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「個より公、金より徳、競争より和」を重んじる日本国民の精神性は、世界に胸を張れるものだった。戦後日本は、祖国への自信をどうしてこんなにも失ったのか? 日本の歴史を学校の教科書できちんと教えられないのはなぜか? 幕末の開国から参戦、そして昭和の敗戦に至る歴史を、マイナス面からも目をそむけず徹底検証し、国難の時代を生きる日本人に誇りと自信を与える、ベストセラー。いまこそ日本人が「自立」と「誇り」を回復するための渾身の提言。
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Posted by ブクログ
再読。数学者の藤原正彦さんが近現代史について自分自身の見方を書いた本。数学者であるのに歴史についての見識が広いことに驚かされた。日本人として祖国に誇りと自信を持つためには、歴史認識をもう一度確認することが大切であることを痛感した。 心に残った言葉 ・社会や国家に尽くすという美徳は、GHQが教育勅語...続きを読むを廃止し公より個を尊重する教育基本法を作成すると同時に消滅の運命を定められたと言ってよいでしょう。「公イコール国家イコール軍国主義」という連想を植えつけることで公へのアレルギーを持たせ、日本を弱体化しようとしたのです。公を否定し個を称揚することはGHQが産み、そしてそれを継承した日教組が育てたものですが、これを変えようとする者はGHQの方針になぜか未だに忠誠を尽くしているほぼ全てのマスコミにより、直ちに軍国主義者のレッテルを貼られます。P25 ・実はアメリカが日本に与えた致命傷は、新憲法でも皇室典範でも教育基本法でも神道指令でもあません。P65 占領後間もなく実施した、新聞、雑誌、放送などに対する厳しい言論統制でした。終戦のずっと前から練りに練っていたウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(WGIP=戦争についての罪の意識を日本人に植えつける宣伝計画)に基づいたものでした。この「罪意識扶植計画」は、自由と民主主義の旗手を自任さるアメリカが、戦争責任の一切を日本とりわけ軍部にかぶせるため、日本人の言論の自由を封殺するという挙に出たのです。P66 ・この「罪意識扶植計画」は、日本の歴史を否定することで日本人の魂の空洞化をも企図したものでした。ぽっかりと空いたその空き地に罪意識を詰めこまうとしたのです。そのためにまず、日本対アメリカの総力戦であった戦争を、邪悪な軍国主義者と罪のない国民との対立にすり替えました。三百万の国民が米軍によっり殺戮され、日本中の都市が廃墟とされ、現在の窮乏生活がもたらされたのは、軍人や軍国主義者が悪かったのであり米軍の責任ではない。なかんずく、世界史に永遠に残る戦争犯罪、すなわち二発の原爆投下による二十万市民の無差別大量虐殺を、アメリカは日本の軍国主義者の責任に転嫁することで、自らは免罪符を得ようとしたのです。P66 ・洗脳とは真に恐るべきもので、最初は生存のため仕方なく罪意識扶植計画に協力していたのが、次第にそれに疑いをはさまない姿勢こそが戦争への懺悔、良心と思い込むようになったのです。疑いをはさむ人は軍国主義者とか右翼というレッテルが貼られることになりました。そしてこの史観は、モスクワのコミンテルン(ソ連共産党支配下の国際組織)のものでもありましたから、その影響下にあった日教組がそのまま教育の場で実践しました。 そのためこの史観は今日に至るまで脈々と、多くの善良な日本人の精神の奥深くに、気づかぬうちに根を張っているのです。P82 ・日本の軍人達は、戦場で涙ながらに老いた父母を思い、自分の死後に遺される新妻や赤子の幸せを祈り、恋人からの手紙を胸に秘め、学問への断ち難い情熱を断ち、祖国に平和の訪れることを願いつつ祖国防衛のために雄々しく戦いました。それが今、地獄さながらの戦闘で散華した者は犬死にと嘲られ、かろうじて生き残った者は人殺しのごとく難詰されるという、理解を絶する国となってしまったのです。祖国のために命を捧げた人に対し感謝の念をこめ手を合わせて拝むべきものであるのに、戦争の罪を一身に背負わせているのです。 このような状態で日本人としての誇りが生まれようもありません。P86 ・最も重要なことは現代の価値観で過去を判断してはいけないということです。人間も国家もその時の価値観で生きるしかないからです。P175 ・日本人は「敗戦国」をいまだに引きずり小さくなっています。WGIP(罪意識扶植計画)で植えつけられた罪悪感を払拭することです。そして作為的になされた「歴史の断絶」を回復することです。 すなわち、「誇り」を回復するための必然的第一歩は、戦勝国の復讐劇にすぎない東京裁判の断固たる否定でなければなりません。そして日本の百年戦争がもたらした、世界史に残る大殊勲をしっかり胸に刻むことです。 その上で第二は、アメリカに押しつけられた、日本弱体化のための憲法を廃棄し、新たに、日本人の、日本人による日本人のための憲法を作り上げることです。P246 ・次いで第三は、自らの国を自らで守ることを決意して実行することでさ。他国に守ってもらう、というのは属国の定義と言ってもよいものです。屈辱的状況にあっては誇りも何もないからです。P247
