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Dm16小節
3月になれば、彼女は 28歳、女性。独身。テレビ番組の制作助手。 彼女の仕事ぶりは完璧だ。 番組制作上、重要な取材の段取りを付け、 自分はけっして目立たず、しかし同行し、サポートに徹する。 多忙と集中の中に、常に彼女はある。 しかしその忙しい日々の流れを自分の意志で止め、 「過去」に向き合うのもまた彼女の流儀だ。 そこにあるのはかつての夫の姿であり、そして雛祭りの音楽だ。 だいじょうぶ。3月になれば彼女は、そのことを思い出す。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。 -
D7のワルツ
友情の寝正月 2人の女性がいる。 2人とも自立していて、仕事が忙しく、いつも多忙だ。 そんな彼女たちにとって、正月は拍子抜けするようなエアポケットで、久々に2人はゆっくりとコーヒーを飲み、会話を交わす。 しかしそこで、ちょっとした異変が起こる。 でもその小さな苦しみは、すぐに解決するはずだ。 彼女たちの準備とボーイフレンドと友情のために。 佳き1年の始まりが、ここにある。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。 -
マイ・ダーリン・ハンバーガー
ご法度、マイ・ダーリン! 社会、というものを動かしているのが主に大人であるなら、そこにあるルールもまた、大人が決めたものだろう。 18歳は大人の入口で不安定な年齢だ。 クラブのホステスと従業員。 その場にフィットしなければ、はじき出されることもある。 でも、心配ない。2人にはのしかかる過去もなく、プレッシャーとなるむやみな夢もなく、 しかしふとした行きがかりの縁と、18歳でも買えるマスタングとハンバーガーがある。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。 -
九月の雨
貼らない写真と送らない手紙 2人には、大切な機器がある。 少女は、カメラだ。日々、関心のおもむくままにスナップを撮り、日記帳に貼り付けていく。 少年は、オートバイ。親も知らないうちに入手して、それに乗って旅に出ようとしている。 少年が少女にオートバイを見せたのは、旅立ちの日=別れの日、だった。 その写真は、まだ貼られていない。まだ彼には送られていない。 宙ぶらりんな時間の中に、2人の未来はある。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。 -
サマータイム・ブルー
待つ女のままで、いてなるものか。 男はロード・ライダー。 夏のあいだ、あちこちの小さな町を気ままに走り抜けている。 一緒に海へ行くはずだった、と言うのは女。 男は毎日公衆電話から電話をかけ、必ず女は自宅にいる。 秋風が吹いたら東京へ帰る、と男が言う言葉は、はたして本当か? 待つことしかできないのか? そうではないだろう。 ラスト、家にいてもできる「待つこと」以外の生き方を、彼女はようやく見つける。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。 -
タイトル・バック
夫婦なのに外で会う、絵になる2人。 女は大阪、男は東京。 夫婦の別居といえば誰しもネガティブな関係を想像するが、情熱を傾けた仕事のために、納得して別々にいる2人はめずらしい。 男性視点と女性視点の章が交互に現れ、 2人は本当に夫婦? どこかでクロスするの? と思わせる構成も見事である。 離れて暮らし、3週間もの時間を開けて外で落ち合う2人は、 そのままタイトル・バックに収まる鮮度に満ちている。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。 -
彼女が風に吹かれた場合
