【感想・ネタバレ】日本人の誇りのレビュー

あらすじ

「個より公、金より徳、競争より和」を重んじる日本国民の精神性は、世界に胸を張れるものだった。戦後日本は、祖国への自信をどうしてこんなにも失ったのか? 日本の歴史を学校の教科書できちんと教えられないのはなぜか? 幕末の開国から参戦、そして昭和の敗戦に至る歴史を、マイナス面からも目をそむけず徹底検証し、国難の時代を生きる日本人に誇りと自信を与える、ベストセラー。いまこそ日本人が「自立」と「誇り」を回復するための渾身の提言。

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Posted by ブクログ

再読。数学者の藤原正彦さんが近現代史について自分自身の見方を書いた本。数学者であるのに歴史についての見識が広いことに驚かされた。日本人として祖国に誇りと自信を持つためには、歴史認識をもう一度確認することが大切であることを痛感した。

心に残った言葉
・社会や国家に尽くすという美徳は、GHQが教育勅語を廃止し公より個を尊重する教育基本法を作成すると同時に消滅の運命を定められたと言ってよいでしょう。「公イコール国家イコール軍国主義」という連想を植えつけることで公へのアレルギーを持たせ、日本を弱体化しようとしたのです。公を否定し個を称揚することはGHQが産み、そしてそれを継承した日教組が育てたものですが、これを変えようとする者はGHQの方針になぜか未だに忠誠を尽くしているほぼ全てのマスコミにより、直ちに軍国主義者のレッテルを貼られます。P25
・実はアメリカが日本に与えた致命傷は、新憲法でも皇室典範でも教育基本法でも神道指令でもあません。P65
占領後間もなく実施した、新聞、雑誌、放送などに対する厳しい言論統制でした。終戦のずっと前から練りに練っていたウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(WGIP=戦争についての罪の意識を日本人に植えつける宣伝計画)に基づいたものでした。この「罪意識扶植計画」は、自由と民主主義の旗手を自任さるアメリカが、戦争責任の一切を日本とりわけ軍部にかぶせるため、日本人の言論の自由を封殺するという挙に出たのです。P66
・この「罪意識扶植計画」は、日本の歴史を否定することで日本人の魂の空洞化をも企図したものでした。ぽっかりと空いたその空き地に罪意識を詰めこまうとしたのです。そのためにまず、日本対アメリカの総力戦であった戦争を、邪悪な軍国主義者と罪のない国民との対立にすり替えました。三百万の国民が米軍によっり殺戮され、日本中の都市が廃墟とされ、現在の窮乏生活がもたらされたのは、軍人や軍国主義者が悪かったのであり米軍の責任ではない。なかんずく、世界史に永遠に残る戦争犯罪、すなわち二発の原爆投下による二十万市民の無差別大量虐殺を、アメリカは日本の軍国主義者の責任に転嫁することで、自らは免罪符を得ようとしたのです。P66
・洗脳とは真に恐るべきもので、最初は生存のため仕方なく罪意識扶植計画に協力していたのが、次第にそれに疑いをはさまない姿勢こそが戦争への懺悔、良心と思い込むようになったのです。疑いをはさむ人は軍国主義者とか右翼というレッテルが貼られることになりました。そしてこの史観は、モスクワのコミンテルン(ソ連共産党支配下の国際組織)のものでもありましたから、その影響下にあった日教組がそのまま教育の場で実践しました。 
 そのためこの史観は今日に至るまで脈々と、多くの善良な日本人の精神の奥深くに、気づかぬうちに根を張っているのです。P82
・日本の軍人達は、戦場で涙ながらに老いた父母を思い、自分の死後に遺される新妻や赤子の幸せを祈り、恋人からの手紙を胸に秘め、学問への断ち難い情熱を断ち、祖国に平和の訪れることを願いつつ祖国防衛のために雄々しく戦いました。それが今、地獄さながらの戦闘で散華した者は犬死にと嘲られ、かろうじて生き残った者は人殺しのごとく難詰されるという、理解を絶する国となってしまったのです。祖国のために命を捧げた人に対し感謝の念をこめ手を合わせて拝むべきものであるのに、戦争の罪を一身に背負わせているのです。 
 このような状態で日本人としての誇りが生まれようもありません。P86
・最も重要なことは現代の価値観で過去を判断してはいけないということです。人間も国家もその時の価値観で生きるしかないからです。P175
・日本人は「敗戦国」をいまだに引きずり小さくなっています。WGIP(罪意識扶植計画)で植えつけられた罪悪感を払拭することです。そして作為的になされた「歴史の断絶」を回復することです。
すなわち、「誇り」を回復するための必然的第一歩は、戦勝国の復讐劇にすぎない東京裁判の断固たる否定でなければなりません。そして日本の百年戦争がもたらした、世界史に残る大殊勲をしっかり胸に刻むことです。
 その上で第二は、アメリカに押しつけられた、日本弱体化のための憲法を廃棄し、新たに、日本人の、日本人による日本人のための憲法を作り上げることです。P246
・次いで第三は、自らの国を自らで守ることを決意して実行することでさ。他国に守ってもらう、というのは属国の定義と言ってもよいものです。屈辱的状況にあっては誇りも何もないからです。P247

