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  • 文藝春秋2026年1月号
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    ■■■高市総理の対中戦略■■■ ◎3つの処方箋 垂秀夫 前駐中国大使が渾身の緊急提言!「問われているのは“国家のあり方”だ」 ◎片山さつき財務相インタビュー 取材・構成 森健 「財務官僚のマインドをリセットします」 ◎鈴木憲和農相インタビュー 取材・構成 奥野修司 「農業は稼げてなんぼでしょ、というのが総理の考えです」 ◎高市首相を支える60人 出身校・仕事ぶり・実績……霞が関コンフィデンシャル名鑑【似顔絵付き】 ◎米国の敗北を直視して核武装せよ E・トッド×佐藤優 ◎中国には核保有も選択肢だ 用田和仁×神保謙×小黒一正 高市首相「持ち込ませず」見直しでは甘い 【復活拡大版27組 僕の、わたしのオヤジとおふくろ】 ◎ファザコン娘の父自慢 吉田羊 ◎ご両親は共産党ですか 斎藤幸平 ◎休日のおでかけ 新井紀子 ◎死ぬならみんな一緒に 森本毅郎 ◎陸軍経理学校卒 林原めぐみ ◎数字と睨めっこ 伊達美和子 ◎父の病院の小さな増築 藤本壮介 ◎大関で終わるなよ 湊川親方 ◎実家のスーパーストアー 神谷宗幣 ◎アンマーとおっかあ 玉城デニー ◎鬱を隠していた母 村山斉 ◎母とのキャッチボール 和田一浩 ◎母が読んだら大変だ 小川哲 ◎糸井アナが心配だわ~ 河崎秋子 ◎献身の人 藤崎忍 ◎四〇冊以上の育児絵日記 矢部太郎 ◎殿に土下座した母 玉袋筋太郎 ◎男がピアノなんて 反田恭平 ◎父富十郎の教育論 中村鷹之資 ◎二つの人格を持った父 EPO ◎阪神電鉄の踏切で 浅野ゆう子 ◎この、下手くそ 一龍斎貞鏡 ◎父と母の術中にはまる 光浦靖子 ◎母が飾ってくれた作品 日比野克彦 ◎過剰な母と曲者の父 山口真由 ◎アニメ『白蛇伝』生みの親 山根一眞 ◎男は十年だ 北方謙三 ◎ニデック永守代表の落日 井上久男 指示は「執念を見せろ!」。不正は一千億円を超えていた ◎USスチール買収と日本の勝ち筋 橋本英二(日本製鉄会長)×齋藤ジン(投資コンサルタント) ◎南場さん、現場のミスはどう注意しますか 南場智子×宮本恒靖  ◎株主は企業を育てる資本家であれ! 石井光太郎×楠木建 ◎日本の顔インタビュー 藤田晋 ◎〔名古屋主婦殺害〕安福久美子の名が閃いた刑事との問答 小野一光 ◎〔戦後80年の新発見!〕「けものみち」モデル、伝説のフィクサー辻嘉六の遺言状 千本木啓文 ◎〔箱根駅伝〕早大×中大監督の「打倒青学」 花田勝彦×藤原正和 ◎「頭抜けた大傑作にやられた」年忘れ映画ベスト10 芝山幹郎×森直人 ◎仲代さん、叱ってくれてありがとう 役所広司 ◎〔伝統の芸 幇間〕お座敷遊びのコーディネーター 櫻川米七 ◎藤井六冠に勝ったと思った瞬間 伊藤匠 二冠奪取した最強ライバル・インタビュー ◎パリの日本人、人気ユーチューバーになる 井筒麻三子 ◎「入れ歯お治し達人」全国歯科医60人リスト 塩田芳享 ◎〔読書〕2025年「わたしのベスト3」 BOOK倶楽部特別篇 【連載】 ◎〔最終回〕秀吉と秀長 磯田道史 豊臣兄弟流 もてなしの極意 ◎〔新連載〕飲食バカ一代!3 松浦達也 ◎〔新連載〕大成建設の天皇、大いに語る3 森功 ◎ディープな地経学7 マット・ポッティンジャー ◎ゴルフ春秋11 ◎言霊のもちぐされ15 山田詠美  ◎地図を持たない旅人21 大栗博司 ◎成田悠輔対談10 椎名林檎 ◎有働由美子対談84 清水ミチコ ……ほか

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  • 孤高の人 1
    完結
    4.2
    孤独な青年・森文太郎は転校初日、同じクラスの宮本にけしかけられ校舎をよじ登ることに。一歩間違えば死んだかもしれない、だが成し遂げた瞬間の充実感は、今までになかった「生きている」ことを確かに実感するもの…。文太郎はクライミングへの気持ちを加速させはじめた――!!
  • 武田信玄 風の巻
    4.1
    狂乱の振る舞いで、民に怨嗟の声をあげさせていた父・武田信虎は、次男の信繁を盲愛するあまり長男・晴信(=信玄)を露骨に疎んじていた。信玄は命の危険を感じ、苦悩の末、父を駿河の国に追放する。甲斐の国の主となり、信濃の国に怒濤の進撃をはじめた信玄は、諏訪頼重を幽閉し、小笠原長時を塩尻峠に破り、さらに村上義清を砥石城に攻略する。いつか京都に上ろうと野望を燃やしながら…。圧倒的なスケールと説得力ある取材で武田信玄の生涯を描く歴史小説、第1巻。
  • 孤高の人(上)
    4.3
    1~2巻990円 (税込)
    昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々を、ひとり疾風のように踏破していった“単独行の加藤文太郎”。その強烈な意志と個性により、仕事においても独力で道を切り開き、高等小学校卒業の学歴で造船技師にまで昇格した加藤文太郎の、交錯する愛と孤独の青春を描く長編。
  • 武田勝頼(一) 陽の巻
    4.0
    戦国の雄・武田信玄を継いだ青年武将勝頼は、しばしば猪突猛進、思慮分別の浅い武将だとの評価を受ける。だが、史料、史蹟を徹底的に調べると、全く別の人物像が浮かび上がる。戦国武将団の統領の懊悩と悲劇。激動の時代を生きた波乱の人生。ここにその実相が展開する。新田次郎の記念碑的歴史大作。(全三冊)
  • 国家の品格
    4.2
    「品格」で流行語大賞も受賞した大ベストセラー。虫の音が美しいと思う心、説明無用「駄目なものは駄目」、「卑怯」はいけない――日本人は生まれながらにして善徳や品性を持っている。国際化という名のアメリカ化に踊らされてきた日本人は、この誇るべき「国柄」を長らく忘れてきてしまった。いま日本に必要なのは何か? それは論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であり、「国家の品格」を取り戻すことである! すべての日本人に誇りと自信を与える画期的日本論。

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  • 梅雨将軍信長
    4.1
    織田信長は、土砂降りの桶狭間を急襲して今川義元を倒し、雨の晴れ間を狙って長篠に武田勝頼を破った。大勝するのはいつも雨の時季。その陰には「気」を見る男がいた――。表題作の他、算法に惹きつけられた侍たちの悲劇を描いた「算士秘伝」、言い争いから富士登山に挑むことになった大奥下女の物語「女人禁制」など、自らも科学、技術、山岳の人であった著者の異色歴史小説全9編。