私はいつも幸せ 片岡義男の小説においては、不美人が登場しないのと同じように、嫉妬が登場しない。 いや、登場人物たちはその感情を宿してはいるはずなのだが、その痕跡は見事に消されている、 あるいは次なるアクションによってどこかへ飛んでしまう。 女と男は、それぞれの時間、確実に1対1の関係にひたりながら、その外側に別の1対1を持つ。そのことを隠しもせずに。 結婚も恋愛も出産も、陰りを持つことはない。 そこにはいつも風が吹いている。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。 -
エンド・マークから始まる
飛び出す女、残される男。 かつての同級生で年齢も同じ2人の女が、再会する。 飛び出してきた1人の女を、もう1人の女が迎える。 迎えた家には男もいて、しかしそれはさして問題にならない。 ところがしばし時間が経って、女はまた出て行く。 今度は違う方の女だ。迎えたほうの女が今度は出て行く。 トラブルが起きたわけでもないのに。 女と男の組み合わせが変わる? 感情はどうなる? しかし少なくともこれは三角関係とは違う。 古い何かが終わって、新しい何かが今から始まるのだ。 エンド・マークから出発だ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。 -
第二十回平成独楽吟
福井に生きた幕末の歌人、橘曙覧が「たのしみは~とき」の形で詠んだ「独楽吟」。福井市では、貧しさの中にあっても心豊かに生きていた郷土の歌人、橘曙覧の世界に学び、生活の中で感じた身近な楽しみを詠んだ歌を「平成独楽吟」として募集しています。また、「万葉集や実朝以来の歌人」と正岡子規に絶賛された曙覧にちなみ、一般短歌もあわせて募集しています。 この作品集は、平成26年度(第20回)の入賞作品と、審査員長による評を掲載。入賞者の日常に訪れた「たのしみ」について触れることができる内容となっています。 曙覧の「独楽吟」に註・歌意・解説を付けた解説本『全訳註 独楽吟』や過去の平成独楽吟も配信中です。【※本作品はブラウザビューアで閲覧すると表組みのレイアウトが崩れて表示されることがあります。予めご了承下さい。】 -
第十回平成独楽吟
福井に生きた幕末の歌人、橘曙覧が「たのしみは~とき」の形で詠んだ「独楽吟」。福井市では、貧しさの中にあっても心豊かに生きていた郷土の歌人、橘曙覧の世界に学び、生活の中で感じた身近な楽しみを詠んだ歌を「平成独楽吟」として募集しています。また、「万葉集や実朝以来の歌人」と正岡子規に絶賛された曙覧にちなみ、一般短歌もあわせて募集しています。 この作品集は、平成16年度(第10回)の入賞作品と審査員長による総評を掲載。表彰式で行われた白川静氏(立命館大学名誉教授)の講演詳細も紹介しています。 【※本作品はブラウザビューアで閲覧すると表組みのレイアウトが崩れて表示されることがあります。予めご了承下さい。】 -
第九回平成独楽吟
福井に生きた幕末の歌人、橘曙覧が「たのしみは~とき」の形で詠んだ「独楽吟」。福井市では、貧しさの中にあっても心豊かに生きていた郷土の歌人、橘曙覧の世界に学び、生活の中で感じた身近な楽しみを詠んだ歌を「平成独楽吟」として募集しています。また、「万葉集や実朝以来の歌人」と正岡子規に絶賛された曙覧にちなみ、一般短歌もあわせて募集しています。 この作品集は、平成15年度(第9回)の入賞作品と審査委員長による総評を掲載。表彰式で行われた銅版画家の山本容子氏の講演詳細も紹介しています。 【※本作品はブラウザビューアで閲覧すると表組みのレイアウトが崩れて表示されることがあります。予めご了承下さい。】 -
第八回平成独楽吟