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2024年10月14日

Posted by ブクログ

中高生などこれからの日本を牽引する世代には是非一度読んで頂きたいと感じた。
自分でも今一度近現代史を勉強してみたい。

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2020年05月02日

Posted by ブクログ

「国家の品格」の藤原正彦氏による、渾身の一冊。著者は数学者なのだが、本書は日本人が失ってしまった誇りを取り戻すためにはどうすべきなのか、というテーマで歴史と関連付けながら書いてある。数学が専門なのに、歴史しかも南京事件や東京裁判などセンシティブなところを調べ上げ、有無を言わせないほど理路整然としているのはさすが。
「現代の日本は嘆かわしい」と現状を批判するだけの本はたくさんあるが、この著者が「こうすればいい」と提示する案は極めて理に適っていて、説得力がある。このような強い見解を発表するのはリスクも伴うため、覚悟がいるだろう。
私は中国の近代史に明るくなかったが、この本から何となくつかめたものがある。日本軍の満州進出にどんな意図があったか。日本は帝国主義参加を目指したのか。アメリカにどう操られたのか。
読み終わると、日本人であることを誇りに思える。

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2017年12月19日

Posted by ブクログ

表題の通り、日本人の誇りを奮起させる本
戦後の自虐史観を払拭し、自国への誇りと自信を取り戻すべく、さまざまな歴史的事実を検証し解説しています。

とても、読み易く、かつ理解しやすい内容です。
さらに共感するところがたくさんあります。

おおむね、自分の歴史観とあっていたり、そんことあったの?と思うところあったりととても勉強になります。
とりわけ、びっくりしたのは、「近隣諸国条項」!
「教科書検定では近隣諸国の感情に配慮する。」
歴史的客観性より「ことを荒立たせない、中国、韓国、北朝鮮を刺激しない」ことの方が優先される。
なんじゃそりゃ?
歴史の教科書が過去の事実よりも、今の政治的な配慮を教え込ませるってあまりに驚きでした。
そりゃ、日本人が誇りを失っていくわけです..

また、愛国心を「国家主義」と「祖国愛」にしっかり分けて、祖国愛を大切にすべしとのべています。

そして、戦争についてですが、どのように戦争に突入していったのかをわかりやすく解説しています。帝国主義時代の各国の思惑。日本の立場などなど。
日中戦争では、中国の挑発行為やテロ行為もあったし、日本が勝手に突っ走ったところもあったしと両方の立場から解説してくれています。
日米戦争も同様です。
そんなわけで、よくある日本はこんなに残虐だったんだという物言いでもなく、日本はまったく間違っていなかったというような物言いでもなく、ある意味フェアな言い分で書かれています。
さらには、それらの戦争が結果的にアジア諸国にもたらした恩恵についても語られています。