中高生などこれからの日本を牽引する世代には是非一度読んで頂きたいと感じた。 自分でも今一度近現代史を勉強してみたい。
「国家の品格」の藤原正彦氏による、渾身の一冊。著者は数学者なのだが、本書は日本人が失ってしまった誇りを取り戻すためにはどうすべきなのか、というテーマで歴史と関連付けながら書いてある。数学が専門なのに、歴史しかも南京事件や東京裁判などセンシティブなところを調べ上げ、有無を言わせないほど理路整然としてい...続きを読むるのはさすが。 「現代の日本は嘆かわしい」と現状を批判するだけの本はたくさんあるが、この著者が「こうすればいい」と提示する案は極めて理に適っていて、説得力がある。このような強い見解を発表するのはリスクも伴うため、覚悟がいるだろう。 私は中国の近代史に明るくなかったが、この本から何となくつかめたものがある。日本軍の満州進出にどんな意図があったか。日本は帝国主義参加を目指したのか。アメリカにどう操られたのか。 読み終わると、日本人であることを誇りに思える。
表題の通り、日本人の誇りを奮起させる本 戦後の自虐史観を払拭し、自国への誇りと自信を取り戻すべく、さまざまな歴史的事実を検証し解説しています。 とても、読み易く、かつ理解しやすい内容です。 さらに共感するところがたくさんあります。 おおむね、自分の歴史観とあっていたり、そんことあったの?と思うと...続きを読むころあったりととても勉強になります。 とりわけ、びっくりしたのは、「近隣諸国条項」! 「教科書検定では近隣諸国の感情に配慮する。」 歴史的客観性より「ことを荒立たせない、中国、韓国、北朝鮮を刺激しない」ことの方が優先される。 なんじゃそりゃ? 歴史の教科書が過去の事実よりも、今の政治的な配慮を教え込ませるってあまりに驚きでした。 そりゃ、日本人が誇りを失っていくわけです.. また、愛国心を「国家主義」と「祖国愛」にしっかり分けて、祖国愛を大切にすべしとのべています。 そして、戦争についてですが、どのように戦争に突入していったのかをわかりやすく解説しています。帝国主義時代の各国の思惑。日本の立場などなど。 日中戦争では、中国の挑発行為やテロ行為もあったし、日本が勝手に突っ走ったところもあったしと両方の立場から解説してくれています。 日米戦争も同様です。 そんなわけで、よくある日本はこんなに残虐だったんだという物言いでもなく、日本はまったく間違っていなかったというような物言いでもなく、ある意味フェアな言い分で書かれています。 さらには、それらの戦争が結果的にアジア諸国にもたらした恩恵についても語られています。 それをベースに最終章では、「誇り」を回復するために、 (1)東京裁判の否定 (2)憲法改定 (3)自らの国を自らが守ることを決意し実行 が必要と語っています。 戦後、罪意識扶植計画で刷り込まれた自虐感を払拭し、自虐史で語られた歴史をもう一度見直し、誇りと自信を取り戻しましょう という熱いメッセージを強く強く感じました。 若い人に読んでもらうべき
大ベストセラー『国家の品格』の著者・藤原正彦氏が、同書から6年を経て書き下ろした、日本人への熱いメッセージである。 『国家の品格』では、情緒や武士道精神などの日本人の伝統的な文化や感性を再認識し、尊重するべきであることを語っていたが、本書では、幕末の開国から昭和の敗戦に至る歴史を検証、再認識するべき...続きを読むであることを説いている。 そして、著者が大学1年生を対象に行っていた読書ゼミで、「日本はどういう国と思いますか?」と尋ねると、多くの学生が「明治、大正、昭和戦前は、帝国主義、軍国主義、植民地主義にひた走り、アジア各国を侵略した恥ずべき国。江戸時代には士農工商の身分制度、男尊女卑、自由も平等も民主主義もなく、庶民が虐げられていた恥ずかしい国。・・・」と答えていたという「日本」の、著者の調べる限りの近現代史を詳しく解説している。