福井に生きた幕末の歌人、橘曙覧が「たのしみは~とき」の形で詠んだ「独楽吟」。福井市では、貧しさの中にあっても心豊かに生きていた郷土の歌人、橘曙覧の世界に学び、生活の中で感じた身近な楽しみを詠んだ歌を「平成独楽吟」として募集しています。また、「万葉集や実朝以来の歌人」と正岡子規に絶賛された曙覧にちなみ、一般短歌もあわせて募集しています。 この作品集は、平成14年度(第8回)の入賞作品と審査委員長による総評を掲載。表彰式で行われた作家の立松和平氏の講演の詳細も紹介しています。 【※本作品はブラウザビューアで閲覧すると表組みのレイアウトが崩れて表示されることがあります。予めご了承下さい。】 -
第七回平成独楽吟
福井に生きた幕末の歌人、橘曙覧が「たのしみは~とき」の形で詠んだ「独楽吟」。福井市では、貧しさの中にあっても心豊かに生きていた郷土の歌人、橘曙覧の世界に学び、生活の中で感じた身近な楽しみを詠んだ歌を「平成独楽吟」として募集しています。また、「万葉集や実朝以来の歌人」と正岡子規に絶賛された曙覧にちなみ、一般短歌もあわせて募集しています。 この作品集は、平成13年度(第7回)の入賞作品と選考公開審査の様子などを掲載しています。 【※本作品はブラウザビューアで閲覧すると表組みのレイアウトが崩れて表示されることがあります。予めご了承下さい。】 -
第六回平成独楽吟
福井に生きた幕末の歌人、橘曙覧が「たのしみは~とき」の形で詠んだ「独楽吟」。福井市では、貧しさの中にあっても心豊かに生きていた郷土の歌人、橘曙覧の世界に学び、生活の中で感じた身近な楽しみを詠んだ歌を「平成独楽吟」として募集しています。また、「万葉集や実朝以来の歌人」と正岡子規に絶賛された曙覧にちなみ、一般短歌もあわせて募集しています。 この作品集は、平成12年度(第6回)の入賞作品と選考公開審査の様子などを掲載しています。 曙覧の「独楽吟」に註・歌意・解説を付けた解説本『全訳註 独楽吟』や過去の平成独楽吟も配信中です。【※本作品はブラウザビューアで閲覧すると表組みのレイアウトが崩れて表示されることがあります。予めご了承下さい。】 -
トウェイン完訳コレクション ハドリバーグを堕落させた男
ハドリバーグは誠実で高潔な町。その立派な評判はこれまで一度として汚されたことがなく、親子三代近くにもわたって続いていた。町の住人はそのことを誇りに思い、他に持っているどんな宝ものよりも自慢していた。しかし、一人の男の怨みをかってしまったために、この町始まって以来の危機が訪れる。男は周到に準備し、町中一人残らず丸呑みにし無傷ではおかないような計画を練った。その恐るべき狡猾な計画とは、そして、清廉潔白な町ハドリバーグの運命は……?! サスペンスタッチで人間の表と裏の顔を描き出す、マーク・トウェインの真骨頂。入手困難な作品が、大久保博の名訳で蘇る! 他では読めないKADOKAWA電子書籍版トウェイン完訳コレクションならではのとっておきの一作。本書は訳し下ろしです。 -
スパイダー・ウェブ
眼鏡型の携帯通信端末「サイグラス」が人々のあいだに普及したある日、見習い寿司職人・和泉淳がアイドルになった恋人の笹村灯里とデートすべく渋谷に向かっていると、謎の電話が入る。「渋谷へは絶対行くな」という警告を無視した淳を待っていたのは、殺人未遂犯としての緊急逮捕だった。まったくの冤罪だったにもかかわらず、なぜかネット上には犯行声明が事前に流れており、さらにハチ公前のスクランブル交差点で逮捕された際の映像がネットで拡散すると、淳のプライバシーは晒され、執拗な個人攻撃が牙をむく。次々と罠にはまっていく淳を助けようと集まってくる人々もいるが、いずれもどこか怪しげで、ますます窮地に立たされていくなかで、恋人のアイドル笹村灯里は淳の味方だった。ところが、見えない圧力が……。いったい誰が、何のために淳を陥れようとしているのか? 淳と灯里は窮地を脱することができるのか? 近未来ネット社会の闇と恐怖をリアルに描くサスペンス! -
詩集 はなびら