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  • 昭和新山
    3.0
    「軍がなんと言おうと……誰かがこの地震と地形の変化を見守らねばならない」──太平洋戦争末期に北海道、有珠岳の麓に突如として隆起した昭和新山。調査・報道を抑えた軍部の圧力をはねのけ、私財を投げうって、新山の成長を観察・記録した男の半生を描く表題作ほか、南極を舞台に一年間も禁欲生活を強いられる越冬隊員のセックスを問題にした「氷葬」、日本で白熊を見たという話を複雑な男女関係にからめて描く「まぼろしの白熊」等、異色の六篇を収めた。
  • アイガー北壁・気象遭難
    3.4
    取りつき点から頂上まで1800メートルの巨大な垂直の壁に挑んだ2人の日本人登山家の実名小説『アイガー北壁』。2人のパーティーが白馬岳北陵で吹雪にあい、岩陵から姿を消す『気象遭難』。冬期の富士山で、不吉な予測が事実に変って主人公の観測所員が滑落死する『殉職』。他にヨーロッパ・アルプスを舞台にした『オデットという女』『ホテル氷河にて』など、山岳短編の傑作全14編を収録する。

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  • 青い失速
    値引きあり
    -
    冬の菅平へ、木塚哲男と稲山洋子は、新婚スキー旅行にやって来た。襖1枚の隣室のスキー客の含み笑いに、洋子は初めての夜をこばんでしまう。翌朝、木塚は偶然逢った友人とともに、洋子を残して根子岳に出発、そして吹雪の山で道を失う。救出された木塚の枕元で、洋子はうわごとに「美津子」と呼ぶのを聞いた。……濃霧の高原、寒冷前線の乱流の中に展開する、青春画像を描いた長編力作。
  • アラスカ物語
    4.4
    明治元年、宮城県石巻町に生れた安田恭輔は15歳で両親を失う。外国航路の見習船員となり、やがてアラスカのポイントバローに留まった彼はエスキモーの女性と結婚してアラスカ社会に融けこんでいく。食糧不足や疫病の流行で滅亡に瀕したエスキモーの一族を救出して、アラスカのモーゼと仰がれ、90歳で生涯を閉じるまで日本に帰ることのなかったフランク安田の波瀾の生涯を描く。

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  • アルプスの谷 アルプスの村
    4.2
    チューリッヒを出発した汽車は牧草地をぬけるとアルプスの山塊を登っていく。いきなり車窓に飛びこんできた巨大な岩壁のアイガー、朝日に全容を示した坐せる孤峰のマッターホルンをはじめ、人なつこい宿の主人シュトイリ氏、チナールの谷で逢った愛らしいベルギーの少女たちなど、憧れの土地で接した自然の風物と人情の機微を清々しい筆で捉えた紀行文。佐貫亦男氏の写真多数収録。

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  • ある町の高い煙突
    3.8
    映画「ある町の高い煙突」 2018年春撮影開始。 2019年春公開予定。 明治38(1905)年、買収によって茨城の地に開業した日立鉱山。やがて鉱山の宿命ともいえる煙害が発生。亜硫酸ガスが山を枯らし、農民たちの命である農作物までも奪っていく。 そこで、立ち上がったのが地元の若者・関根三郎(モデルとなった実際の人物は関右馬允)である。郷士であった名家に生まれ、旧制一高に合格、外交官という夢に向かって進んでいた。しかし、祖父・兵馬が煙害による心労で倒れ、人生が変わる。 こうして、地元住民たちと日立鉱山との苦闘のドラマが幕を開ける。 試行錯誤の末、1914年、当時としては世界一の高さを誇る155.7mの大煙突を建設し、危機を乗り切るのであった。 足尾や別子の悲劇がなぜこの日立鉱山では繰り返されなかったのか。 青年たちの情熱と今日のCSR(企業の社会的責任)の原点といえる実話を基にした力作長篇。
  • 怒る富士 上
    3.7
    宝永4(1707)年、突然大爆発を起こした富士山は、16日間にわたり砂を降らせ続け、山麓農村に甚大な被害をもたらした。ときの関東郡代・伊奈半左衛門忠順は、農民の窮状を救うべく幕府に援助を強く要請した。だが、彼が見たものは被災農民を道具にした醜い政権争いだった――。大自然の恐怖を背景に描く、著者会心の長篇時代小説。
  • 美しい日本の言霊 歌謡曲から情緒が見える
    3.5
    切々たる恋の記憶、いつも笑っていた若い日々。父が風呂場で歌ったヒットソング、母が台所で口ずさんだメロディ。たとえ時代は変わっても、歌は生き続ける。人間の限りある命と「別れ」は不可分であり、だからこそ私たちは惜別の念と共に、豊かな情緒、文化を育むことができた。歌謡曲を愛する数学者が、日本の詩歌に込められた万感の思い、失われたものが喚起する力を読み解く。 【本書に登場する主な童謡・歌謡曲・詩】ぞうさん/たきび/ふじの山/浅草の唄/花/空の神兵/わたしが一番きれいだったとき/花の街/異国の丘/柿の木坂の家/急げ幌馬車/別れの一本杉/赤いハンカチ/白い想い出/22才の別れ/なごり雪/赤い靴のタンゴ/ふれあい/秋桜/喫茶店の片隅で/学生街の喫茶店/さくら/ダンスパーティーの夜
  • 栄光の岩壁(上)
    4.0
    1~2巻792円 (税込)
    戦前に幼少時を過した竹井岳彦は18歳のとき八ヶ岳で遭難し、凍傷によって両足先の大半を失う。戦後の荒廃した雰囲気の中で、青春を賭けるものは山しかないと考えた岳彦は、鴨居からロープを吊して、まず歩行訓練をはじめる。やがて“ない足”を甦らせて、未登攀の岩壁をつぎつぎと征服し、強烈な意志の力と不屈の闘魂によって日本一のクライマーにまで成長していく……。

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  • 温暖前線
    値引きあり
    -
    九州の南西海上から本土にむけて放たれた無数の風船。それは化粧品会社が、東京への招待客をきめる「幸運の風船」だった。その中の2つ、赤と青の風船が、四国土佐と新潟の山中に落ちた。小松大五郎と柳田千穂は、この奇抜な宣伝アイデアによって出あったカップルだが、小松は新婚旅行の夜、室戸岬の宿で花嫁に逃げられた心の痛手をもち、また千穂も雪溪のみえる谷間で遭難、同行していた二人のボーイフレンドに置き去りにされた悲しい経験をもっていた。著者独自の素材で幻想的にくりひろげる、現代若人の恋と真実。
  • 海流
    -
    遭難した紅洋丸の通信長・豊野道彦を救った密輸船の秘密。沖縄と海の生活を舞台に展開される、波瀾万丈のメロドラマ。海難事故から始まる出だしで、壮大な海洋物の長編と思いきや、ぐいぐい恋愛に引き込まれていく傑作。
  • 風の中の瞳
    -
    中学校は、高校の予備校か!――現代中学生にも共通する、進学・恋愛・友情の悩み、喜び……。東京郊外の、まだ武蔵野のおもかげを残す飛塚中学の生徒たちと、新任の先生との1年間の物語。新制中学3年生が直面した問題を、作者が作者自身の子供という身近な題材をえて鋭く描いた、感動の名品。
  • 神々の岩壁
    -
    南は、ハーケンを打つ右手に、異常を感じた。手ごたえが甘い。垂直300メートルに屹立する衝立岩にとりついて3日目、最後の一滴の水もつきていた。バランスを失って、危うく墜落しそうになる。もはや彼の心には、岩に対する憎しみだけがあった。登攀不可能といわれる衝立岩は、神々の手に守られて、人間を拒んでいるかに思える。それでも、南は危険な垂直の前進をやめようとしない! 少年の日、登山家を夢見ていらい、ヒマラヤを志して精進を続けた、天才的クライマーが、魔の谷川岳、衝立岩に挑む姿をえがいた実録小説「神々の岩壁」はじめ山岳小説4篇。
  • からかご大名
    3.0
    三島宿のはずれで大名行列の供先を横切ったために、六歳の少女が斬られた。名主、和尚の助命嘆願の甲斐もなく……。一つの事件が引き起す波紋を追い、人間関係の複雑さに光をあてた表題作。蒙古襲来の史実に添い、肥前松浦党の戦いと情報活動を描いた「元寇秘話」。他に「弾丸よけ竹束之介」「首様」「駒ヶ岳開山」など様々な時代、階層の人間の生に視点を据え、その本質を衝く10編。

