加納朋子のレビュー一覧

  • 七人の敵がいる

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    ネタバレ

    4.5

    仕事のできる主人公。だけど立ち回りが下手なところがいいキャラしてます。
    続きが気になってサクサク読めました。

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    2024年01月17日
  • モノレールねこ

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    ある日サトルの家にやってきた一匹の太った野良ネコ。家の中の狼藉に母親に嫌われてしまい、遠くに捨てに行ったが、しばらくするとまた近所で見かけるようになる。それも首輪をして。ある日サトルはネコの首輪に紙をはさみ、飼い主と思われる人物と文通を始める。

    加納朋子の、ちょっと不思議なファンタジー短編集である。てっきり猫の長編だと思っていたので、かなり短く終わってしまった表題作にあらら?と感じたのは事実。

    その後、加納朋子らしい幽霊に関する話を数本、終盤は人間(ダメな成人男性)の話が数本、ザリガニである。

    全体に、主人公のうまく行かない人間関係を、エクストラで出てくる動物であったりロボットであったり幽霊が、空気を読まずに引っ掻き回して解決するというような話である。空気を読まないのがポイント。

    いくつかの作品は、ショートショートという雰囲気であるが、星新一というよりO・ヘンリーみたいだよなあと思っていたら、そのまんまの話が1本出てきた。

    変な教訓めかして大人が子供に進めそうな話が多いが、教訓など考えずにサラッと読んでよい作品群である。軽やかで爽やかな一冊である。

    加納朋子及び電子書籍の初心者におすすめしたい。

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    2023年12月12日
  • ななつのこ

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     加納朋子さん作品7冊目にして『ななつのこ』。偶然ながらいい巡り合わせ! 本作は、92年刊行の加納さんデビュー作で、7篇の連作短編集です。

     主人公は短大生の駒子。偶然一目惚れし、手にした本『ななつのこ』。その本の主人公は<はやて>という男の子で、日常の不思議な出来事の謎を、<あやめさん>という女性が解き明かしてくれます。

     駒子は『ななつのこ』著者の佐伯綾乃へファンレターを書きます。第一話を読んだ感想に、思い出した出来事を添えて‥。すると、駒子の周囲で起こる小さな事件の謎を、新たな視点を加え鮮やかに解いてくれる返事が返ってきたのでした。

     駒子と綾乃、作中のはやてとあやめさん、この謎解きの二重構造的な発想が面白いです。
     一編一編が、作中童話からくる詩情と郷愁にあふれ、日常の小さいけれど大事な謎に輝きを与えている点が素晴らしいと感じました。
     作中の綾乃が駒子を評して、「つまらない既成概念や価値観や常識を、控えめに、けれどあっさりと否定してしまう」‥。まさに、加納朋子さん自身の真摯な物語づくりの姿勢ではないでしょうか?

     7つの短編が、それぞれが独立しているようで、最後に意外なつながりを見せてくれる、清々しい作品でした。

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    2023年11月17日
  • いつかの岸辺に跳ねていく

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    素敵なお話だった!
    護視点の最初のパートが好きすぎた。書き方も面白くて、クスッと笑えるところもあって、全く退屈しなかった。
    今時あんなに純粋で優しくて頼れる少年→男子→男性がいるのだろうか。いてほしい。

    徹子視点は私的にはそれほどビックリする展開ではなかったけど、終盤の弥子ちゃんのセリフで泣いて、最後は号泣。

    あるシーンでは自分の20代の頃を思い出して懐かしかった笑

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    2023年11月09日
  • いつかの岸辺に跳ねていく

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    ネタバレ

     加納氏の本を読んだのは2作目です。「カーテンコール」がおもしろかったので、読むことにしました。評価の高かった本作を読みましたが、前半は、護と徹子という幼なじみの話が続きます。徹子が恋の対象になるわけでもなく、これといって大きな事件が起こるのでもないので、なぜ、この本が高評価なのか、疑問を持つと同時に、退屈な気持ちで読み進めました。
     しかし、後半の2章に入ると、気持ちは一変し、徹子の「持って生まれた特性」故に、思い、悩み、苦しむ彼女に対し、幸せを願わずにいられなくなりました。
     冷酷で、悪魔の中の悪魔のような堅利の登場。心をかき乱され、あっと驚く展開が待っていました。
     それにしても、堅利のインパクトが、私には強烈に残りました。ギリシャ神話になぞらえられている場面もあり、加納氏の教養の高さがうかがえました。私は、作家を心の底から尊敬します。

