加納朋子のレビュー一覧
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ネタバレ目次
・トオリヌケ キンシ
・平穏で平凡で、幸運な人生
・空蝉
・フー・アー・ユー?
・座敷童と兎と亀と
・この出口の無い、閉ざされた部屋で
どうして本屋大賞は加納朋子を選ばないんだろう?
私は結構彼女の本に背中を押されて前向きになれることがあるんだけど、いい年をして私が単純すぎるのかなあ。
短編はどれも、それぞれ生きていくにはちょっとしんどい、けれど人には人には伝わりにくい困難を抱えた人が出てくる。
「場面緘黙症」「共感覚」「ネグレクト」「相貌失認」「醜形恐怖症」「半側空間無視」など。
本人が一人で悩んでいるうちは、それはとてもつらい。
でも、傍で支えてくれる、見守ってくれる、一緒に歩 -
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ネタバレ目次
・はるひのの、はる
・四つ辻の幽霊
「ささら」シリーズの最終巻。
今更?と思ったけれど、もう出版されて10年以上たったのね。
加納さんの本は人気があるから、予約がいっぱいでなかなか順番が回ってこないのです。
主人公のユウスケは、『ささら、さや』の時にはまだ赤ん坊だった、さやの息子。
小学校に入る前の年から数年おきに、ユウスケは「はるひ」と名乗る少女に出会う。
同じ年頃のはずなのに、妙に大人びた雰囲気を時折見せるその少女は、いつもユウスケに無理難題を押し付ける。
『ささら、さや』は、亡くなったさやの夫が、幼い息子を抱えて生きていかなければならないちょっと世間知らずの妻を心配して、幽霊 -
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加納朋子が自らの急性骨髄性白血病の治療の経緯を綴った日記、エッセイ。
語り口にユーモアがあり、重苦しくならず、どのような治療をし、どのように過ごしてきたのかが、分かる。言葉から伝わる以上に辛かったのだろうと思うけれども、また、加納さんが治療に成功したことも分かっていることもあり、そのつらさを感じずに読むことができた。
がんの治療にどのようなことがあり、治療中にどうなるのか、についての知識をえるという点でも役にたちそう。
実弟が骨髄の提供をされているが、弟さんからの視点での記録もあり、こちらも感情はそこまで出ていないものの、姉に対して何ができるのかを考えており、心打たれる。 -
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「カーテンコール!」がとてもとても面白かったので、その方の体験手記ということで興味がわいてこの本にたどり着きました。
大きい病気も入院も経験したことのない私が感想を書くなんておこがましい気もしますが…。
どこか他人事目線でしたが、五体満足で歩ける、食べれる、美味しいものは美味しいと思う、、、そんな私の当たり前。
今日の私の当たり前は、明日明後日の当たり前じゃないんだなと改めて思いました。
何か大きな病気をしたとき、家族がなったとき、きっとこの本のことを思い出して、この本が治療を頑張る支えになると思います。
そんな本でした。
ありがとうございました。 -
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ネタバレなおなおさんからのご紹介本。
正直裏表紙の作品紹介を読んだ限りではあまりピンとこなかった。爽やかYA系作品のようで悪い話ではなさそうだが。。
ちらりと北上二郎さんのあとがきを先読み。
「驚くぞ、これは驚くぞ」の書き出しを読み、ぱたと閉じる。
ほほぅ、そういう感じかと俄然興味が湧き購入。
幼なじみの徹子と護の成長譚。
前後半の2部構成からなり、前半は「フラット」、後半は「レリーフ」。
「フラット」は護視点の物語。
地味で目立たない存在でありながらも、誰に対してもフラットに接する幼なじみの徹子。
ときに奇妙な立ち振る舞いをするところや、その人間性から他人からいいように使われてしまう徹子に、幼 -
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ネタバレ再読。
日常の謎と「ななつのこ」の謎、最終的に帰着する結末と見事で気持ちの良い作品、と思っていたが読み返すとそうそう爽やかなだけのものではなかった。それを差し引いても面白い一冊です。6話目の心理描写の細やかさが好き
再読して気になったところ
1話目の犬の扱いが酷くて引いた。作中内の登場人物は誰も犬の事故死を悼まないうえに生ゴミの日に捨てられる。そしてひき逃げ犯は口を拭って飼い主の伝手で就職するのであろう…黒いなー。
3話目の秘密の花園は絵的にとてもきれいだけど、孫を巻き込むな…と思ったり。いやさ、この優しい世界にはそんな人は存在しないんだろうけど、もし金網の向こうの誰かに見咎められて -
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閉校が決定した私立萌木女学園。様々な理由で単位が足らず卒業できなかった学生たちを救済すべく、理事長の発案で半年間の特別補講が行われることとなった。
それは、敷地内の宿泊施設で寮生活を送りながら補講授業を受けるというもの。
特別補講を受ける学生たちが寮での生活や他の学生・理事長たちと交流をするなかで、それぞれの問題や事情が明らかになったり、成長をしていく連作短編集。
様々な事情を抱えて卒業できなかった学生が集まり一緒に生活するという状況により、ある種の仲間との交流で影響し合っていくのが良かった。
心の面の問題とするだけでなく、生活習慣を整えるこもの大切さについても丁寧に描かれていように感じる。