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  • 管見妄語 大いなる暗愚
    完結
    4.0
    郵政民営化も時価会計も医療改革も市場主義万能論も米国の策略である。Jリーガーよ、紳士たれ。政治家は国民に迎合するな──国を憂えるプロフェッサー藤原は、日本人に警鐘を鳴らす一方でギョウザ、英国人の美風、文語、浮世絵、健気な教え子、ひばりの歌……素晴らしいものは褒めちぎる。勿論、自らの魅力に満ちた風貌と人格を自覚し、ハニートラップへの注意も怠りないのであった。
  • 岩壁の掟・偽りの快晴
    5.0
    競いあう二人の女性クライマーの虚栄の犠牲となり、穂高屏風岩に自ら生命を絶った田浦敏夫。彼に町の生活を捨てさせ、山へと駆りたてたものは何だったのか……。人生の重い悲しみを負った一人の山男の屈折した生涯を、冷厳に聳える岩壁を背景に描く長編『岩壁の掟』など全6編。――人間の内面に蟠る暗い影、心に生ずる陥穽を、厳しい自然との息づまる対決の中に描く山岳小説集。

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  • きびだんご侍
    4.0
    黍団子を食べれば百人力、槍の腕は武士にも引けをとらない与右衛門。志願して加わった上杉方との戦で抜群の度胸と機転を発揮し、手柄をたてた彼が望んだものは――。名もない小作人の活躍をコミカルに描く表題作の他、歴史の背後に隠された気象情報戦略に迫る「豪雪に敗けた柴田勝家」、幕末のアイヌ反乱を扱った「最後の叛乱」など、バラエティに富んだ7編を収める時代小説短編集。

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  • 霧の子孫たち
    3.0
    レンゲツツジの鮮やかな赤、ニッコウキスゲの目映い黄色、残雪のように輝くスズランの白。貴重な高層湿原植物が群生する霧ヶ峰高原に、突如として降りかかった有料道路建設計画。反対に立ち上がった地元有志は官権との闘いに傷つきながらも、自らの生を見つめなおす機会を得る――。自然と人間の関係を根源から問い質した意欲長篇。
  • 銀嶺の人(上)
    4.3
    1~2巻704~792円 (税込)
    女医をめざす、勝気な“泣かない子”であった駒井淑子は、冬の八ヶ岳で単独行を試みて遭難しかかった時、若林美佐子と出会う。鎌倉彫の新鋭彫刻家として注目されていた美佐子は、無口ですぐに“涙ぐむ子”であった。死を覚悟した二人を事もなげに助け出した三人の男性登攀家(クライマー)に魅入られて、彼女たちは、ついに初の女性隊によるマッターホルン北壁登攀への挑戦を試みる……。
  • 慶長大判
    -
    関ヶ原の戦いの翌年、徳川家康は江戸大判座で大型金貨を鋳造し、日本で初めての全国的流通金貨とした。その金貨を届けるために男たちは……という表題作はじめ、人情や愛嬌のある人々を描いた、8作品の短編集。
  • 孤高の人(上下)合本版(新潮文庫)
    4.7
    1巻1,980円 (税込)
    昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々を、ひとり疾風のように踏破していった“単独行の加藤文太郎”。その強烈な意志と個性により、仕事においても独力で道を切り開き、高等小学校卒業の学歴で造船技師にまで昇格した加藤文太郎の、交錯する愛と孤独の青春を描く長編。 ※当電子版は新潮文庫版『孤高の人』上下巻をまとめた合本版です。
  • 心は孤独な数学者
    4.5
    天才中の天才ニュートン。ニュートンの「プリンキピア」を12歳で読破した早熟の天才ハミルトン。ヒンドゥーの女神のお告げを受け、新定理を量産した神がかり的天才ラマヌジャン。天才はなぜ天才なのか。才能ゆえの栄光、が、それと同じ深さの懊悩を彼らは抱えこんでいたのではなかったか。憧れ続けた3人の天才数学者の人間としての足跡を、同業こその理解と愛情で熱く辿った評伝紀行。
  • 孤愁〈サウダーデ〉
    4.3
    「父が精魂を傾けながら絶筆となってしまったこの作品を、必ずや私の手で完成し父の無念を晴らすつもりだ」――その公約を果たすためには、30余年の歳月が必要であった。本書は、「孤愁(サウダーデ)」を毎日新聞連載中に新田次郎氏が急逝、未完に終わった作品を息子である藤原正彦が書き継いで完成させた。ポルトガル人ヴェンセスラオ・デ・モラエスの評伝である。 「孤愁(サウダーデ)」とは、「愛するものの不在により引き起こされる、胸のうずくような思いや懐かしさ」のこと。軍人で、外交官で、商人で、詩人でもあったモラエスは、在日ポルトガル領事もつとめた。日本人のおよねと結婚、およね亡き後は妻の故郷である徳島に住み、その生涯を終えた。あまり知られていないが、モラエスの遺した詳細な日記や日本を題材にした作品が、日本の素晴らしさ、日本人の美徳を世界に知らしめ、「もう一人の小泉八雲」といわれている。 精緻で美しくも厳しい自然描写の新田次郎ファン、日本人の誇りと品格を重んじる藤原正彦ファン、双方の期待に応える一冊。
  • 国家と教養(新潮新書)
    4.2
    「教養」とは、世の中に溢れるいくつもの正しい「論理」の中から最適なものを選び出す「直感力」、そして「大局観」を与えてくれる力だ。では教養を身につけるためにはどうしたら良いのか。教養の歴史を概観し、その効用と限界を明らかにしつつ、数学者らしい独創的な視点で「現代に相応しい教養」のあり方を提言する。大ベストセラー『国家の品格』の著者が放つ画期的教養論。
  • この子の父は宇宙線
    -
    11人の女性だけを月に送り込んだ国と、9人の男性ばかりを送り込んだ国があったが……、という表題作はじめ、山岳小説で有名な著者が描いた、貴重な4つのSF小説。現在の電気通信大学卒で気象学者という、理系の作者だと実感できる。
  • 古風堂々数学者
    4.3
    (1)武士道精神を愛して卑怯を憎み、(2)他人の向上に熱心な性向をもち、(3)論理的、合理的でないものを尊ぶ情緒の国に生まれたことを誇りとする、情に棹さしてばかりの数学者は、いかにして誕生したか。独特の〈教育論〉〈文化論〉、十八番の〈家族もの〉、皆が貧しかった時代の少年期に(1)~(3)を血肉にしていく経緯を活写した中編等、論理の美しさとユーモアが見事に和した、48編の傑作エッセイ。
  • 強力伝・孤島
    3.9
    五十貫もの巨石を背負って白馬岳山頂に挑む山男を描いた処女作「強力伝」。富士山頂観測所の建設に生涯を捧げた一技師の物語「凍傷」。太平洋上の離島で孤独に耐えながら気象観測に励む人びとを描く「孤島」。明治35年1月、青森歩兵第五連隊の210名の兵が遭難した悲劇的雪中行軍を描く「八甲田山」。ほかに「おとし穴」「山犬物語」。“山”を知り“雪”を“風”を知っている著者の傑作短編集。