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    2023年10月22日
  • 二百十番館にようこそ

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    登場人物が皆優しくてしなやかで,心温まる物語。
    ニートと自分を卑下しながら,実は行動力もあるし,コミュニティを作り,生活の基盤もしっかりさせて職まで得ていく主人公。
    ニートの子どもを捨てる(と見せる)親たちの深い愛情にも泣かされた。
    オンラインゲームを通したコミュニケーションがうまく描かれていると思う。

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    2023年10月19日
  • 少年少女飛行倶楽部

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     中学に入学したばかりの佐田みづき(あだ名は、色々あって「くーちゃん」)は、ひょんなことから「飛行クラブ」に入部してしまう。

    一、「自分自身が」飛行することを旨とする。
    二、「落下」は「飛行」ではない。
    三、航空機等での飛行は除外される。
    四、究極的には、ピーターパンの飛行を理想とする。

    これが飛行クラブの活動趣旨である。解説(金原瑞人さん)を先に読んでみたら冒頭にこう書いてあって、「この本を読もう」と決めた。
     だって、どうなってしまうのか気になる。成績ビリの子が東大合格目指すとか、寄せ集めのメンバーで箱根駅伝に出るとか、そういうのはまだなんかどうにか頑張って達成するという感動ストーリーが思い描けなくもないが、ファンタジーでもないのに「ピーターパンの飛行が理想」なんていうとんでもないゴール設定をしてしまって、いったいどういう結末を用意しているのか?
     もうひとつ、青春ものが読みたい気分だったというのもある。ここのところ、裏染天馬(高校生)→KZ(小六)と十代の子たちが活躍する小説を読むことが続いたから、この波に乗って中学生の部活ストーリーもいいなと思ったのだ。

     果たして読んでみて、大満足。気軽にサクサク読めて面白かった。しっかりものの主人公くーちゃんがクセの強い面々に振り回され全方位にツッコミを入れながらあらゆる物事を回していく。ツッコミキャラとかキレキャラでしかも仕事のできるタイプというのは、一歩間違うとウザキャラになりかねないが、くーちゃんはそうならない。うまく説明できないが、はっきりいって私の大好きなとある友人を彷彿とさせ、ああなんだか彼女っぽい…と思いながら読んだ。くーちゃんを取り巻く女の子友情パートも読み応えあった。
     でも一番見ていて面白かったのは二年生で部長の斎藤神(じん)くんかもしれない。色々とコミュニケーション面の問題点はあるが、「部活は全員強制参加、活動内容が内申書にも響く」という学校の窮屈な制度のなか、既存の部活全てに否を突きつけ自分の夢を実現するためにクラブを創設、クラブと認められるための規定の部員数(五人)に満たないまま泰然と一人本を読みながら一年間過ごし切ったこの強さ。序盤のうちは「なんだこの人ぜったいありえん」という印象だったのに、いつの間にか評価爆上がり、青春部活マジックを擬似体験してしまったかもしれない。いや、加納朋子さんマジックなのかな。
     どんな結末が待っていたかは…読んでみてのお楽しみ。

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    2023年10月13日
  • 月曜日の水玉模様

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    再読。面白かった。悲しいことに、この作品もだいぶ前に読んで内容は覚えてなかった。

    片桐陶子と萩広海のコンビが最高。陶子の鋭い観察力と、どこか抜けてるけど仕事は出来る調査員の萩が、身近に起こる事件を解決していく。伏線がいっぱいあって気が抜けない。最後にあーそういう事か、となる。加納朋子さんの作品は"最後でやられた"となるのが多い。

    この作品は20年以上前に書かれたもの。20年前の男女不平等問題、女性の社会進出の事が書かれてて、う〜んとなってしまった。男性と同じぐらい働いてても女性の給料は男性より少ない、女性が社会進出するのはあまり好まれない事など。20年経って少しは改善されてると思うけど、あまり変わってない気もする…。

