無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
富士山頂に気象レーダを建設する
という大事業を成し遂げる
気象庁測器課葛木章一の物語
昭和38年から39年ごろのお話
山頂に物資を運ぶことから
建築過程の苦労
雪のない短時間での作業
そして国への予算のお伺い
業者はどこにするのか
さまざまな人間関係も絡み合ってはいるが
とにかく山頂の気候との
兼ね合いから早く進めないと
どうにもならない
苦悩する葛木
新田次郎の代表的な作品であり、
本人の実体験でもあるようです
大変興味深く読んだ
プロジェクトXの第一回放送でも
取り上げられていたらしい
人の努力は計り知れない
今、人間がこうして暮らしているのも
こんな努力が数え切れないほど
あるからなのですね
現実だけでなく人と人との
関わりや、政治的な問題なども
考えさせられる
良い作品を読めた
富士山頂に立ってみたい
とも思う
Posted by ブクログ
読み応えたっぷり楽しめた。
三部からなる。
富士山への気象観測レーダー建設着信前の気象庁での話、建設途中での出来事、完成後の諸問題などとわかれる。
現場は山岳だが、内容は国家予算による一大プロジェクトを成し遂げた省庁でのお仕事ドラマだろうか。
仕事を受けたくでドロドロした対立関係になる会社は分割発注なのかシングルなのかで建設期間も限られた中での指示系統をも鑑みた、統括のとても難しい中での人間ドラマ。
現場監督のことば、建設に関わった者の名をプレートで残すことで、この仕事の真意は人の数、技術、金、ではなく人の気持ちだ、という最後は人、その人を奮い立たす誠意と覚悟。
完成を祝う乾杯の席でも葛木に本心を語る所員の言葉を過酷さをわかるが故に静かに聞き入る。
喜怒哀楽、人の想いがびしびし伝わってくる小説であった。自身の体験を俯瞰して書かれていて素晴らしい。改めて知ることばかりですごい経歴の作者だ!
Posted by ブクログ
感動の野武士伝説
富士山頂への気象レーダー建設物語。
作家でもある気象庁課長が通信メーカーと一緒に一大事業を成し遂げる。名誉のため採算度外視で受注活動を繰り広げるメーカー各社。
事業は一社でやるべきと主張する気象庁課長の主人公。ドラマがそこに生まれる。
主人公の政治的圧力をも跳ね返す意志力。圧力でどうしてもメーカーに分割発注しないといけなくなったときの心、さらに逆転でそれを跳ね返して一社で工事をやり遂げた達成感。
建設会社の現場監督の言葉もいい。
工事の完成は人の数でも技術でも金の力でもなく、人の気持ちだ
完成後のパーティーで、機械予算は取ってそこで働くことになる人のための予算が少ないことを所員から責められるのだが、黙ってそれを聞く主人公の心の動きも鮮やかに書かれている。
富士山頂レーダー建設を背景にした主人公の心の物語であるとともに、新田次郎その人の私小説のような気がして、この作品は私にとって新田次郎作品ベスト3に入るものとなっている。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。