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  • 珊瑚
    4.0
    華やかな珊瑚景気にわく五島列島を襲う空前の海難事故。海に生き、珊瑚採りに愛と野心と生命を賭けた三人の若者を描く海洋ロマン。

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  • 算士秘伝
    -
    現代での数学=算法を操る者たちの悲喜こもごもを描いた表題作や、超能力である千里眼を持つという女と、そこに群がる者たちを描いた『千里眼』など、時代物の短編集、全7編。
  • 小説に書かなかった話~武田信玄ほか~
    -
    「私の家には、武具がたくさんあり、遠い先祖が武田信玄に従って遠征したという話が残っていた。そんな環境の中に育った私だから、信玄に対してはことのほか親近感を持ち、信玄の人柄や業績に牽(ひ)かれていた。……」(本文より)武田信玄について語る「ペンの章」を始め、小説に書かなかったとっておきの話が満載!(『続白い花が好きだ』改題)
  • 小説に書けなかった自伝
    4.0
    安月給の生活苦。妻の本に触発された訳ではないが、小説に挑戦してみようと思った。しかし、何をどう書けばいいのかまるでわからない。なくされた原稿、冷たい編集者、山岳小説というレッテル、職場での皮肉。フルタイムで働きながら、書くことの艱難辛苦……。やがて、いくつもの傑作が生まれていく。事実を下敷きに豊かな物語を紡いで感動を生んできた新田文学の知られざる内面史。

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  • 白い花が好きだ
    -
    武田信玄についてのすべてを語る「こぶしの章」、自然との関わりや旅の楽しさを綴(つづ)り、なぜ山が舞台の小説を書くかにこたえる「ピッケルの章」、自分の行き方を語る「ともしびの章」、名作誕生の秘密を明かす「書架の章」。 文学と人生、歴史、山、故郷を語り、新田文学の原点を浮き彫りにする珠玉のエッセイ集。
  • 新装版 風の遺産
    3.8
    偶然がもたらした伊村と蓉子との邂逅。乾徳山、鷹取山、丹沢……。二人は共通の趣味、登山を通して深く関わりあっていった。蓉子は夫から疑惑の目を向けられつつも伊村と冬の谷川岳に挑む。猛吹雪で七日間閉じ込められた彼らを待ち受ける残酷な現実とは? 精緻な心理描写が光る異色山岳小説。
  • 新装版 鷲ヶ峰物語
    -
    霧ヶ峰高原北西の鷲ヶ峰(わしがみね)に登った会社の同僚男女7人。山頂にあった石地蔵を盗んだ彼らを次々不審な死が襲う。メンバーの一人は地蔵の来歴を調べ、意外な事実を突き止めるが……。(表題作「鷲ヶ峰物語」)他、谷川岳の雪崩事故から生還した男と、死んだ友人の娘との愛憎を描く「谷川岳春色」他全5編収録。
  • 縦走路
    3.6
    北アルプス、冬の八ヶ岳で二人の山男は、「女流登山家に美人なし」と言う通念をくつがえす、美貌のアルピニスト“千穂”に夢中になる。彼女の旧友でライバルの美根子を交えた四人の間に恋愛感情のもつれが起こるが、命がけの北岳胸壁攻撃の後、千穂は……。きびしい冬山と氷壁を舞台に、“自然対人間”そして“男対女”を通して緊迫したドラマをみごとに描く傑作長編山岳小説。

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  • 数学者の休憩時間
    4.3
    コンピュータにはなく、人間の思考にだけあるもの、それは「死」の感覚と「他人の不幸を思いやる気持ち」。数学者だからこそ見極められた明晰な論理の底には、深い情緒が流れている。妻の初産にうろたえる夫の心、思考の限界に挑む学者の気概、父・新田次郎の足跡をいつくしむ旅の日記。そしてちょっとトボけた身辺雑記。数学者にして名うてのエッセイストが贈る、選りすぐりの随筆集。
  • 数学者の言葉では
    3.9
    かつてコロラド大学で教えた女子学生から挫折の手紙が届いた。筆者は彼女を激励しつつ、学問の困難さを懇々と説く。だが、困難とはいえ数学には、複雑な部分部分がはりつめた糸で結ばれた、芸術ともいうべき美の極致がある。また、父・新田次郎に励まされた文筆修行、数学と文学の間を行き来しながら思うことなど、若き数学者が真摯な情熱とさりげないユーモアで綴るエッセイ集。
  • スマホより読書 本屋を守れ
    4.1
    インターネットで教養動画を何時間、視聴しても知識が身につかない。スマホで電子書籍を読んだが端から忘れてしまい、頭にまったく残らない。そんな経験をしたことはないだろうか。著者は、本で得られる教養とネット・スマホの情報のあいだには隔絶たる違いがある、と語る。人間の記憶の特性上、インターネットの画面をいくら見ても教養は身につかないのだ。また、流行のChatGPTには常識、道徳、価値観を嗅ぎ分ける力(著者いわく「校閲」)がなく、使用を誤れば社会に大混乱をもたらす、という。人工知能が危うい理由は「間違いだらけ、ウソだらけの無責任なインターネットを学習しているからです。大手出版社はどこもしっかりとした校閲部を有していて、書かれた文章の国語上の誤りばかりか、事実との相違を鵜の目鷹の目で探し、一次資料に基づき確認しています」(藤原氏)。「ChatGPTにはこの校閲機能がありません。書物の権威、すなわち人類の知の権威は校閲に支えられている、といっても過言ではありません。これを完全に欠いたChatGPTを野放しにしておくと、やがて人類は校閲なき世界、すなわち虚実混沌の巷に落ち込んでしまいます」(同)。憂国の数学者による「読書」と「町の書店」擁護論がついに文庫化。 〈目次〉一、国語力なくして国力なし 二、読解力急落、ただ一つの理由 三、読書こそ国防である 四、町の書店がなぜ大切か 五、デジタル本は記憶に残らない 六、本を読まないアメリカのビジネスマン 七、日本は「異常な国」でよい 八、国家を瓦解させる移民依存政策 本書はPHP新書『本屋を守れ』を文庫化したものです。
  • 聖職の碑
    値引きあり
    4.2
    伊那駒ケ岳稜線上に聳え立つ遭難記念碑は何を語るか……大正2年8月26日、伊那駒ケ岳登山中の中箕輪尋常高等小学校生徒ら37名は、突如襲った台風に遭難、11名の死者を出した。信濃教育界に台頭する理想主義教育と実践主義教育との狭間に、深い哀しみと問題を残した惨劇の実相を著者自ら登攀取材した長篇小説。
  • 先導者・赤い雪崩
    4.7
    上越国境を縦走する女性4人と男性リーダーのパーティーが遭難死に至る経緯をとらえ、極限状況における女性の虚栄心、嫉妬心などを克明に心理描写した『先導者』。南アルプスを背景に女性をめぐる二人の若者の争いを描く『赤い雪崩』。ヨーロッパ・アルプスの悲運のガイドを描く『嘆きの氷河』など、山でおこる人間ドラマと自然の厳しさを雄渾な文体で綴る全8編を収録する。