とおいそらを見上げている/せせらぎに身をまかせて/ひんやりとした水の流れが/僕をはこんでくれる/響きわたる静けさ/鳥のこえ、水のおと/それだけの空間に僕は/ただ木片のように在るー「流れるひと」より。 その時、その瞬間の心象を切り取って紙の上に焼き付ける。空想でありながら、ひとつの虚構もない…。詩はうたでありたいと願い、WEBを中心に活動を続ける著者による漂泊の第一詩集。 -
女優A
「モンスターU子の嘘」作者の悪女小説。 「演じること。それがわたくしのすべてです。女優・清宮朝子も藝の神様が与えて下さった役だと思い、一生懸命演じております。わたくしに素顔なぞいりません――」 誰もが目を奪われ、憧憬の眼差しを向ける銀幕のスタア・清宮朝子は、数々の名作を残すも、突如、姿を消してしまう。 それから、月日の流れた平成二十五年春。ある保険会社のテレビCMを機に再燃した清宮朝子ブームを背景に、彼女を大伯母にもつ女優・清宮凜子、そして彼女の母で元女優の清宮祥子は、某テレビ局の開局六十周年期年のドキュメンタリードラマ「清宮朝子を探して」の製作記者発表会見に臨んでいた。伝説の女優を係累に持つ凜子が、再現ドラマで朝子を演じるという話題性で、多くの報道陣が詰めかけていたのだ。半世紀を経て、謎の失踪を遂げた朝子の狂気の第二幕が今、上がる。 -
「極道乱れ恋唄~仁義なき恋愛抗争~」護崎龍牙編
「極道乱れ恋唄~仁義なき恋愛抗争~」護崎龍牙編のゲームノベライズ シリーズ3 護崎の「女」になった千鶴。その後、しばらくして護崎は組長を始めとする組幹部たちの前で千鶴を紹介し、晴れて関係が認められるようになります。ところが、幸せを感じていたのも束の間、広目組に突然、家宅捜索が入ります。慌てる千鶴に「どうも警察と関西の暴力団が繋がっているらしい」と言う護崎。バタバタする日は続きます。 そんなある日、千鶴は広目組と対立する関西の暴力団の手の者によって病院から連れ去られてしまいます。 間一発、駆けつけた護崎らに助けられる千鶴。関東と関西の暴力団の抗争も未然に防がれ、落ち着きを取り戻す二人。 人望を集めていた護崎は先代に代わり、組長となることに。その襲名式が終わった直後、護崎は千鶴にプロポーズをし、千鶴は正式に「組長の妻」になることを決意するのでした。 -
「ブレない」自分のつくり方 格差時代のサバイバル読書術
何を読めばいいのか、信じるに値する本はどこにあるのか――格差の拡大する“しのぎの時代”を読書でサバイバルするニュータイプ人生論! 生き方に悩む30代、人生を振り返る40代、残り時間を考える50代必携の新しい「批評的啓発書」です。 誰もが知る古典から無名の名著、ベストセラー啓発書まで、厳しい時代を生き抜くために読むべき120冊以上を「インタビュー千人」作家&書評家・佐山一郎がピックアップ。書評と解説、そして新しい生き方の提案を交えて縦横無尽に紹介します。 -
米光一成ブックレビュー
人気ゲーム『ぷよぷよ』監督のゲーム作家、米光一成が2005年から2006年の2年間にわたって「本の雑誌」に連載した書評集の2005年版です。森達也『いのちの食べ方』や角川春樹『わが闘争』、佐藤幹生『自閉症裁判』、みうらじゅん『正しい保健体育』など新旧、硬軟取り混ぜた“ごった煮書評集”。うねる文体のグルーブ感、ドライブする本へ愛をお楽しみください。 -
巨悪(小学館文庫)
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 小便とドブの臭いが漂う大阪の場末で育った呂志忠は、「裏社会」のなかで、確実に自らの足場と人脈を築き、闇社会と中央財政界を手玉にとる巨魁となった。裏と表の世界を巧妙に行き来する彼は、多彩な人脈と話術を駆使して中小ゼネコンを繰り、巨額の手形と政治献金を政界に送りこんだ。一度獲物に食いついたら絶対に離さない呂志忠の虚飾に満ちた野望の構図は? 究極の狙いは? 悪の魅力を如何なく抉る経済小説の問題作!! -
主役じゃなかった彼に捧げるささやかな悪意の日記