それをベースに最終章では、「誇り」を回復するために、
(1)東京裁判の否定
(2)憲法改定
(3)自らの国を自らが守ることを決意し実行
が必要と語っています。

戦後、罪意識扶植計画で刷り込まれた自虐感を払拭し、自虐史で語られた歴史をもう一度見直し、誇りと自信を取り戻しましょう
という熱いメッセージを強く強く感じました。

若い人に読んでもらうべき

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2017年10月21日

Posted by ブクログ

大ベストセラー『国家の品格』の著者・藤原正彦氏が、同書から6年を経て書き下ろした、日本人への熱いメッセージである。
『国家の品格』では、情緒や武士道精神などの日本人の伝統的な文化や感性を再認識し、尊重するべきであることを語っていたが、本書では、幕末の開国から昭和の敗戦に至る歴史を検証、再認識するべきであることを説いている。
そして、著者が大学1年生を対象に行っていた読書ゼミで、「日本はどういう国と思いますか?」と尋ねると、多くの学生が「明治、大正、昭和戦前は、帝国主義、軍国主義、植民地主義にひた走り、アジア各国を侵略した恥ずべき国。江戸時代には士農工商の身分制度、男尊女卑、自由も平等も民主主義もなく、庶民が虐げられていた恥ずかしい国。・・・」と答えていたという「日本」の、著者の調べる限りの近現代史を詳しく解説している。具体的には、明治初期に日本を訪れた欧米人が見た日本人の生活と社会、南京大虐殺の真偽、第二次大戦開戦に至った経緯、原爆投下の目的、東京裁判の正統性、第二次大戦後の米国による日本統治の最大の意図などが取り上げられている。
英国の歴史家E.H.カーは、歴史学の古典とも言える『歴史とは何か』の中で、1.歴史上の事実は純粋に存在するものではなく、常に記録者の意図を通して描かれるものであること、2.歴史とは、ある時代が他の時代のうちで注目に値すると考えたものの記録であること、3.歴史とは、多くの原因結果の連鎖の中から、歴史家が有意味と考える因果の連鎖を取り出したものであること、を述べているが、まさに我々多くの日本人が知る日本の近現代史は、ある大きな意図のもとに描かれたものとも言えるのである。
本書で著者も述べているように、郷土愛・祖国愛(nationalismではなくpatriotismである)を持たない人間は、世界どこへ行っても尊敬はおろか信頼さえされないし、他国の同じような人々の気持ちも理解できないものである。
真の郷土愛・祖国愛を取り戻すために、是非一読したい書である。
(2011年4月了)

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2016年01月16日

Posted by ブクログ

日本の本当の歴史が分かる一冊。

学校で学んだ内容とは全然違った。
間違った教育に洗脳されてる人が多いなと感じた。

日本人としての誇りを取り戻したい方、必読。

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2015年10月19日

Posted by ブクログ

久々に心に響くいい本を読んだ。
日本人としての誇り、自信、やる気が湧き上がってくる。

家族愛、故郷愛、祖国愛があってはじめて人間の根幹が形成され、人類愛に繋がる。自分は家族、故郷、祖国を心からちゃんと愛せているか、自分に問いなおしたいと思った。

惻隠、和の尊重。日本人が世界に誇れるこの精神は個人主義の欧米に染まってしまうのはもったいない。確かにビジネスの世界などではそういう思想に立たないと世界においていかれることはリスクだしグローバルスタンダードに乗り遅れないようにする必要はあるが、日本人はどこか欧米的なこと新しいことですごいこと、日本的なことは古くてダサいことと考えてしまう風潮がある。
今こそ日本人らしさを見つめ直し、その素晴らしい思想、精神を大切にしていくべきだと思った。
開国後に日本にきた西洋人がみんな一様に「日本は貧しい。ただ日本人は幸せそうだ。」と言ったこと。震災の混乱の中でも秩序を乱さずみんなで譲り合って助け合えたこと。どんぐりの背比べと言われるかもしれないが中流階級が国民の大半でほとんどの人が不自由なく生活出来てること。
日本は素晴らしい。

家族、親戚、近所付き合いを重んじるうちの実家についてどこか古臭いと感じ都会的なドライな生活が現代のスタイルだと心のどこかで思ってしまっていたことは思い直したいと思う。
うちの実家のある故郷は、平均所得は決して高くないが、共働き率1位で幸福度1位であることが自分の考えの浅はかさを物語っている気がした。