具体的には、明治初期に日本を訪れた欧米人が見た日本人の生活と社会、南京大虐殺の真偽、第二次大戦開戦に至った経緯、原爆投下の目的、東京裁判の正統性、第二次大戦後の米国による日本統治の最大の意図などが取り上げられている。 英国の歴史家E.H.カーは、歴史学の古典とも言える『歴史とは何か』の中で、1.歴史上の事実は純粋に存在するものではなく、常に記録者の意図を通して描かれるものであること、2.歴史とは、ある時代が他の時代のうちで注目に値すると考えたものの記録であること、3.歴史とは、多くの原因結果の連鎖の中から、歴史家が有意味と考える因果の連鎖を取り出したものであること、を述べているが、まさに我々多くの日本人が知る日本の近現代史は、ある大きな意図のもとに描かれたものとも言えるのである。 本書で著者も述べているように、郷土愛・祖国愛(nationalismではなくpatriotismである)を持たない人間は、世界どこへ行っても尊敬はおろか信頼さえされないし、他国の同じような人々の気持ちも理解できないものである。 真の郷土愛・祖国愛を取り戻すために、是非一読したい書である。 (2011年4月了)
日本の本当の歴史が分かる一冊。 学校で学んだ内容とは全然違った。 間違った教育に洗脳されてる人が多いなと感じた。 日本人としての誇りを取り戻したい方、必読。
久々に心に響くいい本を読んだ。 日本人としての誇り、自信、やる気が湧き上がってくる。 家族愛、故郷愛、祖国愛があってはじめて人間の根幹が形成され、人類愛に繋がる。自分は家族、故郷、祖国を心からちゃんと愛せているか、自分に問いなおしたいと思った。 惻隠、和の尊重。日本人が世界に誇れるこの精神は個人...続きを読む主義の欧米に染まってしまうのはもったいない。確かにビジネスの世界などではそういう思想に立たないと世界においていかれることはリスクだしグローバルスタンダードに乗り遅れないようにする必要はあるが、日本人はどこか欧米的なこと新しいことですごいこと、日本的なことは古くてダサいことと考えてしまう風潮がある。 今こそ日本人らしさを見つめ直し、その素晴らしい思想、精神を大切にしていくべきだと思った。 開国後に日本にきた西洋人がみんな一様に「日本は貧しい。ただ日本人は幸せそうだ。」と言ったこと。震災の混乱の中でも秩序を乱さずみんなで譲り合って助け合えたこと。どんぐりの背比べと言われるかもしれないが中流階級が国民の大半でほとんどの人が不自由なく生活出来てること。 日本は素晴らしい。 家族、親戚、近所付き合いを重んじるうちの実家についてどこか古臭いと感じ都会的なドライな生活が現代のスタイルだと心のどこかで思ってしまっていたことは思い直したいと思う。 うちの実家のある故郷は、平均所得は決して高くないが、共働き率1位で幸福度1位であることが自分の考えの浅はかさを物語っている気がした。
『国家の品格』でおなじみの藤原正彦氏による、戦中戦後史を通じていかに日本人が祖国への誇りを解体されて来たかを検証する良書。 現代日本の抱える漠然とした閉塞感が「誇り」を基軸として言語化されている点に強く共感し、問題意識はありながら具体的方策が見出せていなかった自身の思考の整理にも非常に役立った。 ...続きを読む本書内で「自国の国益の為なら他国はどうでも良いナショナリズム」と「郷土愛としてのパトリオティズム」は明確に区別して主張されており、本書を「軍国主義的」「右翼的」と断じて排してしまうことは余りに惜しい。 現在の苦境を日本が乗り越えて行く為にも、ぜひ読んで欲しい一冊。
久しぶりの藤原正彦氏の一冊。今停滞している日本が昔の良き日本に戻るためには、明治からの100年戦争を経てGHQと日教組に骨抜きにされた現状を打破できない。そのためには、真の独立国家になり、愛する自国を取り戻すしかない。個の重要視の限界⇒和を持って尊しとなす。憲法改正。自国による防衛。誇れる日本。
日本の歴史観が、変わった。これまでの近代史の中で、突っ抱えてきたわだかまりのようなものが、取れた気がした。欧米に仕込まれた百年戦争にまだピリオドがうたれていない。ピリオドを打つための大きな1手は、日本国憲法の日本人による作り直しと米軍基地の排除だと思った。 著者の歴史観は、我流と謙遜するが、奥が深い...続きを読む。 160718 再読 日本は、今大きな節目に立たされている。 昔に持っていた日本人の誇りや美意識の回復の為、戦後植え付けられた「罪意識扶植計画」からの脱却し、欧米特にアメリカの二枚舌を見抜き、日本の主体を取り戻すことが重要である。 平和憲法を維持しつつ、アメリカからの独立意識となる憲法改正が必要である。
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