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Posted by ブクログ
本作品は、上野瞭さんの名作長編小説(1982年発行)で、宮部みゆきさんが「児童文学の極北」と紹介しています。1984年に人形劇としてNHKで放送、最近舞台化にもなっているようです。
本書は2023年に発行された三分冊の新装版。3冊並べると1枚の絵が完成する町田尚子さんの装丁画が魅力的です。
さて上巻(はじまりの巻)です。記憶喪失のヨゴロウザが、猫の集落「ナナツカマツカ」に辿り着くところから始まります。理想を掲げる片目に拾われて相棒となり、勝手気ままに暮らす猫集団のリーダーに祭り上げられていきます。
ヨゴロウザは思慮深く、リーダーは必然だったのか? 仕向けた片目は何者なのか? 記憶喪 -
Posted by ブクログ
ネタバレ良心の呵責というものについて、こんなにも深く考えさせられたことはない。
戦時中の医療現場という、自分には縁もゆかりもない世界なのに、まったく他人事とは思えなかった。
とにかく物語への没入のさせ方が巧妙だった。
プロローグでは読者の立場に近い、平凡な名無し男の視点から風変わりな開業医・勝呂を描き、第一章では勝呂の視点から事件に至るまでの経緯を描き、第二章ではとある看護師と、勝呂の同僚・戸田の過去を深掘りし、最終章ではそれらのピースが全て繋がって、全員が同じ禁忌の場に居合わせる。
それぞれのチャプターで、全く異なる切り口から善悪や良心、正しさとは何かを訴えかけてくる。
とりわけ第二章の戸田の子ども -
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Posted by ブクログ
小学校四年生のツンちゃんが大好きなルーちゃんと過ごす一週間のお話。
ルーちゃんはママの妹。大人だけど遊び心を忘れないすごく素敵な人で、主人公のつんちゃんはルーちゃんが大好き。絵かきのルーちゃんは絵を描きながらいろんなお話をしてくれます。
挿絵はそれほど多くなくて文字が多め。語りも落ち着いているので、小学校中高年向けかな。
以下、少しネタバレあり。
ルーちゃんは、つんちゃんが学校で感じたモヤモヤを別の視点に転換するようなお話を毎回してくれます。それがとってもすてきなの。つんちゃんがいうように他の子の「かたをもつ話」ばかりかもしれないけど…やっぱりすてき。楽しくなるお話ばかりだけれど中には『 -
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