加納朋子のレビュー一覧
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連作小説と思っていたら、作品同士のつながりが全くわかりませんでした。それぞれのお話は、小学生から中高生の主人公の目線で語られて、軽いタッチながら、人の闇の部分も端々に見えて、確かに世の中いろんなことがあるよね、と共感。
最後の話まで読み進めると、えっ、という感じで作品の人物のつながりが見えてきて、ちょっと感動的でした。見事なトリックみたい。前の話を読み返しながら読みました。
それぞれのお話がそれだけでホッとする良いお話ですが、七つのお話を全部読んでみて初めて味わえる感動がありました。主人公は中高生がメインなので、その頃に読んでみたかったかも。良い読後感でした。 -
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ネタバレ宇宙がテーマの7話の短編で構成される小説。
それぞれ独立しているのかと思いきや、最終話にて各話の繋がりが回収されていくのはとても気持ちよかった。
以下簡単なあらすじ
・1話
娘(七星)と父(北斗)の物語。
母は宇宙飛行士を目指しアメリカへ。
この家族を中心にこの小説の物語が始まる。
・2話
美星という小学生の少女が主人公の話。
こども天文教室でスバル(仮称)という、将来宇宙飛行士を目指す同い年の子と出会う。
・3話
とある高校が舞台。
文芸部の日野と完全無欠な生徒会副会長がトラブルを解決していくお話。
・4話
オンボロな学生寮が舞台。
お兄ちゃんと金江さんが中心のお話。
・5話
近未来の宇宙船が舞台。
宇宙船が事故に見舞われ、事故から救出されたカイトと主治医ドクターマイアのお話。全篇からガラッと雰囲気が変わる。
・6話
1話で登場した七星が再登場。
中高一貫の女子校が舞台で水煇という友人との物語。
また本篇最終行で七星の母=「寺地舞亜」と名前が判明。
・7話
七星視点。七星の母舞亜が宇宙へ行く事が決まり、その壮行式(親睦会)が舞台。これまでの篇で登場してきた登場人物が再集結。各篇の繋がりが回収されていく。
2話
→美星が登場。スバル=母舞亜だと明かされる。美星の旦那さんは、恐らく美星に怪我を負わせた少年コータ。
3話
→文学部の日野さん登場。副会長=舞亜と明かされる。
4話
→お兄ちゃん=父北斗、金江=母舞亜と明かされる。
5話
→ドクターマイア=母舞亜と明かされる。
また、海斗が見ていたSF映画の原作者が3話に登場した文学部の日野さんとも明かされる。
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加納朋子さんのハートウォーミングストーリーですね。
久しぶりに加納朋子さんを読みたくなって、積ん読本を探って見つけました。
ニートたちの再生をめざす成長物語。
そもそも「俺」が、大学を卒業して就職戦線に溢れて、引きこもりのニートになった。毎日パソコンでゲーム三昧。そんなところに、父親の兄つまり叔父が亡くなって、叔父の所有の南の島のリゾートマンションを相続することになった。「俺」の親たちは、「俺」に管理をして欲しいと説得する。
他にする事が無い「俺」は、見に行くだけでもと出掛けるが、なんと島に置き去りにされて、親たちに連絡しても繋がらない。一緒に来た弁護士からは、親たちから愛想を尽かされ捨てられたと告げられる。
「俺」は、仕方無く島での生活が成り立つように、動き始める。島の住民は十八人、年寄りばかりだ。
考えたのは、リゾートマンションを利用してニートたちを集めよう思った。
こうして、集まったニート、T大卒業のマザコン虚弱体質の引きこもり、仕事に疲れたトラウマ元医者、現役の大学生で女性からふられまくって引きこもりになった筋トレ男。
いずれもパソコンゲームで仲間になる四人と島の住民の温かな交流と事件で成長をしていくドラマ。
自虐あり自信喪失ありネガティブになり勝ちだが、島の住民にほだされて、次第に心を開いていきポジティブに変わっていく人情ドラマにほっこりします。
さすがに加納朋子さんの文章は説得力がありますね。久しぶりに加納節を堪能しました(=゚ω゚=) -
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ネタバレ目次
・トオリヌケ キンシ
・平穏で平凡で、幸運な人生
・空蝉
・フー・アー・ユー?