日記形式で綴られていく、サイコホラー恋愛小説。 地味で目立つところなんて一つもない、同じクラスの坂崎くん。 彼のもう一つの顔に気づいた私に芽生えたのは、好奇心とささやかな悪意。 彼を知るためだけにあの手この手を尽くす私だったが、 膨れ上がった悪意はやがて思わぬ事態を招いていく。 ささやかだった悪意の行き着く先は? 【著者】晴海まどか 千葉県育ち東京都在住の文章クリエイター。2014年3月、ライブドアブログ・impress QuickBooks主催「ライトなラノベコンテスト」で、「明日が雨でも晴れでも」が特別賞受賞。impress QuickBooksから「髪の毛探偵 石神くん」シリーズも発売中。 公式サイト「白兎ワークス」 http://whiterabbitworks.wordpress.com/ -
昼田とハッコウ 合本版
幸福寺の小さな本屋さん「アロワナ書店」。三代目のハッコウは店長とは名ばかりで店内をぶらぶらするばかり、ともに育ったいとこの昼田はIT企業に勤めていた。しかし正月早々大事件が起き、書店は存続の危機に。昼田とハッコウは、二人でゆっくり立ち上がる。仕事をすること、家族になること、人と繋がること。続いていく毎日をゆるやかに更新する、著者渾身の長編。 ※この電子書籍は、2015年9月に講談社文庫として刊行されました、『昼田とハッコウ(上)』『昼田とハッコウ(下)』を合本とし、電子書籍化したものです。この電子書籍とは別に『昼田とハッコウ(上)』、『昼田とハッコウ(下)』もそれぞれ電子書籍で配信中です。 -
橘外男選集――悲哀人獣篇
「人獣交合の描写のエロティシズムとグロテスクぶりにかけては、この橘外男の『陰獣トリステサ』以上のものは、まだ世界のどこの文学にも現われていないようだ」と澁澤龍彦が絶賛した隠れた名作も収録。 直木賞作家による摩訶不思議な世界。 「令嬢エミーラの日記」「怪人シプリアノ」「陰獣トリステサ」「マトモッソ渓谷」「女豹の博士」5編を収録。 ■令嬢エミーラの日記 アフリカのアンゴラ国境調査隊に加わったターナーは、ゴリラの生息地で白人女性の無残な死体を偶然発見する。その死体は若く美しく、しかも裸だった。 なぜこのような若い白人女性がアフリカ奥地に来たのか、なぜ殺されることになったか、なぜ裸だったのか。 日記によると、女性の父親は動物学者で、ゴリラと言語によるコミュケーションができると盲信し、研究に没頭していた。 そして、その研究の仕上げとして、娘にゴリラを誘惑させた。 アフリカの閉ざされた奥地で、次第におかしくなっていく人々は、そのときを境に崩壊に向かっていくのだった。―― ■陰獣トリステサ ハンディキャップを抱えるロドリゲスは、父の遺産を受継ぎ銀行頭取となってからも、幼少期に幼馴染から受けたトラウマを克服できずにいた。 金の力で、年の離れた若く絶世の美女と結婚するが、人間としての扱いを受けることができない。 そんな折、珍しく上機嫌の妻にねだられ、「犬」を買いにいくことになる。 「犬」くらいで関係が良くなればと喜んだロドリゲスであったが、怪しげな犬商人が売るその犬は恐ろしい性質を持った犬であった。 ■女豹のドクター 美貌と頭脳を兼ね備えたハーバード大学のDr.シゲノは、ある富豪の娘の脳腫瘍を取り除く手術を見事成功させた直後、なぜか関係ない部分を刳りだし患者を死なせてしまう。 マスコミはセンセーショナルにこの日本人の美人医師を叩いたが、次第に、このDr.シゲノの生い立ちや、医学的見地からの弁明、脳性麻痺に対する真摯な取り組みがわかるにつれ、世間は彼女の味方になっていく。 しかし、彼女は脳にとりつかれたようなもう一つの顔を持っていたことが判明していく… ■著者略歴 橘 外男(たちばな・そとお) 一八九四(明治二七)年石川県生まれ。生後まもなく軍人だった父の転任地・高崎に移る。軍人家庭の厳しい躾に反発、中学を退学処分となり、札幌の叔父のもとに預けられる。その後、貿易商館、医療機器店など職を転々とするが、一九三六(昭和一一)年『文藝春秋』の実話募集に『酒場ルーレット紛擾記』が入選、三八(昭和一三)年『ナリン殿下への回想』で第七回直木賞を受賞。戦時中は満州に渡って書籍配給会社などに勤め、戦後、文筆活動を再開、独特の文体で数々の名作を生む。五九(昭和三四)年死去。 主な作品に『妖花イレーネ』『陰獣トリステサ』『青白き裸女群像』『私は前科者である』『ある小説家の思い出』などがある。 -
