文化とミュージックビデオ受容の連続性、アニメファンのビデオ受容、レンタルビデオ店の成立とそれを可能にした条件――。録画・編集・流通・所有・交換・視聴・消費など、様々な視点からビデオのメディア史に光を当てて、ビデオの社会的な受容の複数性と映像経験の多層性を明らかにする。 DVDの登場や「Netflix」などの定額制の動画配信サービス、各種の動画共有サービスに目配りしながらも、ビデオというメディアの固有性とかつてあった可能性を歴史から掘り起こす。
  • 美容整形と〈普通のわたし〉
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 プチ整形、シミ・しわの除去、豊胸手術――女性はなぜ美容整形に走るのか。西アフリカでの調査を基に近代以前の身体加工の実例を紹介し、韓国と日本でのインタビューから現在の美容整形への価値観に迫って、身体の改善志向と自己意識との関係性を解明する。
  • ファンタジーとジェンダー
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 空想的な創造でありながら、同時に現実社会と対峙し批評するファンタジーという世界。作品を成立させるしくみである「男装の麗人」「戦う女性」「家族」を軸に、現実のジェンダー関係やセクシュアリティにとってのオルタナティブを読み解く。

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  • フェイクニュースの生態系
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    アメリカ大統領選挙以降、フェイクニュースは国内外を問わず社会的な問題となっている。だが、国内の実態はほとんど明らかになっていない。日本国内のフェイクニュースはどのように生まれ、なぜ広がるのか。 2017年の衆議院議員総選挙、18年の沖縄県知事選挙の2つの選挙、20年の新型コロナウイルス感染症拡大時の「デマ」――各事例をもとに、ソーシャルメディアやまとめサイト、既存メディア、ポータルサイトの相互作用で、フェイクニュースが生成・拡散するプロセスを実証的に分析する。そして、フェイクニュースは、ソーシャルメディア時代において、ニュースが生成され、拡散するニュースの生態系そのものから生み出される構造問題であることを指摘する。また、フェイクニュースに対抗するために必要性が議論されているメディアリテラシーやファクトチェックについては、逆効果になりかねないと警鐘を鳴らす。 汚染の構造と複合的な要因を踏まえ、フェイクニュース生態系における汚染の連鎖を断ち切るために、プラットフォームを運営する企業、既存メディア、個人、それぞれの役割を確認する。そのうえで、多様なメディアと多様な考えの人々により構成され、相互作用が生み出す豊かなニュース生態系を実現する道筋を照らし出す。
  • 〈普通〉という希望
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    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 このくらいは「普通」のことだ-。「普通」や「常識」が規範として機能し、生活の最低限のモチベーションになっていた時代はもはや遠い過去になった。「当たり前に生きていてはダメだ」「独自であれ」「自分らしさをもつために絶えず努力しろ」などの言説の渦のなかでせきたてられるように社会制度から抜け出した途端、社会に戻ることが許されず排除される時代を私たちは生きている。独自性の獲得や社会的成功を生きる指標にするがゆえに、困難に見舞われ、むなしさを感じ、苦悩する人々の現状を、大学生の率直なコメントや若者文化、「私」語りなどの身近な事例を導きの糸にして描き出す。そして、「普通」「常識」をシニカルでニヒルな姿勢からではなく真正面からしっかりと見据えて、希望に満ちた明るい「普通」さの可能性を探る。

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  • 不登校と父親の役割
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    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 不登校を社会現象や社会病理としてではなく、親と子の関係性の問題として考え、家庭生活のごく簡単な改善によって子どもを再登校させる方法を具体的な実例に即して提示し、父親の積極的な参加を中心とした現実的な解決の方法を提唱する。

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  • 不妊と男性
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 家制度・家系意識のために女性が責任を負わされることで、社会から隠蔽されがちな不妊と男性の関係を、歴史的・文化的な背景から浮き彫りにする。生命倫理、アイデンティティ、生殖と性、歴史などの視角から男性不妊の現実を照射する試み。