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  • 蒼氷
    値引きあり
    -
    蒼氷に覆われる厳冬期、富士山気象測候所に勤務する主人公と同僚たちの生活に入り込んでくる、男たちを翻弄する美女との入り組んだ関係を軸に、厳寒の山の凄さ、颱風の凄さなど荒ぶる自然の前に無力な人間を描いた、傑作長編。
  • 蒼氷・神々の岩壁
    3.7
    鋭いアイゼンの爪もよせつけない蒼氷に覆われる厳冬期、石が水平に飛ぶ台風シーズン――富士山頂の苛烈な自然を背景に、若い気象観測所員の厳しい生活と、友情と愛と死を描いて息づまる迫力をよぶ長編「蒼氷」。ヒマラヤを夢み、岩と氷壁に青春を賭けた天才クライマーが、登攀不能といわれた谷川岳衝立岩を征服するまでの闘志と情熱の半生を描く実録小説「神々の岩壁」。他に2編併録。

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  • 祖国とは国語
    3.9
    国家の根幹は、国語教育にかかっている。国語は、論理を育み、情緒を培い、すべての知的活動・教養の支えとなる読書する力を生む。国際派の数学者だからこそ見えてくる国語の重要性。全身全霊で提出する血涙の国家論的教育論「国語教育絶対論」他、ユーモラスな藤原家の知的な風景を軽快に描く「いじわるにも程がある」、出生地満州への老母との感動的な旅を描く「満州再訪記」を収録。
  • 空を翔ける影
    -
    丸宮利秋(としあき)は丸宮工業社長の長男で専務の地位にいるが、社内の地倉(ちくら)早苗と不倫関係にある。利秋が森羊之助常務と初めてのヨーロッパ旅行に出掛けてから、奇怪な事件に遭遇する。だが、同行の森は〃旅行ノイローゼ〃だと取り合わない。一方、東京の丸宮本社では大事件が起きていた……!? 新田文学中、数少ないロマンミステリー!
  • 武田三代
    4.0
    信虎追放、信玄陣没、勝頼自刃――。 天下に名をとどろかせた甲斐の武田家。風林火山を旗印にしたこの強大な騎馬軍団は如何にして生まれ、そして滅んだのか。信虎、信玄、勝頼という武田三代にまつわるさまざまなエピソードから、埋もれた真実が明らかになる! 著者の代表作『武田信玄』の基礎をなしたともいえる七篇を集めた短篇集。
  • 父の威厳 数学者の意地
    3.9
    冷徹なはずの数学者が、涙もろくて自他共に認める猪突猛進!? 妻、育ち盛りの息子三人と暮す著者。健全な価値観を家庭内に醸成するためには、父親の大局的認識と母親の現実的発想との激論はぜひ必要と考えるのに、正直、三人の部下を従えた女房の権勢は強まるばかり。……渾身の傑作「苦い勝利」、文庫初収録の15編など、父、夫、そして数学者としての奮戦模様を描いて、本領全開の随筆66編。
  • チンネの裁き・消えたシュプール
    -
    剣岳の肩に聳える尖塔状の岩峰“チンネ”の直下に発生した落石遭難。その原因に不審を抱く山男たちを襲う第二第三の遭難。――岩壁に憑かれたクライマーたちの確執を描く長編『チンネの裁き』など4編を収録。峻烈な気象と嶮岨な地形、極限状況ともいうべき山での遭難に秘められた意外な事実――自然現象と人間行為のはざまに隠れた遭難事故の真相を追うユニークな山岳推理小説集。

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  • 劔岳〈点の記〉
    4.2
    日露戦争直後、前人未踏といわれ、登ってはいけない神の山と恐れられた北アルプス、劒岳(つるぎだけ)。正確な地図をつくるため、この山頂に「三角点を埋設せよ」との至上命令を受けた測量官、柴崎芳太郎。たいへんな悪路と悪天候、かさばる器材の運搬、地元の反感などの困難と闘いながら、柴崎の一行は山頂を目ざして進む。同じく劒岳の初登頂をめざす、アマチュアの日本山岳会隊の動きに、上官からの圧力はさらに増して…山岳小説の白眉といえる傑作。映画原作!
  • 新田次郎エッセイ 旅のエッセイ チロルからウィーンへ
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 故郷・信州はじめ北海道から四国、スイス・オーストリアなど、旅するさきざきで出会う風景や風物を科学者らしい観察眼でとらえ、彫りの深い文体で描く。どの一編も人間への洞察にみちたエッセイとして結晶している。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 新田次郎エッセイ 山のエッセイ 郷愁の八ヶ岳
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 八ヶ岳のふもとに生まれ育ち、富士山頂で気象観測を続け、山や自然との対話によって山岳小説の名作を生んだ新田次郎。その数多くの作品の中から山にまつわる感動的なエッセイを集め、自然と人間を考える一冊に編成。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 新田次郎エッセイ 歴史エッセイ 二人の武将
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 山のエッセイ、旅のエッセイに続くシリーズ3冊め。新田次郎の歴史小説は、ベストセラーとなった「武田信玄」ほか数多い。科学者の眼で歴史を洞察し、構築した作品の背景を、エッセイとして語った珠玉の21編を収録。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 新田義貞(上)
    -
    ともに源氏の嫡流でありながら、かたや足利氏の女(むすめ)を室(しつ)としてむかえる園田庄と、無位無冠の新田庄とは、上野国で代々、水争いを続けていた。元弘2年(1322年)新田家8代の小太郎義貞は、京都大番役の役目をはたして帰郷の折、鎌倉に立ち寄り足利氏の面々を訪れる。足利尊氏や楠正成の陰に隠れながら、源氏再興の夢を賭けた悲運の武将の生涯を活写する。山岳小説の名手が書き上げた傑作時代小説(全2冊)。