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2013年11月06日

Posted by ブクログ

『国家の品格』でおなじみの藤原正彦氏による、戦中戦後史を通じていかに日本人が祖国への誇りを解体されて来たかを検証する良書。

現代日本の抱える漠然とした閉塞感が「誇り」を基軸として言語化されている点に強く共感し、問題意識はありながら具体的方策が見出せていなかった自身の思考の整理にも非常に役立った。
本書内で「自国の国益の為なら他国はどうでも良いナショナリズム」と「郷土愛としてのパトリオティズム」は明確に区別して主張されており、本書を「軍国主義的」「右翼的」と断じて排してしまうことは余りに惜しい。

現在の苦境を日本が乗り越えて行く為にも、ぜひ読んで欲しい一冊。

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2013年11月06日

Posted by ブクログ

久しぶりの藤原正彦氏の一冊。今停滞している日本が昔の良き日本に戻るためには、明治からの100年戦争を経てGHQと日教組に骨抜きにされた現状を打破できない。そのためには、真の独立国家になり、愛する自国を取り戻すしかない。個の重要視の限界⇒和を持って尊しとなす。憲法改正。自国による防衛。誇れる日本。

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2013年09月04日

Posted by ブクログ

日本の歴史観が、変わった。これまでの近代史の中で、突っ抱えてきたわだかまりのようなものが、取れた気がした。欧米に仕込まれた百年戦争にまだピリオドがうたれていない。ピリオドを打つための大きな1手は、日本国憲法の日本人による作り直しと米軍基地の排除だと思った。
著者の歴史観は、我流と謙遜するが、奥が深い

160718
再読
日本は、今大きな節目に立たされている。
昔に持っていた日本人の誇りや美意識の回復の為、戦後植え付けられた「罪意識扶植計画」からの脱却し、欧米特にアメリカの二枚舌を見抜き、日本の主体を取り戻すことが重要である。
平和憲法を維持しつつ、アメリカからの独立意識となる憲法改正が必要である。

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2016年07月17日

Posted by ブクログ

本書は、日本人の誇りと銘打っているだけあって東京裁判の不当性や中国の卑劣な行為、アメリカの押し付け憲法、またGHQによる戦後日本弱体化などを解説した上で痛烈に批判しています。

ただ、筆者はその上で日本の満州での行い、また大アジア主義から大東亜共栄圏への考え方の転向(列強帝国思想)など日本の過ちについてもしっかり指摘しているいわば右寄りの中道とも言って良い内容になっております。

排日政策、原料輸入禁止、アメリカによりどんどん追い込まれていく中、やむにやまれず太平洋戦争に突入していく日本。筆者も述べていたが、当時の環境を考えると、どう足掻いても戦争を回避することは出来なかったと考えると暗澹たる気持ちになりました。