    陶子と萩がいい感じになって終わった。ほっこりする。萩くん、もうひと押しだ。がんばれ。
    陶子が登場する他の作品『レインレイン・ボウ』もまた再読したい。

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    2023年06月20日
  • てるてるあした

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    ネタバレ

    ささらシリーズ2
    テレビドラマ化されている

    四角に秘められた哀しい話 そして名前
    かつて 確かに子供だった親たちへ向けた作品でもあるのだろう

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    2023年05月29日
  • スペース

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    『ななつのこ』『魔法飛行』に続く〈駒子〉シリーズ第三弾。今回は中編二本の前後編によるラブ・ストーリー。

    前作から少し時間が空いてからの刊行のせいもあるのか、三作目にしてさらに趣向を変えてきた。駒子と瀬尾さんの関係がどうなっていくのか?が気になりつつ、まったく別視点の物語が描かれていく。前半の手紙の部分が読みにくく、「何を読まされているんだろう?」となったのだが、他のレビューをみると多くの人が同じ感想を抱いたようだ。さらに、出来すぎた偶然が重なるのがやりすぎに思え、ミステリーとしての驚きはあるものの、今ひとつスッキリしないところはある。しかし読後感はほっこり、ラブ・ストーリーとしての完成度は高い。
    単体の作品としては前作に劣るが、シリーズものとして考えると重要な通過点に思える。ぜひとも完結編を望むところだけれども、いかんせん一作目が30年前だし望み薄か……(泣)。

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    2023年05月13日
  • いつかの岸辺に跳ねていく

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    重たい本を読んだ後にはうってつけの水戸黄門!!

    うーん、この本はスカっとした後味。
    そしてとても心がホカホカと温かくなる(^^)

    前半は護目線。
    俺の幼馴染の徹子は変わり者。道端で突然見知らぬ人に抱きついたり、俺が交通事故で入院した時、夜中にも関わらず枕元で泣いて謝ったり。


    うーん、もうこの時点で、この本はファンタジー的なノリかなぁ??と感じられる(笑)

    しかし護くんは好感触。素敵な子だなぁという印象。

    さて、突然話が変わったと思ったら、後半は徹子目線。
    これまでの不可解な行動が明らかにされていく。。。

    ちゃんと気持ちよく伏線が回収され、落ち着くところに見事に着地(^^)

    実に清々しい!


    日本人ってやっぱり水戸黄門が好きだよね!
    こうい小説は文句なしにスッキリする(^^)

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    2023年04月18日
  • いつかの岸辺に跳ねていく

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    いい意味で思っていた内容と違った。
    2度楽しめる小説。
    初めは少し変わった幼なじみとの日常かと思い退屈するかと思ったがすぐに物語に引き込まれ、早く次のページを読みたいと思えた。
    "先のことなんて誰でも視えるようになる、今の生き方で変わる"
    以前の私は先のことばかり考えて不安になり、未来のためにと思って自分の可能性を狭めて窮屈な日常を送っていた。
    だがある時から、いつ死ぬか分からないのだから、わがままに自分に甘く楽しもうと思って生きようと決めてからすごく前向きになれた。
    別の作品だが、『幸せとは自分の意思で判断して生きること』を忘れないようにしている。
    今この瞬間に読んでよかったと思える作品だった。

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    2023年02月27日
  • 月曜日の水玉模様

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    陶子さんと萩くんの関係性が心地よかった。
    表題作が一番好きだった。
    読みやすくてまた読みたくなる作品でした。

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    2023年01月26日
  • ななつのこものがたり

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    はやと君が夜寝る前にお母さんが昔々つい最近の物語を聞かせてくれる話。それが大人になって忘れてた道徳心を思い出させてくれる話でした。
    (「ななつのこ」と言うのが先にあったとは知りませんでした。)

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    2023年01月24日
  • スペース

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    駒子シリーズの「ななつのこ」「魔法飛行」に続く第3作目。
    今回はロマンス要素が高めの中編2本。とはいえ、ちゃんと謎解きが入っています。是非、前2作を読んでから手に取って欲しい。そうでないと内容の説明が難しいんです(笑)
    駒子達が俯瞰的に描かれるシーンなど、加納さんの奥深さを感じました。
    ミステリマニアには少し消化不良のところがあるかもしれませんが、駒子という女性の成長譚として、楽しみながら読みました。

    文庫版解説は、光原百合さん。
    確かに、前2作への言及やネタバレ無しでの解説は難しかったと思います(笑) 光原さんらしい、丁寧で細やか、かつユーモアと愛情溢れる解説でした。
    今年、まさか光原さんの訃報に接するとは思ってもいませんでした。そのことはとても残念です。