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  • 浮遊する「記憶」
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 個人的なものでありながら、社会を結合させ分断させる記憶。その記憶をめぐる言説空間には何が立ち上がってくるのだろうか。記憶をめぐる問題群を多様な視点から検証し、私たちを揺さぶり、私たちに揺さぶられる記憶の政治性を照らし出す論考集。

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  • フーディー グルメフードスケープにおける民主主義と卓越化
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 食を自分のアイデンティティやライフスタイルとして捉える人々=フーディー。その言葉や存在は、TBSドラマ『グランメゾン東京』や三越伊勢丹運営の食メディア「FOODIE」、雑誌の特集で、日本でも知られるようになった。 高級店を訪れる一方、オーガニック食品やローカルフード、「手作り」にも引かれ、郷土料理やエスニック料理も味わう。「良い食べ物」を食べて学ぶことに強い関心をもつ彼/彼女たちの実態とは、いったいどのようなものか。 現代アメリカのフーディーの生活世界、セレブシェフへの熱狂、レストラン批評やフードブログの隆盛に、雑誌記事やテレビ番組、フーディー当事者へのインタビューから多角的に迫る。そして、「食の民主化」と「エキゾチシズム・真正性への希求」という食文化の両義性と、両者の緊張関係を析出する。 フーディーをめぐる食文化から階級や人種、ジェンダーの問題系を浮き彫りにして、そこに潜む社会的な不平等や雑食的な文化資本、卓越化の戦略を明らかにする「食の社会学」。
  • ブックオフから考える 「なんとなく」から生まれた文化のインフラ
    -
    1巻1,980円 (税込)
    ブックオフから考える。 社会と都市と文化の「つながり」を。 日本全国に約800店舗を構えるブックオフは、多くの人にとって日常生活に溶け込んだ存在になっている。しかしこのような「当たり前」の存在になるまでは、ブックオフをめぐりさまざまな議論が繰り広げられてきた。あるときは出版業界の革命家として、またあるときは破壊者として、そしてまたあるときは新たなサブカル文化の創造者として……。 本書は、ブックオフが誕生した1990年代からのさまざまな「ブックオフ論」を整理し、実際に多くの店舗を観察して、「なんとなく性」という切り口から、なぜ人はブックオフに引き寄せられるのか、そして現代社会でどのような役割を果たしているのかを縦横無尽に考え尽くす。 ブックオフはどう語られてきたのか。またその語りに潜むノスタルジーとは。 チェーン店であるブックオフが都市にもたらしたある種の「豊かさ」とは。 ブックオフで「偶然」出合う本の面白さとは。 ブックオフから生まれた音楽、カルチャーとは。なぜアーティストはブックオフからの影響を語るのか。 ブックオフが生み出す公共性とは。「文化のインフラ」の内実とは何か。 チェーンストア論やテーマパーク論で注目を集める新進気鋭の著者が、出版史、都市論、建築論、社会学、政治学、路上観察学など多様な分野の知見を駆使して書き上げたいままでにないブックオフ文化論。
  • ブラスバンドの社会史 軍楽隊から歌伴へ
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 軍楽隊として戦意高揚に寄与したブラスバンドは、敗戦後は自衛隊や消防の吹奏楽、アメリカ軍駐留キャンプのジャズバンド、歌謡曲のバックバンド=歌伴、そして学校のクラブ活動として、脈々と受け継がれている。聞き書きもまじえて、大衆音楽の変遷をたどる。

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  • ブルマーの社会史 女子体育へのまなざし
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 明治期から1990年代まで教育やスポーツの現場で広範に普及して黄金期を築いたブルマーにそそがれたまなざしを歴史的に追いながら、「性の解放と抑圧のパラドックス」「性の商品化」などの視角から、ジェンダー規範やセクシュアリティの変容の実態に迫る。