ペリー来航から始まり、GHQ統治終了までの百年戦争。日本は、よく頑張ったと思う。
日本に生まれて良かった。そう思える一冊です。

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2024年11月23日

Posted by ブクログ

「国家の品格」に続き、素晴らしい本を書いてくれました。全8章の内容は、前半4章を中学2年の課題図書に、後半4章を中学3年の課題図書と指定して欲しいくらいですが、きっと日教組は嫌がるだろうな。
本書は、近代日本の歴史がコンパクトにまとめられており、歴史を俯瞰する1つの見方や立場を多感な年齢で考えることに意義がある。例えば、最近流行りの国際交流の場で反日教育を受けた連中から一方的に攻撃されて、日本人として何も言い返せないのでは困る。そうした公平で正しい基本知識を身につけて欲しいという願いを込めて。
以下、本書のエッセンスを書き記す。
・「中国は美人を見たら自分の妻だと平気で主張する国」李登輝
・アメリカの年次改革要望書は露骨な日本への内政干渉
・戦後、社会や国家に尽くすという美徳は、公を否定し個を称揚しようとするGHQと日教組が育てたものですが、これを変えようとする者はマスコミから軍国主義者のレッテルを貼られる
・物理や数学の公式は、美しい=正しい。「真、善、美は同じ一つのものの3つの側面にすぎない」マイケル・ワイル
・古来より日本は他国の新しい文明を日本人の持つ美意識をベースに取捨選択し、自分達の文明と融合させながら進化と洗練を繰り返してきた
・中国、韓国、北朝鮮のみが戦後ケジメのついた戦争を蒸し返し謝罪を要求し、おバカでお人好しの日本人リーダーがそれを受け入れ、それ以後毎回謝罪させられるも友好どころか外交カードとして無限に利用されるハメに
・米国のWGIP(罪意識扶植計画)は、原爆や無差別爆撃などの戦争犯罪を、日本の軍国主義者の責任に転嫁するために行われた。またその協力者には就職口を世話し出世させ、その結果日本の言論中枢から保守層が見事に消えた
・日本がポツダム宣言を受け入れないために米国が原爆投下を決断したことになっているが、ポツダム宣言発表以前にトルーマン大統領が投下命令を出していたのが歴史的事実
・さらに、大統領の周りから「日本はすでに敗北しており原爆は不必要」という進言には耳を貸さず、当初ポツダム宣言草案にあった「国体維持」の言葉を削除させて日本がすぐ受諾しないよう時間を稼ぐ周到さ
・真珠湾攻撃を宣戦布告の無い恥ずべき行為と糾弾し続けるアメリカは、己のベトナム戦争やアフガニスタン戦争、イラク戦争でも宣戦布告をしていない
・日本の愛国心が英語ではナショナリズム(国家主義)と訳されるが、パトリオティズム(祖国愛)と訂正すべき
・東京裁判が戦勝国による欺瞞なのは、日本の民間人を虐殺した原爆や無差別爆撃は『戦争犯罪』として不問に付され、ソ連が日ソ不可侵条約を無視し満洲に侵入し民間人を虐殺、降伏後も60万人以上の日本人をシベリアで強制労働させたことも不問という理不尽
・さらに、禁じ手である事後法を使ってまで「人道に対する罪」を過去に遡って適用、ブレイニー弁護人の「原爆投下という空前の残虐行為を犯した国の人間に、この法廷の被告を裁く資格があるのか」は発言と同時に会議通訳が中止されたため日本人は知ることが出来なかった
・敗戦国の悲劇は日本だけではなく、ソ連がポーランド人4,400名をカチンの森で銃殺したのを長らくナチスドイツの仕業だと喧伝
・中国への日本人の萎縮はでっち上げられた「南京大虐殺」にあるので、もういい加減事実に基づききちんと白黒つけるべき
◇◇◇ここまでが第4章までの内容◇◇◇
・「韓国併合は合法。当時の韓国は文明の成熟度を有さなかったため、国際法上違法とはならない」ジェームズ・クロフォード
・16世紀以後の世界史の半分は、恥ずべき人種差別に基づく残虐非道な侵略史だったのにもかかわらず、自存自衛のために帝国主義に遅れて参加した日本だけが、批難された。日本が侵略国なら欧米列強も間違いなく侵略の大先輩です。ここで大切なのは、現代の価値観だけで過去を判断してはいけない、ということ。人間も国家もその時代の価値観で生きるしかないからです。
・1919年のパリ講和会議で、日本は人種差別撤廃を提案し、賛成11対反対5で可決されそうになったが、議長のウィルソン大統領が全会一致を主張して廃案に
・日露戦争の勝利は、欧米列強に植民地化され抑圧され有色人種の民族自決への希望の光だった
・世界恐慌で、列強のブロック経済化という排他的政策により日本の輸出が締め出され、食糧不足で貧農では娘の身売りが横行した状況では、日本人が生きるために満洲に新しい市場を求めざるを得なかった。そして、コミンテルンの謀略により日中戦争となり、アメリカの謀略により日米対戦へと泥沼の道へと突き進む。
・戦争による大破滅を経験した日本だが、歴史家クリストファー・ソーンは「日本は敗北したとはいえ、アジアにおける西欧帝国の終焉を早めた」の言葉通り、結果的には白人のアジア侵略を止め、帝国主義、植民地主義さらには人種差別にも終止符を打つという偉業を成し遂げた。
こうしたことは学校では誰も教えてくれませんが…