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  • 日本人の真価
    3.9
    情報がかけめぐる現代にあって大事なのは、歴史の縦軸・横軸にそって物事を大局的に見ることだろう。  その稀有なる視点を有するのが藤原正彦氏である。  著者は『文藝春秋』誌上において、骨太な論考を寄せてきた。対国政、対コロナウイルス、対中国、対韓国について。あるいは、毎月の「巻頭随筆」においては、時機に則した軽妙なエッセイとなる。  著者に一貫して通底しているのは、「教養」と「品格」と「ユーモア」ということになろう。その言葉は、いかにも日本人の肺腑にズシンと響く。270万部売れた『国家の品格』のエッセンスは不滅なのである。  それらを一冊にまとめて、通読できる贅沢な体験ができるのがこの作品ということになる。
  • 日本人の誇り
    4.2
    「個より公、金より徳、競争より和」を重んじる日本国民の精神性は、世界に胸を張れるものだった。戦後日本は、祖国への自信をどうしてこんなにも失ったのか? 日本の歴史を学校の教科書できちんと教えられないのはなぜか? 幕末の開国から参戦、そして昭和の敗戦に至る歴史を、マイナス面からも目をそむけず徹底検証し、国難の時代を生きる日本人に誇りと自信を与える、ベストセラー。いまこそ日本人が「自立」と「誇り」を回復するための渾身の提言。
  • チンネの裁き
    -
    ヒマラヤ遠征隊のリーダーとして有名な蛭川繁夫が、剣岳チンネをめざして池の谷左俣の雪渓で落石死した。剣尾根のドーム壁を登攀していた木塚健は、落石が3方から起こり、その上にそれぞれ人がいたことから遭難に疑惑を抱く。しかも、アイゼンの紐が切れていた! 何者かの作為を感じ真相の究明にのりだした木塚と蛭川の兄・一郎の前に立ちふさがる、山の偉容となまぐさい人間関係……。この「チンネの裁き」は、美貌の女流アルピニストをめぐって山の掟をやぶった山男たちの愛の確執から、登攀ルートに企らまれた完全犯罪が山の裁きをうける顛末を、逞しい筆致で描いた異色作。
  • 八甲田山死の彷徨
    4.4
    日露戦争前夜、厳寒の八甲田山中で過酷な人体実験が強いられた。神田大尉が率いる青森5聯隊は雪中で進退を協議しているとき、大隊長が突然“前進”の命令を下し、指揮系統の混乱から、ついには199名の死者を出す。少数精鋭の徳島大尉が率いる弘前31聯隊は210余キロ、11日間にわたる全行程を完全に踏破する。両隊を対比して、自然と人間の闘いを迫真の筆で描く長編小説。

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  • 遥かなるケンブリッジ―一数学者のイギリス―
    4.2
    「一応ノーベル賞はもらっている」こんな学者が闊歩する伝統の学府ケンブリッジ。家族と共に始めた一年間の研究滞在は平穏無事……どころではない波瀾万丈の日々だった。通じない英語。まずい食事。変人めいた教授陣とレイシズムの思わぬ噴出。だが、身を投げ出してイギリスと格闘するうちに見えてきたのは、奥深く美しい文化と人間の姿だった。感動を呼ぶドラマティック・エッセイ。
  • ヒコベエ
    4.5
    満州で戦禍に巻きこまれ、命からがら日本へ引き揚げてきたヒコベエ一家は、信州諏訪に身を寄せる。なだらかな稜線を描く山や緑深い自然に囲まれ、ヒコベエは腕白坊主に成長する。やがて一家に訪れた転機。母の小説がベストセラーになり、父も作家の道を歩み始め……。貧しくとも家族は支え合い励まし合って暮していた。日本そして日本人が懸命に生きた昭和20年代を描く自伝的長編。
  • 火の島
    -
    台風観測の最前線に位置する絶海の孤島・鳥島は、昭和40年11月、火山爆発の危機にさらされていた。無気味な地の鳴動、鼻をつく異臭、そして大噴火を目前にした鳥島観測所。絶体絶命の状況で、死の恐怖と観測の使命の間に苛立つ所員たちの緊迫した心理と行動を迫真の筆にとらえた長編表題作。ほかに、『毛髪湿度計』『ガラスと水銀』の2短編を併録する、著者ならではの科学小説集。

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  • 氷原・非情のブリザード
    -
    明治45年、木造帆船で南緯80度を越えた白瀬隊長の英雄物語「氷原」、昭和35年、昭和基地で遭難した福島隊員の悲劇「非情のブリザード」等の極地小説。地震の前日に現われる発光現象と地震の関係を調査する学者と、虹と地震の関連性を研究する在野の篤学者との相克「虹の人」、イタイイタイ病をはじめカドミウムによる公害病を告発した「神通川」他、「火山群」「三つの石の物語」「風の墓場」「春紫苑物語」「高原の憂鬱」の、自然に挑む人間を捉えた全9編。

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  • P+D BOOKS 強力伝 ~二十世紀最後の職人の魂~
    4.0
    1巻605円 (税込)
    山岳小説の白眉「強力伝」ほか4作の傑作選。 男はなぜ180キロもある巨石を背負って白馬山頂を目指したのか……?  徹底的な取材に基づいて実在の人物像に迫り、この無謀な計画がもたらした悲劇と男の友情を描いて“山岳小説の白眉”と称された著者処女作「強力伝」(第34回直木賞受賞作)。 ほかに、極寒の富士山に挑む気象観測官の物語「凍傷」や、「春富士遭難」、「殉職」、「新雪なだれ」と、いずれも富士山を舞台に過酷な自然と闘う人間の壮絶なドラマを描く4作品で構成された[新田次郎山岳小説・傑作選]。登山家・今井通子氏による1995年当時の解説も再収録。
  • P+D BOOKS つぶやき岩の秘密
    4.0
    1巻660円 (税込)
    山岳小説の名手が挑むジュブナイル冒険小説。  海辺の町で暮らす三浦紫郎は、早くに両親を海難事故で亡くした小学6年生。大潮の日に、ある岩に耳を近づけると、誰かがつぶやくような不思議な音が聞こえるので、紫郎は「つぶやき岩」と名付けていた。  ある大潮の日、いつものように岩のつぶやきを聞いていると、岬の断崖に黒い顔をした老人が立っているのを見つけた。祖父によると、戦時中、岬には地下要塞が掘られていて、大量の金塊が隠されているという噂があり、それを探す“金塊亡者”が時折出没するらしい。  紫郎は担任の小林恵子やその弟・晴雄の協力を得て岬の秘密を探ろうとするが、その矢先に晴雄が殺されかけ、恵子の自宅が荒らされる。さらに紫郎自身も、何者かに命を狙われてしまう。  じつは、岩がつぶやく構造にこそ岬の秘密を解き明かす鍵があるのだが、はたして紫郎は真実に迫ることができるのか――。NHKでドラマ化もされたジュブナイル冒険小説の名作。
  • P+D BOOKS マカオ幻想
    4.0
    1巻770円 (税込)
    亡くなった年に発表された遺作短篇集。 「もしも日本に帰れずに、かの地で死ぬようなことがあったら、私は必ず前歯にジェズスの教えのみしるしを刻みこんで置きます。」  本家の敷地内から発見された壺の中から、365年前にマカオに流された先祖の“遺言”が発見された。遺骨の行方を捜しにマカオを訪れた千葉裕平は、亡くなった娘・由紀子に生き写しの女性、葉銘蓮と出会う。果たして、“みしるし”を刻んだ遺骨は見つかるのか、そして葉銘蓮の正体は――。  マカオへの幻のような旅を綴った表題作に、八甲田山雪中行軍の外伝「生き残りの勇士」、イギリス公使オールコックが外国人として初めて富士山頂に立った顛末を描く「富士、異邦人登頂」など8篇を収録した短篇集。亡くなった年に出版された遺作のひとつ。
  • P+D BOOKS 三つの嶺
    -
    1巻715円 (税込)
    義妹・マリアが選ぶのは双子の兄か弟か?  名峰ドライチンネで遭難死したイタリア人ガイドの娘・マリアは、ガイドのバディーであった日本人・鳥羽省造の元に引き取られ、2歳上の双子・博、豊とともにすくすくと成長する。10歳だった少女は、双子と同じく山登りが大好きな美しい女性になり、やがて省造が勤める会社のマスコットガールを務めるまでに。一方、大学生になっていた博と豊は、マリアへの募る思いを抑えることができず、ほぼ同時に愛を打ち明ける。  ふたりのどちらかを選ぶことができないマリアは、タレント活動に没頭する日々を送るが、ある日、博と豊が北アルプスで遭難したという知らせを受けて――。  きょうだいだが恋愛も結婚もできるという微妙な関係にある3人が織りなす、山を背景とした濃厚な人間ドラマ。
  • 風雪の北鎌尾根・雷鳴
    4.0
    厳冬の北アルプス北鎌尾根を縦走中異常気象にあって遭難する二人のパーティーの緊迫したドラマを描く『風雪の北鎌尾根』、専門的な山登りとハイキングのプロセスのちがいに着想の妙をえた『雷鳴』の表題作2編をはじめ、著者がヨーロッパ旅行の経験をもとにして、日本の風土とは異なる自然を描く『古城』『牧草地の初雪』『チロルのコケモモ』など山岳小説全13編を収録する。

