加納朋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『ななつのこ』の続編。きっと続編はないと思っていたので、これはうれしい形で裏切られました。今回、主人公の駒子は前作で瀬尾さんにすすめられたように小説のようなものを書きます。今度はそれを瀬尾さん宛てに送るわけですね。ところが、そのあとに、誰からのものかかわからない奇妙な感想を記した手紙がとどけられるという趣向。物語が終局に近づくまで、その手紙に対しての駒子のコメントがないというのもミステリアスです。すばらしい。
しかしながら、ロジック的には解決されている各々の短編が、心理的には釈然としない部分を残したままで展開していくのは連作ミステリの宿命でしょうか?連作の最後にそれらを総合した謎が呈示されるという趣向はわかるのですが……。「主人公の短大生がこのあとどうしたのかにぼくは興味がある」と前作『ななつのこ』の感想にも書いたのですが、各短編を読んだだけでは、やはりそういう思いが残ってしまいます。いや、もちろん、それらはすべてラストのための伏線なのですが。
いちばん印象深かったのは「クロス・ロード」。十字路ですね。どこに続く十字路なのでしょう?どの道を行けばよいのでしょう?O・ヘンリの掌編のひとつをちょっと思い出しました。 -
Posted by ブクログ
連作小説と思っていたら、作品同士のつながりが全くわかりませんでした。それぞれのお話は、小学生から中高生の主人公の目線で語られて、軽いタッチながら、人の闇の部分も端々に見えて、確かに世の中いろんなことがあるよね、と共感。
最後の話まで読み進めると、えっ、という感じで作品の人物のつながりが見えてきて、ちょっと感動的でした。見事なトリックみたい。前の話を読み返しながら読みました。
それぞれのお話がそれだけでホッとする良いお話ですが、七つのお話を全部読んでみて初めて味わえる感動がありました。主人公は中高生がメインなので、その頃に読んでみたかったかも。良い読後感でした。 -
Posted by ブクログ
加納朋子さんのハートウォーミングストーリーですね。
久しぶりに加納朋子さんを読みたくなって、積ん読本を探って見つけました。
ニートたちの再生をめざす成長物語。
そもそも「俺」が、大学を卒業して就職戦線に溢れて、引きこもりのニートになった。毎日パソコンでゲーム三昧。そんなところに、父親の兄つまり叔父が亡くなって、叔父の所有の南の島のリゾートマンションを相続することになった。「俺」の親たちは、「俺」に管理をして欲しいと説得する。
他にする事が無い「俺」は、見に行くだけでもと出掛けるが、なんと島に置き去りにされて、親たちに連絡しても繋がらない。一緒に来た弁護士からは、親たちから愛想を尽かされ捨てられたと告げられる。
「俺」は、仕方無く島での生活が成り立つように、動き始める。島の住民は十八人、年寄りばかりだ。
考えたのは、リゾートマンションを利用してニートたちを集めよう思った。
こうして、集まったニート、T大卒業のマザコン虚弱体質の引きこもり、仕事に疲れたトラウマ元医者、現役の大学生で女性からふられまくって引きこもりになった筋トレ男。
いずれもパソコンゲームで仲間になる四人と島の住民の温かな交流と事件で成長をしていくドラマ。
自虐あり自信喪失ありネガティブになり勝ちだが、島の住民にほだされて、次第に心を開いていきポジティブに変わっていく人情ドラマにほっこりします。
さすがに加納朋子さんの文章は説得力がありますね。久しぶりに加納節を堪能しました(=゚ω゚=)