ユーザーレビュー 息吹 テッドチャン / 大森望 寡作で知られるテッド=チャンの2冊目の著作. テッド=チャンには「未来がわかっている時に,人はどのような選択をするのか?」というテーマが多いようだ.個人的に本書のベストである「不安は自由のめまい」も,少し設定は違うが近いパターンである.これは「ある場面で別の選択肢を選んだことによって分岐したパラレル...続きを読むワールドとコンタクトができる」世界を描くが,登場人物たちは別の世界の自分を見て,自分自身の選択の結果に,ある場合は安堵し,ある場合は嫉妬し失望する.あまり詳しくは書かないが,ある登場人物は,過去の自分の行動について責任を感じて罪悪感を抱き続けていたが,実は....という救いのある話である. Posted by ブクログ 息吹 テッドチャン / 大森望 書店で目立つ場所に置いてあり深く考えずに購入しました。恥ずかしながらテッド・チャンのことをよく知らず本書で初めて読みましたが、とても満足しています。 本書は9つの短編が盛り込まれていますが、それぞれがとてもユニークで粘着性があり、ストーリーやそこから浮かび上がる情景を当分忘れないだろうなと感じまし...続きを読むた。クライマックス感やラストの驚きなどはないかもしれませんが、まるでカズオ・イシグロ作品のような静かな深い感動を与えてくれる作品とも思いました。さらに言えば、SF作品というよりは未来社会の課題や機会を純文学作家がSF調で書きました、というような印象すら持ちました。時間や空間、自由意思などを哲学的に扱う点は、ミヒャエル・エンデ作品をほうふつさせます。ただエンデ作品よりはだいぶリアリティ度が高いですね。AIや量子コンピュータなどの進化によって近未来に実現していそうなストーリーが描かれています。 本書のタイトルになっている「息吹」という作品も非常に面白かったですが、私が個人的に最も興味を持ったのは「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」です。これは長編とでもいえるような分量なのですが、AIが進化し、バーチャル世界だけでなく、フィジカル世界にもハードウェアをまとって登場するのは時間の問題です(というかすでにまとっているロボット犬などもいる)。そのような新しい「存在」が一般社会に浸透した世界観がかなりリアリティをもって語られていて、いろいろと考えさせられました。もはやSF作品を超えて、学校の哲学や社会学、心理学などの授業でも教材として取り上げられるべきではないかと感じました。 繰り返しになりますが、あっと驚くような結末や、クライマックス感には乏しいかもしれませんが、感動が長時間持続するような、味わい深い短編集でした。 Posted by ブクログ あなたの人生の物語 テッドチャン / 浅倉久志 / 他 「理解」 アルジャーノン的な話かと思ったら、ラストは少年漫画のバトルものみたいだった。 「あなたの人生の物語」 映画を先に観てて良かった。じゃなきゃさっぱり理解出来なかったと思う。 「地獄とは神の不在なり」 ドラマ「地獄が呼んでいる」と映画「ノック」を連想した。 「顔の美醜について」 1番解り...続きを読むやすくて楽しめた。 "カリー"やってみたい。 Posted by ブクログ あなたの人生の物語 テッドチャン / 浅倉久志 / 他 面白かった。 難解な話がいっぱいあったけど、全体的に楽しめた。 映画のメッセージからしったけど、どの話も深みがあってとてもよかった。 匿名 息吹 テッドチャン / 大森望 オムファロス 科学者であることとキリスト教徒であることは両立するのかずっと疑問だった。これはこういう世界だったら…の話だけど、現代の科学者はどう折り合いをつけているのだろう? 不安は自由のめまい クリストファー・ノーランの映画になりそうな設定。選択をした時点でもう一方とは違う自分。その選択が次の...続きを読む選択に影響を与える。 ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル ディジェントの流行とブーム終了。プラットフォームの廃止で動かせる場所が無くなるとか、ありそーな展開。 が、我が子のようにディジエントに感情移入するアナには全く共感出来ない。 Posted by ブクログ テッドチャンのレビューをもっと見る