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  • 笛師
    値引きあり
    -
    厳しい世襲の笛師の世界――笛師・飛田家の後継者・清浩は、伝統のかたちを解せず、サラリーマンになり、チロルの高峰グロース・ベネディガーに遊ぶが、霧にまかれて遭難した。清浩は、父の作った竜笛を吹き始める……。幕末から現在までという激動する社会に、伝統を追究し続けた人々と、その変転を描きあげた、名作長編。
  • 富士山頂
    4.1
    気象庁の長年の悲願だったレーダーにようやく大蔵省の予算がついた。これが実現すれば、正確なデータが迅速に入手でき、より正確な気象予報ができる。しかし、激しい乱気流が渦巻き、天候の変わりやすい富士山の頂にどうやって重い資材を運び、レーダーを建設し、東京の気象庁まで無事にデータを送り届けるのか。2年間でレーダーを完成させなければならない。気象庁とメーカーの戦いはこれからだ。現場の担当者・技術者たちの苦闘を描き出す、異色の山岳小説。
  • 富士に死す
    4.4
    いま、改めて富士山を知る――。著者の「富士山もの」の掉尾を飾る傑作。 霊峰富士に対する民間信仰は昔からあるが、急速に大衆化したのは「富士講」の始まった天正年間である。しかし、大衆化は同時に信仰の俗化、形骸化を招いていった。富士講の荒廃に反発する行者・月行に見出され、のちに富士講中興の祖と称されるまでになった身禄の、感動的な波乱の一代を描いた長篇歴史小説。
  • 藤原正彦の代表的日本人
    4.5
    これぞ日本人論の決定版! 勇気、創造性、卑怯を憎む心、郷土愛と祖国愛、そして惻隠の情―― 「日本人らしい日本人」五人を選出、彼らの生涯を鮮やかに描く。 ライプニッツに先んじて、より高度な行列式を発見した関孝和の創造性。 常に民の苦しみを第一に考えた上杉鷹山の「惻隠の情」など、 今こそ日本人が思い出したい美しい生き方がここに。 関孝和 算聖と呼ばれた大天才 花開く和算の独創性/数学にノーベル賞があれば 上杉鷹山 「民の父母」たる名君主 重臣たちのクーデターと対決/「藩民は国の宝である」 福澤諭吉 誰よりも早く武士を捨てた男 オランダ語が通じない!/北里柴三郎に救いの手 河原操子 日蒙を繋いだ女子教育の先駆者 華僑の学校で初の女性教師/カラチン王国へのミッション 柴五郎 八カ国軍を率いた“小さな男” 一家自刃を知らされる/「柴中佐」が世界史を動かした
  • 藤原正彦、美子のぶらり歴史散歩
    4.0
    街をゆっくり歩けば、いたるところで歴史の痕跡と出会う。隣り合う東郷平八郎と山本五十六の墓、パリで出会い日本でも隣組だった藤田嗣治と島崎藤村、今も残る引き出しのないマッカーサーの執務机、川端康成が海を眺めた地……。藤原正彦・美子夫妻が、多磨霊園、番町、本郷、皇居周辺、護国寺、鎌倉、諏訪を歩き、日本の歴史に出会うちょっと知的な散歩日和。
  • 冬山の掟
    3.8
    遭難をめぐり、人間の本質を深くえぐった、新田作品の初期短編集! 冬山では午後になって新しい行動を起こすな―― 山で発熱した者のためにこのルールに背いて、吹雪の中をさまよう一行と、 その身を案じる家族の懊悩を描く表題作のほか、 「地獄への滑降」「遭難者」「遺書」「霧迷い」など、遭難を材にとった迫力溢れる山岳小説全十編。 解説・角幡唯介 ※この電子書籍は1978年7月に文春文庫より刊行された文庫の新装版を底本としています。
  • 芙蓉の人
    4.2
    日々の暮らしに欠かせない天気予報。明治期に、この予測をより正確なものにするべく命を懸けた夫妻がいた。野中到(いたる)・千代子夫妻――到は私財を投じて富士山頂に気象観測所をたて、前人未到の冬期観測を実施。「一人であれば、夫は必ず死ぬであろう」と考えた千代子は、夫を支えるため後を追って山頂に登るが……。世界遺産に登録された霊峰・富士山を舞台に、日本の未来のために初めて富士登山に挑んだ、実在の夫婦の感動物語! 2014年7月26日からNHK総合で連続ドラマ化(全6回)。
  • 本屋を守れ 読書とは国力
    3.8
    日本人の15歳の読解力はOECD(経済協力開発機構)の学習到達度調査で急落。月に1冊も本を読まない中高生や、電車やバスの移動時間に新聞、文庫本を読まずスマホしか見ない大人たち。町の本屋の数は減る一方。著者いわく、これらは国家全体に及ぶ「読書離れと教養の低下」にほかならない。ITと引き換えにわれわれは何を「殺して」いるのか。それは人間を人間たらしめる情緒、思いやり、そして教養にほかならない。かつて昭和の時代、アメリカ人が日本の書店を訪れ、店内が黒山の人だかりなのを見て仰天したという。この光景をもう一度、取り戻さなければならない。めざすは「書店の復活」である。「国語力なくして国力なし」「町の書店がなぜ大切か」「インターネットの情報で教養は身につかない」「デジタル本は記憶に残らない」。愛国の数学者が独自の直観と分析によって達した結論が日本人の「常識」になったとき、わが国は再び輝きを取り戻すだろう。
  • 望郷
    -
    昭和20年11月、沢田冬明は北朝鮮の丘の上から家族たちと引きはなされ、ソ連軍の捕虜となる。2カ月後、中共軍の技術者として職を得る。中共と国府が争う極限状況下、遠く妻子を思い、心の荒廃した人たちの間で、ひとり誠実に生き抜く……。表題長編および、その連作『豆満江』『夕日』の自伝的作品3編をはじめ、戦争の深い傷跡を小説化した著者の戦争文学全6編を収録する。