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    2022年12月12日
  • 少年少女飛行倶楽部

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    海月と書いてミズキと読む佐田海月は、親友の樹絵理に「飛行クラブ」なる珍妙な部活に入ろうと誘われる。そのクラブは、樹絵理の一目惚れし、幽霊部員の先輩中村と、謎の気難しい男、神と書いて斎藤ジンの2人のみ。部活の内容は「空を飛ぶこと」もちろん実績はないのだ…。

    この作家、なんか失敗したよなあとずっと避けていたのだが、今検索してみたら読んでいなかった。あの角川ホラーとは違う人だったか。失礼。

    おそらく、高校生くらいを読者に想定した青春小説である。自分があるんだかないんだかという主人公、惚れっぽいが流されやすい親友、野球部を休部している人のいい先輩に、誰とでもいつも正面衝突する男、ひとこと話すと突き刺すような嫌味をいう同級生など、薄いキャラクターが強烈なキャラクターに振り回されるという構図で、非常にわかりやすい。

    主人公が中学生(表紙だと高校生に見えるよね)ということもあり、アルバイトなどの社会との接点を作れないという制約がありつつ、家庭と学校だけで最後まで書ききったのはなかなかの力技である。

    どうやって「飛行活動」を行うのか、それは書いても書かなくても同じだろうが、割愛。

    文章は正直なところ瑞々しいというところまで行かず、かなり乱暴な部分があり、4人存在した場面で誰が怒ったのかがわかりにくいなどという部分もある。

    それでも中学~高校生ぐらいならフィーリングで理解は出来るだろう。大人にはもうちょっとしがらみだの冒険だのがあったほうが良かったと思いがちだが、よく考えてみれば中学1年だぞ。しがらみや冒険なんて無理だ。

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    2022年11月29日
  • ぐるぐる猿と歌う鳥

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    大人の現実に追い込まれる子供達が、狭い世界ながら冒険をする良い小説だった。短いミステリー仕立ての面も散りばめられており、児童書を意識しているため読み易さも抜群だった。高見森をはじめ子供達がはちゃめちゃ元気で方言丸出しなのも物語を明るくしてくれていた。

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    2022年11月08日
  • アンソロジー 隠す

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    毛色の違う短編を作家の分だけ読めるお得さ。
    表のテーマである「隠す」と裏テーマでまとまるそれぞれのお話は、とても魅力に溢れていました。

    アミの会(仮)面白いかも。

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    2022年10月21日
  • 無菌病棟より愛をこめて

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     本書は、著者自身による白血病闘病記です。
     病名発覚までの経緯→化学療法→骨髄移植と、過酷な入院生活の内容は、ともすると気が重い読書体験になるかも、と思いながら読み進めました。
     ところが、意外にもそういう感覚になりませんでした。ここが著者のねらいであり、本書の肝であると思います。
     例えば、教授の他を引き連れた回診を、「大名行列」「白い巨塔」、一時退院を「仮出所」などと揶揄したり、抗癌剤による抜け毛のため、我が家の法律として「ハゲ」禁止等の言葉狩りを実施したりと、真面目で懸命な軽口がポンポン出てくるのです。また、加納さんのアニメ好きオタ主婦(自称)ぶりも垣間見え、クスッと笑える箇所満載です。
     前向きな病への姿勢は、読み手に勇気を与えてくれるはずで、当事者だからこその体験に裏打ちされた言葉の重みがあります。
     これらは、数多の病気に関する知識、全て公開している自身のデータ、あれば便利なグッズ等々、当事者の方にとっては大変参考になるであろう情報につながります。
     追記として、血縁ドナーとなった加納さんの弟によるドナー日記。〝すごい〟の一言です。冷静で詳細な記録に、「最強の弟さんですね」と言いたくなります。
     「白血病患者へのエール」に満ちあふれた、温かい闘病記でした。

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    2022年10月06日
  • てるてるあした

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    良い話だった。
    一万円選書で紹介されていたサーテンコールが無かったので手に取ったのがこの本。加納朋子さんの本はコレが初めてですがじんわりと沁みました。
    華やかさやトキメキは無いけれど人間味があり、人の痛みや弱さが描かれています。
    もちろんカーテンコールも、そして姉妹編?のささらさやもぜひ読みたいと思います。

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    2022年09月07日