今も米国にNoと言えない日本、さらに中国に対しても譲歩の連続。一方では国を守るべき官僚や国会議員が自己保身と利益誘導の権化となっている状況を見れば戦後日本人が失ったものはとてつもなく大きく、将来日本を背負う若者に一刻も早く正しい歴史を学び独立気概と愛国心(祖国愛)を醸成してもらうべき緊急事態です。
冒頭あえて2学年に分けて課題図書としたのは、早いうちに学ぶべきとはいえ、中学生にとっては覚える大事な事柄が多いためです。

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2024年05月19日

Posted by ブクログ

日本に植え付けられた「敗戦国観」を拭い去り、本来の日本人の誇りを取り戻せ、といったところ。
これを読んで、
「でも戦時中の日本人は…」とか「やっぱり真摯に反省すべきでは」とか思っちゃう人は戦後日教組の歴史観にのまれちゃってるのか…。悩ましいところだけど、でも大東亜戦争(あえて使う)開戦に至る米英の思惑や東京裁判の欺瞞もよく分かった。やはり日本人として知っておくべきこと。日本人だけが素晴らしいわけは決してないけれど、今のままでいいはずはないんだ、やっぱり。

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2021年07月23日

Posted by ブクログ

太平洋戦争の評価について、詳しい見解が述べられていますが、総括では今の日本人が改めて認識すべき事が書かれていました

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2021年05月18日

Posted by ブクログ

国家の品格からの流れの本と感じた。

ペリー来航からの100年戦争について書いてある。その中で太平洋戦争後のGHQや日教組などの働きで日本人が自分達に誇りを持てなくなっていることに警鐘を鳴らされている。

自分の国に誇りを持てなくなったら寂しい限りだが、自分を振り返っても思惑通りに戦争当時の日本に対して恥じるところを持っていたと感じる。

自分達の子供達にも日本に誇りを持ってもらいたいし、日本人であることに自信を持ってもらいたいと改めて感じた。

何も恥じることはない。中国や韓国の言いがかりに近いことを真に受けていてはダメだ。よっぽど彼らの方が、当時のことを言いながら、恥ずべく事をやっている。

同じ土俵に立つまでもない。堂々と日本人である事を主張していこう。

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2020年07月15日

Posted by ブクログ

<本の紹介>
危機に立たされた日本は、今こそ「自立」と「誇り」を回復するために何をすべきなのか? 『国家の品格』の著者による渾身の提言。

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2020年01月07日

Posted by ブクログ



現代の価値観で過去をはかって計ってはいかんな。
日本近現代史における戦争を考える際、ペリー来航の1853年から米軍の占領が公式に終わるサンフランシスコ講和条約発効の1952年までを百年戦争とする。
四隻の黒船から、日本が曲がりなりにも自力で歩き始めるまでを百年戦争とみる、か。
しかし、拗らせ始めたのは日露戦争後ではなかろうか。
日本は平安時代には350年、江戸時代には250年間の完全平和を貫くという偉業をなしている。
戦争は決して褒められたものではないが、日本の百年戦争によって、アジアを食い物にしてきた白人勢力に小さな島国日本が果敢に立ち向かう勇姿を見て近隣アジア諸国は奮い立ったのも事実。
1941年にはアジアの独立国は日本、タイ、ネパールの三国、アフリカではエチオピア、リベリア、南ア連邦の三国しかなかったが、その11年後、百年戦争が終わる時点では計100ヶ国を超える。
戦後GHQによる刷り込み、教育で日本はまんまとはまってしまったな。個性、個性の個人の尊重というまやかしに。令和の今でも、しっかり根付いている。
タイトルだけだと、かなり右寄りなのかと思ったが、読んで良かった。こういう視線や視点が大事だな。
江戸、明治期の外国人による日本見聞記を読んでいて、正に日本の良さってのはこれだと痛感。

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2019年07月13日

Posted by ブクログ

歴史的背景をよく捉えた一冊だと思います。
いまの歴史の教育からは絶対に読み取れないことがいろいろ書かれています。何処まで何を信じるかは自分で考えないと意味がない。

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2019年06月12日

Posted by ブクログ

前作の「国家の品格」に比べて右寄りの内容だが、感情的ではなく正論。テレビや新聞ではメディア操作により、「反安倍内閣」「安保関連法案反対」思想を押し付けられているが、公平な報道を求めたい。藤原氏の言わんとしていることは自虐的歴史観の脱却であり、広い視野で考えることが大切と思われる。