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  • 密航船水安丸
    4.0
    無償の情熱に生きた、開拓者・アメリカ及甚の劇的生涯! 待つのは栄光か悲惨か? ――1906年・明治39年、及川甚三郎が率いる82人の密航者は、宮城県の荻浜港から、帆船で新天地・カナダへ向かった……。日本人の理想郷をつくるため、あらゆる困難を乗りこえ、勇気と行動力とで、その夢の実現に生涯を賭けた、男及甚を描く長編力作。水安丸を待つのは、栄光か悲惨か?
  • 名著講義
    4.6
    受講者は毎週一冊の文庫を読む根性があること。受講者は毎週一冊の文庫を買う財力があること。そしてレポートを出し、ディスカッションすること。そんな受講条件で集った、女子大生との、時に激論、時に人生相談? 時に脱線&爆笑の平成版「人生劇場(青春篇)」。『武士道』『学問のすゝめ』『きけわだつみのこえ』等を巡る、女子大生との丁々発止の「読書ゼミ」全公開!
  • 山が見ていた
    4.0
    こんなに短くて、こんなに面白い!怖い!深い!  多才の人気作家・新田次郎が自ら選んだ、初期の傑作短編ミステリー15篇 夫を山へ行かせたくない妻が登山靴を隠した。その恐ろしい結末は(山靴)。 少年をひき逃げしたあげく、自首もできずにうろたえる青年が自殺を思い立ち山に入る。 そこで遭難した中学生に出会い、運命の歯車が回り始める(山が見ていた)。 冒頭からラストまで、切れ味鋭く人間の業をえぐり出す傑作ミステリー集。 ※この電子書籍は1976年10月に光文社より刊行された単行本をもとに2021年12月に新装版化した文春文庫版を底本としています。
  • ヤマケイ文庫 新田次郎 続・山の歳時記
    4.0
    富士山、故郷信濃、ヨーロッパ・アルプスなどを描いた新田次郎のエッセー・紀行集。 単行本・全集未収録作品を中心に52篇を収録、 作家の山岳・自然観、創作の背景をたどる。 ■著者紹介 新田 次郎(ニッタ ジロウ) 1912年、長野県諏訪郡上諏訪町(現諏訪市)に生まれる。 本名藤原寛人。旧制諏訪中学校、無線電信講習所を卒業後、1932年、中央気象台(現気象庁)に入庁。 1935年、電機学校卒業。富士山気象レーダー(1965年運用開始)の建設責任者を務めたことで知られる。 1956年『強力伝』で、第34回直木賞受賞。 1966年、気象庁を退職し、文筆に専念。 1974年、『武田信玄』ならびに一連の山岳小説に対して吉川英治文学賞受賞。 1979年、紫綬褒章受章。 1980年2月、心筋梗塞のため逝去。正五位勲四等旭日小綬章。気象学者藤原咲平は伯父。妻ていは作家。
  • 槍ヶ岳開山
    4.5
    百姓一揆にまきこまれ、過って妻のおはまを刺殺した岩松は、国を捨てて出家する。しかし、罪の償いにきびしい修行をみずから求めた彼を絶え間なく襲うのは、おはまへの未練と煩悩だった。いっぽう、清貧と無欲の極地で庶民救済に生きようとする彼を俗世へと駆りたてることに執念を燃やす奇妙な男がつきまとう。大飢饉や一揆、打ちこわしといった江戸後期の乱世に、妻殺しの呵責に苦しみつつ、未踏の岩峰・槍ヶ岳初登攀に成功した修行僧播隆の苛烈な生きざまを、雄渾に描く長篇伝記小説。
  • 雪のチングルマ
    3.4
    新田次郎、山岳短篇集の代表作! 童歌(わらべうた)をうたうと必ず雪崩で死ぬ、という怪談に抗いながらも囚われた若者の苦悩と悲劇を描いた表題作。アラスカ現地に取材した異色の傑作「真夜中の太陽」。実感をこめて富士のおそろしさを表現しきった「春富士遭難」。スキーヤーの身勝手さを衝く「コブシの花の咲く頃」など全6篇を収録。著者円熟期の傑作山岳小説集。
  • 世にも美しい数学入門
    3.9
    数学とは当面は何の役にも立たないが、後世になって非常に役立つこともある、という奥床しい学問である。そうすると、何によって価値判断するかというと、主に「美しいかどうか」なのであり、美的感受性を育てることが非常に重要である――ガウス、ラマヌジャン、谷山豊と古今東西の天才数学者たちのエピソードも交えながらユーモア溢れる語り口で、数学の美しさを証明していく〈世にも珍しい〉対談集。
  • 世にも美しい日本語入門
    3.9
    日本語・日本文学に造詣の深い画家と数学者による対談集。古典や唱歌・童謡から日本語のもつ美しさ、奥深さを語り合い、すべての思考・学問・教養の基地となる日本語を学ぶことの意味を、存分に伝えていく。森鴎外『即興詩人』からは文語の素晴らしさを、落語からは高度なユーモア、唱歌・童謡からは文化の継承、と様々な角度から日本語をみていく新しいタイプの入門書。
  • 六合目の仇討
    -
    江戸後期、西神田を出発した富士詣での先達をつとめる町人・八兵衛には、幼な馴染みのぬいをめぐる苦渋の過去があった……十年前に武士を捨てた男への復讐劇が、富士山中腹に展開される表題作。蝦夷地北辺の警衛に功のあった近藤重蔵の失脚を描く「近藤富士」、ほかに「関の小万」「冬田の鶴」「指」「太田道灌の最期」「生人形」「賄賂」「島名主」「伊賀越え」「仁田四郎忠常異聞」「意地ぬ出んじら」の、歴史に材をとり、そこに生きた人々の姿を見据える全12編。

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  • 若き数学者のアメリカ
    4.2
    1972年の夏、ミシガン大学に研究員として招かれる。セミナーの発表は成功を収めるが、冬をむかえた厚い雲の下で孤独感に苛まれる。翌年春、フロリダの浜辺で金髪の娘と親しくなりアメリカにとけこむ頃、難関を乗り越えてコロラド大学助教授に推薦される。知識は乏しいが大らかな学生たちに週6時間の講義をする。自分のすべてをアメリカにぶつけた青年数学者の躍動する体験記。

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  • 我が人生の応援歌 ~日本人の情緒を育んだ名曲たち~(小学館新書)
    5.0
    思い出深い昭和歌謡にまつわるエッセイ集。  大ベストセラー『国家の品格』の著者・藤原正彦氏による、エッセイ集です。  藤原氏自らが明治から昭和期の歌謡曲、詩歌を厳選。詩、メロディに対するこれまでの想い出と、これからの行く末を感慨深く綴りました。藤原氏の父・新田次郎、母・藤原てい両氏の愛唱歌とともに、その人となりが目に浮かぶような、身近に感じさせるような「身内の」エピソードが満載です。  収録曲としては、童謡・唱歌『赤とんぼ』『夏の思い出』『この道』『椰子の実』や、昭和のヒット曲『山小屋の灯火』『誰か故郷を想わざる』『長崎の鐘』『津軽のふるさと』など、幅広いジャンルの中からの懐メロ全34曲。月刊誌『サライ』で大好評を博している連載エッセイに、今回は大幅加筆してまとめました。  NHK朝の連続ドラマ「エール」に端を発する昨今の「古関裕而ブーム」、「昭和歌謡ブーム」を大いに盛り上げます。

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