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  • ブルマーの謎 〈女子の身体〉と戦後日本
    3.9
    1巻2,200円 (税込)
    女子体操着であるブルマーは、ブルセラブームを契機に批判を受け、1990年代半ば以降に学校現場から急速に姿を消した。消滅の社会的背景はこれまでも断片的には語られてきたが、では、腰に密着して身体の線があらわになる服装が、なぜ60年代に一気に広がり、その後30年間も定着・継続したのだろうか。 地道な資料探索や学校体育団体、企業への聞き取り調査を通して浮かび上がってきたのは、中学校体育連盟の存在だった。そこから、中体連の資金難、企業との提携などのブルマー普及の背景を解き明かす。また、受容の文化的素地として、東京オリンピックの女子体操が与えたインパクト、戦前から続くスカートの下の2枚ばきの伝統などとの関連も検証する。 ブルマーは導入当初から性的なまなざしにさらされてきた。にもかかわらず、学校現場でブルマーが存続してきたのは、ブルマーをはく女子の身体に女子修身教育の幻を見る戦前回帰派と、美と健康を見る戦後民主主義派とが思わぬかたちで共謀していたためではないかと指摘する問題提起の一書。
  • 分断されないフェミニズム ほどほどに、誰かとつながり、生き延びる
    -
    1巻2,640円 (税込)
    非婚/未婚/既婚、正規労働/非正規労働、性差別的な売春か/セックスワークか、女性の保護か/男女平等か――。フェミニズムは分断と連帯にどう向き合えばいいのか。 フェミニズムの議論を骨格に、現場の声にふれた経験に基づき、女性たちが簡単にはつながれない現実を見据えたうえで、シスターフッドとは何かを問いかける。 女性たちが差別に抗い、不満に共感しあいながらも、ともに声を上げられない現実を、ジェンダーに基づく権力構造による分断だけではなく、考え方や生き方、事情や立場が異なる個人の関係性などの視点から読み解く。 「分断」を乗り越えることを模索し、「ほどほどに、誰かとつながり、生き延びる」ための女性のこれからを提案して、長年のフェミニズムの場での活動と思索に基づいて女性のつながりのあり方の再考を求める評論。
  • プライバシーと出版・報道の自由
    -
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 表現の自由とプライバシー権のせめぎあいの歴史を再検討していくと何が見えてくるのか。「犯罪報道とプライバシーの保護」「小説とプライバシーと表現の自由」「芸能人とプライバシー」の3つの視点をとおして、出版・報道の本質的な問題に再考を促す。

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  • プロレスファンという装置
    -
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 プロレスという物語を、ファンはどう読み、解釈し、消費しているのかを明らかにして、クールでアイロニカルな読みをする「成熟したファン=邪推するオーディエンス」の悲哀と絶望、歓喜と正面から向き合う。9人の論者が迫るプロレスファンの文化研究。

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  • 兵役拒否
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 国家意志としての軍隊の命令に「否」を突きつける兵役拒否とは何か。敵を殺す暴力性の極限に個人として対抗する良心的兵役拒否が人権として合法的に認められているドイツをはじめ、イタリアやイギリスの実態、日本の徴兵拒否をも含めて詳細に解析する。

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  • 「平成」論
    5.0
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 元号と時代意識が結び付かず、内実を語ることばが見つけられない「平成」の奇妙なわからなさ・フラットさを、経済・歴史・文学・報道・批評の5つの視点から解き明かし、「平成的とはどのようなことか」に迫る天皇制論抜きの異色の元号・現代社会論。
  • 偏見というまなざし 近代日本の感性
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ヒステリー観の変遷、文学史における性と生、戦時雑誌の公共性、ポートレートとジェンダーの問題、感覚の抑圧と近代主義など、近代日本における感性の変遷を「偏見」をキーワードに読み解き、メディア論・文化研究の新しい視角を提示する刺激的な論考集。