蔦の門
岡本かの子短編集。圧倒的な情景描写と心理描写によってまさにキラリと光る珠玉の五編。「鮨」鮨屋の娘ともよは先生とよばれるその男が気になっていた。ある日偶然町で先生を見掛け、身の上話を聞いたのだった。鮨にまつわる話とは……。「東海道五十三次」東海道の魅力にはまった男は言う「東海道というものは山や川や海がうまく配置され、それに宿々がいい工合な距離に在って、景色からいっても旅の面白味からいっても滅多に無い道筋」読むほどに旅情がそそられる作品。「蔦の門」近所のいたずら娘ひろ子は家の蔦をむしっては老婢を困らせていた。しかし早くに両親を亡くし境遇が似ていることから二人は心を通わせるようになる……。「鶴は病みき」 避暑の為訪れた鎌倉での芥川龍之介とのひと夏の交流を描いた作品。偉大なる文学者芥川龍之介の意外な一面とは。「老妓抄」永年の辛苦で財産もできた。老妓の小そのは言う「何人男を代えてもつづまるところ、たった一人の男を求めているに過ぎない……」小そのは電気技師の若い柚木を自分の家に住まわせる。そのうち養女のみち子が柚木に興味を持ち始めるが……「仕事であれ、男女の間柄であれ、混り気のない没頭した一途な姿を見たい」老妓はそう願うのだった。著者岡本かの子の夫は漫画家岡本一平、息子は岡本太郎。 -
P+D BOOKS 詩城の旅びと
南仏を舞台に愛と復讐の交錯を描く。 「ゴッホゆかりのプロヴァンス地方で国際駅伝を」一女性の投書に惹かれた和栄新聞社企画部長・木村は、実現に向けて南フランスへ飛んだ。荒れた古城や教会を訪れ、謎めいた伯爵夫妻の館に滞在。仕事に賭ける男の情熱と投書者のひそかな企みがついに交錯した……。 南フランスの太陽・青い空・あふれるラベンダーの紫、風光明媚な情景の中で織り成される奇妙な人間模様。目眩めく憎悪と妖しい愛、そして「執念」と「殺意」。暗鬱な風景と明るい光景とが渾然となって、黒い詩情が交錯する…。知られざるフランス中世都市レ・ボー、ゴッホのゆかりの地アルル、セザンヌの生地エクス・アン・プロヴァンス、そして九州豊後竹田で繰り広げられるサスペンス・ロマンス。 NHK同名ドラマの原作にもなった作品。炎の画家が愛した美しい風光のなかに巨匠・松本清張が愛と復讐の構図を描く。 -
さばえ近松文学賞2015~恋話(KOIBANA)~
福井県鯖江市の「近松の里づくり事業推進会議」が主宰する『さばえ近松文学賞』2015年度版。 鯖江で幼少期を過ごした、世界に誇る文豪「近松門左衛門」が生まれてから360年の節目である2013年度からスタートしました。 「さばえ近松文学賞~恋話(KOIBANA)それでも人は恋をする~」として「近松の里・鯖江市」が恋にまつわる短編小説を全国から募集した受賞作品を掲載した電子書籍です。 福井県出身の直木賞作家・藤田宜永さんが特別審査員を務めています。 ◆近松賞 「夢の夢こそ」 牧 康子 ◆優秀賞 「かささぎ橋」 山田 密 「ビー玉じゃなくエー玉」 堂埜 咲代子 「絹唄」 荒川 栄美 ◆佳作 「クレマチス越しの視線」 山野内 綾香 「桜切り」 後藤 眞吉 「いくひさしく」 杉原 佳菜 「仄聞~白鬼女橋~」 渡利 與一郎 「こう姫」 山本 純子 ◆松平昌親賞 学生部門 「君に会うために」 塩田 きよら -
FKB怪談実話 屍