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2019年01月31日

Posted by ブクログ

日本は,先の大戦で,酷いことをした国だとのみ思っている人には,それだけでない見方を示してくれる点で,是非,読んでいただきたい本です。

著者は,日本人が昔,有していた心を取り戻すことが,日本で起きている様々な問題を解決する手段だと述べます。
その主張に異存はありませんが,具体的にはどうしたらよいのでしょうか。
この本を読んで,このような考え方があるということを知ることも,1つの手段でしょうが,それだけでは,問題解決は難しいであろうと思います。

日本人の誇りを取り戻すための具体的な方策について,機会があれば著者の考えをうかがいたいです。

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2018年11月15日

Posted by ブクログ

明治から戦後にかけての歴史を振り返りながら、日本の美徳について書かれた本。著者の発言は正しいと思う。真実をわかりやすく述べている。私にとって新しい発見は少なかったが、多くの人が読むべき本だと思った。印象的な箇所を記す。
「国家が謝罪するなどということは、私の知る限り日本だけです。それは自国の立場を弱くし、自国への誇りを傷つけるからです。そしてなにより、もはや弁護できない私たちの父祖を否定し冒涜することになるからです」p54
「(戦後の言論統制について)終戦のずっと以前から練りに練っていたウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(WGIP:戦争についての罪の意識を植え付ける宣伝計画)に基づいたものでした。自由と民主主義の旗手を自任するアメリカが、戦争責任の一切を日本とりわけ軍部にかぶせるため、日本人の言論の自由を封殺するという挙に出たのです」p66
「国際法は当時、文明国相互の間にのみ適用されるものであり、この国際法を適用するまでの文明の成熟度を有さない国家には適用されなかった。韓国併合は英米をはじめとする列強に認められている以上、違法とは言えない」p135
「(米国で)黒人に普通選挙権が与えられたのは1965年です。私がアメリカに渡った1972年になっても、長距離バスでは自然に白人が前、黒人が後ろとなっていました」p181
「アメリカでは1830年代にジャクソン大統領が議会で「インディアンは白人と共存し得ない。野蛮人で劣等民族のインディアンはすべて滅ぼされるべきである」と演説しました。40年代には「マニフェスト・デスティニー(明白なる天命)」というスローガンが生まれました。インディアンを虐殺し、黒人を奴隷化しながら白人種が西部開拓を押し進めることを正当化したものです」p187
「(大東亜戦争)開戦の翌日、作家伊藤整は日記にこう書いています「今日は人々みな喜色ありて明るい。昨日とまるで違う」 左翼文芸評論家の青野季吉までが「じつに四海波静かと云ひたい明らけき日。天地もまた、この戦勝の新年を歓呼するが如し。日本は神国なりと云ふ感が強い」と日記に書きました」p208
「(重光葵)コミンテルンの政策は、日本のソ連に対する力を減殺せんがために、日支の衝突を誘起し、日本の北進を転換して南進せしめ、更に日米の戦争に導くことにあった」

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2018年11月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日本の歴史をもとに、日本人が日本人としてのサムライ魂を失った原因を探る本書。

正直言って、ここまで踏み込んだ歴史解説本は初めて。

GHQが日本を洗脳したとか、南京大虐殺の真実、政府が隠しそうな事実をこれでもかと言うぐらい論じるなんて、作者は勇気があるなぁと思った。

本書の内容が嘘か真にせよ、日本人は自分らの歴史観が正しいと信じている。

だが果たして、僕たちが知る歴史は真実なのだろうか?

歴史の教科書に書かれていることが、本当に事実だと断言できるだろうか?