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  • 保守市民社会と日本政治 日本会議の動員とアドボカシー:1990-2012
    -
    1巻4,400円 (税込)
    近年、日本の政治・社会の右傾化や排外主義の台頭、保守団体の活発な活動が指摘されるようになった。なかでも、1997年に設立された日本会議は日本最大の保守団体として注目を集めている。 1990年代から小泉政権、第一次安倍政権を経て民主党政権までの政治動向や社会状況を押さえながら、靖国参拝支持、教育基本法改正、歴史教科書問題、夫婦別姓反対、「従軍慰安婦」問題などをめぐる日本会議の活動やイシューの内実、それに基づく集会や署名活動、動員の実態を検証する。 加えて、保守市民社会のアドボカシー活動=政治家に直接にはたらきかけるロビー活動に着目して、「歴史検討委員会」「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」「日本会議国会議員懇談会」という主要な議員連盟を取り上げ、日本会議と政治家のつながり、その影響力を分析する。 日本会議の活動や機関紙「日本の息吹」から作成したイベントデータを対象に、社会運動論や利益団体論、ロビー先選択論などの枠組みから保守市民社会と政治の関係を明らかにする画期的な研究成果。
  • ホストタウン・アーカイブ スポーツまちづくりとメガイベントの記録
    -
    2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の際、海外のアスリートや関係者と地域住民が国際交流を図ったホストタウン事業。1998年の長野オリンピックの際の一校一国運動や、2002年のサッカーワールドカップの際の各国代表チームの事前キャンプ時の住民との交流事業などに着想を得たこのホストタウン・イニシアティヴという計画は、世界に類を見ない日本独自の取り組みとして、全国で展開された。 スポーツを通したまちづくりにも直結するホストタウン事業の基本知識、ホストタウン事業に取り組んだ自治体の活動状況、コロナ禍がホストタウン事業に与えた影響、オリ・パラ後の活動状況、そして、ホストタウン事業の成果の全体像を多様なデータから明らかにする。 スポーツ振興、スポーツ合宿、多文化共生、経済交流などの特徴をもつホストタウン事業のほか、行政が主導したタイプ、民間と協同したタイプなどの事例をレポートして、ホストタウン事業に登録した全自治体の取り組みを一覧表にもまとめた、国際交流の全記録。
  • ボウリングの社会学 〈スポーツ〉と〈レジャー〉の狭間で
    -
    1巻1,760円 (税込)
    子供から大人まで遊ぶことができ、競技会がおこなわれるかたわらで家族連れがプレーするなど、多様な楽しみ方ができるボウリング。この「国民的スポーツ」はなぜ・どのようにして日本に広まり、定着したのだろうか。 1960年代半ばから70年代初頭の爆発的なブームを起点にボウリングの戦後史をたどり、時代ごとに変わる社会的な評価や経営者・関連団体のイメージ戦略、人々の余暇観の変化などを明らかにする。 地域文化とも密な関係性を持ち、〈スポーツ〉でもあり〈レジャー〉でもあるボウリングの不思議な魅力を照らし出す。
  • ポストコロニアリズムとジェンダー
    -
    1巻3,300円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 占領期沖縄の売買春と日本軍「慰安婦」問題を具体的な素材にして売買春と女性の主体性について精緻に分析し、植民地主義とジェンダー・セクシュアリティの関係性を浮かび上がらせる。沈黙と分断を超えるためのポストコロニアル・フェミニズム研究。

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  • ポスト・ジェンダーの社会理論
    -
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 現代人の心を侵すコミュニケーション不信/渇望症の原因を、自我の深部に存在するジェンダーに求め、ハーバーマスとフェミニズムを融合させることでその枠組みを根底から解体しようと試みる。隣人を理解するための実践的社会理論。

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  • ポスト・プライバシー
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 近代以降、人びとは「他の誰でもない私」「ほんものの自己」を目指すようになるとともに、個人の情報や秘密、私的領域の保護を求めるプライバシー概念を重視するようになった。だが情報技術が飛躍的に向上して一般化した現代社会では、プライバシーの位相は大きく変容している。個人の内面や身体、親密さ、私的領域を聖域化してきたプライバシーが、データベースや情報システムを聖域化するプライバシーへと移行しつつあり、それにともなって私的領域と公的領域の境界も意味を失ってきている。こうした現状を、監視カメラの偏在化やデータベースへの個人情報の登録などの事例からあぶり出す。そして、個人の外部にあるシステムが管理する情報によって「私」が形づくられつつある今日の状況が、社会システムのどのような変化に呼応しているのかを解明する。