黒木あるじの怪談実話シリーズ第6弾! 怪異がこちらを包囲し、にじり寄っている気配を感じる――周囲で大小さまざまな怪異が頻発しているという著者のもとに、さらに死体や遺骸にまつわる話も増えてきた……。 恨まれたら化けて出るのか…知りたくて人を殺めた男の本当の恐怖「殺人」、祭が終わり、様子がおかしくなった子供に何が起きたのか「鬼祭」、連鎖するように集まった写真に纏わる怪異「捨真」「朝写」「念写」、遺産のことで母親の葬儀の最中もいがみ合う兄妹が見た母の怒り「軋怪」など39話。 寄ってくる怪異は黒木を中心とした恐怖の大渦となり、読者をも巻き込んでいく。誰も救われる道はない。 -
〈シグマフォース・シリーズ6.5〉タッカーの相棒
〈シグマフォース・シリーズ〉初の短編! これまで明かされなかったシリーズとシリーズを繋ぐブリッジ・ストーリー。第3弾は、『ギルドの系譜』で初登場の、元陸軍レンジャー部隊のタッカー・ウェイン大尉と軍用犬のケインが主人公。 シグマフォース・シリーズ7『ギルドの系譜』で、元陸軍レンジャー部隊のタッカー・ウェイン大尉と軍用犬のケインは、シグマフォースと協力して事件の解決に大きく貢献した。タッカーが陸軍を除隊になり、ケインとともに世界を放浪していたことは『ギルドの系譜』でも触れられていたが、一人と一頭はただのんびりと観光を楽しんでいたわけではない。 ザンジバルでグレイたちと出会う約四カ月前、タッカーとケインはハンガリーのブダペストで、ある事件に巻き込まれていた。そこで彼らが命を落としていたら、『ギルドの系譜』におけるグレイたちの任務の成功はなかっただろう -
Photo Novel Lil’Fairy ~ちいさなお手伝いさん~ お掃除の妖精たち
契約した人間に、小さな体で一生懸命お掃除のお手伝いをしてくれるという妖精たちがいるという。彼女たちを通して、前向きに、強く、愛にあふれて生きていくキッカケをもらい、日々の中で埋もれてしまった優しい気持ちを取り戻していく人々…。今の世の中にフィットした、癒し効果絶大のドールが織りなす素敵な物語。可愛いドールたちのカラー写真もたっぷり掲載♪ <超お得!! 電子書籍だけの特典>単行本では未収録の、撮り下ろし写真数点に加え、妖精界での、ほっこりした日常を描くショートストーリー16本を追加! ※電子版では、紙の書籍と内容が一部異なる場合や、掲載のないページ、マスキングされた写真等がございます。あらかじめご了承ください。 -
[合本版]大聖堂(上中下)・大聖堂―果てしなき世界(上中下) 全6巻
12世紀のイングランド。放浪の建築職人トムは、衰退した壮麗な大聖堂復活をめぐる波瀾万丈のドラマに巻き込まれていく……そんなとき、折りしもイングランドに内乱の危機が! 小説「針の眼」など、スパイ・冒険小説で知られるベストセラー作家フォレットが10年以上の構想を練って世に送り出した、もう1つ代表作「大聖堂」と「大聖堂―果てしなき世界」が一度に読める全6巻セットが登場しました。イングランドを舞台に、幾多の人物が織り成す壮大かつ魅力的な物語を読み進めるたびに、あたかも目の前に壮麗な大聖堂が出来上がっていくような気がするはず。ぜひ、その臨場感をお楽しみください。 -
華の人
明治大正に生きた名門窯元夫人の鮮烈人生。 有田焼が誕生してから2016年で400年目。その節目を前に、名門窯元に嫁いだ女性の鮮烈な生き方を描く。 東京の女学校に通うモダンガールが大恋愛の末に嫁いだ先は皇室御用達の名門窯元だった……。 大正13年に佐賀県有田町の駅に降り立った一人のモダンガール。手にはバイオリンを携え真っ赤な薔薇のコサージュをつけた幅広の帽子をかぶっていた。 「それはまるで天使が降り立ったようだった」 と町の人は噂した。 旭川の実業家の家に生まれ、東京の女学校で学ぶ敏子。恋に落ちた相手はパリ万博で金賞の栄誉に輝いた名門窯・深川製磁の2代目だった。女学生の身で妊娠。そして21歳で有田の深川家に。自由奔放な生き方を愛する彼女と激動の時代ゆえの試練。薔薇のように華麗に生きた彼女の31年の生涯を感動的に綴った小説。 人気エッセイスト伊藤緋紗子氏が執筆した初の小説作品。
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