加納朋子のレビュー一覧

  • 魔法飛行

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    「ななつのこ」の続編、駒子シリーズ2作目。前回と違うのは駒子が物語を書きそれを瀬尾さんが読み感想の手紙をくれること、そして差出人のわからない手紙が届くこと。4話の中で徐々に近づいてくる不穏な存在が少し不気味で怖いけど、駒子含めふみさんや愛ちゃんが明るく盛り上げてくれてるので楽しい気持ちのまま読める。交差点での交通事故や壁画、短大で出会った茜さん、学園祭、たくさんのことがきちんと繋がりとてもスッキリ。謎だけじゃなくほんのり恋の話もちらほらあり初々しくていい。蘊蓄も楽しいし続きも楽しみ。時代背景が懐かしい。

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    2024年10月29日
  • スペース

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    駒子シリーズ3作目。手紙が重要なアイテムなのはわかっているが今回は2話のうち1話は何通もの長い手紙がほとんどの「スペース」を埋めている。駒子から瀬尾さんに託された手紙と言う名の謎、よくわからないままながらも読み進めると駒子のいじらしい気持ちが見られる。2話目はその裏側、そして気になるその後にも触れている。期待した駒子の活躍はあまりなかったけど楽しかった。人の幸せってどこにあるかわからないものだ。置かれた場所で〜と言う本もあるけど自分から動き見つけ取りに行くことも大事だと思う。謎のようなあったかい恋愛もの。

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    2024年10月29日
  • ささら さや

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    これから読む人、ハンカチかハンドタオルを身近に置きましょう。
    夫を交通事故で失ったサヤは別の町でやり直そうとする。
    この町で出会う人々が良い意味で一癖二癖あり、何気ない日常のシーンにもほんのりした笑いが詰まっている。
    ゴーストになった夫が探偵役として登場する、という設定もユニークだし主人公が感情を爆発させる瞬間、読者は彼女と同じ目線になっているのだ。
    喪失を抱えたひとが自分の人生を再構築するのは並大抵の事ではない。難しい事である。でも人間にはその計り知れない力がある。そう思わせてくれる作品だ。

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    2024年09月01日
  • いつかの岸辺に跳ねていく

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    前半のフラットでは護が語り、後半のレリーフでは徹子が語る物語。

    前半のような感じでずっと話が続いていたら、ここまで引き込まれなかったかも。

    後半、徹子目線になってから、一気に全てが見えてきて、面白くなった。幼馴染みの護が、全幅の信頼をよせる徹子。ちょっと変わった行動を取ったりする理由がわかった途端、前半のレリーフにも一気に面白さを引き寄せた。

    カタリが登場してからは、どうなることやらとハラハラした。こんな人が近くにいたら、怖すぎる。だから、徹子がいろんな景色を見ながらたどり着いた場所を知ったときは、ほっとした。最後は、あっという間に時が流れてしまったけれど、護の優しさを感じるのには充分な

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    2024年08月19日
  • ななつのこものがたり

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    ネタバレ

    『ななつのこ』の再読後に、こちらは初めて読んだ。
    『ななつのこ』の作中で語られるストーリーどおりなので理解はできるのだが、あやめさんの超スピード解決が、あまりにも速すぎるのではないかと思ってしまった。謎を認識する前に解決してしまうような。
    繊細で色彩が柔らかくて可愛い挿絵がふんだんに使われていて、贅沢な一冊。
    お母さんが息子に語る構成になっていて、本来の『ななつのこ』そのままでない構成も、憎い!読めてよかった。

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    2024年08月18日
  • 1(ONE)

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    ネタバレ

    ここにきてまさかの駒子シリーズ続編。
    何年ぶり??
    「ななつのこ」から全部追ってたはずなのにほぼ記憶になく。
    駒子のキャラがおぼろげに浮かぶくらい。
    おかしいな、ささらさやシリーズは割と覚えてるんだけど。

    シリーズもの続編とはいえ、単体で十分楽しめるお話。
    駒子シリーズを知っていればより楽しめそう。
    加納さんは日常に潜む謎をミステリとして落とし込んでいくのが上手なんだけど。
    今作はミステリ要素は薄めかな。
    初っ端の先輩犬のネタばらしで思いっきりやられたけど。笑

    駒子シリーズを復習して、もう一度読もうかな。

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    2024年08月18日
  • ななつのこ

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    ネタバレ

    『ななつのこ』という本と、駒子に起こった出来事がうまくリンクしていて、なおかつ『ななつのこ』の作者が手紙でその謎を解いてみせるという構成が面白い。
    数十年ぶりに読んで、これがデビュー作だということに唸らされたが、北村薫の『空飛ぶ馬』へのリスペクトが溢れすぎていると感じてそこは気になる。

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    2024年08月16日
  • 1(ONE)

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    これ単品でも十分面白いんだけど、過去シリーズの登場人物の名前とかエピソードが随所に散りばめられているので、過去作の復習をしておけばもっと楽しめたかも。過去作を読んだのは15年ほど前だったので、全然思い出せなくて残念。

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    2024年07月15日
  • 1(ONE)

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    前書きと後書きがよかった。
    これは手紙だ、と思った。
    そもそも、ななつのこが往復書簡の形式だったと思うし、その後も駒子は大学の授業中に延々手紙を書いていたし、加納さん、手紙好きと見た。
    同類でしょう。
    ファンレター、書きたくなってしまった。
    書いたことないし、勇気もひねり出せそうにないけど。

    片っ端から本を読んで、好きな作者の言葉を丸ごと鵜呑みにする傾向は私にもある。良く言えば素直、悪く言えば単純で浅はか。加納朋子さん、親近感しか感じないよ。早速、鵜呑みにしちゃってるけど。

