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輪廻の蛇
第二次世界大戦前後の時期のアメリカを、色濃く反映した短編集。主人公たちの生き生きとした行動や、彼らがうごきまわる世の中の的確な描写はハインラインならでは。本書に収めたのは、既刊の『失われた遺産』『魔法株式会社』に続く「未来史」シリーズ以外の短編集だ。1929年、アナポリスの海軍兵学校を卒業後航空母艦勤務をしたハインラインは、体をこわして退役、以後、「生命線」でSF作家としてデビューするまで、UCLAの理数系大学院に学び、さまざまな職種を転々とする。「象を売る男」の元セールスマン、「わが美しき町」の腐敗政治家とたたかう地方新聞の記者、「歪んだ家」の建築家などの描写に、その体験が生かされている。 -
レヴィンソン&リンク劇場
『刑事コロンボ』『ジェシカおばさんの事件簿』等の推理ドラマで世界を魅了した名コンビが、ミステリー黄金時代に発表した短編小説の数々! 郵便配達人が知った大事件の秘密を描くデビュー作「口笛吹いて働こう」を筆頭に、コロンボの原型となった殺人劇「愛しの死体」など、田舎町からショウビズ界まで、さまざまな舞台で展開される、多彩な犯罪物語や怪談といった、謎と興趣に富んだバラエティあふれる作品を収録。 ※本電子版は、著者との契約により、「幽霊の物語」の1作品が収録されておりません。ご了承ください。 -
シティ5からの脱出
全宇宙は収縮の一途をたどっていた。なかを漂うドーム都市“シティ5”もまた、直径数キロの宇宙に閉じこめられたまま、終焉を迎えるかに見えた。反体制派が核子ロケットを奪い宇宙に飛び立つが、上院が虚無の彼方に見たものとは?――奔放なアイデアで描く表題作ほか、異星人が国王として君臨するイギリスの物語「王様の家来がみんな寄っても」、チェスの騎士が物語るあまりにも異質な宇宙の姿……「宇宙の探求」など、ワイドスクリーン・バロックの鬼才として著名な作者が、奔流のようなアイデアと、めくるめく華麗なイメージで読者を魅了する九篇を収録した傑作短篇集! -
栄光のスペース・アカデミー
21世紀後半、人類は太陽系全体に版図を広げ、宇宙の治安を守る軍隊として「惑星間パトロール隊」が活躍している。あこがれのパトロール隊士官を夢見て、マットは士官学校に入学した。厳粛な宣誓式のあと、士官候補生たちは厳しい訓練に放り込まれた。マットはなんとか二次試験を突破し、地球軌道上の練習船ランドルフ号へと向かう。脱落者が相次ぐなか、マットは親しくなった他の3人とともに、苛酷な訓練を突破して栄光をつかむ。マットたちはパトロール艦アイス・トリプレックス号へと配属され、実務に就いた……宇宙に乗り出した若者の友情と冒険の日々を鮮やかに描く傑作宇宙SF。 -
時の門
どこから入ってきたんだ、こいつは! 自分一人しかいないはずの部屋に突然現われた一人の男──その男はウィルスンに思いもかけない提案をした……タイム・パラドックステーマの不朽の名作といわれる表題作「時の門」をはじめ、突然公衆の面前で若い女性がストリップをはじめたり、痴呆めいた新興宗教が流行したりと、あらゆる奇妙な現象がとどまるところをしらず増大し、やがて……「大当たりの年」、地球から来た美人に恋人を奪われそうになった月っ子の物語「地球の脅威」など、巨匠ハインラインならではのセンス・オブ・ワンダーに満ちた傑作、名作7中短篇を収録! -
スプーク・カントリー
1990年代にカルト的な人気を博したロック・バンド<カーヒュー>のヴォーカルだったホリス・ヘンリーは、バンドの解散後、フリーのジャーナリストになっていた。 そんなホリスに、広告業界の大物ヒュベアトス・ビゲンドが創刊する新雑誌<ノードン>に取材記事を書いてほしいという依頼がきた。それは、仮想現実用の特殊バイザーをつけると、現実の光景に重ねあわせるように別の光景が見られる一種の臨場感アートの取材だった。 <ヴァイパー・ルーム>の前に倒れているリバー・フェニックス、ヘルムート・ニュートンに捧げるヴァーチャル・モニュメント……。このアートの制作に協力している天才ハッカー、ボビー・チョンボーに紹介されたときから、ホリスは謎の事件へと引きこまれていく。 ニューヨークに住む中国系キューバ移民のチトーは、かつて諜報活動にかかわっていた老人に、ワシントン広場で定期的にiPodを渡していた。やがて、チトーは老人から、思いがけない仕事を頼まれ、怪しい男たちに追いかけられるはめに陥る。 薬物中毒のミルグリムは、政府の捜査官らしき男ブラウンに拘束され、ロシア語やヴォラピュク語の翻訳をしていた。そのブラウンは、アメリカ国内で活動中の組織犯罪集団の監視をしているというのだが……。 取材するホリス、逃走するチトー、囚われの身のミルグリム──三人それぞれが未知なる力に導かれ、その果てに見たものとは? ※本書は早川書房『スプーク・カントリー』初刷(2008年12月発行)を底本とした電子書籍版です。底本に収録されていたカバーデータは収録されておりません。 -
パターン・レコグニション
ケイスは新製品の売れ行きを直感的に判断できる「クールハンター」。ファッション業界を中心とした企業から相談を受け、そのジャッジにより生計をたてている。 彼女の興味の中心は<フッテージ>。<フッテージ>はネット上にランダムに流されている断片的な映像で、ストーリーもないが、抜群の完成度を誇る。 クライアントからロンドンでの仕事を得たケイスは友人のフラットに居をかまえる。最終的なタスクは<フッテージ>の正体を探ること。広告界の新しい分野を切り開きたいというのが目的だ。 半強制的に探索に協力することになったケイスは、タキという日本人が<フッテージ>の正体の一部を解読したという情報を仕入れ、日本へと旅立った…… ※本書は角川書店『パターン・レコグニション』初刷(2004年5月発行)を底本とした電子書籍版です。底本に収録されていたカバーデータ、解説は収録されておりません。