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  • ポリセクシュアル・ラヴ ひとつではない愛のかたち
    -
    1巻2,200円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 男性と女性、同性愛と異性愛、女らしさと男らしさ…そのどちらでもなく、どちらでもある境界に息づく愛と性。映像作品を透かして、セクシュアリティの多様な姿をやわらかなまなざしのなかに浮かびあがらせる。

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  • マシーン福田、マゾ麻生、サプライズ小沢 政治家の精神構造を分析する
    -
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 安倍前首相の突然の崩壊、お地味福田の首相就任、麻生の自暴自棄挑戦、そして小沢の連立画策-辞任表明と撤回…。ドタバタ政治家の精神構造を分析する。

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  • まなざしに管理される職場
    3.5
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 同僚の目が怖い──。日本型経営の特徴である職場での相互扶助と相互監視は、人間の心理に何をもたらしたのか。上司からの縦の管理に、同僚による配慮という名の「横の監視」が交差する職場環境とそこで発生する息苦しい人間関係、強迫の心理をえぐり出す。

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  • まぼろしの「日本的家族」
    5.0
    1巻1,760円 (税込)
    2012年に自民党が発表した「日本国憲法改正草案」に明らかなように、改憲潮流が想定する「伝統的家族像」は、男女の役割を固定化して国家の基礎単位として家族を位置づけるものである。 右派やバックラッシュ勢力は、なぜ家族モデルを「捏造・創造」して幻想的な家族を追い求めるのか。 「伝統的家族」をめぐる近代から現代までの変遷、官製婚活、結婚と国籍、税制や教育に通底する家族像、憲法24条改悪など、伝統的家族を追い求める「斜め上」をいく事例を批判的に検証する。
  • 妾と愛人のフェミニズム 近・現代の一夫一婦の裏面史
    3.8
    1巻3,080円 (税込)
    夫婦関係に不和を生じさせる存在、倫理にもとるものとして現在ではタブー視されている「愛人」や、かつて「妾」と呼ばれた人たちは、どのような女性だったのか。 フェミニズムの分野で「妾」や「愛人」が議論の対象にされてこなかったことに疑問をもった著者が、明治期から2010年代までの「妾」と「愛人」にまつわる「読売新聞」や「週刊文春」の記事分析と文学作品の読解を通して、時代ごとに形作られた社会的イメージの変遷をたどっていく。 森鴎外や尾崎紅葉の小説に描かれる近代男性の妾囲い、有島武郎と波多野秋子などの大正期に新聞紙上をにぎわせた知識人の愛人関係、太宰治「斜陽」で「道徳革命」を成就させる戦後の愛人、「嫉妬する妻」による刃傷沙汰事件、「おいしい生活」を望む女性たちの間で流行した愛人バンク、政治家の「女房役」やハイクラス男性のビジネスパートナーとしての愛人、2000年代以降の政治家のスキャンダルのなかで性的に消費される愛人像などを取り上げ、近・現代日本に現れる「妾」と「愛人」像と、その評価を詳細に検討する。 一夫一婦制度が確立した明治期以降、ときに「純粋な恋愛の遂行者」として近代知識人に称賛され、ときに「眉をひそめられる不道徳な存在」として排除された女性たちの存在に光を当てるフェミニズム研究の裏面史。
  • メディア空間の変容と多文化社会
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日本の広告とアメリカ化、電子メディアにおける主体、戦後国語教育が隠蔽してきたもの、外国人居住者が提示する問題、メディアと観光の複合化……。多様な切り口から、都市やメディアの発展と文化の異種混交の問題を見通す論考集。