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    2024年07月11日
  • ななつのこ

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    主人公駒子が親しみのもてる良いキャラだ。友人たちとの会話も楽しく、「ななつのこ」の作者との文通という古風なやり取りも良い。日常ミステリだけど、ミステリというよりは、登場人物たちの会話や交流が印象に残る作品。
    全体的に優しい雰囲気があって、少しファンタジックでロマンチックなところもあって良かった。シリーズ化しているので、続きも読みたい。

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    2024年07月03日
  • 1(ONE)

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    ネタバレ

    駒子シリーズの第四弾。玲奈という女の子とゼロと言う名の犬の話、それも少しオカルトじみた感じと思いながら読んでいくと、ワンと男の子の物語に推移。男の子の名前がハヤテとわかった時点で駒子シリーズの関連性が少し出てきた。冒頭の最初に読んでいただきたい前書きに、ストレートな続きではありませんとあったので「あ~こういうこと」と勝手に思い込み読み進めると、まんま駒子シリーズだった。ほんとうにちょっとしたミステリ、ストレートすぎるほどこれ以上ないというほど駒子シリーズだった。シリーズを続けて読むとよく解る。

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    2024年06月06日
  • 1(ONE)

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    既に読んだつもりでいたけど、表紙と帯に怯んで(動物が辛い目に遭うのや別れは❌)読まずにいたらしい。
    悲しい場面はあったけど、でも読んで良かった。
    ななつのこシリーズのようだけれど、すっかりうろ覚えなのでそちらも読み返したい。

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    2024年05月23日
  • モノレールねこ

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    <再登録>猫の首輪に挟んだメモから文通がはじまる表題作はじめ、不器用で優しい8篇を収録した短編集。
    適齢期を過ぎた女性と、婚約者が忘れられない男性とその婚約者の幽霊との奇妙な偽装結婚を描いた「シンデレラの城」、死んだ子供が忘れられず毎年同じホテルに宿泊する女性を描いた「セイムタイム・ネクストイヤー」がよかった。

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    2024年05月21日
  • モノレールねこ

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    今回はミステリ色は薄めの、家族や友人との物語。
    少しダメな人達が次々と出てきますが、最後はニンマリまとまります。
    "バルタン最後の日"が出色ですが、私がオジサンのせいか、他のダメなオジサンや父親の話にかなり惹かれました(笑)

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    2024年04月25日
  • 魔法飛行

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    ネタバレ

    「ななつのこ」続編。
    1 秋、りん・りん・りん
    茜さん、とあだ名をつけた謎の女性の話。授業の出席表にいろいろな名前を使っている。彼女は誰?

    2 クロス・ロード
    ひき逃げで死んでしまった小学生の男の子。その子の父が描いた少年の絵が、骸骨の絵になってしまう話。

    3 魔法飛行
    文化祭の受付を友人の野枝としていた駒子。野枝の幼馴染が離れた場所での意思の疎通(テレパシー)をやってのける、という。子供達の協力を得て、野枝にその意思の疎通を納得させる話。

    4 ハロー・エンデバー
    1で登場した茜さんが再登場。駒子に意味深な手紙を送ってきていた人は誰なのか。その人、坂口亮は駒子とどういう関係か?



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    2024年04月21日
  • いつかの岸辺に跳ねていく

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    幼馴染みの護と徹子
    二部構成となっていて、

    前半「フラット」の章は護、後半「レリーフ」は徹子視点で語られる

    心優しいが突然不思議な行動に出る徹子
    その不思議な行動には何か謎があるんだろうと思いながら読み進め、後半の徹子視点でそれが明かされる

    とても素敵な話だった

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    2024年04月14日
  • ささら さや

    匿名

    購入済み

    サラさんは孤独だったけれど、周りの人達に愛され見守られて、もう孤独ではないですね。
    これからは強い母親になってゆくのかな。

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    2024年04月09日
  • 1(ONE)

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    当たり前の日常は時として儚くもろい。他に選択肢などないように押しつけがましくやってくる常識も、実はすぐに揺らぐ。
    そんな寄る辺ない暮らしの中、何かを大切に思う気持ち、また大切に思われることが救いになったりする。それが哀しみの種になる事さえあるが、思い自体は大事にできる。
    時を経ても変わらないものがあれば変化する物事とも折り合いをつけて何とかやっていけるかも、と思わせてくれた作品だった。

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    2024年04月07日
  • 七人の敵がいる

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    現役で小学校のPTA会長している私。仕事?フルタイム正社員のうえ副業もしてる、今風のバリキャリです。
    10年以上前の本だし…と思いつつ読んだら「わかるー!!」の連続(笑)
    私も最初はできることならやりたくない!そんな婦人会みたいなの、暇な専業主婦がやりなよと思ってました。
    でも半端に関わるくらいなら、ど真ん中にいた方が立ち回りやすいのでは?と会長に。
    そこからはもう、陽子のようにやってます。IT、外注なんでも使って効率化効率化。金で解決できることは金で解決が最善!よく思ってない人も多いよなーと思いつつ、女の園に満場一致はあり得ないので、面と向かって言ってこない輩は無視無視。

    というわけで、敵

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    2024年04月06日
  • 1(ONE)

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    昔なら普通と許されたことが、今なら非常識とされる例はたくさんある。
    「正解」は結構曖昧で、常に揺れ動く。そしてしばしば、時代とともに移り変わっていく。昔の常識は今の非常識。昔の普通は、今なら虐待。

    書物とは、人類が延々と積み上げてきた叡智の結晶だ。それを読むことで、知識を深めたものが、さらに研鑽を重ねることで、その輝きは増していく。


    ななつのこから再読したいなと思いました。

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    2024年03月09日