・座敷童と兎と亀と
・この出口の無い、閉ざされた部屋で
どうして本屋大賞は加納朋子を選ばないんだろう?
私は結構彼女の本に背中を押されて前向きになれることがあるんだけど、いい年をして私が単純すぎるのかなあ。
短編はどれも、それぞれ生きていくにはちょっとしんどい、けれど人には人には伝わりにくい困難を抱えた人が出てくる。
「場面緘黙症」「共感覚」「ネグレクト」「相貌失認」「醜形恐怖症」「半側空間無視」など。
本人が一人で悩んでいるうちは、それはとてもつらい。
でも、傍で支えてくれる、見守ってくれる、一緒に歩いてくれる人がいたら、少しは楽になるかもしれない。
出来すぎな話?
そうかもしれない。
本当の人生は、そんなものじゃない。
でも、ふわふわと生きているわけじゃあないのだ。
しっかりと生きようと思うから、辛いのだ。
『この出口の無い、閉ざされた部屋で』について言えば、作者自身がこの部屋から出てきた人だから。
好きなのは、『平穏で平凡で、幸運な人生』。
確かに主人公が葉山先生と出会えたのは、最強に幸運だったと思う。
逆に読んでいてつらかったのは『空蝉』。
子どもが辛い目に合う話は、読んでいてやっぱり辛い。
結果的に状況は改善したとしても、長いこと辛い思いをしてきた時間はやり直しがきかないのだし。
それでも、一番短い話だけど、本のタイトルを『トオリヌケ キンシ』にしたのは正解だと思う。
”たとえ行き止まりの袋小路に見えたとしても、根気よく探せば、どこかへ抜け道があったりする。”
どうして本屋大賞は加納朋子を選ばないんだろう? -
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ネタバレ目次
・はるひのの、はる
・四つ辻の幽霊
「ささら」シリーズの最終巻。
今更?と思ったけれど、もう出版されて10年以上たったのね。
加納さんの本は人気があるから、予約がいっぱいでなかなか順番が回ってこないのです。
主人公のユウスケは、『ささら、さや』の時にはまだ赤ん坊だった、さやの息子。
小学校に入る前の年から数年おきに、ユウスケは「はるひ」と名乗る少女に出会う。
同じ年頃のはずなのに、妙に大人びた雰囲気を時折見せるその少女は、いつもユウスケに無理難題を押し付ける。
『ささら、さや』は、亡くなったさやの夫が、幼い息子を抱えて生きていかなければならないちょっと世間知らずの妻を心配して、幽霊としてできる範囲で妻を支える話だった。
さやは全く夫の気配を感じないのだが、赤ん坊のユウスケは、父の気配をしっかりと受け止めていた。
そう、ユウスケは幽霊が見える、何なら交流をすることができる少年なのだ。
「はるひ」はもちろん幽霊ではない。
ユウスケの成長と同じペースで成長しているから。
そして高校でユウスケは「はるひ」を見つけた!はずなのだが、彼女は「はるひ」ではないという。
こんなに似ているのに。
そして、少しずつ重なり合いながら、少しずつすれている、「はるひ」との思い出と、高校で知り合った翼や美鳥の過去の出来事。
それらが織りなす結末は、想像がついたけれども。
でも、一番好きなのは、ミヤのエピソード。
ちょっと泣いた。
”死ぬほど好きな人のことだって、知らないことは星の数ほどあるものね。それをひとつひとつ知ることは、まるで星に手が届くみたいで嬉しいよ”