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  • メディア・リテラシーの社会史
    -
    1巻2,200円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 新聞・雑誌、ラジオ、テレビ、パソコンなど、メディアの歴史と“私”の関係性の変容を追い各時代の“私”が活字とどう向かい合ってきたのか、その原風景を照らし出す。“私”を形成する行為が活字を読むことから書くことへと転回した先にあるメディア・リテラシーの可能性を追求する。

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  • メディア論的思考 端末市民の連帯意識とその深層
    -
    1巻2,640円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 20世紀が生み出した電子メディアのテクノロジーは「個人」を「端末市民」へと抽象化し、一方、その「超=国家性」によってインターネットという新しい「連帯」の形態を作り出す。ネットワーク社会に生きる端末市民をめぐる論文集。

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  • モテないけど生きてます 苦悩する男たちの当事者研究
    4.3
    「ぼくらの非モテ研究会」は男性の生きづらさを語り合う場としての当事者研究グループである。非モテ研では、幅広い分野で注目されている当事者研究の手法を応用し、これまであまり語られてこなかった男性たちの「痛み・悲しみ」だけでなく、「非モテ」の現状を打開しようとする、切実さのなかにもユーモアあふれる研究成果を蓄積している。 「女神」「ポジティブ妄想」「自爆型告白」などの観点からは、単純な「非モテ=恋人がいない」という考え方では捉えきれない、親からの影響、学生時代の経験、社会からの疎外感・孤独感など、多様な物語が浮かび上がる。 研究会を主宰する男性学研究者を中心に、ジェンダーやフェミニズムの概況を踏まえながら、「非モテ」をキーワードに立ち上がる男性たちの語りに寄り添い、ともに研究してきた成果をまとめる。 非モテ研メンバーたちの当事者研究も豊富に盛り込み、既存の男性学では「語れない/語らない」とされている男性たちの切実な語りから多様でよりよい生き方を探る、新しい時代の男性学を切り開く一冊。
  • 野球のメディア論 球場の外でつくられるリアリティー
    -
    1巻2,640円 (税込)
    野球ファンの多くは、テレビや配信、テキスト速報、SNSでプレーを共有しながら楽しみ、勝敗に一喜一憂する。実際にプレーする人や現地観戦する人もいるが、ほとんどのファンはメディアを通して野球を見ている。では、メディアはどのようにして野球を捉え、描き、野球そのものに迫ってきたのか。 写真やイラストを多用して野球を見る視点を生み出した雑誌、カメラアングルや実況で野球の見せ方に大きく影響したテレビ中継、選手を操作するゲーム、実在の選手をも物語に登場させる漫画……。 選手のキャラクター化、スローモーションなどの技術による「動き」への着目、メディア間の相互関係などの論点を整理しながら、メディアを通してしか見られない野球の魅力や豊かさを描き出す。スポーツを捉えようとするメディアの試行錯誤や多様性、ダイナミズムに迫る野球視覚文化論。
  • 夜食の文化誌
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ラーメン、おにぎり、焼きそば、うどん、スナック菓子…。受験勉強や夜型生活になくてはならない夜食は、いまや巨大な市場を形成するほど人々に受け入れられている。人の心を和ますとされたり太る原因にされたりとさまざまに語られる夜食は、どのようにして日本に普及してきて、一つの文化として成熟したのか。文化的・歴史的な過程を丹念にたどりながら、落語の演目から都市の下層階層の問題を読み解き、屋台やラーメンの普及、若者文化や地方と夜食とのかかわりに戦前期の都市化のありようや食文化イメージの転換を見定めて、夜食と日本人との関係に鋭く斬り込む。食欲と知識欲をそそる文化史/文化誌。

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  • 病い論の現在形
    -
    1巻3,080円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 近代的身体像は、医学の近代化によって誕生した──。文学・哲学・音楽から宇宙論まで、病と生命に向けられたまなざしの連鎖を解析し、病を取り巻く言説の現在、病気という文化/文化という病気を臨床する。いま、何が病んでいるのか──。

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