いずれにしろ、政府が隠蔽するほど歴史は闇が深く、複雑怪奇なものだ。

日本人の認識と思想の過ちを再認識するためにも、本書は一種の革命に足る威力を秘めている。

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2018年09月10日

Posted by ブクログ


「日本は酷いことをした国なのだ」と卑下している日本人に、
「自信を取り戻してほしい!」と願う著者により書かれた作品。

全体の半分以上を占める歴史記述については、
現代の歴史教育では知ることができない「百年戦争史観」が 比較的読みやすくまとめられていて、
確かに“勇気のあるおっちょこちょいの無鉄砲な数学者”による良書だと思えます。

が、結論がやや中途半端(拙速?)な感じなのが残念。

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2018年01月02日

Posted by ブクログ

『国家の品格』を書いた著者による、太平洋戦争前後の日本史。

これを右寄りと見る向きはあるだろうが、愛国心はどこの国の人にも存在するものだし、何より正しい歴史を学ぶ姿勢は必要だと感じた。

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2015年10月21日

Posted by ブクログ

戦後生まれはそんなに自虐的かな?中学の時ABCD包囲網は教わっているし、ベトナム戦争反対の声は挙げた。右の人たちに利用されなければいいが。

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2016年12月04日

Posted by ブクログ

歴史の先生が言っていた。
「日本、アメリカになっちゃえばいいと思わない?アメリカ合衆国ジャパン州、どうよ?」
この発言の適不適はさておき、私含め生徒たちはなんだか背筋がぞわっとして、なに言ってんだこの人はと思った。

この本を読んでいて思い出したのはそんな昔のことで、あれはかの先生なりの、戦後日本への問題提起だったのだと気づかされる。

『国家の品格』でもたしか書いてあった、ナショナリズムとパトリオティズムの違い。知ったときは本当に目から鱗だった。
祖国愛は持ちたいもの。というか持つべきもの。本当に心からそう思う。
それでも持っているだけではダメで、愛とともに、盲信ではない自信を持って進まなければならないのだと感じる。

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2014年06月02日

Posted by ブクログ

数学者による日本の歴史の振り返り。決して自虐することなく強く尊い日本人の精神を呼び覚ますことが目的なのでしょう。歴史学者が書くと論議を呼びそうなこの内容を、不世出の天才である数学者が著すとこうなるのだな、と。絶賛している人のラインナップを見ると右寄りなのかとか思ったけど、そこはやはり中立に書いているから共感を呼ぶのでしょう。教科書にはこういう内容を載せてほしいなと思う次第。

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2013年09月07日

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戦前戦後の歴史的記述が多く、なかなか読み進める事ができませんでした。自分の知識の無さに、もっと近現代史を勉強しなければと思いました。著者は、右寄りな感じで、共感できない部分も多少はありましたが、日本人が誇りとしてきた「個より公、金より徳、競争より和」を重んじる精神性には多いに賛成です。

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2023年05月19日

Posted by ブクログ

この本は、もしくはこの本の前の?国家の品格は、なんとなく避けていた部分があった。
なぜかというと、なんだか日本とか国とかを熱く語って外国排除を高く掲げていて、思想的な偏りがすごいんだろうな(だから読んだらうんざりするんだろうな)と。そして、今回この本を読んでみると、何が正しいのか分からなくなってしまったという意味で、視点が一つ増えたと思う。
南京事件のこととか、頭から「日本が南京で虐殺を行ったのは歴史上の事実であり、戦時中とはいえ日本はしてはいけないことをしてしまった」と認識していたので、それが捏造の可能性(あえて可能性と書く)があるなんてそうなの!?ってビックリでした。もっと本を読まなくちゃダメだなーと思う。この歳にして世の中のこと歴史のこと、知らないことが多すぎる。
それにしても、「流れる星は生きている」(藤原ていさん)の小さな3歳4歳の「正彦ちゃん」が、日本に帰る時に川の中を引きずられながら、寒さで紫色になって死んでしまいそうになったりした場面を読んだ後なので、あの正彦ちゃんがずいぶんずいぶん立派になったなーーと、ふと映画でもみているような感覚。

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2019年01月08日

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「真、善、美は同じ一つのもの」というのは万物の本質を突いた恐るべき指摘なのです。美しいものを目指すことが万事において真へ達する道であり善に到達する道なのです 明治10年に動物学者として東大のお雇い教授となり大森貝塚を発掘したアメリカ人モースも、「貧乏人は存在するが貧困は存在しない」と言ったのです 主権国家というものは、戦争で降伏し賠償金を払っても、謝罪という心情表明はしないものです。それは自国の立場を弱くし、自国への誇りを傷つけるからです 

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2015年12月02日

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